2006/01/01〜06/20 までの記事はこちら「新着情報 2006上半期」へ

 2006/07/27〜12/31 までの記事はこちら「新着情報 2006下半期」へ
.
2006/06/21 .   ※フェリーで新潟港 発 フェリー泊
2006/06/22 .   ※      小樽港 着 → 稚内へ移動 道の駅「さるふつ公園」 車中泊
2006/06/23 . 百花繚乱!まさに花の浮き島 礼文島 散策 利尻北麓野営場 幕営
2006/06/24 . 海抜0Mから1700Mへと登る! 利尻岳 登山 道の駅「さるふつ公園」 車中泊
2006/06/25 . 沢・岩・雪渓そして絶景!秀逸な独立峰 斜里岳 登山 道の駅「おんねゆ温泉」 車中泊
2006/06/26 .   ※旭山動物園 事前視察? 後方羊蹄山 真狩登山口 車中泊
2006/06/27 . 雨とガスの中、お鉢巡り 後方羊蹄山 登山 + その前日のお話 道の駅「だて歴史の杜」 車中泊
2006/06/28 .   ※豪雨のため、休息&洗濯日 二風谷ファミリーランド バンガロー泊
2006/06/29 . 登山道を彩る種々の可憐な固有種 アポイ岳 登山 十勝ダムのテニスコートに 幕営
2006/06/30 . 神様の巨大な庭園のような荘厳な趣 トムラウシ 登山 道の駅「樹海ロード日高」 車中泊
2006/07/01〜07/02 . 沢靴を履いて猛烈な激流を登る! 幌尻岳 登山 + その後のお話 東横イン 旭川店
2006/07/03 .   ※旭山動物園&旭川ラーメン村で観光 → 苫小牧港 発 フェリー泊
2006/07/04 .   ※秋田港 着 → 福島へ帰る .
2006/6/23   百花繚乱!花の浮き島 礼文島 散策    ▼−(北海道)
 6月22日 2年ぶりの北海道!早朝5時に小樽でフェリーを降り利尻岳に登るべく北へ北へと車を走らせる。サロベツ原野を抜け正午には稚内に着いたが、北海道全体に低気圧が停滞していて雨模様なので礼文島入りは明日にずらし宗谷岬を観光してくる。
 翌23日、W杯の日本×ブラジル戦を聞きながらフェリー乗り場に向かい、6時発の朝一の礼文島行きのフェリーに乗り込む。フェリーの中は団体客で溢れ座れない程の超満員!2時間ちょっとで礼文島に着いたが、やはりガスっていて視界はない。

 本当は8時間コースを一気に歩く予定だったが、雨で1日ずれたために時間が無く、2時間弱で歩けて礼文島の中で一番花が多いと書いてあった「桃岩展望台コース」を歩くことにする。
 まずは路線バスで移動し北へ向かって歩くが深いガスのため展望はないのが残念。それでも登山道沿いには色とりどりの花が咲いていて飽きることは無い。ゆっくり花を見て回りたいが想像以上に寒く自然と足早になってしまう。途中の桃岩展望台には団体客が大勢いたが、当然「桃岩」が見えるわけも無く、団体客のため息に少し寂しい気持ちを覚えながらフェリー港まで歩いていく。
 
 午後の便でフェリーに乗って利尻島に向かい。午後3時過ぎには今日の寝床「利尻北麓野営場」へ到着。今夜はテント泊。
 <参考〉 (P) (WC)桃岩展望台登山口にあり (水場)途中無し。
(Time)知床→40分→元地灯台→50分→桃岩展望台→30分→香深港
良い意味でも悪い意味でも礼文島には花しかありません。花に興味が無い人にはつまらない島かもしれませんね。また、礼文には個人客はほとんどいませんでした。死ぬ前にはもう一度ツアーで来ようと思います。

