狙われたタイキ! 超セレブ・スターの雄叫び!

 脚本:三条陸 演出:細田雅弘 作画監督:直井正博
★あらすじ

 今日も今日とて助っ人部員に精を出すタイキ。
 いつかのようにぶっ倒れそうになった彼をフォローしたのは、隣町の中学に通っているアカリでした。
 共に戦った仲間でもある彼女ですが、デジクォーツのことは知りません。タイキが巻き込むまいと伝えずにいたのです。

 そんな折、超高級ホテルのペアチケットが当たったアカリ。
 デートの形になったタイキたちを完全に野次馬根性で冷やかしに向かったタギルでしたが、異変が発生。
 チケットは超スーパースターと言われるスーパースターモンの罠でした。あらゆる分野のスターたちを捕らえ、
 コレクションに加えて自らの力としているこのデジモンが、次の標的としてタイキを選んだのです。

 クロスローダーを手放してしまい、追われる一方のタイキとアカリ。
 二人を救うため、それぞれの思惑で戦うタギル、ユウ、そしてスーパースターモンを追っていたリョーマ。
 乱戦のどさくさを縫い、ツワーモンがタイキとアカリを救い出します。

 しかし、スーパースターモンは強敵でした。堅固なバリアに身を包んでおり、生半可な攻撃が通じないのです。
 タイキはアカリの一言から発想を広げ、ユウにバリスタモンとドルルモンを託して四体デジクロスを成立させました。
 現れたシャウトモンX4の一撃により、スーパースターモンのバリアは破られます。
 間髪入れずにタギルたちの攻撃が炸裂。ユウにハントされたスーパースターモンは負けを認め、人々を開放するのでした。

 事件の中でデジクォーツの情報を共有し、絆を新たなものとしたタイキとアカリ。
 事件の後にはゼンジロウも駆けつけるのですが、その突進ぶりはタギルをして唖然とさせるものでした。

 そして、本気で戦ってはいないというリョーマ。彼の思惑はどこにあるのでしょう。



★全体印象

 63話です。脚本は三条氏。演出と作画のまさひろコンビは前期からお馴染みですね。
 怒濤の筆致でデスジェネラル篇終盤を描き切った三条氏ですが、今期からは「仮面ライダーフォーゼ」にも顔を出しており
 必然的に仕事量が減るものと予測されます。その分を新顔の村山氏が埋める形になっているわけですが、
 その村山氏は「トリコ」のシリーズ構成でもあるわけで…どこも余裕ってものがないですね。

 さて、今回の目玉はなんといってもアカリの再登場。
 今期になってさっぱり顔を出さなくなったので今度こそリストラかと戦々恐々していた昨今なのですが、
 どっこい貫禄の嫁っぷりを見せつけてくれました。アホだけど柔軟性も見せたタギルやちゃっかり者のユウ、
 底知れぬ思惑をもって動いているリョーマと、他の要素も充実しています。

 さらに今回はそのアカリの発案でX4が登場するに至っており、サービス篇といえる内容でした。
 冷静に考えるとあのあたりはツッコミ所満載なのですが、それは後で語ることとします。
 なんにせよ、タイキの発言からみてそうそうダブルクロスができるわけではないみたいですね。
 アカリやゼンジロウにしても、あまり深く関わってはこない気がします。ちょくちょく出番はあるでしょうが。

 惜しむらくはタギルのリョーマへの対応あたりに、61話との齟齬がやや目立つところですか。
 とはいえ、リョーマのほうもそれと知っていて放置など冷徹な行動を取ってるので、仕方ないかもしれません。



★各キャラ&みどころ


・タギル

 タイキとアカリのデートをデジクォーツから出歯亀しようという発案に、本物のアホを見た気がしました。
 後でどやされても構わないと言わんばかりだったので、筋金入りです。行動力ならば超一流ですよ、この少年は。
 ある意味では最も年相応なんですけれどね。タイキとユウが大人びてますから。タイキに至っては老成の域に達してるし。

 アイルにねだられて鼻の下を伸ばしていたこともあるし、件のふたりと違って適度にスケベな少年でもあります。
 タイキやユウがあんまり加わらないような話題にも自分から首を突っ込んで、下世話な話も平気でしそう。良い意味で。
 そんなところが、様相を変えたクロスウォーズの物語を動かすために必要なのかもしれません。

