首都壊滅!クルモンの願い
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脚本:小中千昭 演出:川田武範 作画監督:信実節子 |
49話です。ついにラストへ向けカウントダウン開始!
■ADR10
例によって便宜上の呼称。加藤さんの悲鳴に呼応して都庁を取り込み、カーネルスフィアを覆い隠すように発現しています。その全長は数百メートルにもおよび、サクヤモンが女神像と形容した通り、無言の圧力をもってその場にそびえ立ちました。おそらく、ゾーンそのものを自在にあやつることができるのでしょう。
頭部とおぼしき部分に見える六つの目は、ADR-09のコアを思い起こさせます。というより、本来は同じものなのかも。
さて、ただでさえ不利な戦いなのに、さらに相手がフィールドカードを出してきたのでは勝ち目がありません。テイマーズでさえ、ただ後退するしか選択肢がありませんでした。
しかも、その後一週間にわたって手をこまねいている状態が続いてます。大人たちが止めたのかもしれません。なにしろテイマーズは大事な切り札でもあるわけですから、明確な対抗手段が見つかるまでうかつな行動は慎まねばいけない、と。
…でも一週間も経ったんじゃ、もうデジタルワールドが全滅しちゃったのでは……。
映画では無事でしたけどね。
■ベルゼブモン→インプモン
一時は死を受け入れた彼でしたが、いちはやく行動していたグラニにより救われました。その後、なにげにずっとサクヤモンに抱っこされていたので、ひそかな役得かもしれません(←おいおい)。
今日気づいたのですが、彼のかっこよさって、実はブザマさにあるのかも……。
大ダメージを受けたものの、タイムラグは一週間。ギリギリで戦列復帰する可能性が出てきました。
それにしてもグラニってば、大殊勲賞ですね。
■サクヤモン
『馬鹿! なに、あきらめてるのよ!!』
もともとインプモンを気にかけていたレナモンですから、助けに向かうのは至極当然。でも、サクヤモンだとまた違ったふうに聞こえます。
なんだかレナモンと留姫、ふたりの意志みたいな感じのセリフですね。
■ステルス戦闘機
電磁波の影響を受けないステルス戦闘機で、破壊ではなく調査のための広範囲行動。無思慮な攻撃かと思っていましたが、向こうさんもきっちり考えているようです。しかも、それが反撃の糸口につながるわけですから、思っていた以上に重要な役回りっぽい。
こうした技術面でのサポートは、確かに知識と経験をつんだ大人たちの得意分野。逆に言うと、デ・リーパーはそうまでしなければ太刀打ちできない破滅招来体だとも言えるわけです。なんという恐ろしい連中でしょう。
魅力はぜんぜんないけど。
■独白
一週間の間、手を出せずに悶々としていたタカトの心理が、モノローグで切々と語られます。本質的にはデジモンとただ一緒に遊ぶことができれば満足なタカト君にとって、いまの現状は不本意以外のなにものでもないでしょう。それが良くわかりました。
視聴者の子供たちも、わけのわからんデ・リーパーなんて早くぶっ飛ばしてもらいたいと思っているのでしょう。
感情移入できない、強いだけの敵というのは何とも無味乾燥なものです。
■安らぎ
しばらくの間戦いっぱなしだったテイマーズですが、ここでしばしの休憩期間ができました。とはいえ、彼らはとても休んでられる心境じゃなかったと思いますけど。
堂々とレナモンをレストランに連れ込んでいる牧野一家が、何かすごい。ペット持ちこみ可なお店なんでしょうか?(ペットってあんた…)
■加藤さん
『なんで……わたしなんか……』
『樹莉なんて死んじゃえ! ワン!』
き、きつい一言を……。
ベルゼブモンの行動とその失敗は、彼女のマイナス思考に拍車をかけるだけの結果に終わってしまったようです。前よりひどくなってる。
これまでの気持ちがゆるやかな崩壊だとすると、いまはもっと絶望的な思考。それがデ・リーパーの学習を促進させ、もはや彼女を必要としないほどに進化させるきっかけになってしまいました。
でも上のようなセリフを言うのは間違っていると思います。
彼女はそんなにダメな子ですか? 好かれていませんか? 死んでいい子ですか?
いいえ、違います。
そもそも考えていいことではないし、冗談でも口に出していいことではありません。
それはクルモンも、テイマーズも、親御さんたちも、視聴者も知っていることじゃありませんか。
正直この破滅的な思考には、悲しくさえなります…。
■室長
『そうだったのか……!』
ていうか加藤さんがいること知らなかったんですか室長!!
テイマーズもなんで言わないかなあ……わかるはずなのに。なんてうかつな。
■オペレーション・ドゥードルバグ(かな?)
命名はたぶん、バベルさん。
ステルスが打ち込んだビーコンをもとにデ・リーパーの情報を解析し、さらにテリアモンの情報とも照らしあわせて、原始的な状態に退化させてしまおうという計画でしょう…たぶん。いまいち自信ない。作戦名についても同様であります。
ということは、本体への突破口は大人たちが開いてくれるのかな?
