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卒業(園)ビデオアルバム制作

この仕事は、
映画のような芸術ではなく、
テレビのような娯楽でもない。

10年後に、自分の子供を愛した記憶を呼び起こすものだ。
その時に親は涙が出るほどの感動が起こる。
そういう記録の仕事だ。

子供は、10年後に親に愛してもらったことを思い出すことで荒野の人生を
強く生きていく勇気がわいてくる。
そのための記録の仕事だ。

僕はこのために情熱を燃やせる方を探しています。

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ここのコーナーは、「営業」について考えます。

谷口は、H3年度よりこの「卒業ビデオアルバム」を作り続けています。
改良に改良を加えたノウハウを研修でお伝えします。
現場で実地で学び身に付ける、これは総ての技術職に共通しています。
そして、どういう仕事でも初めにあるのがこの営業です。
この営業努力をしてこそ「プロ」になれるということを覚えてください。
ここで、「プロ」という言葉の定義をしておきます。

「プロ」とは、その仕事で継続的に生計をたてている状態。

とします。
その仕事だけでまだ食べられない状態は、「プロ」を目指している。
と、こうなります。 また、
過去にその仕事で食べられた、という状態を「元プロ」と呼びます。
アマチュアと決定的に違うのは、機材や技術ではなく、この営業ができるかどうかにかかっています。

さて、研修は2年間です。
たった2年でこの内容をすべてマスターすることは難しいです。 ぜひ最低限のことを研修で身に付けて実際に営業をし、自分の顧客をつかんで、仕事を一つ、そしてまた一つ、と丁寧な仕事をこなしながら総てを身に付けていってください。
現場で身に付ける、そういう学び方が一番いいでしょう。
この仕事を扱う環境は年々良くなっています。
僕が始めた頃は機材が高価すぎて採算が合わないことが多かった。
しかし、今(2007/10)は違う。
初期投資に150万もあればこの「卒業ビデオアルバム」の制作はできるだろう。
デジタル機器のおかげだ。 技術進歩は驚くばかりだ。
さて、始めにお断りをしておくが、この研修では機材は一切必要が無い。
機材が好きでしょうがない機材オタクはハッキリとお断りをする。
この仕事を純真に真剣に職業にしたい方に、そのノウハウをお伝えしていきたい。

このビデオ制作の技術をマスターできると、別項の「親子キャンプ」のハウツービデオのような制作もできるようになれるでしょう。
ぜひ、この「卒業ビデオアルバム制作」のハウツーとあわせてそれをご覧下さい。
ここに書き込んだ意味をより深く理解するのに役立つことでしょう。


@ 商品知識

どういう営業でも、まず初めに自分が売ろうとする商品知識がなければなりません。
この仕事は、DVDというメディアを売っているのではなく、その中の「映像と音声」を売るものだということをハッキリと分かってください。
映画が2千円ぐらいで市販されています。
大根が1本10円でも安ければ隣町まで買い求める主婦に、市販ビデオの数倍高い「卒業ビデオアルバム」を売ろうというのですから、よほど内容に満足して頂かなければなりません。
その内容とは、

写真による「卒業アルバム」のビデオ版で、

○ 子供一人一人の顔と声がしっかり記録されている
○ 幼稚園の場合、園生活がどうであったのか良く分かる
○ その映像と音声によってそのときの「成長」ぶりが思い出される
○ 担任の先生やお友達などの人との交流が描かれている

だいたいこの4つのことが構成よくまとめて作られていればいいでしょう。
そしてこのことがセールスポイントになります。

作品の出来具合のほかにも「品質」があります。

品質その1
この商品は、一般の映画と違って何年か経ってからも見てもらえるものです。
幼稚園での場合で、その子が小学校3〜4年生でたて続けに何回も見たという報告がありました。
ちょうど10歳ごろで人の成長過程の重要な分岐点です。
たぶんその子は、そのビデオで忘れかけていた素晴らしい何かがよみがえったのでしょうか、そうでなければ何回も見ることがないと思えます。
見たその瞬間に刺激的で面白く感じさせるために特殊効果を使います。
しかし、この仕事は何年も経ってから、また見てもらうことを良く考えると、そういうその場限りの刺激的な編集は不適切です。
その効果のところが時間と共に非常に「臭く」なります。
絵と音でしっかりと作り上げる作品が、この商品に相応しいと思います。

