強き愛を! デッカードラモン最期の叫び!!

 脚本:米村正二 演出:えんどうてつや 作画監督:高橋昇
★あらすじ

 自分こそが最強である事を証明するため、タイキたちに襲いかかるキリハと青の軍。
 キリハを止めるため、タイキはオメガシャウトモンとの一騎討ちへ持ち込みます。激戦の末、半ば痛み分けとなる両者。
 なおも戦おうとするキリハを、飛び出したデッカードラモンが押しとどめようとします。
 愛を失ってはならないと諭す言葉にも、しかしキリハは耳を貸そうとしません。逆に容赦のない攻撃を浴びせます。

 タイキたちが見かねて割って入ったとき、デッカードラモンがキリハの過去を映し出しました。
 一大経済グループの御曹司として生まれたキリハは、父親に強くあれと厳しく育てられてきました。
 ところが先立って母が、そして父も若くして他界。部下たちは全て去ってゆき、キリハは幼い身空で全てを失ったのです。
 以来、彼は己の力のみを頼りに生きてきました。この世で信じられるものは強さだけと心に刻み付けられたまま。

 すべてを知り、今一度キリハを説得しようとするタイキ。
 そこへグラビモンが現れ、超重力爆弾による破壊攻撃を仕掛けてきました。最初から両者を疲弊させて潰す肚だったのです。
 咄嗟の危機を身を呈して救ったのは、デッカードラモンでした。そのさなか、キリハは不意に悟ります。
 強さが全てではない。強さの先にあるもの、それは真に信じられる仲間!

 何かを掴んだキリハを見て、デッカードラモンは安心したかのように消滅してゆきます。
 嘲笑うグラビモンを見据えるキリハの目は、決意の瞳でした。赤が、青が、白が今、ひとつの輝きとなって弾けます。
 その名もシャウトモンX7! 迫るグラビモンの軍をまたたく間に蹴散らし、かつてない力を込めて相対します。

 しかしそれでもなお、グラビモンは笑っているのでした。彼の真の力とは?



★全体印象

 43話です。
 脚本は前回に続いて米村氏。演出にSDのえんどうてつや氏が入っており、作画も高橋氏と言いつつ半ば富田作画無双なので
 ビジュアル面での印象は一部除いて良好。特に前半のオメガシャウトモン対ジークグレイモンと、シャウトモンX7については
 非常に力が入った仕上がりです。節目の回にしようという努力が窺える。

 しかしお話はとにかくツッコミどころの嵐で、どうしたもんか本気で悩んだぐらいのもの。
 デッカードラモンの体を張ってキリハを止め、さらに命を懸けてキリハの確変を促すという退場への大筋は
 それだけ見れば普通なんですが、 過程にいろいろとアラが多すぎて本当にもうどうしたらいいのかわかりません。
 後でじっくり語りますけど、どーしてこうなったのやら。

 正直、プリキュアあたりと比べても構成が仕事してない、希望的観測を述べてもできてない気がしてきました。
 うまく言えないんですけど、スイプリがサブへ事細かに指示を与えて書かせてる印象を受けるのに対し、こちらの方は
 本当に大筋だけしか投げてない感じ。細かいところにまで目が届いてるとはお世辞にも言えません。
 もともと枠移動やアカリたちの実質的リストラといい、あちこち連携が取れてないところがありますし……
 逆に個人的なことを言えば、それで良くこのレベルに纏まってるもんだと思いますが。もっと酷い例を見たことがあるし。

 もう少し言うと、ほぼまるまる一話残ってる状態でX7を出したのもあんまりうまくないなぁと感じています。
 ここで一気にケリをつけてしまうか、せっかくだからキリハ関連をもっと掘り下げて44話の前半終わり頃に出し、
 充分にその力を見せつけて圧勝するぐらいでいいんじゃないでしょうか。いちおう最終合体なわけですし。 

