デジモンセイバーズ アナザーミッション

 プラットフォーム:プレイステーション2 製作: バンダイナムコゲームス ジャンル:ドラマティックRPG
●あらすじ
 デジタルワールドと人間界…ふたつの世界の共存共栄のため日夜、治安維持活動に追われている組織・DATS。
 資質を買われて入隊した大門大はパートナーデジモンのアグモンとともに、今日も今日とて凶暴デジモンの鎮圧に精を出していた。

 そんなとき、とつじょ謎の魔王型デジモンが現れる。
 並行して、何人もの児童が連続で失踪するという事件も発生していた。その影にはやはり、魔王型デジモンが…
 だがDATSは、一連の事件にめぐらされたおそるべき陰謀に、まだ気付いてはいなかったのである。

 初のアニメ完全外伝RPG、ここに登場。



●全体印象
 すぐ上に書いたとおり、デジモンのゲームとしては極めてめずらしいスタイルの作品です。
 デジモンのゲームというよりはタイトル通り、「デジモンセイバーズ」のゲームと考えた方がいいでしょう。
 
 カンのいい方なら気付いてらっしゃると思いますが、第1クールの雰囲気を延長してシナリオが作られています。
 それもあって、いつものメインキャラにはドラマというほどのドラマは用意されていません。そのあたりはゲストキャラ任せ…
 なんですがまあ、変にひねった話ではなく。そのあたりもセイバーズらしいといえば、らしい仕上がりでしょう。
 細かいネタもよく原作を取り込んでいて好感が持てるんですが、シナリオ担当はどうやら非公開のようですね。
 念のためスタッフロールを確認しましたが、シナリオの人らしきパートは見つけられませんでした。

 取るべき行動はオーソドックスなRPGのもので、とにかく目の前のマップをクリアしてシナリオを進めるだけ。
 バトルの難易度は高くないので、コツがわかればエンディングまでなら戦闘で詰まることはないでしょう。
 むしろ問題は別なところにあるんですがそれは後述。

 全体的にみて、セイバーズとしての雰囲気はしっかりと持っている作品だと思います。
 ですが人にオススメできるかといえば、うーんと考えてしまうのも実情。ファンなら…と、無難な答えが続いて出てきます。
 特に社会人のプレイヤーにはちょっと厳しいつくりなんじゃないでしょうか。

 そのへん、次からちょっと掘り下げてみましょう。



●システム
 デジモンの感情によって行動パターンが変わる「エモーショナルコマンドシステム」が最大の特色といえます。
 端的に言うと強気なら攻撃主体に、弱気なら逃げ腰になるというあんばい。おもしろい仕掛けだと思います。

 が、これが把握しづらい。
 しっかりと経験則を積み上げればよいのかもしれませんが、説明書を読んでも何をどうすればどのように変化していくのか、
 簡単にはわからないと思います。私自身、だましだまし遊んでいた面が多々ありまして、敵の強さよりもこちらで苦労していた体たらく。
 なるべく中庸にたもつのがベストなのでしょうけど、そのためのハッキリした方法は結局掴めませんでした。

 だったら研究すればいいじゃないという意見には、長大なロード時間と冗長なバトル演出が立ちはだかります。

 アーケード展開であるデジモンバトルターミナルを強く意識した戦闘画面なのですが、このバトルのテンポがとにかく悪い。
 戦闘に移るまでが長い、コマンドが出るまでが長い、攻撃を出すまでが長い、出してからも長い。といって、オフもできません。
 特にながらくDSに慣れてしまっていた後では、非常につらいものがありました。同じデジモンゲームであるデジモンストーリーなら、
 この作品における一回の平均バトル時間で3〜4回は戦えるでしょう。

 このレスポンスの悪さは戦闘だけにとどまりません。メニュー画面でも選んだ項目にゆくまでに引っかかりがあり、
 かなりイライラさせられます。少し前に遊んだ別のゲームではそんなことはなかったので、ハードの問題とはいえないでしょう。

 同じPS2でも、遊んでいてストレスを感じにくい作品は存在します。とかく軽んじられがちですが、これはキャラゲーであっても同じこと。
 それは単に読み込みだけの問題ではなく、バトル演出などのテンポや細かい反応など、多くがかかわってくる要素。
 この作品に関しては、残念ながらお世辞にも洗練されているとはいえますまい。同系の次回作でもあれば改善されるかもですが。
 そんなわけでやりこみ要素もあるみたいなんですが、スタッフロール時点でプレイは止めていたりします。