 もちろんアホさ加減だけでなく、必要とあれば気に入らないリョーマとも連携する柔軟性も発揮しています。
 アホですけど頑迷ではないんですよね。でなきゃ、あんなに色々と試したりはしません。
 それを言うなら、タイキやユウのほうがまだ頑固でしょう。頑迷では無いと思うけど。

 たぶん、三条氏的にはタイキと違う意味で王道のキャラ付けだと思います。
 むしろポップ型と呼ぶべきではないかと理解してきました。今後、急激に伸びる可能性があるということです。
 恋のひとつでもすりゃ完璧なんですが、マミとは今のところそんな感じじゃないんだよなぁ……

 …タイキの話なのに、こんなに彼について書くことがあるとは思いませんでした。
 良くも悪くも一番目立ってたのは彼だし、主人公っぽさは損なわれてないかもしれません。


・ガムドラモン→アレスタードラモン

 タギルに比べればちょっとだけ空気を読むタイプ。
 二人して互いに、こいつの方がオレよりアホだと思ってるかもしれません。

 バトルでは、アスタモンとの初連携を披露しています。遠距離をこなせるアスタモンとはどうやら相性が良い模様。
 最初こそいがみ合っていましたが、相方の方針転換を受けて息を合わせてゆきました。
 大目標のために小さなプライドを捨てる覚悟なのは、言葉を弄するまでもなくタギルと一緒みたいですね。

 とはいえ目玉がX4なために、その影に隠れている面は否めません。
 まあ、サービス篇ですからそのへんは仕方ないでしょう。


・タイキ

 いちおう主役回…のはずなんですが、確かに目立ってるけど他を立てるような目立ち方をしてるんですよね。
 実際にはむしろ助けられてる局面ばかりで、ユウとツワーモンの有能さを引き立てすらしているという。
 しかし、それがタイキという男。自らの存在感を確保しながらも、仲間の存在感を引き出してみせるのです。
 人は独りではない。誰かがいてはじめて輝ける。そのことを最も理解している男ですから。

 常にどこか一歩退いた位置で事にあたり、有能さを発揮しつつ見せ場やトドメは後輩に譲る。
 先輩キャラとしては理想に近い位置にいますね。しかも不自然どころか、妙にしっくり来るポジションです。
 完成型キャラゆえ、こういう立場がやはりハマるのでしょう。

 そんな彼ですが、アカリについては淡白なようでやっぱり意識しているみたいですね。
 タギルにアカリとの関係を聞かれて嫁以上に狼狽えてたあたり、むしろ私の想像以上かも。


・シャウトモン他

 ほぼクロスローダーで生活してる方々。ワイズモンの言葉を信じるなら、中はそれなりに快適なのでしょう。
 代わりにタイキの指示なしでは簡単に出られないみたいなのですが、どうやらキュートモンだけは例外の模様。
 タイキとアカリがデジクォーツに引っ張り込まれた後、急をタギルたちに知らせる役を果たしています。

 シャウトモンも出番は少ないながら、アカリと旧交を暖める場面がありました。
 事件のあとも皆で集合し、情報を交換する機会を設けたようです。


・シャウトモンX4

 久々の登場。まともな手段では破れないスーパースターモンのバリアを打破するために現れました。
 バンクの雰囲気が浮いてるのはご愛嬌。というか、改めて見るとやっぱりすごい作画です。

 これにより、互いがクロスアップの形式を取った上でならデジクロスできることが判明しました。
 一体扱いでも一度に一回ずつというルールに則ると、合体はここまでが限度ですかね?
 上乗せという形を取れば、メンバー次第でX7もいけそうな気がするんですけど…
 ですが仮にそれが可能だとしても、タイキの他に三人もの協力が必要。今の段階では無理ということですね。

 しかしアレです。
 強さの基準がもうムチャクチャというか、超進化の株が本当に下がりまくってますね。
 X5B+デッカーグレイモンでも倒しきれなかったタクティモンをオメガシャウトモンでサックリ倒してしまった、
 あのあたりからもうヤバいことになってます。今やデフレスパイラルに陥ってる。

 今回のアレですと、デジクロスしなきゃバリアは破れない雰囲気。
 しかし私の記憶が正しければオメガシャウトモン>>>X4なので、そこから話がおかしくなってくる。
 別にオメガシャウトモン出せばよくね? と思わされてしまうんですね。
 どう考えても、アレは無かったことにしてくださいと言っているようにしか見えません。

