Maintenance Note No.73
2003年10月25日 話題のペータルディスクの効能は?
SRXのフロントローターが摩耗限界に達した
交換ついでに、以前から気になっていたウェーブディスクをリアに採用

 振り返ってみると、SRXのモディファイで外装の次に気にしてきたのがブレーキシステムだ。これまで、ディスク(ローター)とキャリパー、ホースがいずれも2種類、マスターは1種類、パッドは5種類以上試してきた(純正を除く)。ディスクやパッドは消耗品だからという理由もあるが、バイクの基本機能のうち、止まることが最も重要だからだ。どんなバイクでも、安全に減速できなければ命がいくつあっても足りない。それに、指の力だけでバイクを自在に減速させる行為は、強烈な加速にも負けないくらい快感だ(その裏には恐怖もあるが)。
リアなら目立ちすぎない
 そんな前置きとはあまり関係なく、SRXのフロントローターが摩耗限界に近づいたため、交換することにした。これまで使っていたBRAKING社の「STREMEX」がルックスといい、効き具合といい、好感触を得ていたので(Modify No.9参照)、同社の製品を第一の候補に挙げたのは当然の成り行きだ。
 そこで見つけたのが、フロントならぬリアのペータル(ウェーブ)のディスク。最近流行りのパーツで、BRAKING社は早くからラインナップしていた。以前から気になっていたペータルだが、SRXのフロントのように320mmと大径のディスクを花びら型にすると、あまりにも目立ちすぎて、オトナのSRXとしては好ましくない。しかし、リアならどうだ? 直径が小さいし位置も目立たないから、さりげなく意外なパーツが付いているというのはいいではないか。実際、SRXのリアにペータルディスクを装着した例も見て確信した。
 そんなわけで、フロントのディスクを交換するはずが、リアも同時に換えることにした。フロントはBRAKINGの「STXストリート」。インナーはブラックアルマイトで渋め。ローターはもちろんステンレスだ。リアは「ハイスタンダードウエーブ」で、歯車のようなカットの外周と、ニョロニョロ(ムーミンのね)のような形の穴が特徴だ。

効き具合は変わらないが
 ペータルディスクを装着してみての第一印象は「歯車みたい」。後輩に見せたら、「チェーンの外れたスプロケットみたいですね」だって。なるほど、チェーンをかけてみたくなる。小さいながらも、お目立ち度はかなり高そう。
 肝心の効き具合はどうかって? ボクはSRXのリアブレーキを極低速以外ではほとんど使わないので、多少効きが変わったところで分かるはずがない。そもそも、リアはフロントと違って微妙なコントロールができないから嫌いなのだ。実際のところ、効きはノーマルディスクと変わらないと言ってよいだろう。コントロール性もしかり。
 変わったと言えば、パッドの鳴きがひどくなったこと。しかし、これはパッドを外して裏にシリコングリスを塗ったら、取りあえず収まった。もうひとつ、シャリシャリというパッドとディスクの擦過音が大きくなった。こちらは、しばらく様子を見て、いずれ「Modify」のコーナーで報告しよう。
 では、機能面のメリットは何もないのかというと、そうとも言えない。まだ試してないが、ウェット時の初期制動力には期待できる。ノーマルよりも軽量なのは間違いないから、バネ下重量の軽減につながっているはず。軽量化という面で見れば、フロントディスクのペータル化の方が効果は大きい。どなたか、SRXでフロントのペータル化を実行した人がいれば、効果を聞いてみたいものだ。
ハイスタンダードウエーブ
ディスクの周方向にたどると、必ずどこかで切れる設計
ディスクの汚れや水分を除去するのに効果を発揮する

厳しくチェック中?
フロントのインナーは従来のゴールドから
ブラックに変わってだいぶ地味になった

内房にて
右側にもスプロケットが付いているみたい…