勝利への飛翔!対決ケルビモンの城
脚本:成田良美 演出:地岡公俊 作画監督:浅沼昭弘
36話です。一気に決戦かと思われましたが…
●全体印象
前回がメタメタだっただけに、絵のよさには感動すらおぼえます。戦闘シーンの迫力も段ちがい。
また、前半に声援を送るしかできなかった輝一とボンクラーズFが、後半ではツートップの思わぬ戦闘不能によって前面に出ることとなるも、強敵・アイスデビモンをみごと打倒してみせたので、ちょっと溜飲が下がりました。
ただし。
対ケルビモン戦のテンションを維持するうえで、このお話はぶっちゃけ、必要ありません。
純平たちの活躍が必要ない、というわけではないのです。が、それならば
このタイミングでなくてもエピソードが作れる
はず。
せっかく超越体が初登場し、闘いはこれからだ! という場面なのに、これでは水を差してしまいます。
また、拓也と輝二のパワーアップを存分に見せるべき回のはずが、後半の進化不能によって台無しになってる感じ。
正直な感想を言えば、まだ見ぬ37話を入れたとしても、対ケルビモン戦は1話〜1話半に圧縮できると思います。
浮いた分を活かせば、輝一のキャラをふくらませるだけの最低ラインはエピソードを確保できたような気がしてならないんですが…。
密度の薄いバトル話を続けるより、大事なことがあったのではないでしょうか。
まあ、アイスデビモンの若本規夫さんがキレた演技を見せてくれてるので、その意味では印象的なエピソードかも。
●各キャラ
・
拓也
また戦闘不能ですか…。
やっぱりスピリットがないと何もできないのかなあ。
・
輝二
輝一のトリガー扱い。つーか、まじでもうちょっと言葉をかわしてほしい…。
・
輝一
実は今回の主役はこの人。初登場時ほどの強さはなく、純平らよりちょっとだけ上という程度な描写ですが、それでも美味しいところは
かっさらっていった感じです。ただ個人的には、どうもパッとしないんですね…。
どんな性格かを『本編から』感じ取ることがまだできずにいるので、しかたないんですが。
・
泉
なにげに合体技を披露してました。いつのまに特訓したんだ…。
・
友樹
アイスクリーム状態になったり、必殺のアヴァランチステップをかわされたりと苦戦しましたが、最後でなんとか挽回しました。
・
純平
至近距離からのフィールドデストロイヤー。今回はコレでしょう。
今後は実力のたりない分を、33話のように合体技や連携でおぎなっていくことになりそうです。あとはそれが今後も活きるかどうか。
・
パタモン
ネーモンもろとも、丸ごと凍っていたのがちょっと笑えました。体が小さいからあっという間に凍ったのね…。
・
ボコモン&ネーモン
アイスデビモンの詳細な説明、ありがとうございます。
しかしデジモン裁判って…(^_^;) 裁判長はやっぱりセラフィモン? 厳しそうだなあ。
・
アイスデビモン
上述のとおり、声は若本規夫さん。アクのつよい声質の持ちぬしなので、一回こっきりにもかかわらず、かなりのインパクトを残しました。
ですが、やはり出てくるタイミングが悪かったかな…。
・
ケルビモン
今回は超越体にボコられっぱなしでした。次回で奥の手を出すようです。
●今回の名(迷)セリフ
『まだわからないのか、オファニモンの気持ちが!
オファニモンはお前を止めたかったんだ。ばかなことをするお前を、最後まで助けようとした!』(拓也@カイゼルグレイモン)
このセリフを吐かせるには、オファニモンの描写も拓也たちとの触れあいも、足りなさすぎる気がι
しかも彼女は先週、助けると見せかけて
色仕掛けでマストアイテムを分捕ってる
わけだし。
言いたいことはわかりますが、脚本上のセリフをそのまま発音させてるだけな感じです…。
『愚かな人間よ! どんな力を得ようと、三大天使デジモンであるおれに勝てるはずがない!』(ケルビモン)
しかし残りふたりの片割れは不意打ちといえども、メルキューレモン
ごとき
にあっさり屠られてるんですが…(汗)
『オレの出番がなくなるかと思ったぜー』(純平)
しゃれにならんから勘弁してください。こっちがびびります。
『今よ!』(泉@シューツモン)
出た! セーラームーンや勇者シリーズ伝統の
『トドメ譲渡
』
!
『言葉はかわさなくても、心は通じてるみたいね』(泉)
…そうなの?
●カイゼルグレイモン&マグナガルルモン その2
後半でミソをつけてしまったものの、圧倒的な力を見せたこの二体。
それにしても、おどろいたのはマグナガルルモンの武器です。思うさま連射したあと、いきなり
『ポイッ』と投げ捨てる
んですもん。
あげくにアーマーまで脱ぎ捨てて
ジャージ姿
軽装スタイル
になるし、ものすごいロボットっぷり。
カイゼルグレイモンが王道スタイルなだけに、よけい目立ちました。
●予告
ようやくケルビモンとの決戦のようです。むしろ最終話みたいなノリ。八島さんなので、アクションは期待できそうですね。
しかしながら、八島作画のマグナガルルはかなり微妙…。