伝説のヒーロー大集結! デジモンオールスター決戦!!

 脚本:三条陸 演出:角銅博之 作画監督:直井正博
★あらすじ

 クォーツモン。それは一年前のバグラモンとの戦いで生まれ、デジクォーツを媒介にデジモンや人間を誘い込み
 力を得てきた史上最悪のデジモンでした。多元的存在であるこの敵を普通の手段で討つのは不可能であり、
 東京湾に眠るバグラモンの力を武器に変えて存在を固定しなければならないのでした。

 やがて、クォーツモンがヴァンデモンの群れを繰り出してきます。
 タイキたちクロスハートの仲間がこれを迎え撃つ間、タギルやリョーマらハンターたちは時計屋のおやじの導きで
 切り札の使用権を競うことになりました。最後の一手は最強のハンターに打ってもらわねばならないのです。
 大半のハンターが辞退する中、趨勢は実質タギルとリョーマの一騎打ちとなってゆきます。

 一方、クロスハートは次第に追い詰められていました。敵の数があまりにも多すぎるのです。
 そこへ時計屋のおやじが呼び寄せた八神太一、本宮大輔、松田タカト、神原拓也、大門大らが救援に登場。
 異なる時間、異なる世界から来た英雄である彼らの協力により、ヴァンデモン軍団も遂に全滅せしめられます。
 同じ頃、切り札の使用権はタギルを破ったリョーマに渡っていました。

 その切り札「ブレイブスナッチャー」がタイキらの力で引き揚げられてリョーマに託され、いよいよ正念場というとき。
 突然、リョーマが裏切りの牙を剥きます。不意をつかれ、倒されてしまうタイキとオメガシャウトモン。
 もはや何者も自分を止めることはできない──これを待っていたかのように、クォーツモンが本性を露にしてゆきます。

 全ての世界に絶対の危機が迫ろうとしていました。どうする、タギル!



★全体印象

 78話です。脚本は三条氏。演出と作監については、初代アニメの頃からのお馴染みですね。

 今回はとりあえず、なんといっても歴代主人公の総出演につきるでしょう。
 実は当初、彼らもこの世界の作法に則ってハンターとして登場するのだろうかとか、競争相手になるのだろうかとか
 あれこれ考えたのですが、実際には概ねもとの作品のまんま登場することになっています。

 そりゃそうですね。もともとハンターじゃないのだから、競争相手…ましてや敵になる理由がありません。
 どうやら特撮の見過ぎだったようです。同じアニメであるプリキュアオールスターズを参考にすべきでしたね。
 とにかく、それぞれ個別に項目を作って語り倒すことにします。書くことが多そうだ。

 やむを得ないとはいえ、その一方で少々ワリを食っているのがクロスハート。
 フルメンバーの上、アカリとゼンジロウまでデバイスを得て奮戦するも、数に押されてしまっています。
 気軽にデジクロスできないのが痛いですね。それが敵の狙いなのでしょうけど。しかも最後にアレでしょう。
 それでも土壇場で新デジクロスを捩じ込んできたり、最終話近くになっても楽しませてくれます。

 ラストについては、何故あそこまで引っ張ったのかようやくわかりました。あそこでなきゃ駄目だったんですね。
 遂に素姓を明かしたリョーマが何故クォーツモンに従っているのか、それとも実は従わさせられているのか。
 このあたりも注目したいところです。

 泣いても笑っても、今回を入れてあと二話。
 クロスウォーズも今度こそこれで終わりかと思うと、お祭りの楽しさの中で寂しさがこみ上げてきます。



★各キャラ&みどころ

・タギル

 「越える」ことには拘ってるけど「勝つ」ことにはやっぱり、それほど執着がないんだなと改めて思いました。
 目の前のことに猛烈に突っ走ってゆくと思わせておいて、一番肝心なところではそうじゃない。不思議です。
 タイキへの憧れは持ってるけど、自分のペースも持っているというか、なんというか。
 うまく言えませんけど、短期的にはバカをやっても長期的展望は意外に持ってるタイプなんじゃないでしょうか。
 テイマーズで言えばヒロカズに感じたものに近いです。

