タイキ・キリハVSバグラ軍、全面決戦!

 脚本:三条陸 演出:細田雅弘 作画監督:高橋晃、梨澤孝司
★あらすじ

 ソードゾーンで敵将グレイドモンを討ち、バグラ軍からまたひとつゾーンを救ったクロスハート。
 苦しむグレイドモンを見て共に生きる道があれば良かったのにとタイキが思ったとき、コードクラウンが反応。
 グレイドモンを邪悪な姿から本来の黄金の姿へ戻してゆきます。それはタイキの新しい力でした。
 彼がすべてのコードクラウンを手に入れれば、きっと平和な世界がやってくる──

 しかし、それを望まない者も存在するのです。ライバルのキリハ、そしてバグラ軍。
 最後のコードクラウンの持ち主が確定し、デジタルワールドが変容を始めている今この時を狙い、
 全てを奪取しようとタクティモンが動きはじめました。巨大な塔によってゾーンが封鎖され、激戦がはじまります。
 刀の封印を解いたタクティモンの強さは凄絶でした。X5もデッカーグレイモンも圧倒され、動きを封じられます。

 クロスローダーから現れたコードクラウンを、バグラモンのもとへ届けようとするタクティモン。
 さらに、なおも立ち上がるタイキを危険視して命を奪おうとします。危機を救ったのは何とグレイドモンでした。
 グレイドモンは塔を破壊し、ゾーンの封鎖を解除します。タイキに救われたその命をかけて。

 怒りに燃えるクロスハート、そしてブルーフレアの猛攻がタクティモンをも撃退せしめるのですが、
 バグラモンの直接介入によりコードクラウンが強奪されてしまいます。巻き起こる嵐に飛ばされる一同。

 タイキたちが気づいたとき、目の前に広がっていた光景は……!




★全体印象

 29話です。
 重要回だけあり脚本は構成の三条氏。演出は細田氏なので「ガイキング」コンビですね。
 作監は二人もおり、かなり力を入れて仕上げられた回だということがわかります。それとも逼迫してたのかな。

 さて、とにかく急展開の一語につきるエピソードです。
 コードクラウンが揃うと具体的に何が起こるのかハッキリと示し、タクティモンの本気とダークナイトモンの素性、
 さらに東京へ移る舞台と詰め込むにもほどがある流れ。まるで打ち切りが決まったマンガみたいです。
 実際ゾーン遍歴によるコードクラウン集めはもうこれで打ち止めなのでしょうけど、ずいぶん急な話だ。

 このあたりの展開が、4月からの時間移動に大きく関わっていることだけはまず間違いないでしょう。
 直前番組である「スティッチ」などは29話という半端なところで終了してしまうようですし、枠に関して
 今回のバグラモンが見せた力よりも巨大な何かが働いた可能性はあります。
 あっちのほうが視聴率は上だったと聞いているのに……なんて恐ろしいんだ、アサヒテレビモン。

 とはいえ、あれこれと流れている噂について分析する気は今のところありません。
 次回からの新展開をしっかりと観察してゆき、その上で番組そのものへの答えを出すことになるでしょう。
 今回に関して言えば、あれだけの急転直下をよくここまで纏めたなと驚いてるぐらいですが。




★各キャラ&みどころ


・タイキ

 魔性呼ばわりされてしまった少年。
 実際、クロスハートにいるのは彼に口説かれて集まったような方々ばっかりなんで反論は難しいんですが…
 もうちょっと別の表現はなかったもんでしょーか。魔性なんて表現したらタケルになってしまう。
 ええ、あのときのタケルと同じ属性ということになる。

 冗談はさておき、彼のハイスペックぶりは確かに主役そのものと言えるほどです。
 三条作品の主人公は精神的に超大物になるケースが多いのですが、それを地でゆくタイプでしょう。
 ビィトやツワブキ・ダイヤを思い出せば、傾向が見えてくるのではないでしょうか。
 (アカリとゼンジロウを入れるとダイ・ポップ・マァムにやや近いのですが、細かい点はだいぶ違いますね)

