敵はメタルグレイモン!

 脚本:前川淳 演出:川田武範 作画監督:清山滋崇
★あらすじ
 アグモンがカイザーに囚われた……
 この一大事にあたり、さっそく選ばれし子供たちの捜索が開始されるのですが太一は苛立ちを隠せません。
 京は一変した冒険のムードに大きな戸惑いをおぼえ、現実世界にとどまることになりました。

 さて、別行動のテントモンが伝えた情報をたよりにロコモタウンまでやってきた一同。手分けして探そうというところで、
 当のアグモンが現れました。ワームモンがいかなる意図からか、リングをはずして逃がしていたのです。
 ケガをしているアグモンのためにもいったん退却しようとする一行の前に、カイザーが立ちはだかりました。

 大乱戦がはじまる中、カイザーが取り出したのは新たな闇の枷・イービルスパイラル。
 嵌められたアグモンが再度敵の支配下に落ち、なんということか、暗黒進化でメタルグレイモンへと姿を変えます。
 完全にカイザーの制御下へ入ったメタルグレイモンには、もはや太一の声も届きません。
 子供たちはなんとか動きを止めようとしますが、攻撃を躊躇しているうちに圧倒的パワーでなぎ倒されてしまいました。
 
 勝ち誇るデジモンカイザーは、メタルグレイモンと共に飛び去っていきます。途方にくれる大輔たち。
 そこへ迷いを吹っ切った京に連れられて、ヤマトが現れます。
 彼の鉄拳で頭を冷やした太一はパートナーを取り戻すため、手加減抜きで戦うよう皆に頼むのでした。

 かくして、ふたたびメタルグレイモン追跡がはじまります。
 パートナー、そして親友との絆……大輔はそのあり方に、不思議なものを感じていました。
 

 
★全体印象
 10話です。タイトルコールは藤田淑子さん(太一)。
 先代キャラがコールするというのはめずらしいパターンだと思うのですが、これほどの適役もいますまい。
 影絵はメタルグレイモン(ウィルス)の上に乗ったカイザー。設定画の組み合わせでしょうか。

 前回から11話はひとつの事件を追うという意味において、初の連続ストーリーといえる内容です。
 デジモンカイザーの本格的侵攻からはじまり、イービルスパイラルの登場、スカルグレイモン&メタルグレイモンという
 2大完全体の脅威、新たなアーマー体の登場、そして先代の子供たちの活躍もふんだんに見られる贅沢な内容ですから
 間違いなく第1クール最大の山場でしょう。

 そんな流れのなかでもとりわけ私の印象に残っているのがこの10話なのですが、ひさしぶりに見てみたかぎりでは
 伊織のアレとか最後のアレとか現役蚊帳の外とかいろいろ言われてるけど、言われてるなりに
 やっぱり相当面白いと受け取れました。半分は太一=藤田さんの存在感のおかげでしょうけれど。

 ただいかんせん、このあたりのお話はホンで盛り上げようとしてるわりに追っついてないところが見受けられます。
 この10話では演出が、続く11話では作画がイマイチだったというのも大きな原因として考えられるのですが
 (大事な回できっちり一線スタッフを回していたセイバーズを思い出してください)、
 いちばんの原因はやはり太一にヤマトだと言わざるを得ません。

 昔から言われている法則というか前例として「グレートマジンガー」があります。
 前作の主役として活躍し、人気の高かった兜甲児が第一線に復帰したとたん、本来の主役である剣鉄也を霞ますほどの
 圧倒的な存在感を発揮、完全にお株を奪ってしまったことがありました。
 もっと最近でもっと極端な例をあげるなら「ガンダムSEED Destiny」を思い出していただければよいでしょう。

 前作の主役というのは、それほどまでに存在感があるものなんです。しかも作品の評価に比例します。
 だから本来、主役どうしがうかつに行動するべきではないんでしょう。食いあうどころか、まだ確立していない初期では
 現役組のほうが食われるに決まっています。彼らの描写がちゃんとされていたとしてさえ。

 この前後編あたりからでしょうか、02への批判的意見がさらに増えてきたのは。
 口さがない向きは01組の描写を馴れ合いやら一定層への迎合やらと酷評していた記憶があります。
 私でさえ疑問を持ってたのですから、他の方々とあってはいかばかりか。