 無論、あそこであっさりと引いたのはリョーマが自分と同じ想いを持っていると知ったからでしょう。
 もし同じ結果で相手がユウだったとしても、やはり潔く引いた気がします。
 無神経なことも言うけど、相手の胸にあるものがわかればそれを慮れる少年だということは既に示されているはず。

 それだけに、リョーマへは何が何でも一言叩き付けたいでしょう。
 リョーマがやったことはタイキや皆、街の人々のみならず、想いを託した自分への裏切りでもあるのですから。


・ガムドラモン→アレスタードラモン

 誰もツッこんでませんでしたが、リョーマとの戦いで何故スペリオルモードにならなかったんでしょう。
 やはり「ならなかったのではなく、なれなかった」と捉えるべきですかね。
 ひょっとしたら、本人たちもどうやったらなれるのか良くわかってなかったりするのかもしれません。
 余程の格下じゃない限り、手加減なんてするタイプには見えませんし……まして相手はリョーマでしょう。

 そもそもアレスターS自体、皆がまるで「見なかったことにしよう」と言わんばかりに触れようとしません。
 あれは一体なんだったんだろうと疑問に思う場面すら無し。これはもう、完全に尺の都合ですね。
 確かにそんな疑問を呈する場面を作るのなら、他の場面に一秒でも割いた方がいいのかもしれません。
 なんせ、放っといても最終話にまた出ることは半ば確定みたいなもんなのです。

 いずれにしても、確実に出せるかどうかわからないであろう力にあんまり頼るわけにはいきません。
 タイキたちはおろか、タギルとガムドラモンでさえアレのことは計算から外してる気すらしてきました。
 ぶっつけ本番、底力が発動したら出るかもよって程度に考えていたとか……


・タイキ

 前回X7、今回クロスハートの軍団バトルと来て、最終話を前に負傷欠場してしまいました。

 周囲からは持ち上げられてましたけど、時ハン篇では正直言ってろくな目に遭っていない気がします。
 先輩キャラとして一歩引くまではいいとしてもメインを張ったといえるエピソードが殆どなく、
 持ち味の大胆なデジクロスも設定レベルで封印され、ハント自体に興味が無いので出ない話すらあり、
 と執拗なまでに弱体化をかけられていました。オメガシャウトモンだけではどうにもなりません。

 それでも、彼の存在がないとタギルの動機が弱くなるのも確かで。
 大きな冒険をくぐり抜けた人物というものは、それだけで誰かの行動理由になりうるものなのです。
 だから立脚点的に問題だという説もあるのですけど。


・クロスハートの仲間たち

 ブランクを感じさせぬ団結ぶりを発揮しているぶん、ひとりひとりの描写は少なめです。
 それでも滑り込みでクロスローダーを得たアカリとゼンジロウやら、それぞれのデバイスに移ったのが
 漫画版に近いメンツだったり、メルヴァモンにべったりのベルゼブモンなど、見どころはありました。
 新デジクロスはその極致でしょう。メルヴァモン主体なのも含めて。
 そして一晩でメンバーを召集するワイズモンも相変わらずジェバンニです。ところでナイトモンは?

 戦闘では彼らだけでの迎撃も描かれてますが、本番は太一たちと合流してから。
 あれだけのメンバーが集まって切り抜けられない局面など、そうそうあるとは思えません。
 敵の規模がばかでかくなるのも仕方ないところです。

 歴代の登場とその戦いに関しては、ゼンジロウがリアクション実況をしてくれました。
 ちなみにそのゼンジロウのクロスローダーは、キリハよりやや薄い青。アカリはオレンジ色となってます。


・レンとアイル

 時計屋の作った特殊空間で、タギルとリョーマの一騎打ちを見守る役目でした。
 レンの方はナンバーワン決定戦に挑む気まんまんだったのですが、リョーマの気魄に圧されて実質辞退しています。
 最後の見せ場だったかもしれないのに、とことんまで不遇な男だ……
 どっちみち勝てなかったというセリフまで飛び出していたし、一体なんだったんでしょう、この子。


