★ 検校(当道座に所属する盲人の最高位) | 師匠 | 備考 | ||
明石覚一検校 | 初代総検校 | 坂東如一 | 覚一本を確立 | |
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波多野孝一検校 | 江戸一世宗匠 | 〜1651 | 長原検校? | 波多野流始祖 |
前田九一検校 | 江戸二世宗匠 | 〜1685 | 高山丹一 | 前田流始祖 |
杉山和一検校 | 惣録屋敷 | 1610〜1694 | 元禄5(1692)惣録検校となる | |
豊田雅一検校 | 江戸三世宗匠 | 1669?〜1745 | 山下久一 | 正徳2(1712)家宣の法華頓写 |
亀田意一検校 | 江戸四世宗匠 | 豊田雅一 | 1780年代に活躍か | |
豊川 検校 | 江戸五世宗匠 | 雨宮菅一? | 麻岡検校の最初の師 | |
荻野知一検校 | 平家正節編纂 | 1732〜1801 | 寺尾勾当、河瀬意一 | 1776年尾張藩にて正節編纂 |
麻岡長歳一検校 | 江戸六世宗匠 | 〜1858 | 豊川検校ほか | 齊興が出資、京都で正節修得 |
福住順賀一検校 | 江戸七世宗匠 | 〜1886 | 麻岡長歳一 | 筒井政憲次男(長男説あり) |
鏡島城千検校 | 江戸八世宗匠 | 麻岡長歳一 | ||
伊豆島宗昌検校 | 江戸九世宗匠 | 〜1899 | ||
★ 晴眼者(眼の見える人) | 師匠 | 備考 | ||
茶人 | 1627〜1708 | 平家琵琶数十面を製作 | ||
岡村玄川 | 平家吟譜編纂 | 1691?〜1772? | 豊田雅一 | 1737年豊田検校と吟譜編纂 |
堀 景山 | 儒学者 | 1688〜1757 | 京都で平曲を学ぶ | |
本居宣長 | 医者・国学者 | 1730〜1801 | 京都で平曲を学ぶ | |
頼 山陽 | 史学者 | 1780〜1832 | 文政13年「平安人物志」 | |
西尾芳瑞 | 文人? | 文政13年「平安人物志」 | ||
三島自寛 | 和学者・歌人 | 1745〜1812 | 亀田意一、岡村玄川 | |
川村良碩 | 紀伊藩侍医 | 1744〜1819 | 三島自寛 | 津川検校長男、川村検校養子 |
楠美荘司(則徳)* | 弘前藩士 | 〜1819 | 三島自寛、川村良碩 | 寛政4(1792)文化10(1813) 文政2(1819)江戸で平曲習得 |
工藤繁治 * | 弘前藩校の書学士 | 楠美荘司 | ||
島津齊興 | 薩摩藩主 | 麻岡長歳一 | 江戸の平曲伝承を救済 | |
青山弥惣右衛門 | 幕臣、御臺所組頭 | 麻岡長歳一 | プチャーチンと下田で交渉 | |
大木弁庵 | 松平主殿頭奥医者 | 麻岡長歳一 | ||
中山眞齊 | 町方与力の隠居 | 麻岡長歳一 | ||
那須資禮 | 旗本 | 1810?〜 | 麻岡長歳一 | |
津軽順承 | 弘前藩主 | 1800〜1865 | 麻岡長歳一 | |
楠美太素 * | 弘前藩士 | 1818?〜1882 | 麻岡長歳一 | 荘司(則徳)の孫 |
楠美晩翠 * | 弘前藩士 | 1837?〜1887 | 楠美太素 | 太素長男 |
楠美恩三郎 * | 東京音楽学校教授 | 1868〜 | 晩翠三男 | |
館山漸之進 * | 平家音楽史編纂 | 1842〜 | 楠美太素 | 太素三男 |
館山甲午 * | 無形文化財 | 1894〜1989 | 館山漸之進 | 漸之進四男 |
館山宣昭 * | 館山甲午 | 甲午次男 |
堀 景山、本居 宣長
本居宣長記念館 に載っていた興味深い記事を要約します。 堀景山は、芸州浅野家儒官の家の出身で、 本人は京都に住み、日本の古典や平曲に造詣が深かった。 本居宣長は『在京日記』に、宝暦6(1756)年1月9日、 友人宅で堀景山の平曲を聴くことになり、宣長自身もその場で 「かたはしならひ侍るが、いとむつかしき物也。 中音をすこしならひ侍る、になうおもしろき物也、琵琶のねはさら也 (習ってみたが難しい。中音は比較する物がないほど面白い)」 と記している。 興味深いのは居合わせた面々です。 堀景山、横関斎、山田孟明、そして本居宣長。 宣長をとりまく晴眼者(眼の見える人)ばかりです。 私の先祖は参勤交代の折に江戸で平曲を修得しましたので、 江戸での晴眼者については記録があるのですが、 京都や尾張、他の藩での事情まではわかりません。 京都においても儒学者や国学者たちが平曲を学んでいたと 知ることができるこの情報は、大変貴重といえます。 Copyright:本居宣長記念館/madoka 初版:2004年9月27日 岡村玄川
『平家音楽史』では玄川を「嘘静居士」としていますが、 門人譜を考えると、「嘘」ではなく「霊」だったのでしょう。 初版:2009年5月3日 |
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