金賊のオレーグモンが笑う! さらばクロスハート! |
脚本:三条陸 演出:角銅博之 作画監督:直井正博 |
★あらすじ
バリスタモンが、オレーグモンの部下・ダークボリューモンだった──
衝撃の事実も覚めやらぬうち、両肩の隠し玉・スルトとヨルムンガルドを開放したオレーグモンにより
オメガシャウトモン、キリハ、メイルバードラモンらは彼方に飛ばされてしまいました。
残りの仲間も全員がオレーグモンの手に落ち、タイキは自由を奪われて仲間入りを要求されます。
断固として拒むタイキにオレーグモンは強硬手段へ訴え、ネネをダークボリューモンの能力の実験台としました。
ダークボリューモンはオレーグモンの声を媒介に、恐るべき破壊音波を放射できるのです。
絶体絶命の瀬戸際で、シャウトモンとキリハらが到着。デッカードラモンが船を転覆させ、大混乱を惹起します。
その間にシャウトモンのデジクロスを交えた必死の説得が届き、遂にバリスタモンが自分を取り戻しました。
シャウトモンとの連携で仲間も全員正気に戻り、反撃が始まります。
が、他の敵は倒したもののオレーグモンはやはり強敵でした。怒りにまかせた攻撃がX4Sを押し切ろうとしたとき、
バリスタモンが分離。まだ残っていたオレーグモンの声を逆に利用して破壊音波をぶつけ、倒す事に成功しました。
敗れたオレーグモンは負けを認め、連合軍を激励するような言葉とともに消えてゆきます。
奇妙なデスジェネラルとの戦いを終え、ついに船の修復を終えた連合軍は次の国へと新たな船出を遂げるのでした。
★全体印象
41話です。幸いにしてと言うべきか、次の週が休みだったのでゆっくり書いています。
脚本は前回に続いて三条氏。演出と作画はそれぞれ角銅氏に直井氏と、デジモン的にはおなじみの二人ですね。
ダークボリューモンの登場から始まる二度にわたっての敗北、シャウトモンとキリハの連携、
ドラコモンとデッカードラモンの活躍、そして最後の意外な勝因と、これまた詰め込みまくりの一編ですが
演出がかなりアッサリしているため、サックリ流れていってる印象を受けています。
バリスタモンが正気に戻るシーンなどは、他を多少削ってでもあと少しは溜めが欲しいかもしれません。
全体的にみて、このゴールドランド篇はギャグを交えつつも、ピンチに次ぐピンチで緊迫感が確保されていました。
ボスであるオレーグモンもキャラが立っていたため、対デスジェネラル篇としては変則ながら印象的です。
ただ演出や作画は見るからにというほど力が入っているわけではないので、そこは微妙なところですけれど。
面白いんだけど派手さが足りない、というか……難しいもんですね。
変則的といえば、ヴァンパイアランド以来初めてシャウトモンDXが出ていないエピソードでもありました。
三条氏はドラゴンランドでもジークグレイモンにドルビックモンを倒させていますし、中心となるキャラ周辺には
必ず重要な役割を負わせています。さすがに今回のバリスタモンは大金星過ぎてビックリしましたけど。
ドルルモンにも、あれくらい強引なまでの見せ場が欲しかったところです。
脈絡と盛り上がりのロープ際ですから、バランスを取るのは非常に難しいんですけれどね。
★各キャラ&みどころ
・タイキ
仲間が後半までほとんど抜けてしまって孤立無援に陥っていたこともあり、今回もあまりいいところがありません。
というか、あそこまで追い込まれたケース自体がほとんど無かったりします。
シャウトモンがあと少しでも遅れていたらどうなっていたことか……
いくらネネを助けるためとはいっても、連合軍の要がデスジェネラルと取引するようなことは
本来あってはならぬことです。かといって、彼に仲間を見捨てられるとは思えません。残された選択肢といえば、
それこそ自ら身投げして人質の意味をなくすことぐらいしかないのかもしれず。
まあ、漫画版ではネネとアカリ両方を助けるためにダークナイトモンへ投降したりもしてましたが…
ただ要求そのものは撥ねつけつつ、オレーグモンの本質には興味を持っていたようです。