 で、もうひとつのウリ?が「ギャラクティカ・エボリューション・システム」。
 進化系図と進化条件を星座で示すというもので、壮大ですが一見意味不明。利得は、進化条件がわかりやすいという点でしょう。
 ただしパッと見で一覧しづらいうえ、上記のロード時間が邪魔をするので印象を悪くしてしまっています。

 ちなみに全くどうでもいいことなんですが、仕様上セーブは5箇所にしかできません。
 普通に遊ぶ分には全然問題ないんですけど、私のように専用メモリーカードを用意してイベント手前で止めるようなプレイスタイルには
 うれしくないシステムになっています。……これは別に欠点とはいえませんね。



●マップ
 ラストダンジョン以降を除いては、それほど広いものは出てきません。
 そのおかげで、普通に進んでいくだけなら何とかバランスが取れるようにはなっています。

 ただし、やみくもに進むのは危険。
 上に書いたように戦闘が長いうえ、エンカウント率がたかいので意識が分散し、今どこにいるのか見失いがちになってしまうからです。
 (ひょっとしたら私だけかもしれませんが)。

 それに加えて1マップに一箇所は通行止めの仕掛けがあるので、これがわからないと時間を余計に食うことになります。
 そういう手間取り方をしたくないなら攻略本を用意するか、マップを作りながら進むのがいちばんいいでしょう。
 急がば回れとはよく言ったものです。

 こういうパズル風の仕掛けってゲームとしては楽しいんですが、ロード時間とは相性が悪いなあ……。



●バトル
 3人パーティのスピード順入力制、非リアルタイム。最近よくみられる形ですね。
 上記のエモーショナル・コマンド・システム以外はとりあえず理解しやすいでしょう。

 もちろん最初は戸惑うことでしょうが、慣れれば勝つだけならばかなり容易です。
 特に究極体になってしまえばしめたもので、ザコ戦では全体攻撃、ボス戦ではステータス強化を仕込んでの一点集中により
 少し気をつけるだけで簡単に勝てます。あんまり戦術は関係ありません。敵のHPも低めです。

 特に、最初から最後まで活躍できるアグモンを主軸にしていけばまず間違いないでしょう。
 極端な話、シャイングレイモンさえいればクリアはできると思います。ほかの2体をサポートに徹させるのがよいでしょう。
 むろん、意識して育てていけばどのキャラでもいけるはず。

 もうひとつのカギは戦闘アイテムです。数がそろっていれば、ボス戦でも不安要素はありません。
 戦闘を逃げずにこなしていれば資金(単位はお約束のbit)は潤沢に手に入るので、ケチらずにバンバン調達していくべき。
 とりわけ回復系とエンチャント(属性変化)系、攻撃力強化系があると重宝します。

 一応エンカウント回避アイテムもあります。時によってはこれを使って、快適なマップ移動をこなしましょう。
 終盤までは入手経路がかぎられるのが難点ですが…。



●シナリオ
 上で書いたとおり、1クール目のままのノリで事件が拡大していったらどうなるか、という流れになっています。
 DATSがまともに機能しているかしていないかでずいぶん違うようですね。
 そのわりにピヨモン絡みの事件(#12〜13)は起こっているようなので、いろいろ食い違ってはいますけれど。
 また、タイトル通り本当に「ミッション」という流れで、意外に小さくまとまっている印象も捨てきれないのは確かです。

 というわけで、当然ながら倉田あたりは出てこないんですが…
 ボスの思想やら何やらが倉田そっくりなので、じつは大差なかったりします。尻尾を出すのが早いというだけで。
 魔王がらみなのもいっしょだし、どう転がっても魔王デジモンへはゆきつく運命みたいですね、セイバーズは。
 一方で魔王の封印場所が(場所は大違いですが)遺跡になっていたり、このへんの設定は固まっていたようす。

 ほかにもテレビとの差が多数見受けられるのですが、枚挙にいとまがないのでこのへんにしておきましょう。



●キャラクター

・大
 よくも悪くもいつもの彼です。
 上にしるした通り彼らには大きなドラマが無く、ゲストキャラ任せ。1話完結スタイルというわけです。
 このへんも全体的に小粒な印象を抱かせる原因でしょう。外伝は外伝ということなのか。

