ブレーキフルード交換・エア抜き
きちんと完成できれば作業は簡単な部類ですが、失敗した時のリスクは大きいです。
まず、大抵の場合はホイールを取り外さなくては作業が困難でしょうから取りますが、ウマなどをもっている場合はウマを使ってしまえば楽に作業できるでしょう。
用意する物は、8mmか10mmぐらいの「メガネレンチ」、フルード廃液受容器(ジュースの空ペットボトルが最適)、希望するブレーキフルード(1Lあれば大丈夫でしょう。)、内径5mm程度の無着色透明なビニールホース、助手約1名、皮膚を保護するために耐油性がある手袋。ただ工具、パイプは車種で違いますので前もって調べておくのがベストです。
あると便利な物は、フルード補給時にジョウゴがあればこぼさずに行けるでしょう。レンチも普通のメガネレンチでは作業スペースの問題も出てくる場合もあるので三日月型したレンチを用意すると安心でしょう。まぁなくても平気ですけどね。
これらはD.I.Y店で揃えられます。
今回は2人で行い、かつ安易な交換方法を取り上げたいと思います。
予備知識
予備知識として、どこから作業を始めるかですが、フルード交換でしたらどこからでもOKですがエア抜きの場合はブレーキシリンダーから一番遠い所(配管容量の多い所)から始めるのがセオリーです。
ブレーキの配管は2系統に別れており、FF車(前輪駆動車)では左後ろと右前が同一系統で右後ろと左前が同一系統になっているX字配管になっているのが多いです。
FR車(後輪駆動車)では、前ブレーキと後ろブレーキとで別系統になっている事が多いです
ですからFF車では後ろ>前>(さっきの反対の)後ろ>(さっきの反対の)前という順序を踏み、FR車では後ろ>(さっきの反対の)後ろ>前>(さっきの反対の)前という順序を踏みます。
ただ、この順序を踏まなくてもトラブルは起こりません。エアも抜けます。より100%に近づけるための行程だと思ってください。ですから今回行う作業手順では100%交換というのも難しいです。それをやるにはそれなりの高度な手順やメカ知識・工具も必要になってしまいますので・・・
作業手順1
では実際の作業手順ですが、一応保険の意味でフルード廃液受容器に少量のフルードを入れておきます。万が一の逆流及びエア噛みをなくすためです。
キャリパーの裏側にある、ブリーダープラグを見つけ、そのキャップをとり下の写真の様にブリーダープラグに先にレンチをあてがます。
そうしたら今度はビニールパイプをブリーダープラグにはめます。緩いようでしたら、内径の細い物で作業してください。でないと失敗します。
全体の感じは下の様になります。
作業手順2
実際の作業手順は以下の様にします。(エンジンは掛けません)
1. まず運転席に座ってブレーキペダルを踏みっぱなしにします。踏みっぱなしにしたらブリーダーを緩める人に合図(ハイと言う)を送ります。
2. 合図があったらブリーダーを緩める人はブリーダーを緩めます。ブリーダーを緩める時は1回転も緩める必要はありません。1/2回転か1/3回転もあれば十分です。緩めすぎは思わぬトラブルを引き起こします。この時ブレーキペダルを踏んでいる人はペダルが更に奥にいくので絶対に戻さないようにしてください。
3. ブリーダーを緩める人はフルードがこれ以上出ないようなら、ブリーダーを閉めます。そうしたら合図を送り、作業1.に戻りそれを繰り返します。
注意事項ですが、この作業に没頭するあまり、ブレーキシリンダー上部にあるリザーブタンク内を絶対に空にしないで下さい。空になるとエアを吸ってしまい、とんでもなく大変な事になりますのでくれぐれも注意して下さい。ですから、こまめにリザーブタンクの残量をチェックし、減ったらフルードを補給する事になります。
4. 助手の人は「3.」の作業の時、エア抜きならエアが出なくなったらそこで作業終了。フルード交換ならフルードの「色」が変わったらそこで作業終了になりますので、その見極めを担当します。
この作業中にブリーダープラグからフルードが滲み出てくるので後でしっかりふき取ります。必要があればブレーキクリーナーを吹きかけておきましょう。フルードは塗装を侵すので慎重に扱って下さい。
また、ブリーダープラグの最後の締め付け具合は「ギュ〜」というより「ギュッ」といった感じです・・・・すみませんアバウトで。
そんなに大きな力は必要ないです。大きい力をかけると壊れますし・・
また、廃油は馴染みのGS・整備工場に引き取ってもらうか、エンジンオイルを吸収して捨てられる「オイルパックン」などで処理しましょう。下水に捨てるなど絶対にしないでください。