チシマフウロ
レブンキンバイ
2006年6月21日〜7月4日 花を満喫! 北海道2000Kmの旅
2006/6/24   海抜0Mから1700M峰へ 利尻岳 登山    ▼鴛泊登山口(北海道)
 利尻岳は海抜0Mから登ると決めていたので、利尻島に着きフェリーを降りるとまず海に手をつけてから歩きはじめる。がっ!!イケメンの悲しい性か?歩き始めてすぐ民宿のお姉さんに声をかけられ、野営場(3合目)までは車に乗せてもらいました・・・
 野営場に着いてからはカラスに夕食を食べられた上にガスバーナーも壊れて火が使えなくなるという惨事に見舞われたが、そこはイケメン!下山してきたおばちゃんに甘え、余ったおにぎりやチョコレートを恵んでもらい、キャンプしていたライダーにガスバーナーを借りて何とか窮地をしのぎ、翌朝4時過ぎには登りはじめる。

 名水「甘露泉」で喉を潤し水筒を満たし、ここから8合目にあたる「長官山」までは展望もあまり無く、山頂の三角錘を見上げながら、ひたすら続くキツイ登りを一気に駆け上がる。利尻山避難小屋周辺は緩やかな尾根歩きで高山植物も多く咲いていて快適だったが、9合目からはゴツゴツした岩場と歩くと足元が崩れていくガレ場が続き結構大変。
 午前8時前には山頂に着き出勤前のERちゃんに電話報告。山頂からは円錐に広がる緑の山すその先に深い藍色の海が360度に広がっていて、東に稚内、北にはサハリンが見通せて昨日はガスで何も見えなかった礼文島も浮かんで見えるのが印象的だ。
 静かでたおやかな空気が流れ、いつまでも留まっていたいがフェリーの時間があるので30分程で下山。眼下に鴛泊の港やオホーツクの輝く海を見ながら下っていくので、これまた楽しい。

 お昼前にはテントを撤収し、途中利尻富士温泉に寄り(帰りは港まで歩いて)フェリーに乗り、夕方には稚内に戻ってくる。
 <参考〉 (P) (WC)野営場・その他6合目・避難小屋などにトイレ用ブースあり (水場)野営場から10分登ったところに名水「甘露泉」
(Time) 上り: 野営場→35分→4合目→90分→長官山→40分→9合目→50分→山頂
(Time) 下り: 野営場←25分←4合目←75分←長官山←40分←9合目←40分←山頂
 山頂から360度に広がる海を見下ろした時「一人でここまで来た自分自身」に酔い感動してしまいました。20人以上の団体ツアー登山が多かったです。花も多く咲いていてとても満足しました。ここも次に来る時はツアーかな?

利尻岳山頂 大山神社
綺麗な三角錐をした山の形
2006/6/25   沢・岩・雪渓・・・そして絶景! 斜里岳 登山    ▼清里登山口(北海道)
 今日はオホーツク方面の天気が良いということで稚内を朝の3時半に出発し斜里岳に向かう。斜里岳は2年前にも来たが雨で沢が増水し危険という事で諦めた経緯があるので、11時まで登山口に着かなければ清岳荘に泊まって(翌日に)でも登ることに決めていたが、何とか10時過ぎには到着し即登りはじめる。2年前にはプレハブだった清岳荘がゴージャスになっていたのには驚いた。

 偶然にも今日は山開きだったが登山者はさほどでもなく、残雪が多く残る新道は避け、遠回りだが新道ピストンにする。序盤は徒渉の連続。雪解けで水量が多く思った以上にハードで「豪雨の日に渡るのは厳しい」と痛感した。分岐から熊見峠までの急坂と山頂直下最後の難関「馬の背大雪渓」はかなり堪えたがスタート時間が遅かったので駆けるように山頂に到着。
 
 山頂からは独立峰ならではの360度の展望が広がっていて、どこまでも広がるオホーツクの海の手前で斜里平野の雄大な畑に真っ直ぐ道路が交差していているのはパッチワークのようでとても美しく、薄い雲の切れ間から羅臼岳や阿寒岳が見えるのもたまらなく良い。寝転がってサングラス越しに太陽の輝きを見ていると「山は晴れの日が一番楽しい」と感じずにはいららなかった。