あの言葉が本心からのものなら、いつか金賊団と本当の仲間になれるときが来るのかもしれません。
・シャウトモン
タイキとバリスタモンを助けるため、キリハに頭を下げる場面がありました。
負けん気の強い彼にしては珍しいシーンですが、必要な時にこういうことができるのが主役級の器ってものです。
漫画版でも似たやり取りがあったので、興味深い符号点。
デジクロスを応用してバリスタモンへ直接語りかけるくだりは、ヴァンパイアランドの一件を応用したものですね。
二度目なので新鮮味はありませんけど、その手があったかという符号感は残りました。
・バリスタモン
過去に何があったか、ちゃんとフォローされていました。
ゾーンが分かれた時ではなく、その後にゴールドゾーンで造られていたんですね。それが時空の歪みで飛ばされ、
シャウトモンに拾われて回路を組み替えられていたと。そのときに名前もつけてもらったんですね。
姿が変わったことも、シャウトモン自身が憶えていました。
やっぱり「よく分からんものをいじってみたら何だか直ったので良しとする」流れだったわけか。
確かに、シャウトモンの親友になれたのは偶然だったのかもしれません。
しかし今となっては、シャウトモンの友として過ごしてきた時間と経験のほうが上です。込められた想いも。
誰よりも長く深い付き合いだからこそ、バリスタモンの声は僅かながらシャウトモンに届きましたし、
シャウトモンの心もバリスタモンを見つけ出すことができました。
シャウトモンがバリスタモンの運命を変え、そのバリスタモンが今度はクロスハートを救ったのです。
終わってみれば、わざわざ潜在能力を引っ張り出してもらった上にしっかりそれを自分のものにした顛末です。
さながらディスクXのソリタリーウェーブのようにスルトとヨルムンガルドを消滅させ、オレーグモンの体をも
そのほとんどを消し飛ばしたアルティメットスピーカーは恐るべき技ですが、たぶんもう使わないでしょう。
バリスタモンには禁忌の技ですし、遠からず消えてしまうのであろうオレーグモンの声を媒介にしている以上、
使いたくても使えないんじゃないでしょうか。
もっとも、今度はシャウトモンの声を媒介にするようにすれば使えるんじゃないかと思ってしまいますが…
まあ、変則的な勝ち方だと思っておくほうがいいでしょうね。
なお、シャウトモンとの連携としては全員の洗脳を解く技を披露しています。
ダークボリューモンの時はこの逆を行い、その場のデジモン全員を洗脳してしまったのでしょう。恐ろしい技だ。
・クロスハートの仲間たち
シャウトモンとバリスタモン以外はほぼ終盤まで操られっぱなしなので、事実上封印されていた状態。
この洗脳は非常に強力で、シャウトモンとバリスタモンが解除するまでもとに戻る気配さえありませんでした。
データを書き換えられているのだから当然とはいえ、まったくもって恐ろしい。
ベルゼブモンやメルヴァモンに至るまで目ん玉ぐるぐるになってる場面には、軽い絶望感があります。
同じ場面ではバステモンもいましたが、これはたまたま外に出ていて巻き添えを食ったせいでしょう。
せっかく喋ったんですが、あんまりいい出番ではありませんでした。
バトルでは久々にX4Sが出ましたが、オレーグモンの猛攻に押されっぱなしでやはり良いところ無し。
ジェットメルヴァモンがマーメイモンを倒しはしたものの、火に油を注ぐだけの結果に終わっています。
とどのつまりバリスタモンとシャウトモン、それにドラコモンとメイルバードラモンが全部持って行った恰好。
ねずみ男だったら「おめえら今回はだらしがなかったなあ」と言いそうですが、仕方ありません。
どちらかといえば、オレーグモンの術のほうが極悪なのです。
・ネネ
なにげに有能な金賊団にあっさりと捕まり、ダークボリューモンの技の実験台にされる苦境を味わいました。
意外と平気そうだったところをみると、レベル1〜3は相当出力を絞っている段階だったようです。
ひょっとすると、金賊団はタイキを脅すためにわざと大袈裟なことを言っていたのでしょうか?