 喧嘩早い一方で、尊敬した相手には最後まで礼儀を通そうとする侠気も見せていました。ああみえてやはり育ちは良いのです。
 それだけに迷いを振り捨てる場面が燃えるわけですね。

  戦闘ではただひとり、デジソウルチャージ前に敵デジモンをぶん殴る場面が挿入されます。
 まさに原作通りなのですが、ときには進化させる前に拳だけで敵を昇天させてしまいトーマをがく然とさせたりします。
 このあたりのお遊びは充実していますね。

 でも実際、成長期ぐらいなら彼の拳だけでぶっ倒しかねないからなあ(^^;)


・アグモン
 彼もいつも通りです。ただ、少しだけ可愛らしくなってるかも。
 戦闘前や後などしゃべりまくるんですが、時には兄貴のまねをしたと思しきセリフもあって、だけどそれが
 兄貴より子供っぽかったり、兄貴を立てるように控えめな自慢だったりするので、そのあたりが原因かもしれません。

 戦闘ではメンバーから外せないこともあって、いかなるときでも主戦力になりえます。
 シャイングレイモンにさえ進化すれば、最強のボスキラーになれるでしょう。条件はそれほど難しくないはずです。
 スピードに劣るのが最大の弱点。ガオモンの助けが必要です。


・淑乃
 大のことを「キミ」と呼んだり、ちょくちょく別れた祢音のことが話題に出てきたり、1クール目の印象が他よりもつよめ。
 その一方で新田の娘を気にかけていたり、プライベートはともかく隊員としては非常に職業意識があることもあらためて強調され、
 よい印象を重ねているかもしれません。新田への感情が単に先輩への尊敬だけだったのかどうか、ちょっと気になるところ。

 お決まりのフレーズ「最悪なんですけど…」は、このゲームでも健在。
 ララモンに言われて「人のセリフ取らないでよ」とツッコむあたりの勝利セリフは、6話でも見られたやりとりです。

 収録時期と収録方法の違いからか、新垣さんの演技はちょっとノリが悪い気も。


・ララモン
 出てきていきなり「今日も淑乃とわたしはキュートでごきげんなペアね!」などと言い出してどうなることかと思いました。
 シナリオ上での出番はそんなに多くありませんが、戦闘ではやっぱりしゃべりまくり。かなり挑発的なセリフも目立ちます。
 敵デジモンに対し「お邪魔ですよー」とか。

 バトルでは優秀なサポート要員として、序盤から大活躍できる素質があります。特に回復を使えるのは大きい。
 もちろん戦わせてもかなりのもんで、比較的出現率のたかいメタルエンパイア系のデジモンに対し暴虐的なまでの破壊力を発揮。
 しかも場合によっては誰よりも早く究極体(ロゼモン)に到達する可能性があり、しかも全体攻撃がデフォになるので手がつけられなくなります。
 弱点であるHPの低さは、淑乃のサポートコマンドを使ってしのぎましょう。

 かような万能選手ですが、プライベートにおいてさらに料理までこなせることが発覚しました。
 ……すごいな、このデジモン。


・トーマ
 こちらも1クール目の要素がつよめ。大への皮肉というか揶揄いが目立ちます。戦闘セリフも俺様系が少なくありません。

 ただ困ったことに、まともに動いていて担当ドラマがないと案外目立たないキャラなんですね。
 常識的で能力のある人物というのは物語的に、思いのほか面白みがないものらしいです。
 
 それだけに、大が生身でデジモンに引導渡したときの「そんな……バカな!!!」が映えるのかもしれませんけど。


・ガオモン
 という観点で考えると、ポロッと面白いことを言う率のたかいこっちのほうが印象に残ったりするんですね。
 戦闘セリフがいつにも増して犬属性なのに加え、「犬には負けん!!」とガルルモンに対抗意識燃やしたり、和みます。

 そんな彼ですが、ミラージュガオガモンへの進化条件は厳しいものがあります。
 場合によっては私のように、進化させてあげられないままラスボス戦を迎えることになってしまいかねないでしょう。
 おまけに条件の一部がファルコモンと食い合うので、ストーリーをなぞるだけではなかなか難しいかもしれません。

