内視鏡室内へ。
ナース「大腸ファイバーの前に、胃カメラがありますから、胃をきれいにするお薬を飲んでいただきます」
ガスコン(消化管内ガス排除剤)10mlが入った紙コップをさしだされる。飲もうとすると、朝飲んだニフレックのにおいが。ハァ〜。吐き気を感じながらも一気に飲み干す。
ナース「では、検査着に着替えてください」
普通のトランクスは前が割れているが、大腸内視鏡検査のために後ろが割れているトランクスと、検査着に着替える。
ナース「のどの麻酔のため、これでうがいしてください」
キシロカイン(麻酔薬)でうがいをする。でもあまり効いていない。これくらいなら、うちのクリニックにあるキシロカインスプレーの方が効くんじゃないの?
ナース「胃が落ち着く注射をします」
ブスコパン(鎮けいれん剤)を右肩に筋肉注射される。
ナース「では、ベッドに左を下にして寝てください」
そんなに早く効くもんなの?
消化器内科のDr.E
がちょうど来て、胃・十二指腸内視鏡検査から。テレビでよく見た楕円形の筒をくわえた後、内視鏡が入っていく。2度オェとなったが、後は平気。経鼻胃管に比べれば楽なもんだ。でも経鼻胃管と違うのは、胃に入っても固定しないこと。十二指腸まで入って、右へ左へと回転するのでのどが痛い。モニターが見えないし、のどが痛いしで、ただ苦痛に耐える。
Dr.E
「十二指腸まで全く問題ないですね」 よかった。5分くらいで終わっちゃった。
ナース「続いて大腸ファイバーですので、向きを変えてください」頭の向きを変え、やっぱり左を下にして寝る。
肛門から内視鏡が入ってくる。大きな座薬が入ってくる感じで、やっぱり気持ち悪い。今回はモニターが見える位置にあるので見ていると、いきなり赤いものが。ゲッ、潰瘍か?近づいていくと
びらん(潰瘍より浅いくぼみ)程度のようだ。
少し進むと、Dr.E
「上を向いてください」とのことで、仰向けになる。その後はスイスイと進んでいく。痛みはないが、胃と違ってどこまで進んでいるのかなんとなくわかる。大腸の粘膜ってヒダヒダしているのかと思っていたら、ツルツルして色もピンク。口のなかの粘膜とあまり違いがない。
Dr.E
「ここが回腸(かいちょう:小腸の後半)の終わりですが、特に問題ないですね」少し戻って「ここが盲腸、虫垂が出てくる場所ですが、特に炎症があったという感じはないですね」ということは、最初に出た痛みは虫垂炎ではなかったようだ。
私「入ってすぐのところに、びらん 程度のものありましたよね」
内視鏡がスイスイと戻り、Dr.E
「ここが直腸(大腸の終わり)ですが、口のなかにできる口内炎のアフタと同じようなものです。おっしゃるように、潰瘍までいかない びらん 程度だと思いますが、このまわりに、いくつかリンパ節が点状に赤くなっています」
びらん しか気付かなかったけど、確かに赤い点がいくつかある。「いわゆるアフタ様大腸炎ですね。異常はこれだけですので終わりです」
ナース「これで終わりですので、外で着替えてください」
私服に着替えて待っていると、ナース「片づけが終わったのでお入りください」
Dr.E
プリントアウトされた写真をもとに「胃と十二指腸は、全く問題ないです。大腸は、先ほど見ていただいたように、直腸部分にアフタがありました。アフタ様大腸炎は、潰瘍性大腸炎やクローン病という難病の、初期に出てくる病変である可能性もありますが、多くは回腸の終わり部分や、結腸(けっちょう:大腸の多くの部分)に潰瘍ができます。退院後一切症状がなく、便通にも問題ないみたいなので、特に治療をする必要もないでしょう」
完璧な健康とはいかなかったが、粘膜の色といい、性状といい、アフタができる点といい、口も大腸も同じ消化管なんだと、改めて認識できたことは良いことだ。
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