 ただし、あれからシャウトモンが激戦を経てさらに強くなっているであろうことを忘れてはならないでしょう。
 それに、あの当時のオメガシャウトモンは未来の圧縮前借り状態であり、今より爆発力があったかもしれません。
 つまり超進化を使いこなせるようになったぶん、相対的にはデジクロスした方が強くなるようになった…
 と考えることもできます。そういう現象が無いとは言いきれません。

 …ちょっと無理があるかなぁ。
 一番の疑問は、ルールが各人の意識だけでなくクロスローダー自体にまで適用されていることですけど。
 一度でもデジクォーツに入ると、仕様がローカルルールに置き換わっちゃうんでしょうか?
 むう、そのあたりの解釈が妥当かもしれませんね。


・ユウとツワーモン

 タイキの有能な後輩。
 何かがおかしいと独自に調査して確証を掴み、タギルやリョーマすらもダシに使って現場に潜入。
 首尾よくタイキを救出したばかりか、スーパースターモンをちゃっかり掴まえる漁夫っぷりです。
 グラートンホテルのチケットがスーパーの景品なんかになっているはずがないと気付くあたりにも、
 生活レベルの高さが滲み出てますね。というか、ユウじゃなきゃ気付けなかったことでしょう。

 彼自身が行ったハントとしては、これが本作初となりました。
 ただし悪さをしたデジモンを制して配下に加えると言う体裁は守っており、ハント自体が目的ではありません。
 しかし、その気になれば最もハンターの素質があるかもしれませんね。タギルが言ってた通りだ。

 実際、そもそも相方であるダメモン=ツワーモンが非常に優秀ということが挙げられます。
 彼ならユウを連れていても神出鬼没、どこからどう潜入していてもおかしくないだけのイメージがある。
 今回のようにカカシを立てて姿をくらまし、独自に動くケースも不自然には映りません。
 単独でも充分話を動かせるという意味では、光子郎とテントモンにも迫る万能性があるでしょうね。

 タイキの話ではありますが、最も能力を発揮していたのは彼らだといえましょう。
 ただユウのタイキへのリスペクトっぷりは相当のもんというか、前よりエスカレートしてる気が。
 タイキが仲間あっての自分と公言しているのも含めてるような…もはやこう、信者に近い立ち位置です。

 いや、信者はヤバいかな…表現的にいろいろと。
 むしろ心の弟子と言った方がいいかもしれませんね。タイキほどクールではないですが。


・アカリ

 ネネ同様、前髪リニューアルと制服で再登場。
 特徴であるあのボンバーテイルはそのままに、ちょっと大人しいイメージとなりました。

 タイキとは中学が離れてしまった模様。忘れがちですが、デスジェネ篇までは小学生だったんですよね。
 今までいなかったのはタイキがそもそも知らせておらず、彼女自身も目の届くところにいなかったからですね。
 環境が変わると会う機会が減るというのはよくあることです。
 学生は自由時間が多いようですが、好き勝手に動けるわけじゃないですから尚更でしょう。

 しかしいざ知らされても慌てず騒がず、素早く順応してみせる適応性を発揮。ジェネラルの嫁は伊達じゃありません。
 それどころか逆転の一手を担う一言を放っており、バトルにも貢献しています。
 ゼンジロウもそうですが、愛されてるよなぁ……とりわけ、構成の三条氏からは破格の扱いを受けてますよね。

 ただ、ゲスト的な意味合いが強めなお話だったので今後はそれほど絡まないかもしれません。
 私としては、存在を抹消されなかっただけでもすでに御の字ですが……
 愛されっぷりからみて、彼女とゼンジロウの長期退場はスタッフの本意じゃないと思われますし。


・リョーマとアスタモン

 超思わせぶりに出てきておいて犯人じゃないという、2時間ドラマみたいなことをした方々。

 スーパースターモンを追っていたと言いますが、本命はタイキだったのではと思われてなりません。
 危地に陥ったとき、タイキとその仲間たちがどうやって切り抜けるのかこの目で確かめたかった節もあります。
 スーパースターモンなんてレアな個体を追っていながら、レンに知らせてないのも気になる。
 まあ、協調体制を取ってるだけで便宜を図る義務はないという見解なのかもしれませんが。

 その証拠かどうかはわかりませんが、スーパースターモンのハント自体には拘りが少ない感じでした。
 時計屋のおやじのセリフが真実なら、これまでも適当にやっていただけという可能性があります。
 とにかく強いデジモンを求めているようにも見えますし、力とか強さにはたぶん拘りがありそう。

