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2011年■残滓■M60

作品2011年05

キャンバスに油絵の具

これも顕微鏡の世界である。ただし自家製プレパラートであるので、MWSのプレパラートのように珪藻が美しく群衆しているようにはいかない。ゴミだらけである。

絵は解説はいらない。素直に見てもらってどう感じてもらえるかである。とも思うが、見慣れぬ形で、つい説明してしまうのはいけないことだ。
展覧会に出したら説明はなしにして、なにに見えるか聞いてみることにしよう。


若い頃は写生をしてもリアルに描こうとするのだが癖のあるものになった。選ぶ場所も変なところだった。よくよく考えると絵は自分で気付いていない自分を現す。それで、絵を描くのは自分探しの旅みたようなものと考えるようになった。

この絵もそういうものだろうと思って眺めるのだが、得体がしれない。ふわふわした頼りない廃墟のような世界をさ迷っているのだろう。


手を入れて第11回隗展に2012-01とペアで出品

動きが出てくれるかと期待したが甘くはなかった。まだまだ、この世界が染みこんでいないのを感じる。しかし、地の平面はしっかりしてきたようだ。海のようにも見える。空から真下をみた未知の海のある風景のようにも思えた。