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平家琵琶との出会い
小学校5年生の社会科の授業で伝統工芸の単元を学んだとき、
「自分も何か日本の伝統を守る人になろう」と思い、母に相談したところ
母方の楠美(くすみ)家は「平家琵琶」を伝承する家だったと言われました。
仙台に 館山甲午師がいることは知っていましたが、交流はありませんでした。
小学校6年生の12月、館山甲午に師事した女性の存在を知り、
1月より、その方に 平家詞曲を教えていただくことになりました。
その後、仙台の館山甲午師に入門。入門式の記念には万年筆を頂戴しました。

家政学との出会い
高校生なりに、私は、平家琵琶を「文学」や「音楽」だけで論じることに
漠然とした疑問を感じていました。
平家物語に出てくる合戦装束に興味を持っていたことと、
伝承者になったとき(謝礼を頂くことはありますが、 営利目的の活動はできません。)の収入のことを考え、
「服飾史」を学べて、「衣料管理士」の資格がとれる家政学部被服学科に進学します。
家政学部で私は「生活史」という研究テーマと 「消費者教育」という分野に出会いました。

消費者教育との関わり
大学卒業後の3年間、アパレル企業の消費者窓口に勤務していました。
そこで知ったのは、じゅうぶんな消費者教育を受けたことのない消費者たちの姿でした。
企業の多くは消費者啓蒙活動を試みています。
でも私は、十代の若者たちへの消費者教育をないがしろにしてはならないと思い
ちょうど平家詞曲を一通り修得したのを機会に
大学院に進学し、生活史を研究しながら教職課程を履修することにしました。

現在の正業
平成10年に館山宣昭師より相伝を受けて以来
生涯学習センター等の平家物語講座の中での演奏、
高校の古文の授業や大学の平家物語ゼミでの演奏、
奉納演奏などの活動をしています。
生活史という切り口での、平家詞曲伝承の研究にも取り組んでいます。

現在の生業(なりわい)
十代の若者たちへの消費者教育を行うことができ、
平家詞曲の伝承活動と両立できるものとして、
平成10〜16年度までは、私立中学・高等学校で家庭科の非常勤講師を、
平成9〜18年度までは、大学での非常勤助手もしました。
平成19年度以降は『平家琵琶にみる伝承と文化』出版などの研究に専念しています。

肩書「前田流平家詞曲相伝」について
「前田流」は流派、「平家詞曲」は平家琵琶、「相伝」は免許皆伝の意味です。
古くは当道座の「宗匠」が、現代では館山家が発行する免状に記されています。
参照:免許皆伝者の呼び方


Copyright:madoka 初版:2000年2月16日、補足:2007年12月16日


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