福岡エクセル紀行

#6、偉大なる先達の遺産


  え〜、前回はローカルネタばかりで大変失礼しました……って、編集と発行がこぞってそれに拍車をかけてるじゃんか!!まったくもぉ。
  まぁ、元々ローカルな話題を紹介していくコラムだし、原作自体もローカルネタが溢れかえっているわけだし、ローカルだらけになっても仕方がないよね。そうだよね。
#つうか、今までローカルネタじゃない事ってあったっけ……?
  というわけで、今回もやっぱりローカルネタです。と言っても、福岡最大(だと思う)の目抜き通りの話題なので、前回よりちょっとはまし……かな?何せ、前回は地場の百貨店の話だったからね(しかも経営ヤバい所だし)。

渡辺 通(WATANABE−TORU)

○実はエクセルサーガで3番目に登場しているという、エクセル、イルパラッツォ様に次ぐ古参キャラである。恐らくレギュラー陣の中では最も一般人に近いであろうと思われる性格だが、それ故にあまり目立ってない。まぁ、周りが非常識な奴らばかりなので、かえって存在感が浮き出ているとも言える。個人的には、彼の密かな(?)ハッちゃんへの想いが、どのようにして打ち砕かれるのか(^^;)が楽しみなのだが。基本的にこういう話においては常識人が馬鹿を見るので、彼が幸福になることはないと思われる。なんせ周りの良い玩具だし(特に岩田に)、作者からも遊ばれてるっぽい所がちらほらと……。考えてみりゃ、典型的な「○○ブラック」のキャラクターだよな。
  そんな彼の名前は、ある意味非常に名誉のある(かもしれない)地名として福岡に見ることが出来ます。

○「渡辺 通り(WATANABE STREET)」。福岡市の重心たる天神を南北に縦貫する一大目抜き通り。バスもタクシーも自家用車もここを先頭にして渋滞するという、恐らく福岡で最も交通量の多い通りである。……これ自体が地名だよなぁ。という訳で今回は住所なし。
  ちなみに、通りの名前の由来は人名である(^^;)。なんでも、福岡の交通の発展に一役買った人物そうな。
  明治30年だか40年頃だったか、その頃福岡市において、都市の発展を加速するために、当時流行だった路面電車を引こうと計画しました。その時、福岡市が関西の資本家と組んで設立させたのが福博電気軌道と言う会社で、ここは九州帝国大学前から福岡市西部の西新に至る、市内を東西に走る縦貫線と、途中の呉服町から博多駅までの2つの路線を建設したそうです(これはほぼそのまま、現在の福岡市地下鉄の路線である)。ところが、これに地元の博多商人が猛反発。「博多ン交通ば中央の商人に握らるっとは何事(なにごつ)か!!」と言ったかどうかは定かではないが、そんなこんなで、博多ん者の手でも鉄道を引こう、と言う話が出たらしいのですね。で、その時の発起人が、「渡辺与八郎(WATANABE−YOHACHIROU)」という人だったそうで。彼を中心に博多電気軌道と言う会社が設立され、こちらは博多と福岡の町をぐるりと結ぶ環状線を建設した、というわけで。で、この環状線の路線の一部が現在の渡辺通りを通っていたため、彼の名前がここに冠される事になったそうです。
  なお、この方は初代社長から博多電気軌道の社長職を引き継いですぐに流行病で病没。その後を継いだ息子に商才がなかった(というか与八郎のワンマン経営だった)ため、あっさりと身売りする羽目になったのでした。
  なお、この通りの左右には岩田屋や天神三越、博多大丸といった百貨店や、天神コア、天神イムズ、ジークス天神といった商業ビル、福岡ビルやRKB毎日放送会館、電気ビルといったオフィスビルが立ち並んでいます。まさに福岡の中心たるたたずまい、と言えるでしょう。
そのうち岩田屋は一歩奥に引っ込んでしまいますけど(^^;)。
 

  • 交通アクセス
      博多駅前3番乗り場から渡辺通り経由天神方面行のバスに乗車すると、「渡辺通り1丁目」からずっと渡辺通りを北上します。じっくりと堪能しましょう。運賃は大人100円。
      なお天神付近からは、付近にある地図を見ると必ず「渡辺通り」と書かれた道路がある(はず!!)ので、そこです。じっくりと見てやってください。

      やぁ、今回は福岡のちょっとした歴史の勉強でしたね。ためになるなぁ(^^)
      次は住吉大丸の予定です。
     

    1999/10/06作成

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