とりあえずこの番組が朝番組であったことと、作画があっさり味だったことを幸いに思いましょう。
でなかったら、そりゃあもうえらいことになっていたと思われます。
・キリハ
今回は危機に陥ったタイキを助けるという、序盤を思わせる大活躍を披露しました。
しかもドラコモンの知恵を借りて少数による電撃作戦を成功させるなど、32話をしっかり踏まえています。
どんなに強大な力にも屈せず、いかなる苦境においても折れない誇りを育みつつある背景には
連合軍としてクロスハートと共に戦ってきた経験もありましょうが、やはりドラコモンとの出逢いが大きいですね。
それぞれが何らかの力を持っており、結集させることでどんな事態をも引っくり返せる。
そうした考え方も確かにあり、彼はそれを実践に移せる男になりつつあります。
キャニオンランド篇ではおそらく、最大にして最後の試練が彼を待っているのでしょう。
そのとき過去がハッキリ語られるかもしれませんから、楽しみにしておきます。
・ブルーフレア組
比較的被害が少なかった方々。
メイルバードラモンで急行しドラコモンが見極め、デッカードラモンでちゃぶ台返しという黄金コンボが炸裂しました。
それだけにグレイモンがワリを食った形ですが、面白かったので良しとするしかありません。
得意になって作戦を語るドラコモンが、なんだか微笑ましい。
・スパーダモン、コロナモン、ルナモン
一名を除いて特に目立ったことをせず、気づいたら正気に戻っていた人々。
スパーダモンもX4Sとして参戦したものの、オレーグモンに手が出せないまま分離という結果に終わっています。
最後は金賊船でタイキたちといっしょに潜行してゆきましたが、たぶんキャニオンランドに着いた時点でお別れでしょう。
・リリモン
今回は回想にのみ登場。扱いが町娘Aと同等なので戦闘には参加しないんですが、要所で心に残ります。
シャウトモンにとってはタイキにとってのアカリみたいな存在なんでしょうか。だいぶイメージは違いますが。
このへん、もっとクローズアップしてもよかったかもしれませんね。
・オレーグモン
デスジェネラルとしては、ザミエールモンと同じく自らの強化にダークネスローダーを使わない戦士でした。
両肩の魔人はデジモンの名を冠していないので、彼自身の能力というやつでしょう。
つまり、素の状態でオメガシャウトモンを軽くあしらっていたわけです。
使ったデジクロスも実はドルルキャノンという正統派(盗用ですが)で、あまりローダーには頼っていませんね。
そういえば彼、デスジェネラルと名乗ってはいますがバグラモンへの忠誠を口にしたことはありません。
強さを買われてか金賊団ごとバグラ軍の下についてはいるものの、他のどの将軍よりも忠誠度は低そうです。
バグラモンのことですから、やりたいようにやれる舞台としてゴールドランドをあてがったのでしょうけど。
船もおそらくは金賊団の自前でしょう。昔からああいう場所にいたようですし。
さて、彼はあくまでもタイキを仲間に入れることに拘っていました。
考えてみなくても、デスジェネラルを次々に葬っているタイキを勧誘するのは問題です。
洗脳して強制的にというわけにいかない以上、いつ反撃されるかわかったものではないはずですから。
にもかかわらず迷わずに実行へ移しているところをみると、バグラ軍の一員という自覚がないか
またはいずれバグラモンにも牙をむくつもりだったか、そのどちらかでしょう。
なんにせよ、数々の能力を持つ厄介な相手でした。
悪党かそうでないかに依らず、部下の重要性を知っている者というのは手強いものです。
ゆえに、デスジェネラルでは今のところ唯一味方になってくれそうな目がある人物でもありました。
ただし、それが実現するのはすべてが終わってからでしょうが……
・スルト&ヨルムンガンド
オレーグモンが本気を出したとき、その両肩が開いて現れる一対の魔人です。
左肩の赤くてやたら口数の多い方がスルトで、右肩の青くてやたら陰鬱なボソボソ喋る方がヨルムンガンド。
一種の共生関係ですが、どのような経緯でオレーグモンと共生しているのかは一切不明です。
しかしその力は極めて強大であり、スルトが巻き起こす竜巻にかかると彼方へ飛ばされてしまいます。
ヨルムンガンドに至っては時空の彼方にまで吹っ飛ばすことが可能とのこと。とんでもない連中だ。
この二体を隠し玉に持っているからこそ、オレーグモンはデジクロスに頼らないのかもしれません。
が、そんな二体も実体化すれば固有の震動数を持っていることには変わりなく、
アルティメットスピーカーで仕掛けようとした技ごと吹っ飛ばされてしまいました。
ひょっとすると、自分たちの技に巻き込まれたのかもしれませんが。
・ダークボリューモン
魔人に加え、オレーグモンが「取り戻した」破壊兵器。やたら流暢で高音域な喋り方をします。