・ヒデアキ

 役どころはレンやアイルと一緒ですが、真っ先に辞退を宣言することで逆に目立っていました。
 割り切ってるというか、自分の分を非常にわきまえてるところがありますね。
 デジモンハンターになったのは手段の一環にすぎないので、最強にはなれないと初めから知ってるのです。

 そもそも、最強になることが彼に必要とは思えません。賞金をもらえるというのでもない限り。
 キイチもそうですが、強くなることすら望まない者が多いのは時ハン篇の大きな特色ですね。


・ケン・ハルキ・ノボル

 事ここに至っても顔と名前が一致しませんが、一応いました。
 ナンバーワン決定戦にも出る気があったみたいなのですが、レンと同じく実質辞退に追い込まれています。
 メインキャラ周囲以外にもハンターがいますよ、という主張のためだけにいるような方々ですから仕方なし。
 それでも、最終決戦ではやれる範囲で働くことになるかもしれませんが。


・避難所のみなさん

 時計屋のおやじが作った安全地帯にはカオルや、一瞬誰だかわかりませんでしたがタイキママもいました。
 ミズキも再登場を果たし、サルベージに一助を果たすという地味ながらも大変重要な役割を与えられています。
 また、ラーメン屋のマサルも無事が確認されました。

 マミ・ハルカ・ミドリに関しては依然として影も形もありません。無事なのか、無事じゃないのかどっちなんでしょう。
 健在であることが確認できないということは、要するに無事ではないということなのでしょうけれど。
 なんにせよ尺が足りませんね。


・時計屋のおやじ

 前回のあの行動は、たぶんクォーツモンの力に冒されない安全地帯を作るためのものだったのでしょう。
 クロックモンは恐らく、時間と空間に作用するかの邪悪なる力をある程度中和できるのだと思います。
 規模や強さではかなわないでしょうが、本質的には近いタイプの力を持っているのでしょうね。

 誰にも言わずにやっていたということは、裏切りを他でもないおやじ自身が恐れていたから、ですか。
 誰が裏切り者かわからないとなると、たとえ「まずこいつは違うだろう」と見なしている相手
 …例えばタギルにバレたり、行動の意図を打ち明けたりしたら、そこから露見する可能性があります。
 タギルが裏切り者に、それと知らず話してしまう危険が無いとはいえません。

 事実、77話冒頭では当の裏切り者であるリョーマがおやじの行動を見ていました。
 あの場面にそういう意味もあったのだとすれば、おやじの判断はアレで正解だったのでしょう。
 でなければ、事態がもっと悪化していた恐れがあります。


・太一&アグモン→ウォーグレイモン→オメガモン

 クロスハートの救援に登場。ウォーグレイモンを経て、最終的にはオメガモンを連れて大暴れしました。
 大輔との連携による切り札がもうひとつあるはずなんですが、小学生バージョンなのに出していいんでしょうか?
 でもここまで来たら出すんだろうな、お祭りだし……

 それ抜きで、さらにパラレルとして考えても、オメガモンを出せるということはウォーゲームに相当する
 大きな戦いを経た後ということになります。そこから紋章の力をデジタルワールドに開放するまで間がないので、
 おやじも彼らの勧誘には苦労したかもしれません。オメガモンは絶対条件でしょうから。
 ゲンナイさんと知り合いという後付け設定でもあれば、その時点で解決する気はしますけど。

 惜しむらくはオメガモンの登場にタイキがノーリアクションだったことと、ヤマトが喋らなかったことですね。
 まあ、皆勤賞である菊池氏以外は主役と、あとは賢の中の人しか呼べていないので仕方ありません。


・大輔&マグナモン→ブイモン→インペリアルドラモン→インペリアルドラモンファイターモード

 どういうわけか、いきなりマグナモンを連れて登場しました。これには意表を衝かれたものです。
 02本編中では全メディア合わせても三回しか現れていない奇跡のデジメンタルを、一体どうやって?
 パラレルと考えれば「手に入れたけど短時間しか使えない」という設定でいけますけど。便利だなあパラレル。

