[PM1:00 若駒寮・長瀬健一の部屋]
……俺は、とうとう自分の罪を胸にしまっておくことに耐えられなくなった。
誰かに話すのは、その相手を巻き込むことでもある。それはわかっている。
でも……このままでは、自分が壊れてしまいそうだった。
時間にして、部屋に戻った30分ほど後。俺はふたつの写真立て、そしてあの「罪の証」を持って、長瀬の部屋へと向かった。
「誰だ?」
俺のノックに、室内の長瀬が答える。
「……俺だ」
すぐに、ドアは開けられた。
「よく来たな。入れ」
……俺は、やつが大きく開けてくれたドアから、中に入った。
ついに、俺の古傷を知る人間が、俺以外にも現れようとしている……。
「……まずは、これを見てほしいんだ」
床に座った俺は、持ってきた物をそこに並べた。
……長瀬は、その3つのアイテムを、いぶかしげな表情で迎えた。それはそうだろう。俺が持っているには不自然な物がふたつ、持っているはずのない物がひとつ、なのだから。
「こいつは……確か、桂木が持っていたブローチだな」
やがて長瀬は、そう口にした……。