OL用語の基礎知識〜周辺知識・初級

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 このページでは,オリエンテーリングを初めてしばらくすると日常単語になってくるであろう言葉を辞書的にまとめてみました.先輩の会話もこれで少しは理解できるようになるでしょう.自分で練習会や合宿を開くときはもちろんのこと,エリートを目指そうと思った場合にも,理解しておくと便利な言葉です.

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【IOF】
 アイ・オー・エフ.International Orienteering Federation(国際OL連盟)の略.ポスト位置説明に使用される 「IOF記号」を決めているのもここである. →IOF記号の説明ページ

【E権】
 エリートクラス出場権.公認エリート権とインカレエリート権(学生のみ)があるが.それぞれ権利を得るための規定が定められている.

【インカレ】
 Intercollegiate Orienteering Championship(大学選手権)の略.2001年の春で23回目(開催地・愛知県)を数える,学生OL界最大の行事.特にリレーイベント(団体戦)は,「魅せる」オリエンテーリングという点で日本有数のイベント性を持つ.
 他のスポーツのインカレと違い,トップの選手でなくても出場できるのが大きな特長.北は北海道から西は広島まで,全国に友人を作る最大のチャンスでもある.

【インターハイ】
 Inter-Highschool Orienteering Championships(高校選手権)の略.1999年の春で12回目(開催地・静岡県)となる.高校オリエンティアOBの組織である「OS会」のメンバーが中心になって運営している.

【ウィンドウOL】
 合宿のトレーニングとしてよく用いられるメニュー.ポストの丸周辺以外の場所を塗りつぶした地図を用いてするOL.ウィンドウの間は確実にコンパス直進しないとつぼってしまう.

【ウムスタート】
 いわゆる繰り上げスタート.リレー形式のオリエンテーリングで,前走者が到着しないうちに次走者がスタートさせられてしまうこと.箱根駅伝では,繰り上げスタートは屈辱的なシーンとして有名である.この語源は「有無を言わせず」かどうかは定かではない.

【エリート】
 オリエンテーリングにおける参加クラス分け(一般に,上からEクラス,Aクラス,Bクラス,Nクラスと呼ばれる)の中で最高レベルにあるクラス,およびそのクラスに出走する人々.出場には,一般に事前の資格取得が必要.この資格は大会によって異なる.

【OL】
 この言葉を違和感なく使えるようになったら,オリエンティアの仲間入りである.ドイツ語でOrienteeringsLauf,つまり「方向を定めて」「走る」こと.Orientには「東洋」という意味と「方向づけ」という意味(例:オリエンテーション)があるが,「朝に太陽が昇る方向が東」という考えから,両者は意味的に同じ由来を持つ.

【O−MAP】
 Orienteering Map.今では標準の5色刷り・3段階からパーマネント用の1色刷り・通行可能度なしまでいろいろ.→O−MAPの一例

【オリエンティア】
 Orienteer.オリエンテーリングをする人.見た目や行動が似通っているので集団で行動しているとはた目に奇妙である.

【学連】
 がくれん.一般に,スポーツの学生連盟をこのように略する.もちろん,オリエンテーリング界では学生オリエンテーリング連盟の略.インカレ(学生選手権)の主催団体でもある. →日本学連のホームページ

【県協会】
 その県のOL活動を統括する組織.練習会時は該当する県協会に届出が必要.

【ゲレンデ】
 ドイツ語でGalaende,スキー場でなくてもOLする場所にはこの言葉を使う.しかし,最近は「テレイン」(「地形」を意味する英語)に取って代わったようで使われない.

【公認大会】
 JOA(日本オリエンテーリング連盟)の定めた基準にもとづいて行われる大会.年に5〜6回程度.

【コースプランナー】
 オリエンテーリングのコースを組む人.大きな大会のエリートクラスになると,特定のランナーの走りを想定して組まれることもあるようで,「ランナーに戦いを挑む人」という意味合いも強くなる.

【コリドアOL】
 合宿のトレーニングとして用いられるメニューのひとつ.レッグ(ポストからポストまで地図上に引かれる直線)周辺を塗りつぶした地図でするOL.したがって,直進を外すともう大変.

【コントロールピッキング】
 Control Picking.短いレッグで,いくつものポストを「拾っていく」練習.地図上ではコースが串に刺さっただんごのようになる.

【ゴルフ場】
 オリエンティアの敵.OLテラインとゴルフ場の立地条件は似ているため,過去にいくつもの名テレインが犠牲になってきた.

【ショートOL】
 ウィニングタイムが20分程度で争われる,短いコースのOL.

【スコアOL】
 オリエンテーリングの競技形式の一種.各ポストに点数が割り当てられており,制限時間内に回ったポストの点数の合計を競うスタイルのOL.公園などで,主に初心者を対象にして行われることが多い.

【スズランテープ】
 商品名.テープ誘導,立ち入り禁止区域のテープ巻きなど,OLの運営には欠かせないもの.エスロンテープ.

【ストリーマー】
 スズランテープの高級品.値段は高いが再利用が可能である.

【セッター】
 オリエンテーリングでは,ポストを山に設置する人の意.

