[国語][詩][あいさつ] [寺山修司の短歌を授業する] [与謝蕪村第1時][第2時] |
工藤直子の詩「あいさつ」(詩集「のはらうた」より)の授業(1時間扱い)
次の詩を授業する。
この詩を印刷した紙を配る。作者名は書かない。
あいさつ さんぽを しながら ぼくは しっぽに よびかける 「おおい げんきかあ」 すると むこうの くさむらから しっぽが ハキハキ へんじをする 「げんき ぴんぴん!」 ぼくは あんしんして さんぽをつづける |
1、すらすら音読
(1) 教師の範読
(2) 追い読み(「教師が1行読む」「子どもが1行読む」の繰り返し)
(3) 自分で読む
(4) 1文交代で読む(本日は省略)
2、「見え」を問う
発問1 この詩で見えるものをすべて書きなさい。 |
「ぼく」「しっぽ」「犬(などの動物)」「くさむら」など。
教師のところに持って来させる。プラス評価をし、黒板に書かせる。
発問2 この中でおかしいものはないですか? |
自由に言わせる。意見が全く出なくてもかまわない。
3、しっぽの持ち主は誰だ?(1回目)
発問3 ズバリ、このしっぽの持ち主は誰ですか?書きなさい。 |
「犬」「きつね」「さる」「ねこ」「とかげ」など。
発問4 この中でおかしいものはないですか? |
これも自由に言わせる。意見が全く出なくてもかまわない。
4、「わからなさ」の確認
説明1 まだこの詩がよくわからないという人?自分がわからないことを自覚するというのは、とっても大切なことです。 この授業が終わる頃にはわかります。楽しみしておいてください。 |
5、「ぼく」と「しっぽ」の距離は?
発問5 では、「ぼく」と「しっぽ」の距離は遠いでしょうか?近いでしょうか? 遠いと思う人は「遠い」。近いと思う人は「近い」とノートに書きなさい。 |
「まだ書かない人?」と聞いて追いこむ。
では、その理由もノートにできるだけたくさん書きます。
机間巡視をする。次の指名をするためである。
指名をする。
「遠い。『よびかける』は、「大声をかけて呼ぶ」という意味だから。」
「遠い。『おおい』と呼びかけているから。近かったら、「おい。」になるだろう。」
「遠い。『元気かあ』の『あ』がついているから。近ければ、「元気か」になる。」
「遠い。『むこうの くさむら』とある。『むこう』というのは、あいだにあるものを越えた先のほうとい う意味があるから。」
「遠い。『ぴんぴん!』のびっくりマークは、大きい声を表している。」
6、「省略されている言葉」は?
発問6 2行目を指差しなさい。読みます。さんはい。 実は、「ぼくは」と「しっぽに」の間に省略されている言葉があります。何だと思いますか。そこに書き込みなさい。 |
「自分の」
これは難しい。教師が教えるしかないだろう。実は、これだけが正解であるとも言えない。
「自分のしっぽ」ではなくても、この詩は読み取ることができる。
ただ、作者が作った詩は「自分のしっぽ」なのだ。「自分のしっぽ」でないと、この詩はおもしろくない。「自分のしっぽ」だから、この詩はユーモラスなのである。
7、しっぽの持ち主は誰だ?(2回目)
発問7 もう一度聞きます。答えは絶対に口にしません。黙ってノートに書きます。このしっぽの持ち主は誰ですか?書きなさい。動物です。 書けたら見せに来なさい。 |
「へび」を書いてたら○をつける。
他は黙って×をつける。
しばらくしたらヒントを言う。
「『ぼく』と『ぼくのしっぽ』は遠かったですか?近かったですか?」
8、まとめ
説明2 この詩の作者は、「工藤直子」さんと言います。ペンネームは「へびいちのすけ」と言います。題名の下に書きなさい。 |
発問8 このへびは長いへびですか?短いへびですか?ノートに「長い」か「短い」か書きなさい。 |
指示 「長〜いへび」を想像しながら、もう1回みんなでこの詩を読みましょう。 |
文責 東田 昌樹
寺山修司の短歌を授業する
「与謝蕪村」の俳句の授業
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