オレーグモンの声を受け止め、それを増幅して破壊音波に変える能力がありました。
おそらく、オレーグモンが角を使って練り上げた音階を完璧に解析することができるのでしょう。
あの呪文が効かなかったのも納得です。こんなのを造るなんて、見かけによらずオレーグモンって器用なんですね。
この状態での人格も存在してますが、バリスタモンとは似ても似つかぬ冷血漢でした。
でもシャウトモンと会ったときもこの姿だった事を考えると、何だか怪しい気がしますね。
むしろ「本来そう設定していた」性格へ強制的に書き換えられてただけなのかもしれません。
あれはバリスタモンの裏にいた人格というよりも、一種のリセット状態であると私は考えます。
つまりバリスタモンはダークボリューモンの姿だったころの意識もちゃんと持っていて、
そこから今の状態に落ち着いていったんじゃないでしょうか。
よほどの特別製だったのか、オレーグモンが同型を造った形跡はありません。
それだけに能力を全開にしたときの破壊力は凄まじいものがあり、デスジェネラル級も倒すほどでした。
ただし、それを味わったのはオレーグモン自身でしたが……
・金賊団のみなさん
オレーグモンの元からの部下であるマーメイモンたちには、呪文が効いている様子がありません。
もう仲間になっているから、と言えばそれまでですが、平気になるまでに至った経緯が気になります。
ひょっとすると仲間入りは強制でも、呪文を聞いて過ごしているうちに心の底から仲間になってしまうとか、
そういうカラクリがあったのかもしれませんね。
もちろん、単純にオレーグモンと波長が合って部下をやっていた者もいるでしょう。
そういう者には呪文を使う必要などなく、また呪文自体あまり効かないのかもしれません。波長が合ってるから。
そして少なくとも、彼らにとってオレーグモンは決して悪い大将ではなかったはずです。
身内を大事にしていたことは、その激昂そのものが教えてくれていました。
★名(迷)セリフ
「砲台、って意味だよ。オレ、喧嘩っ早くていっつもジジモンに『弾丸小僧めが!』って怒られててよぉ。
お前に、オレを支える相棒になってほしいんだ!」(シャウトモン)
名前をつけたのもシャウトモンでしたか……こりゃもう親友という以上に存在意義を作ってくれてるレベルだ。
何の他意もない「友達になりたいんだ」という想いが、バリスタモンという名前には篭っていたのですね。
直井作画のシャウトモンは他よりも目が柔和なので、より強調されて見えます。
そして、意外とシャウトモンにはタイキやネネよりもネーミングセンスがあったようです。
本人に聞いたら「たまたまいいのを思いついたんだよ」って照れるかもしれませんが。
「ノーなのか? ふーん…
だったらオレ様、残酷になるよ…? 基本…悪党だからな…!」(オレーグモン)
タイキに仲間入りを蹴られて。
彼の術はサンドゾーンでイーバモンが使ったような味方同士を殺し合いさせるようなものではなく、見方を変えれば
敵をも殺さずに味方へ引き込んでしまう合理的な手段と言えなくもありません。しかもその効用は絶大。
それに経緯はどうあれ今、明らかに自分の意志で彼の下についている者も大勢います。
ダークネスローダーで仲間を取り込み、自らの強化に使うようなことも結局していませんでした。
しかしドルルモンたちを仲間に引き込んだのも、ダークボリューモンを覚醒させてシャウトモンを忘れさせたのも
とどのつまりは悪党のやり方です。海賊ですから、それが当たり前だったのかもしれませんけれど。
ただ他のデスジェネラルと決定的に違う所はこのセリフにあるとおり、自分を悪党だと標榜していることです。
愛嬌のある悪役を演じることの多い塩谷浩三氏ですけど、この言葉は実にドスが利いていました。
言い回しも何だか妙に印象的です。こういうのを見ると三条節を再確認しますね。
「オレたちにはまだ誇りが残っている…そうだろ? ドラコモン」(キリハ)
弱音を吐くドラコモンに。びっくりするほど優しい口調です。あれほど頑だったのがウソみたいだ。
というか彼、一度認めた相手と女性には非常に甘いところがあります。隙の多さも含め、それが人間味になっている。
シャウトモンには素っ気ない口を叩いてますが、大人しく駒で収まるような器ではないと承知で言っているように見えます。
「泳ぎは得意か? タイキ」(キリハ)
やり取りなど一部略。
キリハから連続エントリーです。今回の彼は何だかもう確変が入りまくっていますね。カッコよすぎる。
少兵をもって戦局を引っくり返す。ドラコモンから、タイキから得たものを血肉にしつつある感じです。
「偶然なんかじゃねぇ! オレはお前をひと目見ただけで、お前を助けなきゃいけないヤツだってわかったぜっ…!
