ジョグレス進化 今、心をひとつに

 脚本:吉村元希 演出:角銅博之 作画監督:伊藤智子
★あらすじ
 ダムの事件以来、子供たちの話題は一乗寺賢のことでもちきりになっていました。
 奇跡のデジメンタルに触れた経験をもつ大輔は日々、賢を仲間に引き入れようという主張を強めていきます。

 そんなとき、あの巨大要塞から異常な反応が検出されました。
 このまま放っておいては、周囲に莫大な被害が出てしまいます。対処に向かう子供たちですが、
 そこへあの謎の女が現れました。彼女の毛髪によってダークタワーが結集、オオクワモンの姿をとって襲ってきます。
 完全体の力に圧倒されるパートナーたち。エクスブイモンが孤軍奮闘しているところへ、ようやく賢が到着しました。
 
 しかし賢は自分のおかした罪を償おうと思うあまり、スティングモンと共に犠牲になろうとします。
 それを止めたのは、やはり大輔とエクスブイモンでした。生きてともに戦いたい。生きて罪を償いたい。
 みなの心がひとつになったとき、デジヴァイスが新たな輝きをはなちはじめたではありませんか。

 その名も、ジョグレス進化!!
 エクスブイモンとスティングモンの力を合体させたパイルドラモンが、姿をあらわしたのです。
 果たして、その力のほどは……!?
 
 
 
★全体印象
 26話です。
 タイトルコールは木内レイコさん(大輔)と朴ろ美さん(賢)。「ジョグレス進化」の部分を木内さん、
 「今」を朴さんがコールし、「心をひとつに」をお二人のハモりでお送りしています。
 ジョグレスというテーマに相応しいものがありますね。
 背景の影絵もエクスブイモンとスティングモン、賢と大輔が交差するかたちになっています。

 というわけで、今回の主題はなんといってもジョグレス進化お披露目。
 そのための舞台装置として、忘れたころに臨界の危機を迎える巨大要塞という大状況がもうけられています。
 謎の女ことアルケニモンもいよいよ本格的に動きはじめますし、まさに一大転機といえる回でしょう。
 いよいよ後半戦のスタートというわけですね。

 下準備として、新メンバーたる賢への各人のスタンスがもう一度おさらいされる形になっています。
 積極派の大輔、半積極派にして橋渡しにもなる京、反対派を自称しつつも揺れている伊織、思うところありつつも
 中立派をたもつタケル&ヒカリなどという具合に、あらためて明確にされているように思いますね。
 これで3度、23話を入れれば4話ぶんも賢がらみということになります。これをじっくり構えていると見るか、
 引っ張りすぎと見るかで評価がぜんぜん変わってくるところかもしれません。

 それにつけても、ジョグレス進化初陣の相手がオオクワモンというのはいささか物足りないところ。
 ボスキャラでもメタルグレイモンのような因縁ある敵でもなく、単なる一走狗でしかないわけですから。
 この際いきなりアルケニモンが元身をあらわしても良かったんじゃないかとさえ思ってしまいます。
 もっとも、あれだけ強い敵を軽々と作り出してしまえることを思えばそれだけで恐ろしいのも確かなのですが。

 絵的には、伊藤作画の魅力がいちばん良いかたちで出たお話という印象ですね。
 大輔の横顔とか賢の表情とか、とにかく心に残ります。
 で、脚本は吉村元希さん。女性の方か……
 
 
 
★OP・ED
 今回からOPが一部刷新され、EDが「いつも いつでも」へ変更されました。秋の定番です。
 OPではメンバーの中に賢が加わり、エクスブイモン・アンキロモン・アクィラモンが登場、さらにジョグレス体と
 インペリアルドラモンの姿を確認することができます。敵役ではアルケニモンらのほか、黒ウォらしき影も。
 よく見るとアーマー体も消えた形態はなく、残るところにはちゃんと残っていますね。
 
 EDはおそらく竹田欣弘氏によるやや耽美なキャラ絵でいろいろ話題を呼んだ仕上がりですが、
 最後に出てくるインペリアルドラモン・ファイターモードの作画だけは明らかに八島喜孝氏によるもの。
 ついでに言うとファイターモードが出てくるのはOP・ED通してもここだけです。
 初見ではそこまでの予備知識がなかったので「なんじゃこの勇者ロボは?」とお約束の反応をしたものでした。

 しかし見れば見るほど気になってしょうがないのは、OPにおける「熱いバトル起こせ〜」の部分で
 大地を駆ける子供たちのカットです。賢ちゃんの位置があり得ないくらい中途半端。
 右側にリョウさんがいれば、うまくバランスが取れるのになあ……
 出なくてよかったんじゃないかなんてこと、少なくとも02においては確信をもって言えません。
 