 が、それでも前作や別メディアの主役が出てくるというのは困ったことに、嬉しいものなのです。
 「陰陽大戦記」のヤクモあたりは普段裏方に徹し、本来の主役と食い合わないところで派手な見せ場をもらっていたので
 要はなにごともバランスなのでしょう。

 脚本は前川氏。よく見れば大輔・京・伊織とも、目立たせてないわけではありません。
 ただ、太一とヤマトの前ではそれすらも霞んでしまうというだけのことで。
 
 
 
★各キャラ&みどころ
 
・大輔
 ピリピリしてる先輩を前にもう完全に及び腰というか、おとなしいというか。君が引っ込んでてどうする。
 それが彼らしさだといえば、確かにそのとおりと言うしかないのですが。
 彼、ヒカリに対するのと同じくらい太一には弱いですし……

 後半では頭に血がのぼってる太一を必死に押さえるという、コントの相方みたいな役どころ。
 なんというかもう、父ちゃん情けなくて涙が出てくらあ。誰が父ちゃんだ。

 太一とヤマトのやり取りが理解できなかったようですが、そもそも彼、ゲンコで相手を殴るイメージがありません。
 後半に賢へ似たようなことはやってますが、そのときでさえビンタだったし。
 ふむ、ビンタというのが似つかわしいのかもしれません。

 ゲンコで殴りそうというか、ポカリとやりそうな相手はブイモンくらいですね。たしか22話でやってました。
 それすら本気ではなく意図あってのことでしたが。
 
 
・チビモン→ブイモン→フレイドラモン
 戦闘での出番は多めですが、今回もさほどといったところ。
 本領発揮といえるのはやはり11話です。
 
 
・京
 いきなりシリアス化した状況への覚悟が足りず、前半は光子郎と残留組に。
 構成的にはそれまでの一話完結パターンが崩された格好ですから、人物の心理もそこに準じたものになるはず。
 彼女の葛藤は自然なもののひとつであると同時に、01組との考え方の違いをしめす証左として挙げられると思います。

 彼女や大輔たちにとってデジタルワールドとはある意味、太一やタケルたちの捉え方よりもっと近いものなのでしょう。
 それが弱みになるときもあれば、この上ない強みになるときもあるということです。
 
 
・ポロモン→ホークモン
 京を嗜めるような場面がありました。わりにレアなケースです。
 結果的にパートナーへ助け舟を出したかっこうですが、おかげでほぼ前半しか出番がありません。
 
 
・伊織
 問題の激昂シーンはこの10話に収録されています。
 前半から棒っきれを振り回すわ、カイザーを人間のクズと罵って投げつけるわもう大変。
 初見では私もそうとうビックリしましたが、よく見ると一度目では「つい取り乱して……」と謝っています。

 太一といい、やはり皆どっか普通じゃなかったってことでしょうか。
 あんまり変わってなかった大輔でさえ、11話ではいきなり喧嘩をはじめたりするし……

 話を戻すと、この頃の彼はまだ筋の通らないことをする者を糾弾し、打ち倒すことに躊躇いがありません。
 「なぜ筋が通らなくなってしまったのだろう」と考えるようになる背景にはブラックウォーグレイモンの存在や、
 及川との確執を待たなければならず、黒ウォの存在理由のひとつはそこにあると思います。

 そういえば、一線を越えるとかなりガチな怒り方をするあたりはタケルとよく似てますね。
 取り乱したときに声をかけたのもタケルだったし、伏線とまではいかなくとも考えさせられる場面はありました。
 
 
・ウパモン→アルマジモン→ディグモン
 のんびりした風情で目立ちませんが、彼もかなり怒っているということがセリフでわかります。
 その彼でさえ引くぐらい、伊織のキレっぷりもまた凄かったわけですが。

 
・タケル&パタモン→ぺガスモン
 空気を読んだのか、今回はいつもの軽口があまりみられません。
 たまに吐く押し殺したようなセリフからみて、要は彼もシリアスモードだったってわけですね。
 最後でちょっとだけいつもの調子が戻ってきましたけど。

 パタモンはセリフこそあんまりありませんが、ネフェルティモンと共に久々のサンクチュアリーバインドを見せます。
 一時的ながらメタルグレイモンの動きでさえ止めることに成功したのですが、かんじんの太一が攻撃を躊躇ったため
 タイムアウトで敗戦。さすがに彼らを責めるわけにはいかないでしょう。
 
