第50号 2004年2月 フォーダイス斑 由来
病名は、アメリカの皮膚科医フォーダイスが、1896年最初に報告したことに由来していて、フォーダイス顆粒、フォーダイス病とも呼ばれています。 新生児期や乳児期にはまれで、思春期以降に増加し、発現率・斑点の数とも、年齢とともに増加していきます。 お口の中の粘膜以外には、性器の粘膜にも見られるようです。 症状 皮脂腺とは、皮膚の毛根部分にあり脂肪分を出す腺のことですが、本来、お口の中の粘膜には存在しません。フォーダイス斑とは、その存在しない場所にある皮脂腺、つまり異所的に存在する皮脂腺のため、異所的皮脂腺とも呼ばれています。 頬の内側の粘膜や上唇の内側の粘膜にできることが多いですが、まれに上あごの天井部分である口蓋(こうがい)や、歯肉(歯ぐき)や舌にもできるようです。 脂肪が透けて見えるため、粟粒くらいの大きさで、やや隆起した黄色の斑点ですが、数個程度でほとんど気づかない程度のものから、多数密集したものまであり、さまざまです。 自覚症状はありません。 治療法 性器にも認められるため、性病との関連が疑われたこともありましたが、現在は否定されています。 病的な意義は全くないため、治療の必要性はありません。 |
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