お前は、オレの運命の相棒だっ! いいヤツになって生まれ変わるのも、運命だったのさ!
ホントの気持ちを言ってみろっ……オレが直す前のお前と後のお前、どっちが好きだっ!
オレは命懸けで守るぜ! お前のその気持ちをっ! さぁ……言ってくれ! バリスタモン!!」(シャウトモン)
バリスタモンの心が宿命を嘆き、自分を諦めかけているのを見付けて。
運命というか、本来の運命を打破して新しい生き方を切り開いたという表現もできそうですね。
ここまで言ってくれるなんて、まさに友達冥利につきるというものです。積み重ね不足が惜しいところ。
26話のように、バリスタモンでなきゃ請け負えないことがあるなど示唆はありましたけど。
いずれにせよ、心あるものならここまで言われてどちらを選ぶか、もはや考えるまでもないでしょう。
その心はクロスハートの旗の元に団結するずっと前から、しっかりと根を下ろして育まれてきたものなのです。
「おれガ好キナノ、しゃうともんガ直シテクレタおれ…!
生マレ変ワッタおれガ、ホントノおれ…! ソノ名前、大好キ…! おれ、バリスタモン!!」(バリスタモン)
やり取りなど一部略。寡黙なバリスタモンにしては非常に珍しく、感情豊かな場面です。
デジクロス中のビジュアルでは泣いていたし、今回はとても表情がゆたかでした。
恐ろしい目的のために造られた兵器がかけがえのない人に出逢い、心を知り、破壊のための力を正義の力に変える。
ロボットの王道を突っ切る設定でしたが、デジモンがデジモンを作ったり名前をつけたり、前代未聞な描写もありました。
これもまた、クロスウォーズならではのエピソードなのかもしれません。
「オレーグモン。あんたは本当に変わったデスジェネラルだったよ。敵でなく会えたらよかったのに」(タイキ)
「やっかいな敵だったが、最後は潔かった。そこだけは認めてやる」(キリハ)
潔く負けを認め、自らの死をも受け入れたオレーグモンに。タイトル通りかタイトルに反してか、おさらばは彼の方でした。
タイキはおろかキリハにまで好意的なコメントを出してもらえるとは、スプラッシュモンの時とはえらい差です。
実際、強かったですけど。特にタイキをあそこまで追い詰めた男は、全篇通しても数少ないと思われます。
残るグラビモンとアポロモンが、このオレーグモンより強いと思えれば良いのですが…
まあ、たぶんアポロモンは出鱈目に強いと思いますが。唯一の主役級な上、大トリなわけですし。
★次回予告
知性派だというグラビモン。とりあえずスプラッシュモンよりマシなら何でもいいです。
そしてキリハ。なんだかんだで多くのものを学びつつある彼にとって、まさに正念場となりうるエピソードかもしれません。
そういえば、彼をデジタルワールドに導いたのはそもそも誰だったのでしょう?
…もしやグラビモン、なのでしょうか。もしそうなら、面白くなりそうです。