 その後は相棒の登場により、インペリアルドラモンにジョグレス究極進化して大立ち回りします。
 パイルドラモンをすっ飛ばしてますが、別におかしくはありません。ジョグレス後即究極進化というだけですね。
 モードチェンジ後は、全パートナーの中でも特に広域殲滅力に優れるっぽい描写がされていました。
 ある意味ヴァンデモンキラーなコンビなので、締めがアレなのもサービスというやつでしょう。

 大輔は太一と同じく中の人のブランクが長いからなのかなんなのか、太一と同じくらい違和感がありました。
 でもリョーマに激昂をぶつける場面では、昔っぽさがぐっと戻った感じでしたね。

 なおブイモンに関しては、前に野田氏が出ていたのにクレジット無しでした。
 ちくしょう…ちくしょう、ハーマン! ちくしょう!


・タカト+ギルモン→デュークモン→デュークモンクリムゾンモード

 菊池氏のおかげで得をしたコンビです。
 セリフも原作を知っていたらニヤリとするものが多く、サービス精神が横溢していました。
 あいにくと野沢氏までは呼べなかったのか、ギルモンは喋らないんですが……

 進化では原作通り、バッチリ融合しちゃいます。しかも衆目のど真ん中で。
 ということは、やっぱり留姫もサクヤモンになれるというわけですか……ゴクリ。

 津村氏は久々にタカトをやるはずなのですが、違和感なく仕上げてきています。
 久々といってもデジカ大戦には出てるのですが、アニメにそのキャラとして出たわけじゃありません。
 叫びまくるタイプの役ではないので、そのおかげも少しはあるのでしょうけど。


・拓也→アルダモン→スサノオモン

 俺だけ一人だけど気にしないで、と珍言を飛ばしながら登場しました。一応気にしてたのか……
 しかもダブルスピリットエボリューションで先陣を切ったものの、なぜか敵を仕留め損ねています。
 いかに大が規格外とはいえ、これはちょっと気の毒になりました。拳>>ブラフマストラだなんて……

 スサノオモンになってからは絶好調。スタートダッシュの悪さを取り返す大暴れを見せます。
 単体で上記に進化していることなど多数の矛盾が見受けられますが、これもパラレルでしょう。
 お祭りと言う言葉の前には、細かい設定など意味をなさないということなのかもしれません。

 竹内氏は今でもバリバリ少年役をこなしているため、声的に最も違和感がありません。
 デジモン主人公の声優としては保志氏と並んで最も若いので、そのおかげもあるでしょうね。


・大&アグモン→シャイングレイモン←シャイングレイモンバーストモード

 タイキにとっては直接の先輩にあたるコンビ。そのためか、シャウトモンとの絡みが多めでした。
 性格的にも、実は相性の悪い主役が無い感じです。歴代では太一と並んでリーダー的存在に見えました。
 …いや、リーダーは太一かな。彼はどっちかというとLeaderじゃなくてBeaterですから。

 戦闘ではいきなりヴェノムヴァンデモンをぶん殴り、ベリアルヴァンデモンを拳一本で倒す人外ぶりを発揮。
 何かますます強くなってませんか兄貴。バーストモードにも当たり前みたいになっちゃうし。
 勧誘時期も五人の中では一番わかりやすいですね。たぶん、アグモンと一緒にデジタルワールドを渡って
 武者修行をしていた時におやじに会い、この世界にやってきたのでしょう。断る理由はありますまい。

 そんな兄貴の影に隠れ、全力を出して戦ってるはずのシャイングレイモンの存在感が薄いです。
 こんな時に限って松野氏もいないので、アピールする暇がなかなかありません。
 かと思えば登場場面では最終話限定の形態をちょっとだけ見せていたり、隙あらばあれこれ仕込まれてます。