 タギルにとっては、61話でガムドラモンとの間を繋いでくれた存在でもあります。
 だから本来は借りがあるはずなのですが、スーパースターモンを放置していた件で帳消しですかね。
 しかし最後にはタギルの申し出を受け、息の合った連係プレーを魅せました。
 やっぱりタギルには妙に甘いですね。意地を張るほどタギルに対抗心があるわけではないというか
 単にライバルと看做していない、もしくは合理的な思考の持ち主ということなのでしょう。
 
 彼らの動向が、縦軸のカギのひとつとなる可能性は高いですね。
 どのような行動を取るかによって、ずいぶんと話が変わってきそうです。


・スーパースターモン

 スターモンの中でも最もノリがよく、最もクールな者だけが辿り着けるという存在。
 旧作のスターモンが出ていないので、クロウォから見た人はクロウォ版スターモンに手足が生え、
 派手な装飾をまとった姿に見えるでしょう。実際には色違い+αなんですが。

 大物感を煽っただけあり、タギルとリョーマの二人掛かりでも有効打を与えられぬほど強いです。
 特に防御に関してはバリアがあるので、生半可な手は一切通用しません。
 スターモンと名のつくデジモンとしては歴代最強レベルの描写が為されているかもしれませんね。

 自ら一流を自称する高飛車な性格も、まさにスーパースターのもの。
 一流スターとされる人々を次々と攫ってコレクションとし、彼らから力を得てもいました。
 才覚ある人々の発する独特のオーラを自らのものとしていたようです。
 そのコレクションに、今度はタイキを加えようとしていました。

 以上の悪行はすべて正気で行っており、暴走していたわけではないみたいです。
 その一方で妙にサバけたところがあり、敗れてユウに捕まった後はコレクションをあっさり手放し
 今後は配下として働くことを確約しています。潔さもスターの条件というところですかね。
 タギルのことは軽く見ていましたが、最後の一撃を受けて考えを改めた様子。

 声は三ツ矢雄二氏。ここへ来てとみに名前を見かけるようになってきました。
 「トリコ」のグリンパーチが記憶に新しいところですが、かつて「コンバトラーV」の葵豹馬や
 「聖闘士星矢」のシャカなど、華々しい役を多数こなしていたこともよく憶えています。

 名前から連想できるように、クロスアップ要員としてタイキとユウの連携に役立ちそうですね。
 剣としてより、むしろ盾として使うケースかも。さしずめ、スーパースターシールドですな。


・ミニスターモン

 スーパースターモンの配下。つぶらな瞳が特徴です。名前は便宜上つけたもので、公式ではありません。
 といってもデジモン扱いはされてなかったので、たぶん分身か端末みたいなもんでしょう。
 集合すれば一個の怪物となり、それなりの戦闘力を発揮しますが、ツワーモンには敵いませんでした。
 そのツワーモンやアレスタードラモンにバッサバッサ斬られる場面はちょっと哀れ。


・ゼンジロウ

 ラストシーンで再登場。完全に出オチ要員です。
 どこで出すんだろうと思ってましたが、こういう出し方でしたか…むしろなぜこの出かたを想像せなんだ。
 隣町の隣町と言ってましたが、引越しでもしたんですかね? 剣道大会も地区が違ってたのかな。
 なんにせよ、アカリ同様いなくなってなくて良かったですよ。

 タイキが彼にもデジクォーツのことを知らせてなかったのは巻き込みたくなかった、というのもありましょうが
 (よく考えてみたら、結果はどうあれ最初に二人を巻き込む形になったのはタイキ自身です)、
 ゼンジロウに関してはむしろ「面倒なことになるから教えなかった」みたいな扱いでした。

 …ミもフタもない話ですが、タイキの気持ちは微妙にわかるような気がします。



★名(迷)セリフ


「ホントに、超人のくせに人がいいからね、タイキさんは」(ユウ)

 タギルとユウの意見が一致する唯一の時は、タイキについて話しているときでしょう。
 ユウのタイキに対するリスペクトはタギルと同じか、それ以上に強いものがありますね。
 本人の前ではみだりに言わないだけで、タイキは今でもユウにとってのスーパーマンというわけだ。