 それを考えに入れると、ゲームのほうでジェネラルとして客演するのが太一なのも合点がいってきます。
 だって、タイキと同等以上の魅力値とリーダー力を兼ね備えているのは太一ぐらいしかいません。
 いろいろ総合してみると、実はタイキとかなり違う考え方のジェネラルになりそうですけど。

 なんか、デジモンカイザー軍対クロスハートなんかも急に見たくなってきたなぁ……
 おっと、与太話はいい加減にしないといけません。


・アカリ&ゼンジロウ

 冷静に考えてみれば、図らずも目的を達成してしまった形になる二人です。
 もともと両方とも巻き込まれただけで、当初は帰ることばかり考えていたはず。タイキもそんな二人の事情を慮り、
 一度はシャウトモンと別れて行動しようとしたこともあります。

 それが色々あって次第にうやむやとなり、この際だからと腹を決めてきた矢先の出来事です。
 クロスローダーを持つタイキと違い、実はもうこれで無理して一緒に行動する必要性が無くなってしまったかもしれません。
 あるとすればそれは必要論ではなく、仲間を放っておけないという気持ちの問題ということになるのでしょう。
 さて、果たしてどうなるか。

 それにしても、何やらもろに東京篇→ダークマスターズ篇の様相を呈してきたような……
 うまくあちら側に戻れたとしても、たぶん地獄のような場所になっていることでしょうから。あの螺旋のように。
 これで30話代にもう一人ジェネラルが加わったりしたらほとんどそのまんまです。最有力候補はユウですかね。
 まあ、図式と実際に見る絵面が違っているのは当たり前ですから重要なのはそれで面白いかどうかですけど。


・ネネ

 うまいことキリハを焚き付けて共闘へ導く一幕がありました。
 やり取りが妙に爽やかだったのは、主に彼女からいろんな意味での毒気が抜けていたからなのでしょうけど。
 キリハの方も、そこのところは微妙に感じ取ってそうな表情でした。

 新展開からは大幅にイメージチェンジして登場するようですが、特徴的なあの髪型はそのままなんですね。
 友人はタネモンと呼んでいました。言い得て妙。


・クロスハートの仲間たち

 土壇場でほとんどが行方不明に。前向きに考えれば東京に離散してて、それを集め直してゆく展開でしょうが……
 死亡扱いだったらどうしましょう。復活可能とか考えようによっては嫌なフラグが立ってしまってますし。
 グレイドモンの逆パターンで、バグラ軍の手下にされてる展開もアリになりますね。戦々恐々だ。

 それにしても質量を無視して圧縮のようなことができたり、データを扱う者によって振る舞いがガラリと変わったり
 やはり本作のデジモンたちは皆デジタルしていますね。前者のケースはセイバーズみたいな例もありますけど、
 後者は意外に斬新です。イービルリングが一種のハッキングなら、こちらはマスター権限ですが。
 問題は誰がクロスローダーを作り、それを人間に渡したかですけど……予告のオメガモンだったりして。

 戦闘ではX5Bが2度目の登場。
 それをもってしても押し切るにはキリハの助けが必要だったので、タクティモンの強さが逆によくわかります。
 敗れたのが悪役のほうだというだけで、どちらの格も落としすぎていないよく配慮された展開でした。


・キリハ

 機嫌がいい日だったのか、割にあっさり共闘してくれました。状況が状況だったから当然と言えば当然ですけど。
 ああ、そうか。この前はネネがいなかったもんなぁ……女性に甘いのはなんか理由があるのでしょうかね。

 さて、タイトルに名前が出てこそいますが実はちょっと影が薄いです。
 タクティモンもバグラモンもタイキばっかり危険視してますし、持ってたコードクラウンの数も少なげだし、
 いささか立場のない扱い。タクティモンの言動だけ見ると完全にタイキのオマケです。
 もともと漫画版はともかく、こちらじゃ必ずしも扱いがいいとは言えないしなぁ……どうしてこうなった。

 新展開からは髪型まで大幅に変わるようです。君はトランクスか。
 見ようによってはもはや誰だお前レベルです。コスチュームも変更前のほうがいい気がしますね。


・ブルーフレアのみなさん

 完全に戦闘要員として登場。デッカードラモンなんか矢田氏がアテてんのにほとんど喋りません。
 そもそも、メタルグレイモンやデッカーグレイモンの扱いからして微妙です。どちらも前哨戦が初登場で、
 前者はザコ相手ばかりだし後者は逆にブラストモン戦が初仕事だったので、トドメを刺せていません。
 バグラ軍が一部を除いて絶対悪すぎるため、ポジションを確立しきれていない側面がある印象です。