・グラニ

 時間と空間を越え、まさかの再登場。
 確かにクリムゾンモードになるためには彼の存在が不可欠なんですが、よもや出てくるとは思いませんでした。
 しかも登場したときのタカトの嬉しそうな顔といったら。このあたりだけでご飯三杯はいけますね。

 ラスト手前では役目を終えて帰ってゆきましたが、ということはクリムゾンモードは最終話に出ない…?
 代わりにジェンと留姫が来るのでしょうか。つうか来てくれ。


・丈&ゴマモン

 まさかの登場その2。海外で戦っていました。グラニやテントモンと並ぶサプライズです。
 中の人が同じとはいえ、彼らまで出て喋るとは……やれる事は全部ブチこんでますね。
 ここへ来ての波乱とタギルの台頭は、今までのお話があってこそのものですが。

 それにしても丈先輩は相変わらず、天性の間の悪さを誇るようですね。
 というか、何で影がかかってるんだろう。


・賢&ヤマト

 やっぱり出ました賢ちゃん。ヤマトと共に現着、ジョグレス進化でインペリアルドラモンを登場させています。
 出番はほぼそれだけと言えますが、いないと始まらない重要な役割です。
 彼に代表して喋らせたおかげで、ヤマトに喋らせなくても良くなるというメリットもありますね。

 演ずる朴氏は「トリコ」などでも現役でレギュラーを張っている、今や脂の乗ったベテランです。
 賢を演じた当時は「∀ガンダム」で話題になった直後だったために、悪役演技が印象的でしたっけ。


・友樹@チャックモン

 中の人がガムドラモンなので特別出演。スピリットを拓也に届け、スサノオモンを登場させました。
 その後どこに行ったのかは不明ですが、フロンティア組も全員来ていると考えて間違いはないでしょうね。
 姿は見えませんが、賢のセリフからそれがわかります。

 一応、このキャラの登場については想定内でした。上記の理由だけでなく、重要ポジでもあるんで。


・テントモン

 まさかの登場その3。こちらも中の人がメインキャラなんですが、予想できませんでした。
 勉強好きという設定を活かし、ゼンジロウたちに太一らの進化を説明する役回りです。ハマってる。
 なんで彼だけ来てるのかは不明ですが、かといって光子郎がいないとも思えません。どこかにいるのかな。

 櫻井氏はテントモンを演じるのは本当に久し振りのはずなんですが、しっかりとこなしていました。
 最近すっかりイケメン声優の氏ですけど、この演技を聴くとなんだかホッとさせられます。
 イケメン声は今回、ドルルモンの方で発揮してましたね。最終話ではアスタモンに期待しましょう。


・影絵のヒーローたち

 おやじの解説の中に出てきた方々。世界では他にも大勢が戦っていたようです。
 確認したところでは

・ジャスティモン、エンジェモン、エンジェウーモン
・サクヤモン、リリモン
・マグナガルルモン、アンキロモン
・アクィラモン、レイヴモン
・セントガルゴモン、ブリッツモン
・ガルダモン、ベルゼブモン(テイマーズ)
・丈ゴマ

 サクヤモンの留姫とリリモンのミミは既出として、他にリョウ、タケル、ヒカリ、輝二、伊織、京、イクト、
 ジェン、純平、空、ベルゼブモン(ひょっとしてアイマコも?)が確定しました。
 そして組み合わせがカオスです。留姫ミミはまだわかるとして、他のチョイスが絶妙に不思議。
 伊織と輝二なんていったいどんな会話をするんでしょう。意外と気が合いそうではありますけれど。

 そんな彼らが、今度は日本に集結してくる模様です。
 声のある無しにかかわらず、本当に総登場することになるかもしれませんね。


・リョーマ

 最も裏切ってほしくないところで、最悪のどんでん返しを働いた男。
 あの一瞬で、時計屋のおやじが立ててきた計画は破綻することになってしまいました。

 不気味なのは、邪悪を感じ取れるらしい時計屋の目をもってしても本性を見抜けなかったという点でしょう。
 それほどまでに感情を偽るのが上手いのか、または二重人格なのか……
 一番厄介なケースは、クォーツモンの行動こそが正しいと思い込んでいるケースですね。自らを悪と思ってないという。
 二重人格というのはちょっと無理があるので、とりあえずそのパターンが無難というところかもしれません。