 
・ヒカリ
 気力-50の京にかわり、今回は彼女が出動コール役です。

 ああ見えて過酷なダークマスターズ篇を戦い抜いただけのことはあり、誰より自分らしさを保っていました。
 幼いころから激情を胸にしまいこむ性質だったためか、多少のことでは取り乱さないということなのかもしれません。
 太一がそばにいるわけですからなおさらでしょう。

 それだけに、キャパを超えたときの取り乱しようはえらいレベルなのですが。
 入り口でパニックしても受け入れれば芯の強さを見せつける京との対照は、今見るとこの回からも読み取れます。

 
・テイルモン
 パートナー連のなかではダントツでセリフが多いです。
 皆を締めて鼓舞するようなセリフもあったし、デジモンたちの中では彼女が太一役ですね。
 そういえば、前川氏の脚本では妙にセリフが増える傾向があるような……使いやすいと感じているのかな。
 
 
・太一
 怒っているわけじゃないと言ってましたが、あきらかに激怒しています。
 パートナーが危地に陥ったばかりでなく捕らわれて利用され、しかも二度とは見るまいと思っていたスカルグレイモンに
 進化させられていたのですから、当事者であれば冷静でいろというほうが無理なのかもしれません。

 しかも今回のばあい、持ち前の冷静さでかろうじて爆発を押さえているという状態だからもうむっちゃ怖い(^_^;)
 それでも抑えきれずつい後輩への言葉がきつくなるあたりから、どれほど怒っているかわかろうというものです。
 テイルモンをして初めて見ると言わしめるほど殺気立った姿なわけですし。そうだ、これは殺気だ(^_^;)

 それでいて、アグモンの身柄を確保したら脱出を最優先していたりもしますが。
 もちろん状況を考えれば妥当な判断ですけど、それ以上にアグモンの身を心配してのことだというのはわかります。
 結果的にそれが災いして取り逃がしてしまうあたりは、皮肉としか言いようがありますまい。

 そんな太一を諌めたのは、やっぱりヤマトでした。
 アレは賛否両論見かけましたが、ヤマトが太一の友として目指していた境地をよくあらわしていた場面だと思います。
 
 
・アグモン
 ワームモンが輪を外してくれたので、自力での脱出に成功していました。

 ザルにもほどがあるセキュリティや、現れたのがロコモタウンというところから考えて、実験が行われていたのは
 例の要塞じゃなく、無数に建設されていたであろうカイザーの前線基地なのかもしれません。
 もしくは最初から実験目的に作られていた場所で、そこにアグモンを連れ込んだのを目撃したものがいた、とか。
 要塞自体、あの時点から存在していたのかどうか怪しいですし。

 それはともかく、過酷な実験の繰り返しで成熟期すら維持できなくなっていく様子は痛々しいものでした。
 デジタルワールドのあちこちで、同じような光景が繰り広げられていたのでしょう。

 
・ヤマト
 最後にちょっとだけ登場。前触れなしに太一をぶん殴って、いつもの冷静さを取り戻させていました。

 いろいろ言われてますが、あの太一に対してこういう諌め方ができるのはヤマトただひとりなのです。
 悪い意味ではなく大輔にはとても無理だし、タケルもたぶん無理。ヒカリや京、伊織に至っては論外で、
 わずかに光子郎くらいでしょうか。いきなり拳で語るようなことはしないでしょうけど。
 (パートナーはまた別枠)

 01のころのヤマトは太一と対等の親友でいたいという気持ちに、肉親であるタケルへの拘りが絡まって
 時々わけがわからなくなり、奇行にも走っていたものですが、今ではすっかり解消されたようですね。
 少なくとも、うまいバランスの取り方を学んだとは思うわけで……そんだけ大人になったってことでしょう。

 まあ、大輔にわからんのも無理はありません。友情とは成長のおそい植物で、互いに水やりをした苦労は
 当事者同士にしかわからないものだからです。だから蚊帳の外って言われたりもするのですが。
 

・光子郎
 特に目立ってはいませんが、今回も後方支援として控えに立っていました。ここんとこ毎回のように出てます。

 
・賢=デジモンカイザー
 前作の主役にケンカを売るという恐ろしいことをはじめた彼。
 所業とあいまって、今回もなかなかの悪役っぷりです。大輔の言動にビキビキしたりと相変わらず大人気ないですが。