 また、スピード重視で攻撃力に欠ける面があります。終盤で苦労することになるかも。


・イクト
 第2クールから登場した途中参加レギュラーなんですが、普通にDATSの協力者として出てきました。これにはびっくり仰天。
 メルクリモンがらみの事件も起きていたようなのですが、なんだかんだで和解したってことなんでしょうか?
 DATSが存続しているということは、メルクリモンも健在なんですかね。

 ストーリー的には所謂いるだけ参戦。ドラマも、他キャラとのからみもほとんどありません。
 ここから、このゲームの8割方が1クール目だけの材料で作られているのだということがわかります。前期OPがよく似合いますね。

 ファルコモンを叱るときの「もうっ!」が愛らしい。


・ファルコモン
 イクト以上にしゃべりません。戦闘でも当たり障りのないセリフばかり。時期の問題か、冷遇されてる二人です。
 後から無理矢理ねじこまれたようにしか見えないのは気のせいでしょうか…。

 戦闘要員としてはガオモン以上のスピード偏重。確実に手傷をあたえるためにはサポートが必要でしょう。
 ヤタガラモンにまで進化すると、即死の追加効果がある「甕布都神」を使えるようになりますが、確実ではないので頼れません。
 究極体への進化条件もガオモンほどではありませんが厳しいので、既存メンバーを押しのけるには愛が必要でしょう。

 敵から逃げる時の捨て台詞「おのれ…次こそは必ず!」がえらく忍者っぽいです。


・薩摩隊長&クダモン
 メインシナリオでは指揮と後方支援に徹しているため、なかなか戦う場面を見られない人。
 会話してみたらしてみたで、唐突に「妹の知香ちゃんは元気か」などと状況をわきまえずに言い出したりするので
 何を企んでいるんだこの渡哲也はと勘ぐりたくなるんですがたぶん邪推でしょう。

 ドラマ上で印象的だったのは、やはり新田とのやりとりでしょうか。
 というかあそこだけ刑事ドラマのノリで、薩摩軍団という言葉が頭をよぎったりもしたものですが…。

 クダモンはレナモンが進化できるので、味方としても使うことができます。


・オペレーターズ
 こちらは完全に非戦闘員で、ポーンチェスモンたちの出番もありません。
 そのかわり会話シーンでいろいろボケをかましてくれるので、そこはかなりオトクです。

 二人ともが食いしん坊なのはわかってたけど、黒崎女史がギャンブル好きだとは知らなかったなあ……。


・湯島所長
 どんなマップのどこにでも出てきて、簡単なアドバイスをくれる役どころ。サブシナリオでも相手をしてくれます。
 なぜか大にはシナリオの当初から素姓がバレていました。メルクリモンがらみの事件が以前にあったのだとすれば、
 そのときにわかったことなのかもしれませんね。

 カメモン系にはなぜかピヨモンから進化できるようですが、参加が遅いので結構たいへんかも。


・知香と小百合ママ
 名前はちらほら出てくるんですが顔とセリフはまったくなし。イクトとこの二人のファンには残念な作品です。
 小百合ママのほうはたまにDATS本部へ卵焼きカレー(#22のネタ)を差し入れしてくれていたりするので要チェック。
 えらいことになってる状況でも何事もなく差し入れてくるあたり、やはりただ者ではありません。

 しかし時には、黒崎女史が卵焼きだけ食べてしまって卵なしカレー(つまり単なるカレー)になっていることも…。


・コサブロー
 本作のゲストキャラにしてパーティメンバー。本名の桂小三郎は、やはり桂小五郎からのモチーフでしょう。

 探偵を名乗っていますが、どこからどうみても泥棒としか思えません。これはやはり服装のせいでしょう。
 やってることも当初は泥棒そのものですが、コメディタッチもあって悪人という印象はほとんどなく。
 その逃げ足っぷりから「逃げの小三郎」とも呼称したくなります。

 で、後半に仲間になってからはいろいろ苦労してそうな言動が随所にみられるようになってきます。
 自前でデジタルワールドと人間界をゆききできたり、本人も冗談めかして言ってましたがそうとう謎の多い人物。
 この世界の地下デジモン犯罪や違法行為は、わたしたちの想像よりもずっと規模の大きいものだったのかもしれませんね。
 それを想像させてくれる人材といえるでしょう。

 声の担当は吉野裕行氏。充分に主役をねらえる方です。「結界師」でも主役を演じているようですね。
 スパロボファンとしては「第3次α」のハザル・ゴッツォが忘れられません。