品質その2
お客様は注文してから少しでも早く見たいというのがあります。
ラーメン屋さんの場合、注文から5〜7分が勝負らしいと聞いています。 10分も過ぎたら二度と来店してもらえません。
このビデオの販売も、注文書のあり方から納品まで顧客満足度を上げる工夫が必要です。 ここのところも「品質」の内に入ります。

品質その3
使用メディアとパッケージ。
極端に安いメディアを使った場合、ひどい時には1〜2年で再生できなくなる場合があると聞いています。
十分にそのことを考慮したメディアを使用します。
パッケージそのもので購買力につながりにくいのですが、多少の効果があります。
それ相応のパッケージを工夫します。 ただ懲りすぎると生産性が下がります。
仕事量が少ないうちはいいのですが、この仕事で食べられるレベルの仕事量になるとこの生産性も考えなければなりません。

品質その4
アフターケア。
DVD−Rの場合、100%の互換性がありません。 また経年変化によるトラブルも考えられます。
Channel のブランドの場合、一年間保障をしています。 お客様による破損や火事による焼失にも保障してきました。
この仕事は、何年も続くことが出来るいい仕事です。 それに相応しいアフターサービスを提供することも品質です。

附帯商品
幼稚園の場合、年間の卒園ビデオアルバムを手掛けることによって単発のイベントを撮影してそれぞれ希望販売させていただけることがあります。
その具体的なものは、
入園式、夏のお泊まり保育、運動会、発表会、遠足、卒園式、などです。
顧客によってもちろん売上は違いますが、おおむね谷口の場合平均で一ヶ園当たり年間80万〜100万ぐらいになっています。
売上目標は、これを目安に立てられるといいと思います。


A 志を持つ

営業と関係が無く思う方がおられるかも知れません。
しかし、この「気持ち」こそこの仕事を長く諦めずに挑戦できる「動機」となりますから必要なのです。
ここで谷口が出会った失敗する動機のいくつかを紹介します。
この仕事で一番多い失敗の見本は、「機材オタク」です。
プロは、その仕事で食べていくというのが前提です。
機材オタクは、収入を使えもしない機材に当てます。 根本的に商売になっていない。
「アーティスト」、これもこの仕事を目指すのに見当違いです。
映画を作るのではありません。 子供やお母さん、お父さん、が欲しがるだろう「絵と音」を届ける仕事です。
口八丁、手八丁、の方。 要領は必要ですが、「要領」だけでは喰っていけません。 また、営業というと人を騙すことと思っている方もいます。 そういう方は、決して成功しません。
大儲けして一旗上げよう、という方。 残念ですがこの仕事は手間ひまが掛かる割りに儲からない。 実は、だからこそ個人事業に向いていて企業ができない仕事なのです。 金だけが目当てだったら他にもっといい仕事があると思います。

ここに例としてうまくいった一つの志を紹介します。

子供の育ちに興味があって小さい子を見ているのが好き。 その子に今の思い出を届けよう、自分の思い出を宝物にして強く生きていって欲しい。 そう願っている。

これは、僕の場合の動機です。
そしてこの仕事で自分の家族を何が何でも食べさせていこう。
そういう気持ちでこの仕事を目指したら、平成3年度に卒園ビデオアルバムの処女作が完成し、それ以来作り続け食べてこられました。
ぜひ、素直に参考にして欲しいです。

