真紅の騎士デュークモン 愛するものたちを救え!

 脚本:小中千昭 演出:角銅博之 作画監督:浅沼昭弘

 50話です。とうとうここまで来ました。


■ADR-11
 今回はいろんなADRシリーズが出てきましたが、まったくの新型と思われるのがこいつ。女神像ことADR-10をのぞけば、いちばんの巨体をほこりセントガルゴモンをして『でかすぎ』とさえ言わしめました。正確にはADR-10が作った攻撃用端末かもしれません。
 全身はプラグのような触手が何万も束になって形成されており、先を無数の鎌に変えて攻撃してきます。死神と呼ばれるゆえんでしょう。



■出撃

『あれが…オレたちの息子だ』


 決戦に向かうタカトを見てのお父さんのセリフですが、正確にはタカト、デュークモン(ギルモン)、グラニの3人(体)。
 いろいろとフクザツな方々です。最後には三位一体ときた。

 それにしても、デュークモンにこそ『実はキミ……飛べないの?』のカードを捧げてポイントを20下げたいです。



■前兆

『あったかい……サクヤモンの中にいると、なんだかあったかいよ』
『…そう』


 戦いに向かう道中、留姫とサクヤモンのやり取りにて。
 39話にも似たようなセリフが出てますが、あらためて言わせることで、『最後だ』というイメージを蓄積していくわけですね。

 身体は小さいけれど自由自在に飛べるあたり、サクヤモンの神通力はすごいものがあります。



■変な球体とレッドカード
 まるでラストダンジョン前のセーブポイントのような球体。その中には、ジェンとテリアモンがいました。
 あの空間はいったい? もしかしてレッドカード(正式名称判明)で作ったものでしょうか。でも描写がなかったような……。
 あらかじめあそこに集まるよう、連絡してたんでしょうか?

 レッドカードはデックに一枚限りの一発しか使えない、片道パスポートのようなものでしょう。
 この機会をのがしたら次はない、というわけですね。



■ギルモン、レナモン、テリアモン

『わ〜い、ギルモンだ〜』
『元気だった〜?』
『…おい』
『モーマンターイ』


 どうやら久しぶりのようす。待機中はあまり会っていなかったのかな?
 テリアモンにひっつかれてもツッコミを入れる程度なレナモンも、ずいぶん変わりました。余裕が出たというか。



■変わること、関わること
 思い出したように、自分たちのしてきたことを反すうしたタカトたち。ふとした表情は、年相応のものばかりでした。
 ただ、視聴者はかれらが変わってきている、成長しはじめていると感じ取っていますし、タカトたち自身にも自覚があるはず。
 変化も自分のうちと認め取り込むことが『成長』ですから、どんな事があっても自分が自分であることは、変わらない本質なのです。

 タカトたちがその気持ちを健やかに育てることができたのは、パートナーたちがいたから。親御さんや大人の協力者たちが理解を示し、見守ってくれたことも同じく重要です。ヒトも、ヒトに近い心を持つデジモンも支えあうから成長があり、さらなる進化があるのですね。
 それを否定する楔がデ・リーパー。彼らに負けることはすなわち、心あるすべてのものの敗北を意味するのです。
 断じて負けられない、不倶戴天の敵といえましょう。

 作り出したのがもともと人間だというのも、忘れてはいけないことですが。



■グラニその1
 ADR-05にはね飛ばされ、墜落しちゃいました。やむなくデュークモンは彼をその場に残します。
 豪快にあっけない墜落ぶりと、地面に突き刺さった姿がかなり間抜けだったというのは、言っちゃいけないことだとか。



■ヒロカズ&ケンタ組
 街にあらわれたADRシリーズを退治して回っていましたが、そこに現れた謎のヘリコプター。
 なぜヒロカズたちが手配されたのでしょう? なんだか嫌な予感がします。



■ジャスティモン
『オレたちを忘れてもらっちゃ困るぜ!』
『邪魔だ邪魔だーーッ!』
『いくぜ死神野郎ぉーーッ!』

 小中さんが描く初めてのジャスティモンです。51話を入れて考えてもほとんど最初で最後。
 ここではリョウのさわやかさより、秘める荒々しさが前面に出た描写になっていますね。心なしか、戦いかたもいつになくアグレッシブ。サイバードラモンにとっての宿敵がデ・リーパーだとするなら、決戦に血湧き肉踊っているのかもしれません。