 ただ、だとすると何をもって正しいと思い込んだ、または思い込まされたかという疑問が出てきます。
 タイキへの憧れを利用され、どのような形でも良いから「タイキを出し抜いて勝つ」ことのみを考える側面を植え付けられて
 あれをもってタイキに勝った、と宣言でもする気なのでしょうか。でも、これはタギルに完全論破されそうです。うーん。

 他の理由も考えてみましたが、しっくり来るものが見当たりません。次回で語ってくれるのを待つしかなさそう。
 

・ヴァンデモン軍団

 大量に現れ、派生強化体であるヴェノムヴァンデモンやベリアルヴァンデモンに変化してクロスハートを苦しめました。
 前回のディアボロモンと同じく、現実世界とゆかりの深いデジモンです。その上こちらも大ボス級。
 懐かしい気持ちになると同時に、人選(?)の的確さにも感心させられました。

 しかし太一たちの合流後は、ほぼ的と化してしまいます。
 その上、一応ヴェノムより強いはずのベリアルが兵隊扱いになるなど、いささか悲惨すぎる待遇。
 挙句の果てに兄貴のパンチ一発でやられてしまう始末です。所詮再生怪人とはいえ、これはひどい。
 あんまり同情できないのは日頃の行いですかね……コピー元は間違いなく、あのヴァンデモンなのでしょうし
 (そう考えれば、ネオヴァンデモンがいないのも納得できますね)。

 とはいえ、相手は歴代も合流したスーパーデジモン軍団です。敗れても恥にはなりません。
 これまでのボス級を束になってぶつけても押し切れないのだと示すには、ちょうどいい方々だったのだと思います。


・クォーツモン

 デジタル世界の歪みが、バグラモンの東京出現によって意志を持ってしまった存在。
 多次元に渡ってバックアップを持つ上、攻撃しても瞬時に自らをコピー再生してしまうとんでもない存在です。
 その上ヴァンデモン軍団のような戦力も大量コピーできるので、確かに史上最悪のデジモンでしょう。
 存在を固定してハントするには、バグラモンの残した力がどうしても必要でした。

 どうやら知能も非常に高く狡猾で、デジクォーツを展開させて大規模なデジクロスを封じたり、リョーマを利用して
 敵計画の中枢に潜り込ませ、自らを脅かす唯一の存在であろうバグラモンの力を奪取せんとするなど、悪辣です。
 設定画を見る限りではデ・リーパー的な無機質さもあり、今までのラスボスの集大成といえる存在かもしれません。
 実際、これ以上の敵を出すのはちょっと難しい気がしますね。

 ただ、強すぎるということはこの世界に長居できないということでもあります。
 現れた瞬間に歴代の総戦力でボッコボコにされ、あっという間に退場させられてしまう。そうするしかないのです。
 こんな存在が現れてしまったら、もはや物語を終わらせるしかなくなってしまうのですから。
 ある意味においては、オールスターズの引き立て役になるためだけに生まれたとさえ言えるでしょう。

 しかしながら、今やバグラモンの力が武器に変わった「ブレイブスナッチャー」はリョーマの手の中。
 東京に来たことがクォーツモンに意志を与えてしまったことといい、力の残滓がタイキを傷つけたことといい、
 皇帝バグラモンはやはりクロスウォーズ最大の敵だったのでしょうね。漫画版では人格者だったけど。

 さて、ここからどう戦い抜くかな?