この志が的を得ているもので、明確で強ければ強いほど成功する確率が高くなります。
会社ではこのことを「企業理念」と呼んでいます。

「ビデオ屋」という仕事には、いろいろなジャンルがあります。
個人事業でのビデオ屋には、何があるか紹介しましょう。
結婚式を撮るビデオ屋は、結構多くの方に認識されていることでしょう。
幼稚園での「ビデオ屋さん」も最近では認知度が高まったようです。
舞台関係では、日本舞踊・バレー、などの舞踊系。 ピアノの発表会や学校の吹奏楽などの音楽系。 会社の記念式典などのイベント系。
変り種としては、お祭りを追っかけているビデオ屋さん、闘犬を専門にしていた方、女子プロを撮っている人にも会ったことがある。
おおむね、それぞれのスポーツにはオフィシャルのビデオ屋がいることでしょう。
例えば、日本スキー連盟ご用達のビデオ屋さんがいます。 ほんの一時期ですが僕も新体操のそれをしたことがある。
どのビデオ屋さんも仕事に「専門性」を身に付けてプロになっています。
藤間流と花柳流の違いを知らない者が日舞を撮れないのです。
そういうことでこの「卒業ビデオアルバム」の仕事は、子供の成長について興味のある方こそ向いている仕事です。
何が何でもこの仕事で生計を立てようという決心、仕事のやりがい。
この志が同じ方を研修で受け入れられると思います。


B 作戦を立てる 〜戦 略〜

Aで、志、理念をハッキリと持つことが出来たらそれを成就させるための作戦を考えます。
作戦を立てるということには「時間の流れ」があることを覚えてください。
どういうことかと言うと、目的が達成されるまでには必ずそれまでには時間が掛かるということです。
どんな商売でも数日で成功することなどありません。
ましてや技術を売る仕事です。 何年も何年も掛かる。 その覚悟が必要だ。

脱線するが、この時間に耐えられない方が多くなった。
しかし、この仕事の表現そのものに「時間」がある。
今生きていて、何時かは分からないが死ぬ。 その終わりまでの「時間」を意識できることで本当の人生設計が見えると思う。
もし、自分の「死」を無視して生きていたら、つまりゴールを無視したランナーになる。
僕の言いたいことが伝われば幸いだ。

作戦には、中期的・・・3〜5年の目標の「戦略」とその戦略を達成させるために「今」どう行動するかという「戦術」の二つがあります。
ここでは「戦略」について考えます。
「戦略」は、中期目標です。 この目標が実現可能な予測しうるものであれば成功する可能性が高くなります。
しかし、その目標が低すぎると中期目標は達成しやすいのですが「志・理念」がなかなか成就しません。 10年やってもラチがあかない。
逆に高すぎると、つまり失敗します。
うまくいかないのは、目標が低すぎたり高すぎたりすることにあるのです。
自分の能力より、ほんの少し高い目標が目安になるでしょう。
さて、ここで問題なのが「自分の能力」です。
脱サラで新規に始めようという方に多いのが「自信過多」です。
いくら会社でそこそこのポジションを得ても、会社を辞めればただの「失業者」であるのです。
社会はサラリーマン生活で味わってきたほど甘くはありません。 ここが一つの関門です。
本人の「気持ち」の問題ですが、このときにこそ志が強ければ通過できるでしょう。
「自分の能力」を知るということは取りも直さず自分自身をよく知るということです。
ここにエールを送りましょう。

高慢になるな、最も失敗する。 高慢ではなく自信を身に付けて欲しい。 成功が近くなる。
卑劣になるな。 前に進まない。 卑劣ではなく謙遜を持ってもらいたい。 成功が近づく。
客観的な「自分」は他人しか教えてもらえない。 自分が思う「自分」は高慢で卑劣なものだ。 素直に学ぶ心を持とう。 成功がかなり近くなる。