 そんなこんなで、長文が多い割にあんまりいいことは書いてないと思います。すでに書いてやしません。
 


★挿入歌

 「WE ARE クロスハート! ver. X7」がTV初お披露目。
 和田光司氏に宮崎歩氏、谷本貴義氏らデジモンの歴代主題歌・挿入歌ボーカリストがグレートクロスでお送りする豪華版です。
 前奏途中でギュララァンと入るギターに、思わず「Breave Heart」を思い出してみたり。
 伴奏も豪華というか壮大さを意識したものになっており、要所要所でギター以外の弦楽器も補強に入ってました。
 「勇者王誕生!」のTV版とOVA版の違いみたいなもんだと考えればわかりやすいような、わかりづらいような。

 最終合体のキーワードとして登場するグレートクロスは、初期バージョンの「WE ARE〜」から確認されているもの。
 これを三人のジェネラルが唱えることにより、本当の意味で団結するという図式なのでしょう。
 たぶん。



★各キャラ&みどころ


・タイキ

 事ここに及んでも冷静さを崩しきらず「何があった?」と訊くあたりがいろんな意味ですごい。
 太一ならばとっくに一発ぶん殴って「なんで殴ったかわかるか?」と言葉を投げているところです。
 悪いという意味ではなく、実例があるのでそう述べたまでなんですが。
 まあ、アレはそれなりに付き合いの長いヤマト相手だったからできたことだと思いますけど……

 とにかく、こんぐらいクールな人じゃなきゃキリハみたいな暴れ馬とやっていくなんて無理なんだろうなぁ。
 あらためて心から思いました。初期メンバー以外の大半は結局、彼が引き込んだも同然です。
 米やんのホンだとキリハとは逆に有能さを発揮する傾向が顕著になりつつあるので、余計そう思いますね。

 ただ、デッカードラモンに任せてみたらやっぱりダメで戻ってきたくだりは色々とマヌケでした。
 キリハが本気だということを示したかったのでしょうが、どっちみちああなるんだとすれば
 果たしてどれくらい必要な場面だったのか、どうにも疑問がついて廻ります。

 っていうか、よく見ると特に何もしてないんですよね。書いた通り、肉体言語を使ってさえいない。
 キリハに歩み寄る最中、何も言わなくても仲間たちがサイバードラモンらを抑えてくれる演出は良かったんですが、
 あくまで演出だからなぁ……それで何をするのかと思ったら、上の質問だし。


・シャウトモン→オメガシャウトモン

 タイキに代わって実力行使をしていたのが彼。
 これにより、はからずもオメガシャウトモンVSジークグレイモンが実現しました。いわゆる究極体激突です。
 スピードと手数で勝るオメガシャウトモンに、パワーと防御力で勝るジークグレイモン。どうやら互角みたいですね。
 ギリギリで勝てたのは僅かに深く踏み込めた速さと、実質三人分の想いが籠められた進化ゆえでしょうか。
 
 グレイモンとの奇妙な友情は、25話あたりから仕込まれているものです。
 凶暴、無骨で不器用ですが、ときには助けてくれたこともあるグレイモンを彼も心底では認めていました。
 デジクロスをするようになってからは尚更でしょう。少なくとも、バグラ軍に尻尾を振ることはないと思っていた。

 それがこの有様ですから、怒るのも無理はないかもしれません。
 ブルーフレア組のやったことは誇りを、愛をみずから捨てようとする行為に他ならなかったのですから。


・クロスハートの仲間たち

 半ば蚊帳の外です。事実上、最後にX7の合体要員としてバリスタモンらが呼び出されるだけ。
 メルヴァモンのカットだけやけに多かった気がするのは、作画班の趣味でしょうか。

 それでもサイバーランド篇でドルルモン、ゴールドランド篇でバリスタモンに見せ場があったことは
 大きな意味があると言わねばなりません。X7のためのいろいろな精算があの時点で始まっていたのです。
 また重ねて書きますが、言葉がなくともサイバードラモンらを抑える場面はとても印象的でした。
 あれはまさにジェネラルの行進です。特に意味がなかったのが残念。


・ネネ

 こういう話だと本当になんにもしない娘なんですが、富田氏の意地か、出る時はやたら存在感がありました。
 圧巻はタイキとキリハの対峙中、タイキの背中を目標に脚から入ってきて歩み寄るカット。
 たったこれだけでアピールになってます。今度は膕ですか……なんちゅうマニアックな。