 このメンツにリョウさんまで来た日にはどう収拾つけりゃいいのよとは思いますが。
 ゴウ兄さんが腰を落ち着けたと思ったらいきなりゲキチョッパーが出てきたみたいな展開になりそうです。
 
 
 
★アイキャッチ
 こちらも変更となり、賢がメンバーへ加わりました。
 思いっきりワンダーカプセルの宣伝のように見えますがたぶん気のせいでしょう。
 一回目と二回目は連続した流れになっています。これは結構めずらしい。

 作画はどう見ても八島氏です。仕事多いなあ。
 
 
 
★各キャラ&みどころ
 
・大輔
 賢について語るときの横顔がめっちゃ格好よかったりします。ベストショットの一つかもしれません。
 主張の強さに反比例した言葉と態度の柔らかさはここでも見られるもので、彼が皆をぐいぐい引っ張るのではなく
 盛り立てて共に進んでいくムードメーカー型主人公だということがよくわかります。
 タケルたちも彼をあしらったり彼で遊んだりしているつもりでいて、気づけば欠かせなくなっていったのでしょう。

 彼の言うこととなると本気で否定する前にちょっと考えてしまう、そんな空気がいつのまにか醸成されていったと
 思えてならんわけですよ。カリスマじゃあなくて人徳って言ったほうがいいのかな。
 唯一の弱点といえたかもしれない姉との確執が単なる姉弟ゲンカレベルに落ち着いた以上、穴はありません。
 というかあの設定、ホントはどう落としどころつける気だったんでしょう?

 てな具合で皆に生暖かくも微笑ましく見られていた彼ですが、今回においての本領はラスト間際でしょう。
 21話からの流れを回収する形にはなってますけれど、出し抜けに「生きろ」とか言い出したりしてもう大変です。
 いったい何でまたそこまで賢に入れ込めるのでしょう。正直、当時はポカーンとさせられた憶えがありますね。

 いちおう根拠は示されているのですよ。20話からのわりと長めな伏線が。
 が、いかんせん少々電波なシーンだったのでそれだけではちょっと弱いと言わざるをえません。
 なにげにヒカリに次ぐ受信体質たる彼自身には何かを感じ取れたようなのですが、いったい何かまではわからず。
 たぶん彼が口下手というよりは、言葉として表現できないものだったのでしょう。少なくともそれはわかります。
 ですから、もう一声なにかプラスアルファが欲しかったですね。
 
 
・ブイモン→ライドラモン→エクスブイモン→パイルドラモン
 前半にちょろっとだけフレイドラモンにもなってるんですが、戦ってないので除外。
 記憶のかぎりでは49話を除くと、これがフレイドラモン最後の出番だったような。

 後半では、エクスブイモンの飛行能力がはじめてハッキリと描写されています。
 見たところかなり自在に飛べるようで、スティングモンとも空中で会話できるくらいですからほとんど舞空術。
 パワーやウェイトなどからみても、やはり総合力においてアーマー体を凌いでいるのかもしれませんね。
 被る部分が多いフレイドラモンの出番がなくなるのも当然といったところです。

 そこへ甲殻による防御力強化と、スピードを上乗せしたのがパイルドラモンというわけですね。
 詳しいことは次回に譲りますが、この完成度はまさしく完全体の名にふさわしいものがあると思います。
 戦闘力と言う観点において、これほど隙の無いデジモンもめずらしいでしょう。
 
 
・京&ホークモン→アクィラモン
 前回からわかるとおり、いまの京は大輔ほど強く推してはいないものの、賢の仲間入りには賛成のはず。 
 ただ、こう見えて真正面からの主張が得意というわけじゃないようですから取り持ちのような役割です。
 要は、判断の難しい問題に対してハッキリこうだと言い切る前にいろいろ考えてしまいがちなのでしょう。
 無理に結論を出そうとすればパニックに陥りそうです。

 ホークモンはせっかく前回で新しい進化を獲得したのですが、オオクワモン相手に秒殺状態。
 出た次の週でもうやられ役ということになってしまいました。君はヤタガラモンか。
 でも、アクィラモンの姿でなら京だけではなく伊織とアルマジモンも乗せられるので、重宝するようですね。
 前半ではちょっとだけシュリモンの姿でも登場しています。
 
