一人の客として、階段を昇ってくれる
売り子さんには感謝してます

 
 


これまで、僕にとっての高校野球は
家から見るものだった。
テレビで見ていれば選手の顔のアップや
きわどいプレーの再現ビデオが見れる。
それはそれで充分満足していた。


大会初日にアルプススタンド最前列に立って
売っていたとき、ふとグラウンドに目をやってみて
バックスクリーンの大きさにびっくりした。
一番下から見上げたせいか、フェンス越しのそれは
テレビで見たものとは全くの別物に見えた。
外野の選手も同じことを感じたのだろうか。


観客席最前列は最も選手に近づける場所。
今までにないくらい近くに選手がいて
それを自分の目で見ることができる。
それがたまらなく嬉しかった。


ベンチの中に座っていなければいけない控えの選手や
決めた座席に座っていなければならない観客は
見えるものが決まってしまう。
売り子であれば見えるものを自分で決められる。
そんな気がした。