 …ユウ絡みでないと作画でしか語ることがないのか、この人は……
 本当はそんなことないと思うんですけど、いささか寂しい現実を突きつけられつつあります。


・キリハ

 ああ、やっぱりええとこの坊ちゃんだったんですね。なんとなくそんな気がしてました。
 と見せかけて、今は文無しと宣言したも同然。境遇の段階で極端から極端に変わった人だったんですね。

 結局のところ、構成の三条氏以外はあまり使いこなせていないキャラでした。
 その三条氏でさえ充分に彼を描くことができないまま、なし崩しで仲間入りしていったような恰好です。
 ここまで出番が増えることになるんなら、序盤でもっと仕込みをしておくべきだったでしょう。
 それを許さない何らかの事情があったようにも見えますが。

 そんでもって今回のこのありさまです。
 まさか何の前触れもなしにいきなりロケットの写真が動き出して、電波受信で悟りを開くとは思いませんでした。
 しかもその前に、あれだけ気にかけてくれたデッカードラモンをボコボコにしておいてですよ。
 これで「死ぬな!」と言われても「いやパーティクルが出るぐらい七分殺ししたのあんたでしょ」となってしまう。

 心理の変遷がフリーフォールすぎて、こっちは「ええええ!????」という絶叫しかリアクションが取れません。
 この感覚は「オールライダー対大ショッカー」を見た時に似ています。記憶を取り戻したと思ったら
 仲間のはずのユウスケと夏海を放り出して大首領の座に座り、と思ったらあっという間に蹴落とされて路頭に迷い
 「オレは全てを失った…」などと供述する士を見たときのような、あの気持ち
です。まるでついていけない。
 その映画の脚本を書いてるのもご存知、マグマゾーンの米村です。なんという既視感。

 過去を語る場面もいささか人物自身に説明をさせすぎで、かえって興が醒めるというものです。
 デッカードラモンにあんな能力があるんなら、最後までイメージで通せば済む話だと思うんですが……

 思えば「セイバーズ」において早い段階で母親の死と境遇の前フリを示し、30話代でリリーナを出して
 バーストモードに繋げたトーマの過去エピソードは、なんだかんだでしっかり作られていました。
 説明させる形ではなく、イメージとして視聴者に理解させる形式を採ることが多かったですし。

 三条氏ほどの人がこうも梃子摺るとは、余程のことがあったんでしょうか。
 一番の問題は、大事なところでことごとく米村氏に書かせてることだと思われてなりませんが。

 ……ホント、なんでこんな重要回を米やんにやらせるかなぁ。わけがわからないよ。


・デッカードラモン

 たぶんキリハの今後に関わってくるんだろうなと思わせておいて、やっぱり関わったのはいいけれど
 その経緯がいささか擁護が大変なほどショボかった、たいへん気の毒なワニさんです。
 一応、ゴールドランド篇で少し出番が増えたのは仕込みだったんですね。

 この方の不遇は、ブルーフレア加入どころかキリハにつくと宣言した時にすでに始まっていました。
 初仕事のダークナイトモン戦では倒すに至っておらず、次に出てきた時にはそのダークナイトモンに操られ、
 デッカーグレイモンを披露したと思ったらブラストモンを倒すに至らず気づいたらドルビックモンにボコられ、
 ちょっと出番が増えたと思ったら従うと決めたキリハ自身にボコられ、半ばその傷がもとで死亡。
 書きながらちょっと泣けてきました。あまりにも不遇すぎる。強いという触れ込みだったのに。

 それでも彼は老齢ならではの頑固さと鷹揚さで、最期までキリハを導いて逝きました。
 あるいは本当に寿命が近くて、最後のひと働きとしてブルーフレアに入ったのかもしれませんね。
 キリハは彼にどれだけ感謝しても足りないと思います。言わばお爺ちゃん役を果たしてくれたようなものだから。
 本当はそうじゃないんだよ、こうだったんだよと教えてあげるのは、祖父の役割な気もしますし。

 あの外見で老獪な賢者という意外なキャラ付けを行ったのは、たぶん三条氏です。
 その意味でも、せめて43話と44話は氏が担当した方がよかったと思うんですが…書けない理由があったのかなぁ。


