虻田町

先史
洞爺湖町南部高台には国指定史跡の入江貝塚・高砂貝塚があり、埋葬されたと見られる人骨も多く発見され縄文時代からこの地区に集落があったと思われています。
この地区の集落が登場する最初の文献は津軽藩の正史である『津軽一統志』で、アイヌの首長シャクシャインが蜂起した1669年(寛文9年)のものです。この中で虻田は旧称である「おこたらへ」と記されており、翌年に津軽藩士・則田安右衛門が記した『寛文拾年狄蜂起集書』では14-15軒のアイヌの家があると書かれています。

アブタ
「アブタ」の名が初めて登場する文献は『松前東西郷並に蝦夷地所付』であり1772年(享保12年)のものです。アブタとはアイヌ語で「釣り針を作る川」を意味する「アプタペツ」を略したものであるとされるが、「ハプタウシ」(いつもウバユリの根を掘ったところ)を語源とする説もあります。

松前藩の支配下に入ったアブタ・コタンにはアブタ場所が置かれた。「場所」とは松前藩が家臣にアイヌとの交易権を与えた知行地のことです。アブタ場所には他にレブンゲ、オプケシ、ベンベ、フレナイの各コタンがあり、アブタ・コタンはこれらからなる地域の中心集落であったようです。アブタ場所で取引された海産物にはコンブ、ニシン、干し鮭、イリコ(干しナマコ)などがあったそうです。特にイリコは江戸末期には中国へ輸出されており、蝦夷産は美味として珍重されたそうです。

開基
虻田に和人の定住が見られるのは、1799年(寛政11年)に幕府が蝦夷地を仮直轄として以降のことです。蝦夷奉行の戸川安論が蝦夷産馬の性質の良さを気に入り、これを殖やすための直轄牧場開設を幕府に進言し、有珠・虻田牧場がこの地に建設された。3頭の雄馬と9頭の雌馬をもって開場したのは1805年(文化2年)のことです。(このとき建立された馬頭観音碑が入江地区に現存しており、道指定有形文化財になっています)牧場は1870年(明治3年)まで馬の供給と改良を行っていました。この牧場の牧士頭取となる村田卯五郎は、1800年(寛政12年)に虻田で定住をはじめており、虻田町ではこの年をもって開基としています。


近代
明治に入ると蝦夷地は開拓使の管轄下に置かれ北海道と名を変えましたが、当初のうちは一部の地域を旧藩や寺社などに分領支配させていました。虻田は1869年より約1年間、庄内藩(改称して大泉藩)の支配下に入り、1871年には伊達以南を支配していた旧亘理藩(仙台藩の支藩)藩主・伊達藤五郎邦成の領地となった。翌年ようやく開拓使室蘭出張所の管轄下に置かれ、西紋鼈戸長役場に属した。虻田に虻田郡各村戸長役場がおかれ、西紋鼈戸長役場より分離独立したのは1880年のことです。

当時の虻田村はほぼ現在の虻田郡全体にあたる広い地域であったが、明治30年前後から羊蹄山麓で開拓により集落ができるにつれ、これらを徐々に分村していくことになりました。このころの虻田市街は内陸部に入植する開拓者達の中継地として、あるいは開拓に必要な物資の集散地として急速な発展をしました。

町の東方にそびえる有珠山は日本で最も活発な火山の一つであり、近年では25年から50年という周期で大規模な噴火を繰り返しています。

洞爺湖温泉は比較的歴史の浅い温泉で、1917年6月に発見された。壮瞥町の三松正夫、杉山春巳、安西岩吉の一行が虻田鉱山見学の帰途、西丸山近くの湖岸から湯気が出ているのを発見し、掘削してみたところ熱水が噴き出した。1910年の有珠山噴火の影響でここへの湧出が始まったとみられる。三松らは翌月に道庁から利用許可を受け、秋には竜湖館という温泉宿を始めており、これが洞爺湖の温泉旅館第一号ということになります。

1944年の有珠山の活動で出現した昭和新山は、第二次世界大戦後に新たな観光地となった。また1949年には一帯が支笏洞爺国立公園に指定され「洞爺」の知名度が上がったこともあり、洞爺湖温泉はさらに多くの観光客を集めるようになりました。
2008年には北海道洞爺湖サミットが開催され益々知名度が上がり、より多くの観光客が期待されています。


沿革
1880年 虻田村に虻田郡各村戸長役場を設置。虻田村・振苗村・弁辺村・礼文村を管轄。
1882年 振苗村を併合。
1893年 倶知安村(現在の倶知安町、京極町)を分村。
1897年 真狩村(現在の真狩村、留寿都村、ニセコ町、喜茂別町)を分村。
1902年 虻田村・弁辺村組合役場設置。二級町村制施行。
1909年 弁辺村(現在の豊浦町)を分離して虻田村役場を設置。
1920年 洞爺村を分村。
1938年4月1日 一級町村制施行。
1938年10月1日 町制施行し虻田町となる。
2006年3月27日 虻田町と洞爺村が合併し、洞爺湖町を新設合併。これにより虻田町は廃止。

分類項目
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