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「勉強は何のためにするのか?」の授業記録
私が担任する4年生での実践である。
全学年で追試可能である。
「私、算数嫌い。」「音楽好き。」
子どもたちが、日常的に口にすることである。
教師は、子ども達のこれらの発言を謙虚に受け止め、「わかる授業」「できる授業」「楽しい授業」ができるように努力しなければならない。
しかし、その一方で、子どもたちに「何で勉強は必要か。」「勉強は何のためにするのか。」ということも教えていかなければならない。
学校は遊園地みたいにはいかない。面倒くさいことも、きついこともやらなければならない。
勉強を漠然とやっていると苦痛になる。目的意識を持ってやるべきだと考え、次の授業を仕組んだ。
2時間扱いである。
1時間目
勉強は必要か?必要ではないか? |
私が黒板に上のように書き、ノートに写させる。
必要と思う人は「必要である」、必要じゃないと思う人は「必要ではない」とノートに書きなさい。 その理由を書いたら、ノートを持ってきなさい。 |
「必要ってどういう意味ですか?」と質問が出る。「そういう時はどうしますか?」と逆に問う。
「国語辞典で調べる。」という答えが返ってくる。
最初に調べた子どもに発表させる。
理由をノートに書いて、見せに来た子に私が○をつける。2回見せに来た子は黒板に書かせていく。
ほとんどが「必要である」という意見である。「必要ではない(「必要ではないものもある」も含む)」と答えた人は、4人である。
まず、少数意見の「必要ではない」という意見を発表させる。
「習字は必要ではないと思います。」
「道徳以外の勉強は必要じゃないと思う。道徳は人の気持ちを考えたりする勉強だからです。」
「体育は必要じゃないと思います。」
次に多数派の「必要である」という意見を発表させる。
「自分が将来困るからです。」
「大人になったら何でもできないといけないからです。」
「大人になって仕事をするとき大変だからです。」
「大人になって字や算数がわからないと困るからです。」
「国語辞典に『なくてはならないこと』と書いてあるからです。」
「勉強しないと頭が良くならないからです。」
「大人になって後悔するからです。」
「体育は体を鍛えるために必要です。」
「必要じゃないなら、学校は最初からないと思います。」
「新聞は漢字がいっぱいあるから勉強は必要です。」
「大人になって苦労して、リストラで借金をするかもしれないからです。」
発表の後、自由に立ってこれらの意見に対して発表させた。討論である。ここで発表できる人は力がある。
習字についての意見が集中した。
「習字は必要だと思います。わけは字がうまくなるからです。」
「習字の字と鉛筆の字はちがいます。」
「でも習字をしないと字が雑になります。」
「私は習字を習っているから、勉強しなくていいと思います。」
「じゃあ習っていない人はどうするんですか?」
「『○○さんは、習字を習っている』って言ったけど、『習字を習っている』っていうことは、勉強が必要ということではないですか?」
このような発言が続く。
私が発言する。
体育はどうですか?必要だという意見と必要じゃないという意見がありますが。 |
「必要だと思います。わけは体力がなくなるからです。」
「別にスポーツをすればいいと思います。」
「体力がないと、重い荷物を運べなくなったりすると思います。」
しばらくしてまた私が発言する。
算数はいかがですか? |
算数については「必要ではない」という意見が出ない。
意見が途絶えたところで、ちょうどチャイムが鳴った。
2時間目
再び、「もう意見がないか」聞いた。
なくなったところで、私の考えを示した。
「先生は、間違いなく勉強は必要だと考えます。それは、こういう理由です。」
このように言って、黒板に書いた。
自分の夢をかなえるため。 |
例えば、「プロ野球選手」。 その夢をかなえるためには、高校に入って甲子園をめざします。高校に入るためには勉強も必要です。 プロ野球選手になってからも、インタビューに答えたり、データーを分析したりという勉強が必要です。 |
自分が将来なりたい仕事を思い浮かべてごらん。すべて勉強が必要です。 自分の将来の夢を、発表できる人は発表してください。 |
「Jリーガー」「看護婦さん」「介護士」「ボランティア」「通訳」「宝塚」「大工さん」「消防士」「保母さん」「ゲームプログラマー」「パン屋さん」「デザイナー」「マラソン選手」など様々な夢が出された。
1つ1つに勉強が必要であることを説明した。
小・中学校の勉強はすべての基礎・基本となる勉強なのです。 |
この後、教卓のまわりに子ども達を集めた。
パソコンの画面に注目させた。
これは先生の部屋の写真です。実は先生も勉強しているのです。 |
4年1組のみんながどうやったら勉強がわかるようになるのか。どうやったら楽しく勉強できるのか。 たくさん本を買って、そんなことを勉強しているのです。 |
感想文
自分の夢をかなえるために勉強をしているなんて、知りませんでした。これからは自分の夢に向かって勉強をしていこうと思います。
ぼくは東京の高校に行きたいです。そこでJリーガーをめざしたいと思います。だから勉強をたくさんします。そして東京の高校に行きたいです。
私は、勉強は必要だと思った。討論を聞いていると、もっと勉強は必要だと思った。
私は、習字も勉強に必要だと思った。体の不自由な人も習字をかけるということがわかった。勉強は将来のためとかにも役立ったから、とっても必要だと思った。
私は算数は嫌いだけど、これからもがんばろうと思った。
私は道徳が好きになった。道徳も必要だな〜と思った。まんが家になるために勉強をもっとがんばろうと思った。
文責 東田 昌樹
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