・ピヨモン
 コサブローのパートナーデジモン。どこでどうやってコサブローと知り合ったのかは謎です。
 知香のパートナーだったピヨモンとは別個体で、言動はメスのもの。そのため、トリ系でキャラがかぶってはいるものの
 ファルコモンとはある程度の差別化がなされていると思います。

 声は吉田小南美さん。最近は抑えた役どころが多めだったので、素っ頓狂な演技が逆に新鮮です。
 進化するとミート君(2世)っぽくなりますね。

 参入はだいぶ遅めで、そのため意識して育てないとすぐに2軍落ちしてしまいがち。
 育てるなら早いうちに完全体くらいにはしておかないと、すぐ後に参入するユマ組に椅子をとられてしまう可能性が…。


・神楽由麻
 本作のゲストヒロイン。見るからに儚げなビジュアルが心に残ります。
 というかむしろ浮世離れしてるといったほうがいいかもしれません。言動もやや電波系。
 ちょっと月島瑠璃子を思い出したりもします。

 とはいえ芯の強さは例にもれないもので、つらい立場になる決戦にあっても歩みを止めません。見た目よりずっと強い娘さんです。
 知香といい、このシリーズの妹ってなんでこんなに強いんでしょう……リリーナはまだちょっとよくわかりませんが。

 声は沢城みゆきさん。まだ二十歳そこそこの若手ですが、実力はズバ抜けています。
 セイバーズのすぐ後テレ東でやってる「おねがいマイメロディ」にも小暮駆役で出てるんですが、とうてい同じ人だと思えません。


・レナモン
 由麻のパートナー。ご存知、テイマーズの主役級でもあったデジモンです。
 留姫の同種とはちがって男性が声を演じているので、また違った趣があります。
 生き様はとにかく由麻命。由麻を救うためならわが身をいといません。どこか中性的なところも残してはいるので、萌えコンビですね。

 バトルメンバーとしてはいちばん遅い参入なんですが、成長期の段階からなかなかの実力者で進化も早いので、
 レギュラーに割りこめるだけのものを持っています。うまく完全体にまで持っていければ回復役としても強力になるため、
 ボス戦にも堪えうるでしょう。あとは好みです。

 声を演じるのは千葉進歩氏。おもしろいことに、テイマーズで山木室長を演じていた方です。
 千葉氏もまさか自分がレナモンを演じることになるとは思わなかったかもしれません。

 ……ところでサクヤモンには結局なれなかったんですが、あの姿になってもやっぱりこの声のまんまなんでしょうか。


・新田正貴
 かつてDATSの第一線で活躍していたテイマー。
 非常に正義感と責任感の強い性格で、パートナーデジモンで人間を傷つけてしまったことを悔い、DATSを去ったあと失踪していました。
 シナリオ上の出番はあんまり無いのですが、非常に重要な位置にいるひとりです。

 薩摩隊長との信頼関係はかなりのものがあったようで、また淑乃のことは名前で呼んでおり、付き合いの長さがうかがえます。
 ひょっとしたら隊長にとっては、警察時代からの部下にあたる人物だったのかもしれません。大門に対するリキみたいな。
 それを隊長が誘ったか、または隊長を慕ってついてきたのか……いろいろ想像ができますね。

 またDATS所属の男性現場職員にあっては唯一妻帯が確認されている人物で、真奈美という娘がいます。
 声は千葉一伸氏。以前にアテていたボクシングの早瀬選手もやはり子持ちの父親なので、興味深いですね。
 

・神楽司
 DATS日本支部に赴任してきた若き科学者。由麻の兄であり、トーマにとっては大学の先輩にあたる人物です。
 眼鏡が似合う爽やかでルックスのよい青年なんですが、CMで素姓がだいぶバレているかも…。
 大とは正反対に見えてけっこうウマが合ったように見えます。大って男でも女でも柔和なタイプには弱そうだし。

 声はうえだゆうじ氏。エキセントリックな役が多い氏ですが、穏やかな演技のおかげで気付くまで少しかかりました。
 しかしそこは氏のこと、しっかりと熱演の場面も用意されています。必聴ものですよ。


・敵デジモン
 アニメに登場したものを中心に出てきます。あんまり見るからに悪役という系統はいません。
 また色違いが多いため、実質のバラエティは意外と少ないものになっています。

