院長ごあいさつ
当クリニックは初診・再診ともに完全予約制で診療を行う心療内科です。完全予約制とすることの利点として
①できるだけ待ち時間を短縮できる
②予約日以外の受診を制限することによって医療依存を回避することが出来るということがあげられます。
特に②の視点は重要と考えております。「良いクリニック」という言い方の中には少なくとも2つの異なった方向が見られるように思われます。ひとつは実際に疾患が良くなり最終的に離れることが出来るクリニックです。当クリニックが目指すものはこの離れることが出来るクリニックの方です。それに対してもうひとつは接遇の良いクリニックです。「いつでもかかれる」「希望した薬がもらえる」などの特徴があります。この場合には医療機関や薬物から離れられなくなりはしないでしょうか？このような問題を避けるという観点からアメリカ精神医学会ではガイドラインの中に心療内科や精神科の診察を完全予約制で行うように明記されています。
診療方針・理念
第一に内科的診察を重視し身体疾患による精神症状を見落とさないよう心がけます。
第二に、うつ病・パニック障害などCommon Mental Disease（ありふれた心身疾患くらいの意味）の治療に力を入れております。
第三に「社会敵機能維持と改善」に力を入れてていきます。目先の症状緩和よりも、長期的にみた社会的機能の改善を重視しています。
対象疾患について
Common Mental Diseaseとはあまり聞きなれない言葉ですが、「ありふれた精神疾患」ないし「誰でも状況によってはかかりうるような精神疾患」といった意味です。仕事や家庭生活の中で、普通の人でもなるような疾患を治療することを中心に考えています。反対に精神病院でなければ診られないような、いわゆる「精神病らしい疾患」は当院では対応が困難です。
具体的には以下のような疾患を治療していきます。
①気分障害・・・うつ病・双極性障害ないし双極スペクトラム障害
②不安障害・・・パニック障害・広場恐怖・社会不安障害・特定の恐怖症
当院の治療における基本は薬物療法と精神療法（生活指導と行動療法）です。治療の詳細は申し上げられませんが適切な薬物選択を行うことで処方薬を必要際少量に押さえ、生活指導や対処行動の指導を組み合わせて社会的機能の維持ないし改善を目指します。薬物療法というと大量の薬物を処方されると誤解されがちですが、そうなるのは適切でない薬物選択ためだという考え方が一般的です。なお臨床心理士による心理療法（いわゆるカウンセリング）は行っておりません。