 でも、龍デジモンに特化したソリッドでスパルタンな重厚感は悪くないイメージなんですよね。
 クロスハート側となんだかんだ言って差別化ができてると思いますし……
 どんな形で再登場するのか、楽しみにしておきましょう。


・ソードゾーンのみなさん

 巨大な剣が突き立つアースティアのような大地で、剣の修行に明け暮れていたという方々。
 ベオウルフモンが突然出てきてひっくり返りました。この手の不意打ちはなんべん体験してもなかなか慣れません。
 しかも弱ぇ。グレイドモンはともかく、ディノヒューモンにボコられる有様です。このへんはもう慣れましたけど。

 グレイドモンが去ったあとは彼らもまた去っていったのか、気づけばどこにもいませんでした。
 あの場で起こった戦いを思えば、居合わせなくて幸せだったと言うべきですけど。


・グレイドモン

 タイキに救われた形となり、一度はそれを恥として拒絶したものの後半で助けに現れます。今回のキーパーソン。
 つまりは、タイキに惚れちゃった人のひとりです。タイキ……恐ろしい子。
 声は置鮎龍太郎氏です。ロードナイトモンの人ですが、アルファモンになって再登場しても驚かんぞ。

 彼やマッドレオモンの例を見るに、色が変だったり顔が変だったりしたデジモンは皆バグラ軍仕様で
 本来のデザインというか姿がちゃんとあるという示唆になってましたね。シュリモンあたりも元は白かったのでしょう。
 そうなると、元から姿が変わってないデジモンについてはどう説明したものかわかりませんが……
 もともとバグラ軍寄りの考え方だったとか? じゃあ、ドルルモンはどうなんだとか疑問はやまないけどね状態です。

 あれ?
 じゃあ三元士も、もとはあそこまで悪くなかったとか…そういう類推も成り立つんでしょうか?
 一番倒さなきゃいけないのは誰なんでしょう。今のところはバグラモンですが、本当にそれだけなのでしょうか。


・タクティモン

 ついに刀の封印を解き、秘技・参の太刀でクロスハートとブルーフレアを圧倒してのけました。
 噂通り、三元士の中では文句なしのトップファイターです。出番が少なかった分を取り返す暴れぶりでした。
 登板回数が少なかったのは、強キャラとしての格を下げないための措置というわけですね。

 しかも彼の恐ろしいところは、戦術的に敗れはしたもののコードクラウン掌握の道筋を作ったことです。
 最悪万が一自分が負けたとしてもバグラモンが控えていますから、次善策も一応あったわけですし。
 つまり戦略的にはクロスハートの完敗ということですね。このため、いっこうに勝った気がしない流れです。
 次に会ったときはさらに強くなってる可能性もあるので、今後も油断ならないでしょう。

 弐の太刀は自分が倒したデジモンたちのデータを悪霊のような力として使い、敵の動きを封じる技。
 参の太刀はそれを予備動作のようにし、強烈な衝撃波と圧力波をたたきつける技です。
 直撃を食らったX5とデッカーグレイモンは合体を解かれ、ジェネラルたちは余波だけで動けなくなりました。
 そのうえ、かなりの時間力が残り続けるという極悪な技です。たった一人で来たのも頷けるというもの。
 へたに部下を連れてきたりしたら、かえって足手まといです。必然であり、必要なことでもあったのですね。

 今回はこれに加えて冷酷な面が再強調されており、クロスハートの怒りを買っています。
 堂々としたところはあるのですが、やはり悪役は悪役。手加減は無用ということです。


・バグラモン

 タクティモンの作戦を城から見守ってましたが、失敗とみるや直接手を下し、コードクラウンを掌握しました。
 これにより、デジタルワールドは彼のものとなってしまったことになります。どうなってしまうのでしょう。
 つうか次元を越えて手を伸ばしてくるなんてズルい。あんなの誰が予測できるっていうんですか。

 なのですが、実はどんなヤツかまだよくわからなかったりします。
 ボス然とした雰囲気や、直接はほとんど見ていないはずのタイキを危険視したりと慧眼は持っていそうですが…

 次なる目的は何でしょう。もしや人間界侵略?