 下りも同じ道を足早に戻り、美幌〜北見と車を走らせ温根湯温泉そばで泊まることにする。さすがに疲れたので明日は移動&休息日、今夜はちょぴり多目にお酒を飲もう・・・と気付いたら深酒をしていた。
 <参考〉 (P)清岳荘前に40台くらい・無料 (WC)清岳荘(有料制) (水場)清岳荘には飲み水無し。注!
(Time) 上り: 駐車場→50分→下二股→40分→熊見峠→30分→上二股→45分→山頂
(Time) 下り: 駐車場←40分←下二股←40分←熊見峠←30分←上二股←35分←山頂   
利尻に登った翌日に7時間運転して斜里岳に登るのはさすがにきつかったです。斜里の徒渉は飛び石で沢を何度か横切る程度ですが水量が多いときはかなり危険だと思います。雪渓も急なので軽アイゼンがあると安心です。

好天の斜里岳山頂
オホーツクと斜里平野
中腹から見た山頂(左)
2006/6/26   雨とガスの中お鉢巡り 後方羊蹄山 登山 + その前日のお話    ▼真狩登山口(北海道)
 斜里岳の翌日(26日)は移動&休息日と考えていて5時過ぎまで寝ていたが、あまりの天気の良さに予定を変更して「富良野岳」に登ることにして層雲峡〜旭川と車を走らせていたら、途中、私の古い地図には載っていない無料の高速道路があり、入ってみたもののどこで下りたらよいかが分からずI.Cを下りた時にはここまで完璧に作動していた「勘ナビゲーション」が狂ってしまい完全に道に迷ってしまう
 旭川周辺には違いないので南に向かって走っていたら何故か大量の大型バスが走っていて、仕方がないのでその流れに乗って走っていたら何と「旭山動物園」に到着。動物園は7月3日にERちゃんと来る予定なのだが大型バスの流れには逆らえるわけもなく警備員に誘導されるがままに駐車場へ入り、訳の分からぬまま動物園に入園する。

 朝の9時半だというのに動物園はツアーで来た団体客や家族連れであふれていて、彼らには30過ぎのオッサンが一人で「わーぉ!キリンだぁ!!」と写真を撮っている姿が奇異に映るらしく小さい子供の視線が痛く感じられ「変質者」として当局に通報されても困るので1時間半位見て動物園を出る。
 もはや時間的に富良野岳に行くのは無理なので明日に備えるべく、寄り道せず早めに羊蹄山の麓へと向かうことにする。
天気予報では南部は崩れると報じているが深川〜札幌と青空が顔を見せていて「これなら大丈夫」と思いながら羊蹄山の麓の中山峠を越えたら衝撃的にも視界0・・・完全にガスの中で明日の登山にも暗雲がたちこめる。
. .
2006/6/27  朝4時に起きて空を見上げていたら、奇跡的にも雲の切れ間からうっすら陽射しが漏れている。ただ雲自体はあつくかかっていて微妙な天気であることは間違いなかった。さらに低気圧が来ていて午後から崩れるのは分かっていたが11時には下りてこれるし無理なら早めに切り上げ下山すると決め一人登ることにする。
 
 天気が心配なので4合目〜6合目と休息もとらず、ひたすら登り続ける。途中7合目を過ぎたあたりで前日羊蹄小屋に泊まった登山者とすれ違い彼らのずぶ濡れの姿に戦慄を覚える。案の定、8合目を過ぎた辺りで雨が降り出し9合目からお鉢〜山頂にかけては深いガスがかかり視界が皆無、その上風が強く横殴りの雨が急激に体温を奪う。
 視界が悪いので7合目あたりからコンパスを頼りに歩くことに、9合目からは道も入り組みコンパス無しでは一歩も動けない。あとは滑落に注意しながらお鉢を巡り何とか山頂到着。当然登っている人は誰もなく、手はかじかみ感覚が無くなり、体もフリース・ジャージと着込んでもなお震えが止まらず、疲労凍死の恐怖が横切り写真も撮らず一歩も休まず山頂標識にタッチして速攻下山。

