48号 2003年12月 外骨症

 

「がいこつしょう」と読みますが、骸骨とは関係ありません。

 

骨隆起

 外骨症とは、骨の表面から外側に向かって、骨が増殖したものです。定まった(決まった)場所にできる骨隆起(こつりゅうき)と、特に定まった場所にできないものとがあります。

 骨隆起には、上あごの口蓋(こうがい)という場所にできる口蓋隆起と、下あごの内側にできる下顎(かがく)隆起があり、左右対称性にできることが多いです。

 骨隆起以外の特に定まった場所にできない外骨症は、頻度が比較的少ないですが、部位としては、上あごの奥歯(臼歯)部分の外側(頬側)にできることが多いです。

 こどもの頃にはほとんどみられませんが、思春期以降に次第に増殖してくるようです。白人では約20%程度ですが、日本人では約50%と高頻度にみられ、女性の方がやや多くみられます。

 原因は不明ですが、歯ぎしりや噛みしめ、生活などで異常な力が加わることによる環境的な原因と、親子で同じようにできることから遺伝的な原因が関係すると考えられています。

 

 

口蓋隆起

 お口の天井部分を口蓋といいます。口蓋の真ん中部分にできる骨隆起を口蓋隆起といいます。

紡錘状または分葉状で、多くは左右対称ですが、まれに片側だけのこともあります。年単位で膨らんできて、痛みもないため、自覚症状はなく、熱いものを食べてやけどしたときに気づくことがある程度です。

 

 

下顎隆起

 下あごの小臼歯部分の内側(舌側)にできる骨隆起を下顎隆起といいます。

 半球状で、多くはこれまた左右対称です。左右に1個ずつあることもありますが、右図のように複数個あることもあります。

 なお、口蓋隆起の発生と下顎隆起の発生は関連がありません。私の場合、かなり大きく左右対称に存在する下顎隆起と、上あごの外側(頬側)に、特に定まった場所にできない外骨症がいくつもありますが、口蓋隆起はありません。

 

 

治療法

 外骨症自体は、病的な意味はありません。

しかし、入れ歯製作の障害になったり、発声に問題が生じる場合は、粘膜をはがして増殖した骨を削除します。

 

 

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