【セパレート式CC】
 地図とCC(チェックカード)が離れていて,CCを手首に付けて競技する方式.通常の大会はこの方式で行われる.これの反対がジョイント方式で,チェック欄は地図の端についている.

【全日本大会】
 毎年3月に行われる,一応日本最大の大会.21Eクラスは全日本選手権.

【全日本リレー】
 全日本大会のリレー版.都道府県対抗で争う.いつもの大学や地域クラブから離れて争うため,メンバー構成に変化があって面白い.

【全ポ図】
 全ポスト図.その大会のすべてのポスト位置が印刷された地図.練習会をやろうとする際には非常に参考になる.

【対抗戦】
 クラブ(多くの場合は大学.地域クラブのこともある)間で,上位数名の所要時間を合計し,その優劣を競う行事.

【タイツ】
 「トリムよりも暖かい」と愛用者は言うが,私にはちょっと‥‥.

【タコ】
 毎週どこかの大会に出なければ気が済まないオリエンティアを称してこのように呼ぶ.こういう人の持つ手帳の休日欄はすべて大会で埋まり,遠征費用で飛んだカネは,結果として食事のランクダウンに現れる(爆).

【団体戦】
 個人が基本のオリエンテーリング,団体戦だからといってグループで走るわけではない.オリエンテーリングで団体戦と言えば,通常はリレー形式を指す.ポイントOL(通常の競技形式)を3〜4人でリレーして,その総合所要時間を競うもの.インカレの2日目はこの団体戦にあてられており,日本のオリエンテーリング大会の中で最高の盛り上がりを見せる.

【地域クラブ】
 その地域に住む人々を中心に運営されるクラブ.日本では学生クラブの方が有力だが,本場北欧では活動の基本は地域クラブである.これはオリエンテーリングに限らず,学校をスポーツ活動の中心とする日本・米国と,地域を中心とする欧州という伝統的なもので決まっているような気がする.Jリーグの川淵チェアマンの目指す理想もここで言うスポーツクラブであると思われるが,学校・会社に対する帰属意識の強さを地域に引き戻すのは容易ではないと思われる. →サン・スーシのホームページ

【チェイシングスタート】
 2レース以上にわたるポイントOL競技において,それまでのタイム差に応じてスタートする形式.当然トップゴールの者が優勝となる.

【つぼる】
 ポストが見つからず,現在位置を見失ってしまうこと.「つぼにはまる」という言葉を由来とするらしい.

【つるむ】
1. 故意に他のランナーを追走し,そのランナーの能力を利用しようとすること(=コバンザメする).
2. レース中,共同で意志決定を行うこと.

【定例戦】
 大会数の少ない東海・関西地方の学生の間でよく行われる行事.いわば「既製マップを使った大会」.関東の大会を蹴っていく大ダコもいるらしい.一般の参加も可能.

【テープ巻き】
 大会・練習会に先立って,運営者がポスト設置予定場所にあらかじめ目印を付けておくこと.

【テクニカルミーティング】
 略してテクミ.インカレ,全日本などの選手権大会の前に,競技責任者が競技上の諸注意を行うこと.

【テレイン】
 テラインとも.英語でTerrain,発音はテレイン.もともとは「地形」の意味だが,オリエンテーリングの行われる山一帯,あるいはその地図名を指すことが多い.

【テンプレ】
 テンプレート.プラスチックの板に〇や△や番号が打ち抜かれたもの.どこのクラブにも必ずある,オリエンティアの必需品.

【トリム】
1. 「トリム−O」の略.
2. 「トリムテックス」(TRIMTEX)の略.最もシェアの大きいOLウェア.スケスケで軽く,乾きが速いので,ジャージから替えたときには誰もが感動する.
◆トリムに関する話をこちらに収録しました

【トリム−O】
 OLが日本に持ち込まれたときの流れを汲んで,今でも細々と行われている徒歩OL.OLをこういうものと思って入り,「だまされた!」と思っている人が多いはず‥‥.

【ナイトOL】
 文字通り夜にやるOL.懐中電灯をともした怪しい集団が夜の森を徘徊する.関東では新年早々の元朝OL(ワンダラーズ主催)が有名.

【白図】
 コースなどが書かれていない地図.決して真っ白なわけではない.

【バナナ】
 その手軽さ,消化の良さからレース前の食料としてよく食べられる.インカレ時にはその町の八百屋からバナナが消えてしまうという話も.

【パーマネントコース】
 鉄製のポスト,掲示されたマスターマップによりいつでもOLができるように整備されたところ.しかし実態は錆びたポストにはがれかけた掲示.現実は決して易しくないのだった.

【100キロコンペ】
 オリエンテーリングの踏破距離を競うコンペ.パーマネントでもエリートでも距離の加算対象になる.

【ポイントOL】
 決められたポイントを回って戻ってくるOL.普通のOLのこと.

【マススタート】
 一斉スタート.リレーの1走は通常マススタートで出る.

【マスターマップ】
 1枚の原本から,参加者自身がコースを白図に写してからスタートする方式.パーマネントコースはもちろん,当日参加の場合も見られる.

【マッパー】
 文字通り地図を描く人.O−MAPは芸術作品である.