・ブルーフレア組

 デッカードラモンとドラコモン以外は基本的にキリハに忠実でした。
 もっとも、ドラコモンには物理的に止める力がないのでクロスローダーの中で叫んでるだけです。
 こういう話でアレしかドラコモンを出さないというのは、ちょっと信じ難いものがありますが。

 超ひさしぶりにゴーレモンも登場。いたのかよ! ってぐらい久々の登板です。てっきり死んだのかと(ひでえ)。
 そーいえば、あの大量のガオスモンたちはどこへ行ったんでしょうか。ドルビックモンにやられた……
 という確証が実は無いので、こっちも忘れた頃にわーっと出てきたりするんですかね。

 デッカードラモンは上述のゴーレモンとサイバードラモンにボッコボコにされ、半殺しの憂き目に遭います。
 積極的に戦う意志が無いとはいえ、これはまた情けない。あんた単体なら青軍最強じゃなかったんかい。
 むしろこの二体ぐらいは逆に抑え込んで、そのまま過去語りに突入するぐらいのことはしてほしかったです。
 死因はグラビモンの攻撃だけでも充分でしょう。ヤツは一応ジークグレイモンをも瞬殺してるんですから。

 いい所よりもこういう雑なところが積み重なるから、マグマゾーンの米村なんて呼ぶ羽目になるのです。
 それでも起用されるのはたぶん、筆が超人的に早いからなのでしょうけど。
 でなきゃ、あの仕事量の説明がつかないと思います。


・シャウトモンX7

 タイキ、キリハ、ネネが3つのクロスローダーと心を合わせることによって出現した姿。
 オメガシャウトモン、バリスタモン、ドルルモン、スターモン&ピックモンズ、スパロウモン、ジークグレイモンが内訳です。
 スターモン&ピックモンズが複数で1カウントなのに対しジークグレイモンは一体で2カウントなので、ややわかりづらい。

 ただでさえ強いオメガシャウトモンへX5として上乗せされる力が加わっているのみならず、ジークグレイモンも入るので
 合体形態としてはこれ以上のものは考えられますまい。デジクロスは足し算じゃないので尚更です。
 中核をなすシャウトモンの力が大きければ、当然バリスタモンたちが合体したときの力もでかくなるはずですね。

 その戦闘力は実際凄まじいもので、これまでの進化や合体では数で押されるであろうグラビモンの軍を
 あっという間に薙ぎ祓ってしまうほど。あれが全てではないでしょうが、もはや物量は意味をなしません。
 だからこそ、個人的にはそのまま一気にグラビモンも討ってほしかったんですが……
 最後の一人であるアポロモンに梃子摺るのは半ば確定みたいなもんなのですし、初登場ぐらい無敵を通してほしかったですね。
 まして、シャウトモンDXがまだ敗れていないではありませんか。

 だいたい「新しいのができると思うよ! 試してごらんよ!」と言われて「やってみたらできたぞ! バンザーイ!」
 なんて展開ではいくらなんでも盛り上がりません。盛り上げる気あんのかと小一時間問い詰めたい。
 演出による力技で強引に持って行ったぶん、シャウトモンDXのほうがまだ遥かにマシです。


・グラビモン

 今回はあんまり出番がありません。少ない露出で取った行動もこれといって予想の範疇を出るものではないので、
 あれこれ書くことになるのは次回待ちということになります。
 ぶっちゃけ、キリハのアレっぷりとデッカードラモンの無理矢理な死にざまに隠れて影が薄いですね。

 ある意味では、最もワリを食ったデスジェネラルかもしれません。
 このまま、ただ妙に強いだけで特徴のないボスにならなきゃいいんですが…って、また不死身なんですか?



