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2016年■在(MWS珪藻プレパラートARK-01より)■P50

作品2016年02

キャンバスに油絵の具

頭をひねくり返して考え出したものではなく、単純に並んでいる珪藻の部分を描いてるシンプルな構成、神経を使ったのは、切り取る範囲と傾きである。
描く手を休めて離れて眺めていると不思議な絵だなぁと感ずる。自分の絵を不思議な感じがするなどというのはおかしいかも知れないが、淡々と描いていて意図して不思議さをだそうとしているのではないので意外な感じがするわけだ。
ミクロサイズまで体を小さくして珪藻の世界に入って絵を描くとしたらこの絵のようにはならない。ガラス質の透明なものだし、胞紋は綺麗な開口を開けている。想像をたくましくしてリアルなガラス細工にすると美しい絵になるだろう。
しかし、この絵はあくまで顕微鏡下のものだ。その証拠は、左の珪藻の胞紋は上端が黒丸でその他は白丸になっていることだ。これは、上端が膨らんでいる珪藻なのだろう。上端にピントを合わせると他はピンぼけになる。ピントのあったところの開口は暗色になり、ピンぼけの開口は明色になる顕微鏡像の特色なのだ。