 
・伊織&アルマジモン→アンキロモン
 前々回に助けてもらったり、前回での賢を見ているので胸の中がもやもやしているのでしょう、
 それまでと比べてややトーンダウンしたように見えます。頭で理解していても気持ちが納得できてないというか。
 嘘をつくことすら嫌う雅い正義感がそうさせているのですね。
 そのため賢も、他の誰より伊織に認めてもらうための努力を惜しまなかったという印象があります。

 さて、上のアクィラモンに続き、アンキロモンも登場二回目にして秒殺されちゃいましたね。
 こちらに至っては必殺技すら出したことがないので、悲惨としかいいようのない扱いです。
 驚かされるのは、彼らを吹っ飛ばした時のオオクワモンの巨大さ。いったい何メートルあるんでしょう。

 ちなみにシュリモン、フレイドラモン同様、ディグモンにも前半でちょっとだけ出番があります。
 復興作業にはアンキロモンより向いているでしょうね。
 
 
・タケル&パタモン→ぺガスモン→エンジェモン
 今日のタケルもあいまい戦術。完全に賛成ではないというポーズは示したものの、それ以上特に言いません。
 言ったってしょうがないという考えなのかもしれませんね。まして相手が大輔では。
 その意味じゃ、納得できないと言える伊織のことをちょっと羨ましく思っていたりしてそうです。
 おっと、こんなところにもジョグレスの伏線が(伏線か?)。

 当エピソードではひさびさにエンジェモンも登場するんですが、なんとその彼も秒殺。
 暗黒系以外のデジモンには決め手を欠くというほとんど後付けみたいな設定の影響です。
 02のエンジェモン系はいろんな縛りを噛まされてすっかり弱体化してしまった印象がありますね。
 セラフィモンも映画にしか出てこないし。

 でも考えてみたら、エンジェモンが戦った相手は確かにほとんど暗黒系だったかも……
 機械系のムゲンドラモンにはまったくいいところを貰えなかったし。
 
 
・ヒカリ&テイルモン→ネフェルティモン
 いちばん立場が曖昧なのはヒカリです。どういう考えでいるのかあんまりよくわからない。
 ひょっとしたら特になんにも考えておらず、皆の判断にまかせようという気持ちなのかもしれませんね。
 賢に関しては何かこう同病相憐れむというか、他人とは思えないものを感じてそうですけど。

 テイルモンに関しては特筆すべき事項がありません。進化もネフェルティモン一本槍ですし。
 前半ではサンクチュアリーバインドを成功させてますが、結局アイキャッチ前の小競り合いです。
 
 
・賢
 罪を背負って生きていく。それが23話で出した結論だったはずなのですが、ここへ来てまた迷いかけてます。
 デジモンカイザーでいたころの記憶を通してではなく、その遺産が危機を呼ぶのをハッキリ見てしまったために
 背負いきれないと感じて全部終わりにしたくなったのかもしれません。

 しかし、それは結局自分が救われたいがための逃げだというのが物語における答えなのでしょう。
 酷なようですが、彼らにとってはどんなに蔑まれようと生きて生きて生き抜いて破壊の爪痕を癒す手伝いをし、
 信頼を勝ち得ていくことこそが罰でもあり、ほんとうの救いでもあるはずなのです。
 少なくとも本人たちに後悔と償う気持ちがあるのですから、なおさらでしょう。

 とはいえ、賢ちゃんが全部投げ出したくなる気持ちもわからないではありません。
 いまの彼は自分がなぜあんなことをしたのか、本当はよくわかっていないんでしょう。
 ただ許されざることをやったという澱みのような後悔だけが残り、それが常に胸から離れない。
 なぜやろうと思ったのかわからないのに後悔だけ残るというのは、想像を絶する苦しみだと思います。
 彼らだけでは今回のように、いつ楽になろうとするかわからなかったのでしょう。その優しさゆえに。

 だからこそ友としての大輔の存在があり、ジョグレス進化があるのですね。
 そして複数のパートナー同士が心をひとつにするこの新しい進化は、紋章なき世界のあらたな希望となっていくのです。
 かつて闇と破壊をもたらした者が希望の福音となる。この逆転劇こそ物語の醍醐味のひとつですね。
 
 
・ワームモン→スティングモン→パイルドラモン
 高橋さんの声が微妙にかすれてるような気がしました。演技をコロコロ変えすぎて感覚が狂ったのかな?
 迷セリフ「留守番デジモンです」が飛び出した回でもあるのですが。

 今回において、賢を止められなかったのを強く悔やんでいることがこれまで以上にハッキリ示されました。
 あくまでも賢を主体とするその考え方はまさにパートナーデジモンといえますが、危険だったのは
 もし賢がそれで救われるのなら、自殺行為の手伝いをしてもいいと言い出したことです。
 これがエクスブイモンの怒りを買いました。