この学びこそアマチュアと決定的に違うところになります。 プロの第一歩。

さぁ、ご自身の中期目標が正確に定まったでしょうか?
「この仕事で生計を立てる」のがプロです。
その生活でコストが高ければ高いほどリスクとなります。
実際に、ビデオ屋を目指している方で、引越しを何回もして新車を買っている人がいました。
軌道に乗っていても無駄な経費です。 立ち上がりでその調子ではうまくいくわけがありません。
また、仕事が取れもしないのに機材オタクで買い込むのも同じです。 成功は遠い。
普段の生活が質素なら質素なほど有利であることを覚えてください。
そして、ご自身の生活が年間で300万円で可能なら中期目標で400万円の目標にしてみる。
これは売上ではなく「利益」でその目標となります。
この仕事は、利益率が上手にやれば非常に高い。 だから400万円の利益目標なら600万円ぐらいの売上目標ぐらいでしょうか。
こうしてご自身の具体的な中期目標を持ちます。
これは人によって違いますのでご自身でよく検討してください。
中期目標を具体的に持ったら、それをいかに成功に結び付けられるか作戦を立てます。
この仕事の販路開拓は、一年に一回のチャンスだろうと思います。
なぜかはご自分で考えてみてください。
いきなり一気にその目標の売上ができるだろうか・・・・
まぁ、ほぼ答えはNOです。
ここに「時間」に耐える力が必要になる。
毎年少しずつ顧客数を伸ばしていくことになるでしょう。
ならば、必要とする生活費を初めの数年間はどうしたらいいのか考えなければなりません。 その具体的な行動を考えてください。

もし、5年で売上を600万にする目標なら年に120万ずつ新規開拓することになる。
この前のところに書き込まれている幼稚園が一ヶ園当たり年80万の売上を期待したとして5年で7.5件必要となる。
このように中期目標をご自分の生活に合わせて立てます。
ちなみにこの具体的な数字は、谷口の場合です。


C 長期戦略と軌道修正

中期的な戦略では、ともかく何が何でも「食べられるようになる」ことが目標になるでしょう。
その次の目標が長期戦略です。 10年ぐらい先を見越す。
一般的には、1件の顧客で年商の3割を越さないようにします。 なぜなら、そこでの売上がもし何らかの理由でダメになった場合のダメージが大きいからです。 商売の鉄則です。 このことで安定経営に結びつきます。
さて、そこまで売り上げられるとその仕事量をどううまく毎年こなすかが重要になってきます。
重なった取材を頼めるブレーンが必要になる。 これが長期目標の一つになります。 そういうことで谷口の場合、研修で若手のブレーンを育てようということなのです。 長期的にその方たちで仕事のネットワークを築きたいと考えています。

現実的には、計画を立ててもそのとおりにはならないものです。 なぜそれがうまくいかないのか、失敗に学び失敗を乗り越えましょう。 商売はそれの連続と言っていいかも知れない。
そのときにこそ「理念」がしっかりあるのなら、それを達成させるべく別の方法へ「軌道修正」することになります。 理念が明確でないとたった一つの失敗で諦めてしまうことも起こり得ます。 また理念がなければまったく違う方向へ逃げてしまうかも知れない。
多くの成功者は、ここが一番重要であると口を揃えるのはそういうことだからなのです。

人生の最大の目標を持つ(理念)そしてそれを何が何でもオレはやるぞという決心をし、その具体的な作戦・計画を立てて実行する、これこそがプロがプロであるところだと考えます。

さて、この戦略を立てても実際に実行しなければ、当たり前ですが商売になりません。
この中期目標に対して「今」どうするのか、それが戦術です。 実際の行動です。


D 戦 術

これは、「作戦」というより「実行力」と言えるのではないかと思います。
例えば、その年度に売上を120万円を達成させたいと計画したとします。
もし、幼稚園一ヶ園当たり80万円の売上を期待したいと予測すると新規に2ヶ園開拓することになります。
そのための具体的なアクションを考えるのが戦術です。
幼稚園という顧客を持つためには、一般企業とは違う「販路開拓」があります。
ぜひ、この研修でその有効な方法がありますので実際に体験して身に付けて欲しいと思います。
谷口が現在食べられるようになった具体的な営業手法を実践で学びます。
この研修は最後に、ともかく「プロ」を本気で育てたいと考えていますので、この販路開拓の指導があるところが大きな特徴だろうと思います。