・ダークナイトモン

 普通にバグラモンの前へ現れたと思ったら、普通に会話してました。まさかそういう関係だったとは……
 でも、前はツワーモンを使ってクロスハートに塩を送るようなことをしていましたね。狙いがまだわかりません。
 バグラモンを持ち上げてましたけど、腹の底では寝首をかく気まんまんに見えてなりません。

 もうひとりのラスボス候補として、今後も目が離せませんね。
 四月からの新展開で別のラスボス候補が出てきたら、潮目が一気に変わってきそうですが。


・ダメモン

 ブラストモンを煽って王の間から連れ出してました。
 主人を迎えにゆくため兼、ブラストモンを遠ざける狙いがあったのでしょう。
 彼も腹の裡が読めないです。何を思ってダークナイトモンの下にいるのか、それすらもまだわからない。
 この手の人物は上にいる者がどうなるかで処遇がガラッと変わるんですが、彼の場合はどうなるんでしょう。


・ブラストモン

 前半でダメモンの挑発に乗り、追いかけていってしまいました。そのあとは出番なし。
 ダメモンにうまく撒かれたと考えるのが普通でしょうが、何かされた可能性も捨て切れないところですね。


・リリスモン

 今回ちょっとしおらしかった人。バグラモンの前だからなんでしょうけど。
 年末年始までは目立ってましたが、このところはブラストモンやタクティモンに譲って影が薄くなってますね。

 コードクラウン集めが打ち止めになったので、どういう立場になってゆくのか微妙なキャラのひとりです。
 自分のコードクラウンこそ失っていませんが、クロスハートにしてやられた回数がいちばん多いですからね。
 調子に乗って暴れていたら、意外にあっさりやられてしまいそうな気もしてきました。


・バグラ軍のみなさん

 グレイドモンに率いられてトループモン及びディノヒューモンが現れますが、たちまちフルボッコされます。
 ただの消化戦ではなく後半に繋がるネタの仕込みでもあったんですが、ザコにまで気が回るはずもなく。
 後半はタクティモン単独での出戦なので、部下たちは出番すらありませんでした。
 サブタイトルからしてもっと大勢出てくると思ったんですが……この点はちょっと拍子抜けでしたね。


・マッドレオモン→レオモン

 まさかの復活。そしてまさかの真人間(?)化です。声もしっかりと飛田氏のまま。

 つまりは彼もタクティモンに敗れ、コードクラウンでその手先にされていたんですね。
 他の復活組とくらべても扱いが大きめなので、再登場もありえます。同時にまた死んだらもう笑うしかありませんが。


・ところで今ごろ気づいたんですが

 バステモンの声が河西さんなのは「仮面ライダーW」の縁もあるのかもしれませんね。
 河西さん自身があの番組にけっこう出ててCDまで出してたし、メインも三条氏だったし……
 そういえば14話を除くと、しゃべるのは三条脚本回ばっかりですね。




★名(迷)セリフ


「ほっておけなかった、だろ? まっ、そこがいいんだけどよ、おめーは」(シャウトモン)

 タイキの性格を再強調すると同時に、それによって何が起こるのかという取っ掛かりになっているセリフ。
 転換期だからか、今までのおさらいみたいなセリフや状況が結構あります。


「つまらん世界だな。オレならそんなもの望まない。それに…ヤツらが望むはずがない!」(キリハ)

 といいつつ「まあ、お前ならそれを望むんだろうな」という表情になっているのがポイント。
 彼もまた考え方こそ相容れないものの、タイキが本気で取り組んでいることだけは知っていますし買ってます。
 そしてそんなキリハですら望まないであろう地獄を望む者こそが、バグラモンなのでしょう。


「そこでつまらない意地を張ってるほど、頭の悪い人じゃないはずよ。あなたは」(ネネ)

 クロスハートとの連携を取ろうとしないキリハに。
 ひさびさに出た感のある腹黒セリフ…なんですが、見返してみても以前より爽やかなやり取りです。
 毎回ノせられっぱなしなキリハですが、今回は乗ってやるかという感じで先に結論を出していました。

 ……そうなんだよな。彼、毎回ノせられてるんだよな。ネネに。それどころか、タイキにノせられたこともあるし。
 ジェネラル三人の中じゃやっぱり性格的に一番わかりやすい人です。


「ふざけるな! 負けたヤツがクズなんて誰が決めたんだ!!

