ショックアブソーバー・スプリング交換

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−−なによりも安全確保−−

まず、安全のためウマを使用しての作業が望ましいです。値段は5000円程度からありますが、ちゃんと4つ用意しましょう。助っ人も一人ぐらい居たほうがラクチンですが、人数が増えるにつれ作業効率は悪くなる傾向にあります(笑)。

あとは必要な工具はスプリングコンプレッサーです。これがないとどうしようもありません。

各サイズレンチ等はすでに揃えている事を前提とします。基本工具なので当然ですね。足回りは14〜30手前ぐらいまでが良く使われていますね。

 

最初に注意ですが、いきなりジャッキUPはしないように。最初にしてしまうと泣きを見ます。

 

−−まず分解。フロントはとにかくリヤは?−−

フロントは各部が剥き出しなため、さしたる問題はないですが、リヤはちょっと事情が違います。

アッパーサポートを固定しているストラットタワー部が内装によって隠されている場合が殆どです。ハッチバック車なんかはリヤゲートをあけるとストラットタワーがカバーに覆われているのが殆どですからカバーさえとれば、なにも問題はありません。(場合によっては、先に違う内装を剥がしてようやくカバーが取れるなんてこともありますが・・・)

ですから大抵の車種では内装を剥がすことからはじめることになります。また車種別に説明することは不可能ですから、基本的な考え方をお教えします。

 

−−四の五の言わずにリアの内装を剥ぐ!−−

まずリヤシート座部を外します。これはクリップで固定されている場合が殆どですので、座部を上に引っ張れば取れるはずです。

そうすると背もたれ部が残りりますので、これも取ります。これは単純にボルトとクリップで引っ掛けてあるのが殆どです。このとき、シートをボディから固定している金具も取ることになるでしょう。

内装を剥ぐ事での心配事といえば隠しボルトでしょうか。場所がわかってるなら、たいした問題じゃないですが、分からない場合は、地道に引っかかっている部分を調査して、先に違う内装を剥がしてから、そこの内装を剥がす作業も必要になります。

また内装はボルトで固定されている部分は少なく、クリップで止めている場合が多いです。ですから内装を剥がすときは、ちょっと力強めに剥がすことが吉となります。

後部サイドの内装も剥がす必要も出てくる場合が殆どです。これはスカッフプレート部が後部サイドの内装の押さえ役になっていますので、これをとれば簡単に剥がせるはずです。

シートも外して、後部サイドの内装も外してスピーカーボードも外せば、大抵、ストラットタワーが見えると思います。

 

・・・内装外しはちょっとした知恵の輪状態になりますが、これくらい出来ないとどうしようもないので出来るまでひたすらチャレンジです(汗)

時間に十分すぎるゆとりを持って作業しましょう・・

カタカタとゆすりながら探ってみると突破口は見つかります。案ずるより産むが易しですね。

以上、こんな感じです。

 

 

 

−−実際にショックを脱着−−

まだ、ジャッキUPしませんよ〜。しちゃだめですよ〜。ショックの脱着はフロント、リヤとも言わんとすることは同じですからね、リヤの説明は省きます。

 

 

 

まず、赤矢印の個所のゴムカバーをとり、この中のグリスにまみれているナットを緩めるだけにします。これを外してしまいますと、あとでとんでもない目にあうことになりますので注意が必要です。

赤矢印のところは、ショックのロッドとアッパーサポートを結合させているナットなんですが、ショック本体を外したあと悠々と緩めればよさそうに思えますが、フロントは舵取りの関係もあって、いくらでもくるくる回る(ストラットは特にショックのロッドと共に回る)ようになっています。ですのでジャッキUPする前の荷重が掛かっている状態でやれば、ロッドが回らないですみます。

いや、回っちゃう場合もありますが、そのときはラチェットを鉄パイプなどで延長してエイヤ!って回せば一発で緩められます。私は普通にやって回ってしまうときはいつもこうしてます。これでいつも失敗はありませんでしたよ。

ちなみにリヤは、この心配がないですね。ショックとアッパーサポートに切りかきがあって回らないようになっていることが殆どですから。心配な人はここも同じようにやっておきましょうか。私も自然とそうしてますが(笑)

 

水色の矢印の個所も緩めるだけにとどめておきます。

 

上記の作業が終わってから始めてジャッキUP&ウマしましょう。

 

 

 