 本当は真っ直ぐ下山したかったが、ここまで来た証拠写真が欲しいと考え山頂直下の羊蹄小屋へ寄り道して、少し休んで体温を回復させ山小屋の人に写真を撮ってもらう。豪雨の中半べそをかきながら下っていると、下から傘をさして「寒いよ〜」と本気で泣きながら登ってくるカップルがいてビックリしたが、彼らは山頂まで行ったのだろうか?
 <参考〉 (P)大駐車場・無料 (WC)駐車場と野営場にあり・避難小屋は確認せず (水場)野営場・登山口から車で5分名水「羊蹄山の水」
(Time)記入したメモ用紙が雨でグチャグチャになってしまい詳細不明。山頂まで4時間半 下山は3時間30分位かかりました。
 一番しんどかった9合目あたりで、北海道の天気を心配したERちゃんからTelがかかってきたのが心強かったです。帰りに真狩温泉に入りながら「山は雨の日は登るべきではない」という基本的なことを改めて感じていました。
ガスの中の羊蹄小屋前
旭山動物園のキリン
恐怖! お鉢の上の旧避難小屋跡
2006/6/29   登山道を彩る種々の固有種 アポイ岳 登山    ▼冬島登山口(北海道)
 これまで一週間一人寂しく北海道を周っていたが、前日(28日)の14時、ついに新千歳空港にERちゃん登場!その日は真っ直ぐキャンプ場に向かいバンガローに泊まる。ずっとテントと車中泊だったので足を伸ばしてゆっくり寝れる。

 朝起きてみると絶好のお天気。天気予報も快晴を告げている。が、日高のサラブレッドロードと呼ばれる海岸沿いを南に走りアポイ岳に近づくにつれガスがかかってきて空模様はかなり怪しい。それでも「今日は花を見る山登りだから・・」と自分に言い聞かせ登山開始。登山道沿いに地元の小学生の「盗掘しないでね川柳」が点々と立っているのが物悲しいが、休憩所を過ぎたあたりから山頂までたくさんの花が咲いていて噂に違わぬ花の名山であることを感じさせる。
 
 特に風が強いわけでもないが、山頂はかなり寒い。綿100%のTシャツが肌に触れるたび悪寒が走り結構辛い。しかしERちゃんは絶好調!ガスがかかっていて背景が見えるわけでもないのに、あっちをバックにこっちをバックに・・・あのポーズこのポーズと写真を撮るよう要求してくる。「もう許して下さい」と訴えようやく下山開始。
 下山途中、休憩所の外で食事をしている時にガスがスーっと晴れてきて振り返ると山頂がキレイに見えていた。

 下山後、帯広の「ばんちょう」という豚丼屋さんに寄って豚丼を食べ、トムラウシ近くの十勝ダムのキャンプ場にテントを張って寝ることにする。アポイでは体調が悪かったのか?無理がたたったのか?下山途中太ももの表側が痛くなってしまった。明日のトムラウシに向けバンテリンを死ぬほど塗って眠りに就いた。
 <参考〉 (P)30台くらい・無料 (WC)駐車場 (水場)途中無し
(Time)P→60分→5合目(休憩所)→50分→幌満分岐→25分→山頂→20分→幌満分岐→30分→5合目→15分→P 
所詮アポイ・・・と綿100%Tシャツを着て登ったため汗で痛い目にあいました。やはり「化繊」低山でも基本が大事と感じました。百名山でないので静かで良かったです。今年から幌満お花畑から先は通行禁止となっていました。


「アポイ獲ったど〜」 のポーズ
レブンシオガマ
シコタンソウ
特産種 アポイアズマギク
下山後振り返って見た アポイ岳
2006/6/30   神様の巨大な庭園のような趣 トムラウシ 登山    ▼短縮コース登山口(北海道)
 昨晩あれだけバンテリンを塗ったのに太ももの痛みで目が覚める。トムラウシの行程を考えると遅くとも4時過ぎには登りたいが、十勝ダムキャンプ場から登山口までが思った以上の長い悪路で時間がかかり、準備が整ったの時には5時半を回っていた。とにかく大腿部が痛い。今まで感じたことのない激しい痛みだ。抜けるような青空を見上げると残念だが長丁場なので帰りのことも考え、ERちゃんに「痛いのが我慢できない時は前トム平で待っているので一人で山頂に行って欲しい」と告げ登りはじめる。

 初めは展望のない鬱蒼とした樹林帯、さらには歩きにくい笹薮の刈払い道と楽しみの少ない行程が続く。この間標高はほとんど上がらない。ダラダラと2時間ほど歩いていると急な下り坂。コマドリ沢まで今まで登ってきた分を一気に下る。ここから1時間近く続く急斜面の大雪渓を登りきり巨石群を抜けると前トム平に着く。前トム平まで来ると360度展望が広がり東に石狩岳・西に十勝岳に挟まれながら上っていくのは実に爽快。周辺を見渡すと巨大な岩々の間の池塘に雪解け水が小川となって流れ込み健気に色んな種類の花々が咲いている・・・今まで登ったどの山でも体験したことのない静かで雄大な景色が広がっている。どうやらこの辺りが「トムラウシ公園」というらしい。