 どんなヤツでも頑張りなおせるっ…! それが本当にいい世界だろぉっ!!」(タイキ)


 敗れたデジモンたちをクズと見下し、己の力として使役することを憚らぬタクティモンに。
 思えば、彼のジェネラルとしての始まりはマッドレオモンに敗れたシャウトモンを助けることでした。
 ドルルモン、ベルゼブモン、ナイトモン、スパーダモンと、本来なら敗残兵や裏切り者としての末路が待つ者たちも
 自分のゾーンやクロスハートで再出発を遂げています。むしろ敗者にこそ手を差し伸べ、もう一度共に頑張ろうと
 そう声をかけて奮い立たせていったのがタイキという男なのです。なるほど、思い起こせば筋が通っている。

 そんな彼だから、グレイドモンの悔しがり方に何かを感じたのかもしれません。
 バグラ軍の使命とは別に、こいつにも何かひたむきに目指していたものがあったのかもしれない、と。
 もしバグラ軍に入ったことで、その道が歪んだものになっているのだとしたら……と。


「わかりません、タクティモン様…!
 敵である私の命を救ってくれた、この見事なる少年を……なぜかっ…!
 放っておけなかった!」(グレイドモン)


 敵にして超スポット味方キャラからのエントリー。なんとも美味しい人です。特攻時のセリフもいい。
 仮面ライダーのときといい、キャッチフレーズを実に徹底的に強調してきますねぇ。ちゃんと本筋に絡めてるし。
 そして敵からも味方からも大人気ですねタイキ君は。全方位から爆揚げを食らっています。

 この前後、キリハの存在感はドロロ兵長並に薄いものになっていました。ブルーフレアの明日はどっちだ。


なんという魔性の少年…! 我が部下まで誑かすとは、許せんっ!」(タクティモン)

 問題発言。タクティモン卿、お気持ちはわかりますがちょっと落ち着いてください。


「…せっかくいい心を持てたのにっ…! 許せないのは…お前たちだっ!!」(タイキ)

 潮目が完全に変わった瞬間です。
 手を取り合えるかもしれない可能性すらも潰すバグラ軍。その暴虐が遂に、人間界から来た龍の逆鱗へ触れました。
 バグラモンすら危険視したその牙が仲間という刃を通し、今まさに振るわれようとしていたのです。


「…さすがです。兄上」(ダークナイトモン)

 コードクラウンを掌握したバグラモンに。…正直、その発想はありませんでした。身内だったとは。
 でもデジモンは人間どころか現実の生物ですらないので、兄弟だからといって似ているとは限らないんですよね。
 今週だったかのワンピでは、「だから、魚人には人類が同胞を姿形で区別する意味が理解できない」と語られていました。
 恐らくそれはデジモンとて同じでしょう。魚人以上にさまざまな姿を持っているわけですし。

 ところで、トワイライトがコードクラウンに興味を持っていなかったことは周知の通り。
 ダークナイトモンが欲していたのはダークネスローダーのみで、しかもその力はまだ底が知れません。
 もしも彼がコードクラウンなどくれてやる、という考え方なら…もっと恐ろしい何かが起きるのかもしれませんね。

 最後の敵はダークナイトモンか、バグラモンか、それともまだ見ぬ新キャラなのか──
 この先何が起きるのか、なかなか読ませてくれませんね。
 


★次回予告

 進化ですか…Vジャンで見たかぎりだと、マグナモンがどうにかなったような姿でしたが…どうなるのかなあ。
 名前と唐突に現れるオメガモン(デジメモリか?)には、たぶん何か関係があるのでしょうね。
 繰り返し洗われるタクティモンの影は虚像か、それとも怨念か。さすがにまだアレで死んだとは思えんのですが……