また、売上だけではなく「商品開発」も進めなければなりません。 その具体的な方法を考え実行するのも戦術になろうと思います。
商品開発とは、研修者自身が商品である「卒園ビデオアルバム」、「幼稚園のお泊まり保育の記録ビデオ」、「発表会のビデオ」、などを作れるようになることを言います。
この研修でその基礎技術をたっぷり体験し習得してください。

その作れるようになったビデオを顧客開拓し、販売に結び付けていくことを「商品化」と呼びます。
作れるだけでは商売ではありません。
この商品化を実現させて利益を出して、そのことで生活をする、それで初めて「プロ」になれます。
商品開発は、作れるようになること。 商品化は、売れるようになることです。
そして個人事業は、理念、戦略、販路開拓、商品開発、商品化、それらすべてを一人で出来るようにならねばなりません。
ともかく学ぶべき分野はすべてです。
研修で一つ、一つ、合理的に早く学べるようにしましょう。
研修期間は、2年間です。 気合を入れないととても短くて学びきれそうにありません。
お互いにベストを尽くしましょう。

商品開発は、別項の「構成」「表現」「技術」をぜひ学んで身に付けてください。
ここでは「商品化」について考えてみましょう。


E 商品化

○ 商売の基本中の基本、それは売れるものを作るということです。

この仕事は、「放送」より下のものだと思っている方がいる。
放送は、不特定多数を相手にしたメディアであるのに対してこの仕事は、「特定少数」に販売していくものだ。
そこには歴然とした違いがあり、それをハッキリと理解して欲しい。
これはこの仕事をする上での絶対条件だ。

売れるものを作る。
ということは、お客さんが欲しがるだろう物を探るということになる。
これは時代と共に変化するものと、あまり変らないところとあります。
具体的に「幼稚園の発表会ビデオ」という商品のあり方の変化について説明しましょう。

谷口は、昭和58年に10年務めた会社を辞めて「子供をビデオに撮って売る仕事」を目指しました。
すべての人に「そんな商売は無い」と言われ続けられました。
なぜなら、そのころのVHSデッキの家庭普及率が25%ぐらいで、一般的には「ビデオを見る」という環境ではなかったからです。
その25%の家庭でもたいがいは電気屋さんがアダルトビデオが見られますよ、というセールスポイントでお父さんたちに売り込んでいたという時代です。 僕もスノーノイズだらけでなんだかさっぱり分からない映像の「洗濯屋のけんちゃん」というビデオを見せてもらったことがある。 このタイトルを知っているお父さんたちは今、だいたい50歳半ば以上のはずだ。 今のみなさん、知らねぇだろうなぁ。
すみません、脱線しました。 すけべは永遠に変ることのない真理です。
さて、そんな時代背景で初めにビデオ撮影が商売になったのは、「結婚式」の撮影でした。
それとはまったく別に「銀行の商品紹介」というビデオソフトも盛んに作られるようになっていきます。 まぁ、それとアダルト。
後者の流れはこの「卒業ビデオアルバム」制作と違いますので今後は省きます。
前者の流れで幼稚園の発表会ビデオという商品が結婚式ビデオを追うように出現しました。
平成1〜2年ころだったと思いますが、谷口は幼稚園でのビデオにこだわっていましたので、その発表会の撮影を1シーズンに17件こなしたことがあります。 毎日のように幼稚園の発表会、いくら好きでも飽きるほど撮った。 それはある事務所の仕事で撮影技術だけでした。
その頃の撮り方は、舞台に上がる子供を満遍なく全員撮る。 これは今も変わらない。
バストショット以上の大きいサイズで全員撮る。 これは変った。 そのころのVHSでは画質があまり良くないのでなるべく子供の顔を大きく撮ってインパクトを出すことが重要だった。 だからわずかな出演時間内にどれだけアップできるか、それがその仕事の「ウデ」だったのです。 当然のことですが映像は目まぐるしく動いています。
それが、次第に保護者自身でビデオが撮れるようになっていく。
そうなると発表会ビデオの単価がどんどん下がっていきます。 それでも次第にあまり売れなくなっていく。 時代の変化です。 同じようにこの頃から「結婚式」のビデオ撮影も受注量がガタ減りしていく。
保護者の方は、自分の子は自分で撮っている。 だからアップは必要になくなり、その代わり全体の様子や劇の筋が分かるビデオを欲しがる傾向が出てきます。 そこで撮り方は、「引き絵」を多くするようになりました。
発表会のビデオは、時代と共にこういうふうに撮り方を変えています。