■テリアモンとジェンと鎮宇さん
ジェンはタカトたちが休息している間も、ちょくちょくお父さんたちの仕事場へ顔を出していたようですね。彼なりに状況を把握しておきたかったのでしょう。単純に好奇心もあるはず。
で、彼のそんな行動は自然とテイマーズへのパイプにもなるわけですね。仕事場で起こったことをかみくだいて説明できるとしたら、それはジェンだけですから。しばらく行動を控えると決まったときに、ある程度の連絡網は組んでいそう。
でも電話がそうそう使えるとも思えないし、定期的に集まって現状把握?
さてそんな中、テリアモンが計画の一端として解析を受けることになりました。でも、ジェンはちょっと乗り気じゃなかった感じ。
頭では必要なことだとわかっていても、テリアモンがまるでサンプルのような扱いを受けるのは不愉快なのでしょう。もっとも彼のそんな気持ちは鎮宇さんもわかっていたようで、テリアモンにはあくまでも柔らかい、ジェンの友人へ接するような態度で臨んでいました。ま、要はいつも通りに接したということですね。
テリアモン自身はというと、あいかわらずマイペースでした。
■レッドカード(クリムゾンカード?)
水野さんへも何か頼んでいたらしいジェン君。水野さんのほうから申し出たのかもしれませんが、ともあれ、初登場の赤いカードが完成しました。さしずめレッドカード…いえ、クリムゾンカードでしょうか?
ジェンはさっそくカードスラッシュをおこない、データをDアークに取り込んでいましたが、これは次回への伏線?
もしやクリムゾンモードへのカギになるのかな?
■浦添海
『いとこが東京であんなにがんばってるのに、じっとしていられんさ』
何と今ごろになって登場。たぶんタカトがデュークモンと一体になって戦っている画像を見て、決意したんでしょう。
考えてみれば、タイミング的には妥当かも。彼は遠くから来ているわけだし、早い段階で東京にいるというのはちょっと不自然な展開になりますからね。それに、いたところでエールを送るくらいしかできませんから意味がない。だとすると、タカトの気持ちを引き出し、激励するために出てきたといえるでしょう。
ひるがえって考えると彼の登場により、お話がいよいよラストバトルの様相を呈してくるわけですね。
しかしわざわざ出したところを見ると、小中さん、カイはキャラ的に使えるとみたんですかね?
■カイの立ち位置
それにしても、テレビでのカイはどんな位置づけになっているんでしょう? やっぱり沖縄で何か事件があって、そのときにタカトの戦いぶりを見ていたりしたんでしょうか? それとも、映画通りでいいのかな?
だとすると美波も出て来なきゃおかしいということになるけど……出たとしてもセリフはないでしょうね(^ ^;
さすがに、それだけのために三石さんは出せないでしょう。
■クルモン
『ばかーーー!!』
『クルモンは樹莉のこと好きです! みんなも、樹莉のこと好きです!』
とうとう加藤さんを叱責しました。すごい成長です。女の子と仲がいいわけですから、これが留姫でも同じことを言ったでしょう。
さらに言えば、『好き』という気持ちを言葉として出したのはこれが初めてのはず。それだけに、真摯な声となって加藤さんの心に届いたんじゃないでしょうか。閉ざされていた心を一瞬ひらくほどに。
でもタカト君、大変ですよ? クルモンに先をこされましたよ?
■タカトの気持ち
『うん…好きだった』
おおっと、とうとう言いましたね? でも、それは本人の前で言ったほうがいいですよ?
それはともかく、彼がこういうふうに言えるのって、カイだけなのかもしれません。加藤さん自身にならともかく、留姫やジェンにも難しそうだし、ヒロカズやケンタも同様。親御さんに至っては論外でしょう。でもこの気さくないとこになら、話せることがあるのかもしれません。
だとすると小中さんがカイを出したのは、タカトに上述のセリフを言わせる役として?
■お母さん
『…あなたを産んだこと、誇りに思うわ……!』
ついにここまで言っちゃいました。これって親から子へのセリフとしては、ほとんど究極的なものですよね。これが出ちゃっちゃあ、もう終わりまで突っ走るしかないでしょう。
ここでは書いてませんが、お父さんのセリフも不器用ながら、息子への想いがあふれたものでした。
■総括
とりあえず、インプモンが助かったので良し、な回でした。お話としては、ラストバトル前の最後のインターミッション、といった雰囲気。
加藤さんが一週間もの間、どうやって生命を維持していたのかなど謎はありますが、彼女自身だけはまだデータであった説もあります。あの触手にもいろいろ秘密があるんでしょう。
あのニセ加藤さんもひさびさに出てきましたが、順番からいうとこいつがADR-01?
かたやテイマーズ&ワイルドバンチ連合軍は、ひたすら理詰めでデ・リーパーに対抗。こういうところは、このシリーズらしいかも?
■次回予告
いよいよクリムゾンモードが登場。グラニとの合体です。映画では、ほかの究極体ではどうにもならない事態でさえ瞬時に片づけていましたが果たしてその実力はいかほどのものなのでしょう?
そして、ジェンの持つクリムゾンカード(仮)はどんな働きをする?