 でも本当は彼らだって、できることなら生きて汚名を雪ぎたいはずなのです。
 ただ、ふたりだけでは限界があった。責任の重さで顔向けできぬと思うあまり、罪に押し潰されそうになった。
 いちばん仲間を欲していたのはきっと大輔たちではなく、彼らのほうだったのでしょうね。

 ところで、今回は初めてワームモンからスティグモンへの進化バンクが採用されたエピソードでもあります。
 また、地上では邪魔にならぬよう羽根を仕舞っておけることもわかります。便利だ。
 
  
・光子郎
 21話以来の登場です。何かずいぶんひさしぶりですね。
 外部から異常を知らせたり、賢へ連絡を取ったり相変わらずマメな働きぶり。
 この有能なサポート能力こそ、02組最多出場記録を支えている源泉というわけです。
 
 
・謎の女性
 セリフは増えましたが、悪役としての格はかなり下がった感じです。
 なぜ破壊行為をするのかがまだ語られてないので、その意味での無気味さは残っていますが。
 しかし、わずか髪の毛十本で完全体に匹敵する存在を作り出せるというおそるべき能力に変わりはありません。
 ジョグレス抜きでは対抗することすら難しい相手なのです。

 反面、ジョグレス体に単体で勝てるデジモンを作り出すことはできず、無理にやろうとすれば
 ブラックウォーグレイモンのように制御不能になるだけなので、立場的には早くも微妙なのですが。
 ですがその微妙さゆえに、わりと長いスパンで出番をもらえたのかもしれません。
 
 なんとなく、X-MENのミスティークを思い出させます。
 ミスティークは悪役→政府の特殊部隊というおもしろい経緯を歩んでいる人物なので、
 そういう方向に落ち着くラストというのも手だったという気はしますね。
  
 
・オオクワモン
 今回のダークタワーデジモンその1。メインイベント担当です。
 ダークタワーから生まれる場面をはじめて02組が目撃した相手でもあります。

 怪獣的な異様にでかい体躯と圧倒的戦闘力を誇る完全体で、アーマー体や成熟期ではまったく歯が立ちません。
 エンジェモンのヘブンズナックルも、昆虫型であるため目立ったダメージを受けてはいませんでした。
 単なる走狗ではあるのですが、02じゃこれまでで最大級の強敵だったといえるでしょう。
 ひょっとしたらアルケニモン自身より強いかも……パイルドラモンでさえ多少は手間取らされたわけですし。

 そういえばミノタルモンと同様、ダークタワーデジモンとしてしか出てないので本物との比較ができません。
 本物はもうちょっと小さくてもうちょっと弱々しいんじゃないかなあと勝手に想像しています。
 ゴーレモンといい、ダークタワーデジモンは本来の個体よりかなり強い印象があります。
 ウォーグレイモンも黒ウォには押されっぱなしでしたから。
 
 
・ミノタルモン
 ダークタワーデジモンその2。前半に登場する個体です。
 大輔たちが修復した橋を破壊しに現れました。例によって途中でダークタワーだと発覚したため、地獄送り。
 めずらしく、ライドラモンの技でとどめを刺された敵でもあります。

 その掘削機そのものな左腕をおおいに活用してましたが、全シリーズ通してもここぐらいしか出番がありません。
 つまり本物が出たことが無いということなので、あんまり良い扱いのデジモンとはいえない感じです。
 モブとしてはどっかで出てるのかもしれませんが、所詮モブだし。
 
 
・巨大要塞
 なぜか今ごろになってエンジンが臨界を迎えました。
 パワー源たるやさしさの紋章がはずれたのが理由なら、こんなに間があいたのは何故なんでしょう?
 臨界をおさえるための何かが尽きたとか、そういう理由なんでしょうか。
 紋章があったときには、その何かが常に供給されていたと考えれば多少の蓄積はあったのかもしれませんね。

 いずれにしても、デジモンカイザー時代の賢が相当の技術をそそいで作り上げたエンジンなのは間違いありません。
 そのときの記憶が欠落しているいまの賢にとっては、どうやってそんなことができたのか理解できないようですが。
 
 
 
★名(迷)セリフ

「あのころの僕は、自分でもどうしてかわからないほど頭がスッキリして、何でもわかる気がした……
 でも、一番大事なことがわかってなかったんだけどね……
 たしかに言えることは、ひとつだけ……
 これは、僕が立てたんだ……」(賢)