 そういえば今回で、ワームモンこそが本来のパートナーであるとハッキリ示されましたね。
 そしてその力に疑問を抱き、より強いデジモンを使役しているという現在のあり方も。
 しかしデジアドシリーズのパートナーが人の心の分身であるという側面を考えれば、これは逃避以外のなにものでもなく。
 弱い自分から逃げて、借り物の力でおれは弱くないと意気がっているということなのですから。
 なるほど、及川と通じるところがありますね。

 ニードルレインをマント一枚で防ぐという超人的防御力は、この回で発揮されたものです。
 このお話の中でだけなら大のアニキとも戦えそうだ。
 
 
・ワームモン
 これまでになく多弁だった気がします。そしてやっぱり献身通り越してどっかイッちゃってる。
 アグモンを逃がしたのは無論かわいそうに思ったからというのもあるんでしょうし、あんな言い方をしたのも
 賢ちゃんがこれ以上アグモンに固執するのを防ぐため、と解釈できるんですが、あのセリフにこそ本音があると思います。

 彼にはどこまでも賢ちゃんの側につかえて、賢ちゃんの役に立ちたい、本当にただそれだけが全てなんじゃないでしょうか。
 やはり彼もどっか狂っているんです。でも狂っているからこそ、時にぞっとするからこそ心に響くこともある、
 そんな気がしてなりません。

 それにしても、打ち据えられて床に這いつくばる姿はどこの美少女キャラやねんという風情です。
 凄いキャラだなあ……ほんとに。
 

・メタルグレイモン(ウィルス)
 イービルスパイラルの力により進化、頼もしき破壊力をおそるべき凶器に変えて立ちはだかりました。
 カイザーが彼を選んだ背景には、やはりこの圧倒的パワーがあるといって間違いないでしょう。
 完全体ともなればいずれ劣らぬ実力者ぞろいですが、メタルグレイモンの攻撃力は依然図抜けたものですし。

 ところで周知のとおり、青い体表は初期展開時のものです。
 改造中に事故でウィルスが混じったからだという設定で、現在の体色になったのはアニメが始まってからでした。
 あの姿はウィルス種であるということをわかりやすく示すものであると同時に、本来の姿ではない
 ゆがめられた不完全な進化だということをあらわしているのでしょう。
 もっとも、こちらの色こそが本来のメタルグレイモンであると主張する向きもおられるようですが……。

 ただ、ゆがんでいるとはいってもそこは暗黒の力。本来より強化されている可能性はあります。
 黒ウォの強さから考えても、こと戦いにおいて闇のデジモンは桁外れの力を発揮するのでしょう。
 狂気にもつながる深淵──あの黒い海を根源としているのですから。
 
 
・ウッドモン
 レッドベジーモン同様、名乗りをあげて戦いを挑んできましたがあっというまに出番終了。お前はトロルのイワンか。
 途中で正気に返るも、先を急いでいる皆に放置されてあわれ、ダークタワーの下敷きになっていました。
 安否が気遣われます。まあ、あのくらいじゃ死なないでしょうけど。
 
 
・ダークティラノモン
 メタルグレイモンの前座。数は多いんですが、気が付いたらやられてました。
 フレイドラモンたちも戦闘経験を積んで強くなってるってことでしょう。たぶん。

 
・エアドラモン
 同じく前座役、およびカイザーの乗騎。もっとも、途中で鞍替えされていますが。
 乱戦にも何匹かは残っており、ラスト前ではメタルグレイモンの周囲で編隊を組んでいました。

 
・イービルスパイラル
 デジモンカイザーが開発した闇の受信機。
 イービルリングの映像が消える時の揺らめきから発想を得たもので、螺旋状となることで表面積を大幅に増やし、
 完全体をも制御する強力な処理能力と、ダークタワーが近くになくとも効果が切れないという強力な受信機能を得ました。

 つまりこれが量産された後では、近場のダークタワーを倒してもほとんど意味がなくなってしまうということです。
 長引けば長引くほど子供たちのほうが不利になっていたのですね。まったく恐ろしい。
 キメラモンはたしかに脅威でしたが、物量作戦がさらなる効果を発揮するというのは同じくらいに深刻な事態ですからね。

 しかしこれら黒い輪の何より恐ろしいところは、一度嵌められたら自力ではどうしようもないということでしょう。
 最愛のパートナーに躊躇なく火炎を放つアグモンの姿が、イヤでも実感させてくれます。
 結局、破壊する以外に犠牲者を解放する方策が見つからなかったわけですし。
 デジヴァイスの光でも当てれば別かもしれませんが、数でこられたらそんなヒマはありません。
 