 でも飛んで登場したのに、グラニに乗って行動していたのは何故? 福岡から走り幅跳びしただなんて言わせませんよ?
 ……やりかねんけど。



■加藤さん
『…こんなことが運命だっていうの?』
『…わたし、レオモンの言葉を間違って受け取ってた…』


 やっと本来の自分を取り戻してくれました。いえ、越えようとしています。
 過去の運命を受け入れられず、涙を隠す現在に嫌悪し、未来の運命さえ否定する。それが間違っていることだと気づいたのでしょう。
 どんなに悔やんでも、起こってしまったことは変えられません。ですが振り返ってみて、『起こるべくして起こったことだ』などと、どこの何様が言えるというのでしょう。それこそ神のみぞ知るです。
 それに縛られて、自分を見失ってはいけない。レオモンは、加藤さんにそう伝えたかったのでしょうか?

 デ・リーパーはさらに本質を突く発言をしますが、これもまた一面だけしか捉えていません。ヒトの本能や欲求など単純な部分だけです。こうした純粋論、一見絶対的に見えますが、あいにくヒトはそれほど素直な生き物じゃありません。矛盾とたたかう『本能』を持っているのです。そんな私たちとわかりあえるデジモンも、またしかり。心を持っているって、そういうことですよね?

 結局連中は加藤さんからデータを盗んだだけで、人間の上っ面をなでたにすぎません。
 単純さゆえに強大なデ・リーパーでしたが、そろそろ底が見えてきました。

 
 
■クルモン
 今さらになってカーバンクルが語源っぽいという情報を得ました。言われてみれば……。



■インプモンとアイ&マコ
 傷ついてすっかり自信喪失していたインプモンですが、またアイとマコが助けになってくれました。
 しかもこの二人、最終回一話前にしてDアークゲット。名実ともにパートナーシップ成立です。これを使えば、インプモンのケガを治すことができるかもしれません。色は紫か…。

 インプモンが最後にどんな活躍をするか、ぜひとも見届けねば。



■小春とロップモン
 完全体までしかなれないこのコンビ、ヒロケンと同じく待機組のようです。しかし万が一のことを考えれば、大人組のガードについていてくれた方がいい、という考え方もありますね。
 その大人組ですが、果たしてオペレーション・ドゥードルバグとは? 鎮宇さんのセリフが気になる。



■グラニ その2

『……飛びたいか?』
『ぼくにいっぱい話しかけてくれて、ありがとう…ギルモン。タカト……』


 傷ついたボディで無理したからか、もはや自力での行動は不可能な彼。力つきようとするデュークモンを救うため、その大いなる飛行能力を付加するかたちで融合しました。彼ははたして幸せだったのでしょうか?

 …客観的に考えると、グラニの姿よりはマシだと思われます。少なくともテイマーズの中では。
 彼はデジモンであってデジモンでない、ゼロアームズです。最期の一瞬を除き、しゃべる姿は確認されていません。あのままでは、人間やデジモンとうまくコミュニケートできないでしょう。
 それに彼は位置づけでいうと兵器ですから、よしんばデ・リーパーを倒したとしても、その後が問題です。へたをすると、もうギルモンやタカトに会えなくなってしまうかもしれないのです。室長が手を回したとしても限界があるでしょう。

 グラニもそのへんはわかっていたはず。だからこそ自分の存在を賭け、唯一の友を救うために一世一代の大勝負に出たのかもしれません。
 それでグラニである自分がなくなったとしても、彼にとっては本望だったのではないでしょうか。
 本当のところはわかりませんが。

 それにしてもウィザーモンっぽい声だなあ。誰でせう。もしかして室長の千葉進歩さん?



■総括
 最終決戦の雰囲気がバリバリに出ていましたが、キモである戦闘シーンはそれほどでもありません。ホンを楽しむ回といえましょう。
 でも作画はきれいです。よく見れば原画の人数が多い。なぜ普段からこれくらいかけませんか? いろいろ事情があるのかなあ。

 加藤さんの立ち直りが意外と早いのは、本当のカタルシスがそこじゃないから?



■次回予告
 さていよいよ最終回です。けっこう静かな気持ちで迎えております。
 お話についてはほとんどわかりませんが、それがかえって期待と不安をあおる。さ、作画が……(笑)
 なんとなく勘ですが、ちょっとやりきれない話になりそうな……。

 フロンティアの方が実は比重が多いです。一話の作画は抜群によさそう。山室さん?
 タクヤの演技は思ったより太めです。どんなヤツだろう?