 どうしてそんなことをしようと思ったのか、わからないまま罪の意識だけが残った。そんな感じです。
 たしかにどう理由をつけても、同じ一乗寺賢がやった事という事実に変わりは無いのですが。
 
 
「枝毛……? はあ…… ムカつく!!」(謎の女)

 アナタときどき、その場の感情で破壊活動してませんか。
 人間臭いのはいいんですが、小物ぶりを早くもさらけ出している気がしてなりません。
 個人的には嫌いじゃないんですけどね、この人。
 
 
「どーしてそんなことすんのよー!」(京)

 いや全くとは思いますが、セリフより顔が印象的です。
 直後のホークモンは通常進化なのですが、挿入歌はBreak up!のまんま。
 アーマー進化と混在の場合はこちらが優先されるんでしょうか。
 
 
「あの感じってさー… 言葉でうまく言えないんだけど……
 なんっつーのかなぁ…
 “あの紋章のことは、信用してもいい”って思ったんだよ。
 …あれってさ、よくわかんねーけど…一乗寺の心そのものみたいな気が、オレにはするんだよ」(大輔)

 横顔が印象的な場面。字面に出すとものすごく抽象的です。
 もっとぶっちゃけた表現をするなら、ビビッと感じてピーンと来たというところでしょうか。
 うん、彼の感覚は擬音であらわした方がいいのかもしれません。一歩間違えれば電波だけど。
 なっちゃんの時は完全に電波だったし。

 ジョグレスの経緯はバシッと叩いてガキーンと合体というところかな。
 京は難しく考えなくていいと言ってますが、すでに充分シンプルに考えてそうです。
 
 
「留守番電話じゃなくて、留守番デジモンです」(ワームモン)

 ワームモンのセリフの中でもダントツの迷セリフ。
 可愛らしいのはいいけど、それじゃバレバレですがな。相手が光子郎だったからいいですが。
 
 
「どうして…どうして僕でなければならなかったんだ!」(賢)

 後半初期の賢を象徴するようなセリフです。
 黒い海の存在はともかく、それによってデジヴァイスが変質することやその他もろもろを
 何故アルケニモン側が承知していたのか、けっこう謎は多いんですけどね。
 ヴァンデモンの知識がそうさせたのでしょうか?
 
 ということは、ヴァンデモンはデーモン一族の存在も認識していた…?
 
 
「エンジェモンの技は、暗黒系でないとあまり効果ないのよ!」(ヒカリ)

 そんな設定初耳です。
 しかしダークタワーデジモンとはいえ、属性そのものは取った姿に準じるんですね。
 だから進化抑制機能がなくなるのかな。まあ無くなって幸いなんですが……あったら勝てないよ。
 ジョグレス進化とて、通常進化を基本とするのですから。
 
 
「ばか! そんなに簡単に言うな!
 おまえがいなくなったら、悲しむ人のことを考えろよ!
 オレは、ここでお前を行かせて、それでお前が帰ってこなかったら……一生後悔する!
 だから、絶対行かせねえ!
 お前がいいと思っても、オレは嫌なんだ!
 …生きろ!」(大輔)

 一部略。
 自分たちだけが残り、死を賭けた戦いをしようとしていると知って。同時にビンタが飛んでます。
 並行してエクスブイモンとスティングモンのやり取りも挟まれ、次第に盛り上がっていく場面ですね。
 
 しかし突然だなあとは思うものの、賢を見捨てることで後悔をしたくないという主張は大輔らしい。
 なまじっか君のことが心配なんだとブチ上げられるよりは説得力があるような気がしますよ。
 ともあれふたりに誘発されて、賢とスティングモンも大事なことを思い出していきます。

 生き抜くという決意が進化を促したわけですね。それは生命としても正しい方向だと思います。
 
 
「賢の……心臓の音…」(大輔)
「大輔の……胸の鼓動が伝わってくる……」(賢)

 ジョグレス進化の前兆。いろいろと波紋を呼んだかなり恥ずかしいセリフですが、書かないわけにはいきますまい。
 新EDの作画やら何やら、一部ファンに迎合したともとれるこの傾向を嫌って離れた人もいると聞きます。
 フロンティアあたりはもっと凄かったっけ。

 まあ萌えというのは自分で見つけ出してナンボですから、萎える気持ちもわからなくはありません。
 ともあれ直後のパイルドラモンは大変カッコいいです。
 
 
 
★予告
 そのへんの自動小銃みたいなデスペラードブラスターが相当ズッコケです。
 力の入った作画で見たかった回。