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第5回 ムソルグスキー :組曲「展覧会の絵」

 前回までのやり方には自分で限界を感じたため、今回より1枚のディスクに絞らず書くことにします。「モーストリー」とダブってしまうが、「ウィーン・フィル 世界の名曲」というシリーズ(一体どれぐらいの人が買っているのだろう)よりプレヴィン/ウィーン・フィル盤[PHILIPS]を聴いて結構刺激的だったのだ。最大の原因はプレヴィンの演奏自体を聴いていないことにあるが・・・。一番の聴き所は「キエフの大門」でしょう。すごく醒めているところがよい。最初は別にたんたんと進んでいる感じなんだけども、全体としてはゆったりめ、やはり悲しげな曲なのだろう。同じCDに収録されている「ラ・ヴァルス」でもさめすぎている。ピアノ版のほうではホロヴィッツ(47年録音)盤[RCA]がすごい。低音をガツガツ響かせるところはさすがである。
 この曲は管弦楽版だけでもいろいろな人によって編曲されているのは有名な話だが、全部CDで集めるのもいいかも知れないが、相当難儀な作業なので相当の覚悟が必要である。(01/02/12)




第4回 ドヴォルザーク:交響曲第7・8番
    クーベリック指揮 ベルリン・フィル [DG]


 最近ユニバーサルグループより発売されたもの。1200円とお買い得のシリーズの1枚である。
 正直な話、クーベリックって本当に熱い指揮者と初めて感じました。最近マーラーのライヴ盤が出ていたりしていたが、言われているほどライヴ熱演型指揮者と思われなかったのだ。ちなみにこの演奏はスタジオ録音だけども、それを感じさせない。この演奏はベルリン・フィルであるが、最高の楽器を生かしている印象を持つ(こんなにいい音が出るんですね)。まず8番の第1楽章の緩急の動かし方が絶妙に感じる。第2楽章は全体にゆったりめである。あまく、もの悲しげである。これが次にも続く。第4楽章なんて、これでもかって畳みかけるくらいの熱の入れよう(曲への入れ込みよう)である。筆足らずで書けないことが惜しいくらいである。7番も同傾向にある。(01/02/03)




第3回 マーラー:交響曲第6番、R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
    バルビローリ指揮 
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団.、ロンドン交響楽団(英雄の生涯)[英EMI]

 土曜日に久々に聞いてみて(雪で何もできなかったので)、とても心を動かされたので載せます。
 マーラーは最大限のバルビ節(と人はよく言う)が聴けます。第1楽章では出だしの弦の音が跳ねるような音を出しているし、異常にゆっくりとしたテンポ(別にタイムテーブルを見るととりわけ長いわけではないようだが)でこれでもかと怪しい世界を描き出します。第2楽章では、マーラー版「田園」(私が勝手に命名)をかなり悲しい世界を表している(ように思える)。最終楽章なんてかなり濃厚な世界を演出している。色物を感じるんだけど。こういう極端とも言える演奏には好き嫌いがはっきりと表れそうな感じもするが。曲と指揮者がマッチしているせいだろうか。「英雄の生涯」の方は堂々としていない異色な色彩を持つ。でも「色」が出ている。(01/01/22)




第2回 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、その他
     オグドン(ピアノ) バルビローリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団 [Dutton]


 オグドンというと、チャイコフスキーコンクールでリストのピアノ協奏曲第1番を弾くなどヴィルトゥオーゾのイメージをもってしまうが、実際このディスクを聴いてみると、第1楽章から落ち着いて一音ずつ正確に弾いているように思える。録音時間もホロヴィッツのバルビローリ指揮(ウラニア盤)と比べてみると、(1:18分51秒/19分14秒、2:6分18秒/7分08秒、3:6分05秒/6分52秒)と別段速くない。バルビローリの指揮も、じっくりと弦の音を聞かせているし、速いのを聴きすぎた人あるいはバルビローリファンには、いい1枚なのではと思う。
 併録されている、「フランチェスカ・ダ・リミニ」「ロメオとジュリエット」も、バルビローリのサウンドが聴ける。(01/01/14)




第1回 エルガー:交響曲第1番
     ノリントン指揮 シュトゥットガルト放送交響楽団 [Hanssler]


 最初から定番曲でなくて申し訳ないが、私の昨年のベストCDである。
 エルガーと言えば、「威風堂々」が有名であるが、私もこのCDを聴くまでは関心の無かった曲である。特にノリントンはロンドン・クラシック・プレーヤーズでのモーツァルトとワーグナーの録音しか聴いたことが無く、変わった演奏をするイメージがあった。モーツァルトでは、最初なじめなかったし、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」前奏曲は他に比べて異常に速いしと、変なイメージがあった(ファンの人には申し訳ないが)。
 全体の演奏の印象は、幻想的な色合いを出していて、ハリのある歌い回しがとても良かったと思う。
 併録されているワーグナーの「マイスタージンガー」前奏曲も、トリスタンと同様に速いが、崩しているわけでもなく当然として演奏しているのが好感持てます。(01/01/11)


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