 成長期から究極体まで揃ってはいますが、ハッキリ言ってあんまり手強い相手はいませんね。序盤ならともかく、戦力の充実してくる
 中盤から終盤にかけてなら苦戦するような相手はいないでしょう。戦闘演出の長さのせいで、不意打ちされると面倒なくらい。
 特に究極体の力を手に入れてからはほとんど虐殺状態で、気の毒になってくるくらいです。

 セイバーズの世界観だとあんまりレベル上げにいそしむ気になれないので、ほとんど実行してなかったりします。


・魔王型デジモン
 メインストーリーでは、順次一体ずつ相手取ることになります。
 しかしゲームの都合とはいえ、どの魔王も実はあんまり強くありません。少なくとも、こりゃ勝てねーという状況になったためしがない。
 デジモンストーリーでさえ後になればなるほどきつくなっていったのを思うと、だいぶ拍子抜けさせられます。

 このへんはダメージの回復が容易なのもさることながら、状態変化攻撃があんまり来ないのも一つの要因としてあるでしょう。
 攻撃力を強化しまくっていると、事実上2発で終わることさえあるくらいですし。

 いちおうクリア後に強化バージョンと戦えるようですが、そこまでは付きあえそうもありません。


・超魔王デジモン
 7大魔王最後のひとり、ルーチェモンのこの世界での異名です。
 お察しの通り、この方がラスボス。フロンティアに続いてまたも引っ張り出されたことになります。
 外伝とはいえ、アニメ系列で二度もボスキャラを張ったのはケルビモンに続いて二体目になるのかな?

 追い詰められると真・超魔王に姿を変えますが、なんのことはないサタンモードのことです。
 攻撃力よりも体力が高いので長期戦になりますが、究極体が一体でもいればなんとかなるでしょう。
 実はその前に戦うBウォーグレイモン&Cデュークモンのほうが手強いなどと言ってはいけません。

 声を演じるのは中尾隆聖氏…ではなく、関俊彦氏です。最近ではやはり「ガンダムSEED」のラウ・ル・クルーゼが有名。
 大とのやり取りはいろいろと興味深いものがあります、はい。



●その他

 ・デジモン条約というものが存在するようです。隊長が淑乃や新田に読み上げさせるシーンがありました。
  …いつどのように誰と誰が結んだんでしょう。

 ・ 可愛い顔してストーカーみたいなプロットモンがいます。淑乃の反応がえらく過剰。いやなことでもあったのか。
  実際にはプレイ中の累積行為を教えてくれたり、敵を倒した数に応じてアイテムをくれる便利キャラなんですが。

 ・ 敵は倒すとちゃんとデジタマになります。セイバーズを知っていればスンナリ入れる設定。
  ちなみにタマゴの模様は属性によって明確なので、慣れれば一回勝つだけで対策を立てられるようになります。

 ・「ダークエリア学」という死ぬほど怪しい分野が存在するようです。ちなみに神楽兄の専門はこれ。

 ・音楽はアニメ寄りで、耳に残るものが多いです。DATS本部のBGMはなにやらGジェネを思い出させるものが。
  そういえば、SEもなんだかGジェネみたいです。

 ・進化のときはくるくる回ります。デジアドみたい。

 ・デーモンの発音は頭ではなく、「モン」にアクセントがきます。「アグモン」などと同じような発音。
  要はデジモンとしての発音になっています。

 ・バトルコマンドの内容を説明するヘルプはありません。ちょっと不便。

 ・NPCとしてパンダモンが出てきますが、なんとなくデジモンストーリーを思い出させる性格をしています。

 ・エテモンが敵として出てくるとデジアド時代を思わせる歌が流れます。これが非常にうるさい。
  他では流れません。凝っているというかなんというか……。

 ・セイバーズ世界のレナモンも、パートナーから栄養ドリンクを貰ったことがあるらしいです。
  しかもそれが宝物って、瓶だけ後生大事に持っているんでしょうか…。

 ・デジモンとの融合はこの世界の場合、たとえばテイマーズのように良いことばかりではないようです。
  そこはバイオデジモンを見ていればわかることですが。

 ・大にアイテムを使わせると、低い確率で別のセリフを言うことがあります。
  「渾身のハイブリッドォ!!」とか叫び出して噴きました。やっぱり意識してるのかなあ。



●長くなりました
 ゲーム感想を書いたのはひさしぶりなので加減がわかりませんでした。
 機会があったらまたやってみたいとは思います。