このあとは、ブレーキホース、スタビライザー、ABSセンサーケーブルをショック本体から取ります。物によってはブレーキキャリパーも外したほうが作業効率が上がるかもしれませんね。これらは、ボルトかクリップ(クランプ)で止まっているので簡単に難なく外せるはずです。足回りの作業は光が届きにくいので懐中電灯があると心強いです。

またブレーキホースは、ものによっては一体化されているステーの中を通っている場合もあり、簡単に取れない場合があります。スーパーストラットがそうなんです・・・

ですから、そういう時はここを参考にしてみてください。マクファーソンには関係ない話かなと思います。

 

またスタビのナットを外すのに、供回り止めのため、六角レンチを差し込むところがあると思いますので、六角レンチをあてがい、ナットを取り外すことになります。

 

 

 

ケーブル類が外せたら、ショックアブソーバー下部の大きいボルト&ナットを取り外します。ここが取り外せたら、やっとさっきのアッパーサポートのナットを取ります。アッパーサポートのナットを取ると、ガタン!とショックが落ちますので支えつつナットを取るといいでしょう。

これで、ショックアブソーバーが車体から取り外せる状況になります。あとは知恵の輪のように車外へ取り出すだけです。車を傷つけないように注意して取り出しましょう。

 

また水色矢印のブレーキホースなどが引っ張られないように気をつけてください。ホースやケーブルに余計なストレスを与えることは無用です。

 

 

 

取り外せたら、今度はスプリングにスプリングコンプレッサーを仕掛けます。大きく圧縮できるように間隔が大きく開いてあるところを選ばないと、完全に圧縮できず危険です。完全に圧縮できた証拠は、アッパーサポートがカタカタグラグラしていますので参考にしてください。

 

 

 

あとはセンターナットを完全に外して順々にパーツを取るだけです。上からアッパーサポート、スプリングシート、スプリング、ショックの順でついていると思います。リヤはスプリングシートがないのもあります。ちなみにゴム部品は省いて説明してますのであしからず。

このときパーツの組み付け順序を覚えて置くようにしましょう。ちなみにスプリングが圧縮できてないで、センターナットを取ると、スプリングが飛び出して非常に危険です。まともに食らったら骨ぐらい折れるでしょう。

 

 

 

−−ショックを組み付け−−

今度は組みつけです。

パーツには「向き」があります。スプリングはスプリングの終端とショックのへこんでいる溝にあわせます。この辺は「お約束」です。また他のパーツも良く見ると、向き指定があります。「OUT」とか「△」マークがあったりします。これらを見逃さないように慎重に組み付けてください。これらのマークは大抵「こちらが車体外側にくるように」と意味しています。

バラす際にもこの辺に気を付けながらバラすのは、いまさら言うことではありませんが・・・

スプリングを組つける際には、再度、コンプレッサーで圧縮させたままショックに組み込みます。アッパーサポートが仮組されるまで圧縮されたままにします。

この後の組み付けは外しの逆になります。バラした時の状況を思い出しながら、方向も合わせつつ組み上げます。最後の最後にアッパーサポートを組み付けます。アッパーサポートが仮組されたらセンターナットを少しだけ締め付けて仮に組んでおきます。

 

ここで注意ですが、微妙にショック先端付近とスプリングシートと呼ばれる金属製のお皿に切りかきをあわすところがあったりします。そういう場合はちゃんと合わせてスプリングコンプレッサーをフリーにしても、これらがきちんと正しくかみ合うまでロッド先端の大きいナットを締めます。ここをちゃんとやっておかないと異音やトラブルの元になります。

これが甘いと以後の作業中でどんどんかみ合いがズレてしまい正しく組みつけられないです。正しくかみ合ってなくても見た目は全く正常に見えますのでよく注意しましょう。

 

ここまできたらコンプレッサーを外しても大丈夫です。

アッパーサポートを先に車体側に仮組み付けします。このときアッパーサポートのナットは緩んだ状態にし、遊びをもたせた状態にしておきます。

このあとは、ハブキャリアをショックに組み付けてボルト&ナットで仮固定しておきます。

 

 

 

このあと、ジャッキでアーム根元を押し上げ1G状態を作り上げて、各部を本締めします。ホース、ケーブル類をしっかり固定したら、アッパーサポート部のナットを締め付けタイヤをつけて地面と接地させます。

センターナットやアッパーサポートのナットが緩んでないかを確認して作業終了です。

このあとはしばらく走行したら、増し締めを行うなどしたほうが良いでしょう。

 

あとはトー調整ですが、これはショップでやってもらったほうがいいかもしれませんね。

 

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