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2010年■いのち■F25

作品2010年03

キャンバスに油絵の具

モチーフを探し、写真に撮って克明に描く方法は成果をもたらした。
しかし、手段が目的になってしまったようだ。
15回新作家展の批評で、このままでいいが技術に走らないようにと注意された。
自分には技術などはないので、心配はいらないと安易に考えていた。
とんでもない間違いだった。

心の底から感じたものがないと絵は成り立たないのをしみじみ感じる。

焦っても仕方がない、心を平明にして周りを見つめるしかない。

今一番みているのは顕微鏡である。
小さな植物に小さな昆虫がたかっている。
それを絵にすることにした。
自分でも何が何だかわからない状態だ。
人は興味をもって見るくれるだろうか、あるいは「これなに」で終わってしまうのだろうか。
描き終わったいま、非常な不安の中にある。