★名(迷)セリフ


「デジクロス! バリスタモン! リボルモン! くぅ〜っ、いっぺん言ってみたかったのよねー、コレ!」(ゼンジロウ)

 滑り込みでクロスローダーを得てすぐの実戦にて。説明は不要でしょう。
 アカリ共々、クロスローダーを持たない一般人枠であることが最上だったんですが、まあこれで本当に最後だし。


「その役は誰にも渡さない…たとえ、レンにもだよ。
 世界を救う男……それになるための想いで私とタギルに立ち向えるヤツが、ここにいるとは思えない…!」(リョーマ)


 やり取りなど一部略。
 なぜか妙に印象的なセリフでした。自分を出さないリョーマですが、これは数少ない本気を感じるセリフだからでしょうか。
 何故わざわざ「たとえレンにも」なのかと言えば、普段は手柄を譲ってばっかりだからでしょうかね。

 前後のアイルのセリフから、彼女のもとに来たデジモンが大事にされていることも改めてわかります。
 もともと罠などで労せずにデジモンを捕まえるのが得意でしたが、そういう事情もあったんですね。


「間に合ったな! オレが無敵の喧嘩番長、大門大だ!」(大)
「あー、あのアグモンは空も飛べるんだねぇ」(アグモン)
「まあいいじゃないか、アグモン」(太一)
「オレは本宮大輔。太一さんの後輩だけど、今は同い年だ!」(大輔)
「すっごいなあ! あの二人が揃ってみられるなんて!」(タカト)
「あ、オレだけ隣にデジモンいないけど、気にしないで!」(拓也)
「待たせたな、大輔!」(賢)
「また会えたね、デュークモン!」(グラニ)
「えぇっ!? そうなの!?」(丈)
「ちゃいますな」(テントモン)


 歴史の百花繚乱。
 よけいな解説はいらないと言いたいところですが、小ネタへのフォローもしっかりと効いていました。
 アグモンがセイバーズ版を羨ましがるのは、飛べないことをかなり気にしていた事からのセリフですし、
 大輔のセリフは漫画でVテイマー版の太一と会った時のことを思い出させてくれます。
 タカトのセリフも、デジアド世界がテイマーズ世界では創作の中でしか語られていない設定に忠実ですね。

 そして賢がヤマトや友樹たちを伴って到着したとき、蝶が数匹現れたのも心憎い演出でした。
 きっと賢はあの世界から直接来たのでしょう。途中で友樹らを拾いながら。
 実はフロンティア組も、何人かは後から遅れて現れたのでしょうか?
 だからマグナガルルモンは出せても、カイゼルグレイモンは出せていなかったとか……

 そしてグラニの登場と、タカトの表情でトドメを刺されました。ここまでやるのか。
 タカトもグラニがいることは聞いてても、顔を合わせたのはアレが久し振りだったのかもしれませんね。

 合間に丈とゴマモンの出オチ、テントモンの解説も入って至福の時間でございました。
 たとえ誰になんと言われようと、この競演が見られたことを心から感謝する気持ちだけは変わりません。
 ちくしょう、生きててよかった……


「ありがとうグラニ! きっとまた会えるよね…!」(タカト)

 追い討ち。心の中でうぎゃあああと叫んでしまいました。ありがとう三条さん。
 恐らく、我々が見たテイマーズの世界にはもういないであろうグラニ。しかしそれでも、次元のどこかには存在している。
 助けに来てくれることもある。それを知ったときのタカト、それにギルモンの気持ちは察するにあまりあると思います。


「まさか『ここ』で決戦とはな……」(太一)

 さらっとこういう事言わせますか。ちいいっ。


「いや、平気っす。街を平和にしてから、また追い抜いてやりますよ」(タギル)

 合間にタギルも良い事を言っています。ホントに、意外なほど勝つことに拘りがない。
 すべては平穏の上でのこと。彼にとってはどこであろうと、タイキやリョーマを越えられるチャンスなのでしょう。
 そのチャンスが今はリョーマに来ただけ。そしてリョーマならば、大役を任すことができる。

 そう、思っていたはずなのに。託したはずなのに。



★次回予告

 タギルとリョーマの対決が個人的に意外なほど目玉になりましたが、歴代組もまだまだ出番がありそうです。
 いよいよ最終話。ここでシリーズが終わるのだとしても、続くのだとしても、私にできることは全力で見届けること。
 ただそれだけです。