★名(迷)セリフ

「間違ったことを正してやるのも仲間だ!」(タイキ)

 オメガシャウトモンVSジークグレイモンの口火を切る一言。
 応えて吼えるオメガシャウトモンとジークグレイモンの炎により、究極体対決の火蓋が落とされました。
 見ようによっては傲慢とも取れるぐらい毅然としたセリフです。実のところ、本作でこれを言っていいのは彼ぐらいでしょう。
 ここまで来てしまったら、もう折れる暇すらもありますまい。一回だけ、数分ぐらいヘタレるかどうかというところ。

 バグラモンが危険視する理由が、だんだん実感としてわかってきたような気がしますね。
 彼のやり方が決していつも通用するわけではないんですが、主人公補正という名の天運にも恵まれているわけですし。


「オレには仲間はいらない…! 仲間は、いつかオレを裏切る……!」(キリハ)

 そしてこっちはこんな状態。
 しかし、彼は気づいているのでしょうか。どのような形であれ、本音に近いことを口にできてしまうということは
 それだけ目の前の相手に心を許しているのだということに。
 マトモな状態ではないとはいえ、タイキと初めて会ったころの彼がこんなことを言えたかといえば、答えはNOでしょう。

 要するに、本当は聞いてほしくて聞いてほしくて仕方がないのです。
 本当は自分に自信がないからガムシャラに強くなろうとし、仲間を絞っていたのは仲間を作るのが怖かったから。
 裏切られるのが怖かったから。自分の弱さを棚に上げて他者を、世の中を怨み続けていたのです。だから態度も斜めになる。
 自身の中に恐怖があるから、過剰に他者を攻撃しようとするのでしょう。初期のフェニックス一輝にも通じる。

 率直に言って、こんなことを言う人が本当に仲間がいらないぐらい強かったことはまずありません。
 たとえ実力があっても心が非常に脆いケースが多く、それを克服してゆくのがひとつの命題となるわけです。
 だからこそその過程が重要になるんですが、納得いく形に落ち着かせるのは傍から見ているより難しいのでしょうね。


「オレたちはおまえのために戦う! お前を守る!」(メタルグレイモン)

 ですが、そんな彼にも必要とあれば戦友にも刃を向けることを躊躇わぬ忠実なパートナーと、奥底に秘めた愛を信じて
 本気で案じてくれる守護者がいました。本当に欲しいものはもう既に目の前にあった、ということ
 ……と書きたいんですけど、メタルグレイモンの行動スタンスがコロコロ変わりすぎててウッと躊躇ってしまいます。
 お前さん、そんなに都合よく立ってるところを変えてそれでいいのか、とシャウトモンじゃなくても言いたくなりますね。

 なによりもまずキリハが第一、というのならわかるんですが、正直それもちゃんと示唆されてないからなぁ…
 どうにも、ブルーフレア組は描写不足が惜しまれます。やるべきことを全然やってないわけじゃないけど、やはり足りない。


「強くなれば、本当の仲間が持てる! 本当の仲間を持つヤツが、本当に強いヤツなんだ!」(キリハ)

 突然の開眼。あまりの展開にしばし( ゚д゚)ポカーンとなってしまいました。私にキリル文字を使わせるほどだから相当です。
 どう贔屓目に見ても電波を受信したようにしか取れません。いったい何が起こったのかさっぱりわからない。
 いや、別に辿り着く結論としては妥当だし、間違ってもいないんですが……過程ががが。

 ひとまず置いといて整理すると、つまり両親の逝くのがあまりにも早すぎたということなのでしょう。
 フォローしてくれた人が誰もいなかったところをみると、親父さんは敵の多かった人なのかもしれません。
 少なくとも「本当の仲間」を作ることはできなかったようですね。金の切れ目が縁の切れ目だったようで。

 親父さんはその経験を活かし、キリハには二の轍を踏ませまいと敢えて厳しく当たっていたのでしょう。
 惜しむらくは、意図を伝えられなかったこと。今になってようやく伝わったことになります。
 でもやっぱり気づいたというより電波受信だよなぁ、アレ……

 なんか、今後はこれまでと逆に不気味なぐらいフレンドリーになっていきそうだなぁ……
 この手の例に漏れずいろいろと極端な人だから、その可能性は小さくないと思われますよ。



★次回予告

 まだまだ粘るグラビモン。不死身と強制デジクロスで攻めまくってくるようです。
 デジクロスを解いてる場面があるところをみると、グラビモンの本体であるコアを捜す展開にもなるのでしょうか?
 ヤツが本当の実力を見せるのはまだこれからとはいえ、妙に長引いたりしないことを祈るばかりです。