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人物誌 ―平家琵琶伝承の略系図―


※ 平家詞曲の伝承に深く関わった人びとの略系図です。
飽くまでも私に至るまでの略系図にすぎません。
現代はもちろん、どの時代にも複数の「相伝者」「伝承者」「愛好者」があります。
くれぐれも誤解無きよう、お願い申し上げます。
2006年2月15日 鈴木まどか


大きな音楽辞典には平曲の伝承系譜が載っていますが
ページが複数にわたったり系譜の線が複雑になっていたり
情報を網羅するために見づらくなっていたりします。

そこで、この系図を作成しました。
参考にした『平曲統伝記』『平家音楽史』の資料の一で
平曲を伝承・相伝した人の系譜と履歴がまとめられており、
私が知る限り未翻刻です。
著者の楠美晩翠は私の祖母にとっての祖父です。
余談になりますが楠美太素は私の祖父にとっての祖父です。


なお(宣昭師と私以外の)現代の相伝者・伝承者のお名前は
出しておりません。
略系図ということで、どうかご容赦くださいませ。
生仏A1 比叡山の検校職に就任後
 失明し平家を語り始める
坂東如一検校B1 一方流始祖
明石覚一検校B2 初代総検校
八坂城玄検校C1 八坂流始祖
波多野考一検校E2 江戸一世宗匠
 波多野流始祖
 家光・綱吉に徴される
 「孝一」と扱うべきか
小寺温一検校D3 家光・綱吉に徴される
前田九一検校D3 江戸二世宗匠
 前田流始祖
 家光・綱吉に徴される
豊田雅一検校F1 江戸三世宗匠
 前田流平家吟譜編纂
 漸之進は津軽藩に抱えられたと
 解釈しているが再考の余地あり
亀田意一検校F2 江戸四世宗匠
豊川  検校F4 江戸五世宗匠
荻野知一検校G1 豊川検校より前田流修得
 河瀬検校より波多野流修得
 尾張藩にて平家正節編纂
小嶋俊一検校G2 荻野検校京都時代の弟子
 正節を語ったかどうかは不明
山本・中村検校G3 荻野検校京都時代の弟子
 後日平家正節を修得
麻岡長歳一検校G4 江戸六世宗匠
福住順賀一検校G5 江戸七世宗匠
鏡島城千検校G5 江戸八世宗匠
岡村玄川H1 1737年豊田検校と吟譜編纂
三島自寛H2 和学者・歌人
川村良碩H3 尾張津川検校長男、
 川村検校養子
楠美荘司(則徳)*H4 弘前藩士
工藤繁治 *H5 弘前藩校の書学士
津軽順承I1 弘前藩主
島津齊興I1 薩摩藩主
青山弥惣右衛門I1 幕臣、御臺所組頭
大木弁庵I1 松平主殿頭奥医者
那須資禮I1 旗本
楠美太素 *I1 津軽で工藤繁治から吟譜修得
 江戸で麻岡検校より正節修得
楠美晩翠 *(I2)太素長男、『平曲統伝記』
館山漸之進 *I2 太素三男、『平家音楽史』
館山甲午 *I3 漸之進四男、無形文化財
館山宣昭 *I4 甲午次男

Copyright:madoka 初版:2006年2月15日、2006年9月12日楠美家系図へリンク追加
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