 ポジションは近いですが、太一とタケルの関係には似ているようで何か違う気がします。
 タケルの場合は兄貴が絡んでるから、一筋縄じゃいかない心理ですね。そこが受けたんだろうけど。


「ホンット、久し振りに来てみれば…全っ然変わってないのね、タイキは」(アカリ)

 タギルを遥かに上回る超スピードで、ぶっ倒れかけたタイキをフォローしての一言。1話の反復ですね。
 タイキに欠点があるとすれば、自分に負担をかけることへ異常なほど無頓着なことでしょう。
 そこをフォローしていたのが彼女だったんですが、今はなかなか見てあげられていないようです。

 しかしこの場面を見る限り、その嫁力は全く衰えていないようですね。


「男は面白いことのためには、危険を恐れないのだ!」(タギル)

 ガムドラモンに、後で怒られても知らないぞと言われて。
 なんか恰好つけてますが、やってることは完全にイタズラです。さすがはこないだまで小学生だった男。

 でも割と冗談抜きで、この言葉はタギルの行動そのまんまです。面白そうなことには深く考える前に首を突っ込み、
 それで痛い目に遭ったとしても後悔はしません。良くも悪くも、そこだけは学習しない。
 そのうちシャレにならん事になって、突っ走ることそのものに躊躇うようになるような試練が待ち構えていそうな……


「得物を泳がすのは、ハンターの基本さ」(リョーマ)

 冷徹にして合理的な一言。合理的すぎて反感を買うタイプのセリフです。
 それが有効だとわかっていれば誰とでも連携しそうなあたり、適応力は非常に高いものがあるんですよね。
 誰かが狙われているとわかれば、すぐに行動を起こしそうなタギルとは対照的です。


「だって、これデジモンに関わることでしょ?
 こういう時は、何も考えないでタイキと行動を合わせる。それがあたしのルール。
 そうやって、ずっと冒険してきたんだもん。
 こんなことぐらいでパニクってたら、タイキの仲間はつとまんないよ。
 世界を救った人間の一人を、あんまりなめないでよね♪」(アカリ)


 やりとりなど一部略。貫禄の嫁語録です。もはや余計なコメントは要りますまい。
 タイキとの恋人関係は否定してましたが、もう嫁みたいなもんで恋人ではない、という見方もございます。


「おいリョーマ! オレは、絶対未来のスーパースターになるつもりなんだよ!
 だから、あいつにはオレを認めさせてやんなきゃなんねえっ!
 そのためなら、お前の言うことを聞いてやるっ! どう戦えばいいか教えろっ!」(タギル)


 やりとりなど一部略。ちょっと前に、どこぞのバッドボーイなライダーが似たようなことを言っていた気がします。
 最初に共闘を申し出たのはユウですが、彼から連携…というか、リョーマのペースに合わせると言い出したのは
 これが初めてです。必要とあれば自身の蟠りを捨て、現実に対応するのもスーパースターの条件。
 タイキはそれを最初から持っていましたが、彼はこれから身につけてゆくのでしょう。


「計画通り! おつとめご苦労さん」(ユウ)

 そして、すでに状況へ対応していた男がここに一人。こんな爽やかな「計画通り」は初めて見ました。
 ゲーム感覚でハントにあたることを拒否していた彼ですが、いざ行うとなれば一歩先を読んだ大胆な手を採りますね。
 思考を素早く組み立て、目の前の状況をひとつひとつクリアしてゆく。
 強く律してはいるものの、本質的にそういうチャレンジが大好きな少年なのだろうと思わされます。

 そーいえば、ネネも潜入などの単独行動を得意としていましたね。さすが姉弟。


「じゃあ誰かに二体渡せば?」(アカリ)

 「その発想はなかったわ」な一言。スターモンズが一体扱いなところをヒントに、バリスタモンとドルルモンを渡せば
 X4が成立することを指摘しています。ルールに縛られすぎない、ちょっと前まで部外者だった者ならではの意見ですね。
 条件クリアのハードルの高さもあって、本作ではX4>オメガシャウトモンとなりました。少なくとも現状では。

 …強さ描写が結構いい加減ですよね、このシリーズ。ある意味フロンティアより大雑把なところがある。



★次回予告

 今度はネネが正式に再登場。やっぱり色んなところが超進化していますね。
 メルヴァモンが出ているということはユウがクロスローダーを持ってくるのか、それとも最初から持ってるのか…?
 とりあえず、シナリオが心配です。