 量産体勢が整う前にケリがついて良かった、というべきでしょう。
 ゴリモンに使われていた例を挙げるまでもなく先行量産はされていたようなので、危ないところでした。  
 
 
 
★名(迷)セリフ

「……ホントにいいの、ありがとう」(ヒカリ)
「…そう?」(大輔)

 いわゆる大ヒカっぽい場面です。ただ今回は周囲の情況がよくない。
 
 
「……まったくオレも嘗められたもんさ。まさか、小学生にコケにされるとは思わなかった」(太一)

 この後「お前、覚悟できてるんだろうな?」とかなり物騒な問いかけをします。
 関プロデューサーによれば、太一が大輔の立場ならタケル以上に冷徹にカイザーを倒し、放っといただろうとの事。
 確かに、このお話を見ているとそうなんだろうなと感じます。
 
 逆にいえば、大輔以外に賢を仲間へ引き込むことはできなかったのでしょう。
 それができそうな人物は、確かに彼しか見当たりません。わずかに京くらいでしょうか。
 
 
「ふおおお! 戦慄の大木、ウッドモン! ここから先には……」(ウッドモン)

 直後に溜めなしのダイヤモンドダスト…じゃなかったファイアロケットが炸裂、下敷きになります。ひでえ。
 でも名乗れただけ、まだ天敗星のイワンよりはマシかもしれませんね。
 ところでこの声はたぶんヤマトです(^_^;)
 
 
「相手も本気出してきたんだから、ピクニック気分のままじゃいけないのよね
 ……そりゃ、わかってるんだけど……だから、なおさら……」(京)

 ピクニック気分。これほど01と02を分ける言葉もないでしょう。
 考え方ややり方が違っていて当たり前というか、同じになるほうがおかしいと思います。
 後半の展開はだから今の私には、ある程度以上納得できるものでした。
 
 
「あんなヤツ、どうだっていいじゃない。進化の実験ならボクを使って!
 ボクが進化する。進化して、賢ちゃんのために戦う! だからボクを……」(ワームモン)

 それがどういうことを意味するのか、たぶん全部わかってて言ってるんでしょうね……
 時々、空恐ろしくなります。パートナーデジモンとは、ここまで献身的になれるものなのかと。
 ワームモンは、それがどっか歪んだパターンでハッキリ出ているケースといえましょう。

 ところで上ではああ書きましたが、イービルリングもやり方さえ知ってれば簡単に外せるみたいですね。
 それとも、ワームモン自身がカイザーの影響でそういう能力を持っていた、とか……?
 
 
「へっ、誰が呼ぶもんか! 賢、賢、賢! いちじょーじケーン!」(大輔)

 ああ、こんなセリフもありましたね。
 やはり、大輔にはずっとこだわりがあったようです。
 
 
「僕はあんたより年下だが、あんたを軽蔑する! あんたは、人間の恥だ!」(伊織)

 前半と並んで突然どうした伊織、と全国を驚かせたセリフ。凶器投擲のおまけつきです。
 彼自身、ここまで腹が立ったのは生まれて初めてなのかもしれません。幼い正義感をもてあましているようです。
 これで倉田なんて見たらどうなることか。
 
 
「なにぃ!!」(賢=デジモンカイザー)

 ダークティラノモン軍団があっさり一掃されたのを受けて。うろたえ過ぎですカイザー様。
 このへん、子供たちとて強くなっているんだというアピールなんでしょうが地味すぎ。
 というより後の相手が強すぎて霞んでいます。
 
 
「話しかけても無駄だよ。もうお前のパートナーデジモンではない……僕のしもべだ!」(賢=デジモンカイザー)

 思えばパートナー同士の関係を引き裂いて奪い去るデジモンカイザーという存在は、ある意味において
 もっとも恐ろしいものだったのかもしれません。
 他ならぬ本人が新たなる絆と進化へのキッカケになるあたりが、また面白いんですが。
 
 
「…ありがとう、ヤマト」(太一)
「なぁに、どーいたしまして」(ヤマト)

 前作を経たからこそできるやり取りですね。01をじっくりと見返した後では、なおさらそう感じます。
 それはわかるんですが、02から見始めた向きは大輔と同様にチンプンカンプンでしょう。
 続きものの難しさってやつですか。
 
 
 
★予告
 第2のアーマー進化、ライドラモンがいよいよ登場です。
 それにしても、ヤマトと大輔っていつこんなに仲良くなったんでしょう(^_^;)