第14回 @プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 Aショスタコーヴィッチ:前奏曲第5・10・24番 Bハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲 @ABカペル(ピアノ) @ドラティ指揮 ダラス響 Bクーセヴィツキー指揮 ボストン響 [Naxos]
私自身カペルを聴くのは初めてであるが、こんな激しい演奏する人だとは思わなかった。ご存知の通りウィリアム・カペル(1922-53)は飛行機事故により31歳の若さでなくなったピアニストである。プロコフィエフの曲は聴いたことはあったが、その時はこの作曲家の曲ってあまり好きになれないっていうのが正直な感想だったし、ほとんど聴かなかった。この演奏を聴いて改めるとして、結構強打するな。こんな演奏を続けていたら手首がおかしくならないかと勝手に心配してしまう程だ。ハチャトゥリアンのピアノ協奏曲は全く初めて聴く曲、ここでは結構抒情的に弾いたりしている。アメリカ人が弾いているせいか何かアメリカ的な曲な感じがするのは私だけでしょうか。第3楽章が特におもしろい。(02/02/07)
第13回 ワーグナー:4手のためのピアノ・トランスクリプション集 タール&グロートホイゼン(ピアノデュオ)[Sony Classical]
たまには編曲ものということで取り上げてみました。私は結構この手のモノを持っていたりするのだ。ワーグナーの曲はなぜか編曲が多い。ピアノの編曲だけでも結構CDが出ていると思う。マイスタージンガーは、いかにも連弾らしく音の幅を充分に生かした編曲となっている。グールドみたいに多重録音する必要がない。基本的にワーグナーの編曲は原作に忠実に替えているので違和感なく聴ける。あとの他の作曲家の管弦楽作品をワーグナーが連弾用に編曲したものは、原曲を聴いたことがないので何とも言えないところがあるが、ライナーノートによると原曲から少しアレンジしているらしい。(01/10/10)
<収録曲> @ワーグナー [タウジヒ編] 「マイスタージンガー」第1幕への前奏曲 Aアレヴィ [ワーグナー編] 喜歌劇「ギター弾き」序曲 Bエルツ [ワーグナー編] 「ラ・ロマネスカ」による大幻想曲 Cワーグナー [ビューロー編] 序曲「ファウスト」 Dワーグナー [フンパーディンク編] 「パルジファル」第1幕への前奏曲 Eワーグナー [タウジヒ編] 「ワルキューレの騎行」 Fワーグナー [ワーグナー編] 「タンホイザー」序曲
第12回 モーツァルト:交響曲第40番 ブラームス:交響曲第2番 カイルベルト指揮 バイエルン放送交響楽団[Orfeo]
ヨーゼフ・カイルベルト(1908-68)はバイロイトの「タンホイザー」のライヴを聴いてから密かなるファンである。しかし比較的若く亡くなってしまったせいか録音が少ないのが惜しまれるところ。現在手に入りやすいのはTELDECの1000円で売っていたシリーズとオペラがいくつかぐらいである。「リング」をまだ聴いたことがないのが悔やまれるところ(買っても聴かない可能性も大きいが)。 このライヴ録音は1966年12月ミュンヘンで演奏されたものである。非常に音も良い。演奏自体に際立った特徴はないが(そこが正統派と呼ばれる所以か)、両方の曲共に上手く響かせている。もう少し評価されてもよさそうな指揮者である。 余談だが、ブラームスの2番ではバルビローリ指揮/バイエルン放送響[Orfeo]がかなりスロモーな演奏である。(01/09/15)
第11回 ヴォーン・ウィリアムズ:ロンドン交響曲(交響曲第2番) タリスの主題による幻想曲、音楽へのセレナード ノリントン指揮 ロンドン・フィル[DECCA]
ロンドン交響曲はロンドンの情景をわかりやすく伝えてくれるような曲である。このところエルガーとヴォーン・ウィリアムズの良さがわかってきたもので取り上げました。このCDはノリントンのヴォーン・ウィリアムズ交響曲シリーズの第3弾に当たる(3〜6番が既出)。ロンドン交響曲から、演奏は感情を特に込めないものになっている感じだ。急なテンポになっているところでも派手に行こうともしない。なかなかしっとりした出来具合になっている。この曲を最近聴く機会が多いのだが、これが一番おとなしい。これが欠点にもなっている感じである。 このCDにはタリスの主題による幻想曲と音楽へのセレナードが併録されている。タリスはきれいな弦楽器の響きがとても印象的だ。(01/07/04)
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