2010年11月のお知らせ

【よくある質問】再雇用後の標準報酬月額も月額変更届での扱いとなるのでしょうか??

質問 当社には定年制がありませんが、62歳の社員が健康上の理由で勤務体系を変更してもらえないかと申し出ました。そこで、いったん退職した形をとって嘱託社員として再雇用し、月の所定勤務日数と賃金を減らすことで話がつきました。
この場合でも、標準報酬月額に関しては、月額変更届での扱いにしなければならないのでしようか?

回答 固定的賃金の変更や勤務形態の変更などによって賃金が引き下がる場合、健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額に関しては、一定の要件に該当すれば、賃金が下がってから4ヵ月目に月額変更届により改定を行うことが原則となっています。しかし、この扱いですと、定年後に再雇用された人で、賃金が引き下がっても引き続き被保険者となるときは、改定が行われる月前までは保険料は従前の標準報酬月額に基づいて計算されます。

また、年金を受ける権利のある人は、従前の標準報酬月額に基づいて在職老齢年金の支給停止額が決まることになるので、保険料の負担や年金の停止額が、実際の賃金額に比べて大きくなってしまいます。そこで、年金を受ける権利のある60〜64歳までの人が定年に達した後に再雇用される場合に限っては、特例的に使用関係がいったん中断したものとみなし、被保険者資格喪失届および取得届が定年に達した日の翌日付けで提出されたときは、再雇用された月から再雇用後の賃金に応じて標準報酬月額が決定されます(同日得喪)

このほど厚生労働省の通知により、高齢者の継続雇用をさらに支援するため、この取り扱いの対象が、定年による場合だけでなく、年金を受ける権利のある人が、

  1. 定年制の定めのある事業所において定年によらずに退職した後、継続して再雇用された場合、
  2. 定年制の定めのない事業所において退職した後、継続して再雇用された場合、

についても拡げられることになりました。この取扱いは、平成22年9月1日から行われることになっています。



また「同日得喪」による被保険者取得届の届出には、新たな雇用契約を結んだことが確認できる書類(その人が退職したことがわかるもの、再雇用後の雇用契約書または事業主の証明書など)を添付する必要があります。


平成22年10月1日から2年を超えて遡って、雇用保険の加入手続きが出来るようになりました

離職した方が雇用保険の基本手当(失業手当)を受けることのできる日数(所定給付日数)は、年齢、被保険者であった期間、離職の理由などによって決められますが、離職に伴って失業手当の給付を受けようとする際、雇用保険に加入していたことが要件となります。

雇用主が雇用保険の加入の届出を行っていなかった場合、これまでは、2年内の期間に限り、遡って加入手続きが可能でした。

しかし平成22年10月1日から、雇用保険料が給与から天引きされていたことが明らかである場合は、2年を超えて遡って、雇用保険の加入手続きができるようになりました。

対象となる人は・・・
  1. ◎平成22年10月1日以降に離職した方
    ※平成22年10月1日よりも前に離職した方については対象となりません。 (離職後1年以内に失業手当を受給せず、次の職場で雇用保険の被保険者資格を取得した方については、その時点から対象となります。)
  2. ◎在職者の方
    在職中でも、遡って雇用保険の加入手続きができます。

対象となるケースは・・・
例えば、倒産・解雇によって離職した方が、6年前の給与明細で雇用保険料天引きの事実が確認できた場合、これまでの制度と比べて被保険者であった期間が長く認められますので、失業手当の所定給付日数が増えます。
30歳以上45歳未満の方 90日→180日、45歳以上60歳未満の方 180日→240日

※被保険者であった期間の是正によって、給付が有利になる場合もあれば、有利にならない場合もありますので、公共職業安定所(ハローワーク)にご相談ください。
※時効により消滅した給付、給付を受けるための申請期限を過ぎた給付など、給付が変更されない場合もあります。

遡って加入するには・・・
2年を超えた期間について、雇用保険料が給与から天引きされていたことが確認できる書類(給与明細、源泉徴収票など)をハローワークに持参して、手続を行ってください。