デジモンセイバーズ3D デジタルワールド危機イッパツ!
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演出:中村哲治 CG監督:西川和宏 |
●あらすじ
デジタルワールドを冒険するアグモン、ガオモン、ララモン。道中でクルモンも加わります。
ところが、いつのまにか危険なエリアにやって来てしまいました。巨大なアーマゲモンが大迫力で襲う!
果たしてデジタルワールドの運命は……
●全体印象
名前のとおり「デジモンセイバーズ」放映中に公開されたものです。
「アドベンチャー3D」と同じく、アトラクション用としてサンリオピューロランドで上映されました。
トゥーンレンダリングを採用していますが、キャラの影についてはグラデーション方式になっているようです。
画面としての迫力のみを重視したためか、巨大なデジモンたちが脈絡なく登場しまくる内容。
キャラ同士の掛け合いもありますが、基本は映像を楽しむための作品です。何も考えず、大画面で楽しみましょう。
デジモンヲタク的には成熟期が超究極体にあたるアーマゲモンと戦えたり、アグモンたちが自力で進化しているのが
いろいろアレだったりしますが、話がややこしくなる以上、バッサリ切ったということで割り切るべきでしょうね。
他方で注目すべきは、さりげにクルモンが登場しているという点。
中の人も性格もほぼ「テイマーズ」そのまんまなので、実質テイマーズとのクロスオーバーといって過言ではありません。
また、最後の決戦で出てくるアーマゲモンがクラモンの集合体という設定が生きていたりもするので、
この作品は擬似的に「アドベンチャー」「テイマーズ」「セイバーズ」のいいとこ取りな世界観といえるでしょう。
クラモンがデジタルワールドの再生に働いたりと、興味深い一幕もあります。
よってセイバーズと銘打ってますが、セイバーズキャラを用いた独立した作品と見るのが妥当でしょう。
当然、原作の時系列などは無視されています。
●登場デジモン
・アグモン
大がいないため主役。アトラクションということで、視聴者へ頻繁に語りかけてきます。
アニメまつり版の場合、曲がりなりにも同一個体が連続で別モンとして出るので混乱する人もいるかもしれません。
他メンバーともども乗り物で飛び回ってばかりですが、最後のバトルではジオグレイモンに進化します。自力で。
ひさしぶりに声を聞きましたが、松野さんの印象がタルトで微妙に上書きされつつあるなぁ……
・ガオモン
アグモンのボケにツッコミを入れ続ける役。大とトーマの関係によく似てるやり取りです。今回は特に強く感じる。
バトルではアグモンと同じく成熟期に進化。ガオガモンとなって、アーマゲモンを撹乱します。
中井さんがこのタイプの声を出すことはめずらしいので、久しぶりに新鮮な印象を味わいました。
・ララモン
特筆するような何かをしたわけではないのですが、いないと寂しいタイプのデジモンです。セイバーズだし。
バトルでも別に進化せず、見物に徹していたような……戦え。
・クルモン
特別ゲストとして参加。ほぼテイマーズから抜け出てきたような声と性格です。
ラストバトルでは持ち前の不思議な力を発揮し、ハッピーエンドへの一翼を担いました。
金田さんにとっては最低でも4年ぶりにクルモンを演じた計算になるのかな。相変わらずの個性派ぶりです。
・アーマゲモン
無数のクラモンが合体して誕生しました。姿どおり、クモを意識したような演出です。
生半可な攻撃ではいくら仕掛けてもクラモンの姿に分解して再構成してしまい、まったくダメージを受けません。
このへんは「ディア逆」どおりの設定ですね。
最後はクルモンの力を借りたジオグレイモンたちにより、合体能力を失うことになります。
超究極体ながら派手な攻撃はあまりしない代わり、正面からではどうにもならない感は出ていたかな?
・クラモン
幼年期であると同時に、アーマゲモンが分解した姿。
この段階だとわりに愛嬌があるためか、あっちこっちで賑やかしのように出演しているデジモンです。
ラストでは危機に陥ったデジタルワールドを修復していたので、データを直す力を手に入れたか、あるいは能力が反転したようす。
クルモンのはなった光を受けた影響でしょうか?
・その他のデジモン
突然意味もなくチンロンモンが出てきたり、なぜかパンダモンが巨大だったりと唐突な場面で唐突に出てくる個体が多いです。
細かいところでは海の中でゴマモンが手を振ってきたり、テントモンが店屋の売り子をしていたりとサービスも目立ちました。
バケモンやオロチモンなど、場面を活かしたアクションに起用されたものもいます。
●まとめ
デジモングランプリ以上にストーリー性のない、映画館で見ないとイマイチと感じがちな作品かもしれません。
さすがに大画面で見れば迫力があるので、それだけでも満足はできます。
デジモンが出てるだけでニヤニヤしてしまう私のような人種なら、あまり文句も出ますまい。