 壮大な世界を南沼まで進み、最後に急な岩場を登りきれば待ちに待ったトムラウシ山頂が待っていた。ここまで歩くこと5時間!登りはじめの時あれだけ痛かった大腿部もバンテリンが効いたのか?この景色が痛みを忘れさせてくれたのか?何とか山頂まで耐えてくれた。狭い山頂だが、どこまでも広がる大雪の山々はとっても見事!眼下に見える北沼・南沼も異次元空間のように歪んで輝いて見える。本当は早く下りたいのだが、戻るのが名残惜しい。1時間近く粘った末に長い長い復路を戻る。

 トムラウシから下りてくるのが遅すぎで十勝清水の市街地に着いた時にはすっかり日が暮れていてスタンドもスーパーも閉まっていて、田舎のためファミレスも存在しないので夕食にも不便する。
 申し訳ありませんがトムラウシは良すぎます。凄過ぎます。最高です。初登場第一位といった勢いで良かったです。絶対また来たい!縦走がしたい!前トム平でナキウサギがキーキー鳴いているが実物は見れなかったので双眼鏡も持って来よう。
 <参考〉 (P)短縮登山路P・大きい・無料 (WC)南沼にブース有り (水場)南沼(要煮沸)・雪解け水
(Time) 上り: P→60分→カムイ天上→70分→コマドリ沢→55分→前トム平→75分→南沼→35分→山頂
(Time) 下り: P←30分←カムイ天上←75分←コマドリ沢←40分←前トム平←65分←南沼←20分←山頂   
くどいようだがトムラウシは本当に素晴らしい。利尻の展望・斜里の沢・幌尻のカールと比べてもやはり一番良かった。この良さは言葉では現せないレベルなので一度は行った方がいい!と自信を持ってお勧めできます。

前トム平からみた巨岩群

2006/7/1
  〜7/2
  沢靴を履いて猛烈な激流を登る 幌尻岳 登山    ▼平取登山口(北海道)
(1日目) 幌尻岳は雨が降ると帰って来れなくなるので何とか今日中に山頂まで行きたいと思い、意気込んで出発するが初めの林道歩きが思った以上に長くイライラしてくる。2時間歩いて取水施設に到着し、しばらく進んでここからメインイベントの渡渉開始。
 Masは沢靴・ERちゃんは地下足袋&わらじという沢セットに履き替え進みたいのだが、水量多い上に流れが強く、どこを行っていいか分からず沢の中へ初めの一歩踏み出すまではかなり勇気がいる。さらには目印が少ないので自分達で流れの弱いところを探りながら進んでいかなくてはならず神経を使う。丁度、山慣れした単独行のおじさんがいたので後をついて行く。このおじさんは熊スプレー・花火を持っていて熊対策もバッチリ!しかも先に進むべきルートを探ってくれるのでとても心強い。

 おじさんのおかげでかなり楽に進むことが出来、途中でルート探索に疲れ切ったおじさんを見捨てて二人で山荘を目指す。徒渉開始から2時間を過ぎたところで幌尻山荘到着。山荘で沢靴から登山靴に履き替え山頂を目指すがERちゃんの体調がすぐれないということで山頂へ30分程登ったところで引き返す。
 山荘ではお昼寝して暖炉で体を温める。夕食はご飯を炊き、BIGFOOT(登山用具専門店)のおじさんに貰った絶品のフリーズドライシチュー麻婆春雨をおかずに食べ、沢で冷やしたビールがとても美味しく山泊まりの醍醐味を久々に満喫。

幌尻岳の徒渉→沢登りではないので川の中をジャバジャバ歩いていくのではなく、対岸から対岸へと川を20回位横切り渡って登っていきます。水の勢いは膝上は当たり前で深いところは腰まで水につかるのでパンツもぐっちょりしてしまう。
.
(2日目) 翌朝3時くらいになると周りがゴソゴソし始め目が覚める。昨夜は8時過ぎに到着したグループが小屋番に説教されていて寝不足だが、天気は気持ちの良い位の快晴!今日は山頂往復して下山するので4時半に山荘出発。

 稜線に出るまでは急坂が続くが眼下に見える北カールの力強さと、登山道沿い一面に咲き乱れる高山植物(北海道で一番多かったです)が対照的で歩いていてとても楽しい。稜線に出てゴツゴツした岩場を抜け山頂到達一番乗り!!誰もいない山頂は静寂としていて風の音だけが優しく辺りを包んでいる。雲一つない青空の下、遥か先に七ッ沼カールへ続く稜線を見つめていると、このまま山の一部になって留まっていたいくらいである。

 とは言え、まだまだ道程は長いので1時間弱休憩の後下山開始し11時には渡渉を始める。が、Masの沢靴が壊れてしまい紐で縛って下りてくるという災難に見舞われ時間を大幅にロスし、長い林道が疲れ切った体に追い討ちをかけ車に戻った時には言葉を発せない位疲労困憊していました。
 <参考〉 (P)50台くらい可能・無料(下山時は満車でした) (WC)山荘内 (水場)山荘内にあり・命ノ水は雪渓の下で使用不可
(1日目) P→120分→取水施設→30分→徒渉開始点→130分→山荘(泊)
(2日目) 山荘→75分→命ノ水→105分→山頂→75分→命ノ水→55分→山荘→115分→取水施設→95分→P
徒渉は噂以上に強烈です。雪解けの速い流れの中、腰まで川の中に入って横切るのは神経をつかいます。徒渉出来ず引き返す人も多くいました。2時間以上の長い林道歩きも腹立たしいです。ここは折りたたみ自転車があると楽になりますよ。
2006/7/2    北海道 その後のお話
 15時過ぎにヘトヘトになって幌尻登山口に戻ってくる。この日の宿は例のごとく東横IN(旭川)、明るいうちには着きたいが不覚にも道を間違えて大幅にタイムロス、急いでいたら富良野でスピード違反で捕まってしまう!。これまで「帯広のばんちょう」以外は外食もせず摂生した食生活を送っていたが、今夜は旭川の「天金」という居酒屋で海の幸を中心に地元の料理を楽しみERちゃんとビールを飲んでやっと都会人に戻った気がした。遠い地で犯罪者になってしまったMasはその夜涙で枕をぬらすのであった。

 最終日は観光日、5日前に偵察していた旭山動物園に行く「9時半の前に行かないと車は停められない」とお土産を買ったりと1時くらいまでくつろいでいたので急いで旭川ラーメン村に行って、これまた「天金」でラーメンタイム。すごい行列で時間をくってしまい、お土産を買う時間がなくなり高速に乗り千歳のミニデパートでまとめて買い、出航1時間前にフェリー乗り場の苫小牧に到着。旅の終わりは何でこんなに寂しいのだろう?遠くに北海道の夜景を見ながらERちゃんとフェリーの中でビールを飲み、これまでの旅の思い出を振り返る。出てくる会話の中身は楽しかったことばかり(注:捕まったことは除く)私はこういう時間が一番幸せです。
 
 最後に、今回登りたかったけど都合で登れなくなった山「富良野岳」「夕張岳」や2年前は雨で諦め今回は幌尻岳が雨で登れなかった時の代替として予定していたが晴れたので登れなかった「白雲岳」、そして今回新たに欲望が沸いてきた「トムラウシ縦走」・・・次の北海道はいつになるか分からないけど登りたい山がある限りまた行きます!
 <参考〉 旭山動物園→混んでて腹立つが噂以上に刺激的。こりゃ一見の価値アリです(混んでますが)。    旭川ラーメン→喜多方ラーメンのほうが安くて美味しいですね(地元の贔屓目かもしれませんが)    北海道の山→やっぱりトムラウシが一番良かった。あの雄大さは忘れられません。    帯広の豚丼→まぁ肉なので美味しいです。高いけど観光客目当てだから仕方ない? 

大岩が転がるトムラ山頂
まさに神々の庭園の趣
腰までの激流!恐怖の徒渉
晴天の幌尻山頂
北カールと幌尻の稜線
.
新着情報INDEXへ
トップページへ戻る