最近はパソコンで簡単に特殊効果が出来るようになりました。
それを使ったから売れると思ってしまうビデオ屋さんがいます。
独りよがりでは、商品化できない。
子供やお母さん、お父さんが喜ぶ絵と音。
売れる絵を作る。 これが基本です。

○ 売れる絵を欲しがる人に勧める。

この商品は、日用必需品ではありません。
その人の「好み」「価値観」で売れる商品です。 同じ幼稚園でも経営が替わり保護者の価値観がビデオにない方ばかりになってさっぱり売れなくなったところがあります。 また地域差も大きく影響します。
逆にコンスタントに購買率70%以上売れるところもあります。 幼稚園のお泊まり保育のビデオで、そのときはひどい雨でした。 絵は宿舎の中ばかり。 ところが、そのビデオの試写会の日、僕の痛風の記念すべき最初の日となった。 足を引きずって試写会の準備や片づけをしたのだが、それを見ていたお母さん達に同情してもらって、ナント、90%を越す購買率になったことがあります。 まぁ、ご祝儀でしょうか・・・・   商売の不思議で面白いところです。 一度味わったらサラリーマンはできない。
作ったから売れるのが当たり前と思うのは、脱サラしたての商売の初心者に多いです。
この仕事は、興行収入、成功報酬、なのです。 強い心が必要です。 強い心・・・・
魚釣りと同じで、よく買ってくださる保護者が多いところに売り込んでいきます。 
それで食べられるようになるわけ。

ということで、谷口の場合幼稚園が専門です。
理由は、同じ年代の子が保育園にもいるのですが「学年」の人数が少ない。
その人数が多い幼稚園の方が販売数量で有利だからです。
また、谷口の卒園ビデオアルバム制作は、基本的にその取材を全部行っている。 お客さんに取材してもらうやり方もあるが、それだとどうしても狙い通りのもができない。 だから制作コストが高い。 当然、販売単価も安くはできない。 学校の記念品の予算は、おおむね2千円以下です。 とても谷口の作り方ではその予算に合わない。 
また、公立の幼稚園ではこの卒業ビデオアルバムという今までにないものを受け入れることはほとんどしません。
それで私立の幼稚園で営業展開しました。
買っていただける方のところへ行く。 これも基本です。

今後の展開次第では公立の小学校でも取り扱っていただけるようになるかも知れません。
現時点では、私立幼稚園が最も有利でしょう。
これは売り手側だけの都合ではないように思います。
私立幼稚園は、それぞれ特徴を出すことで厳しく生き残りを図っています。
俗に言う「役所仕事」ではアッという間に潰れてしまいます。
幼稚園の経営者が、自分の保育理念を保護者に理解してもらいたいと強く願っているところにこの仕事が成立しやすい。
ずいぶん前ですがこう言われたことがある。
「卒業ビデオアルバムは、ただの記念品ではなく保育を理解していただくための重要な宣伝物と考えています。」
また、行事の単発で販売している「お泊まり保育」のビデオは、多くのところで「お泊まり保育の説明会」で前年度のものを上映して保護者の理解を得ている様子です。
このことをヒントにすればセールストークが思い付くことでしょう。

ここで私立幼稚園を分類してみます。
知識詰め込み型・・・お受験幼稚園のことです。
特定技能重視型・・・例えば鼓笛隊に力を入れてそれを特徴とするもの。
            温水プールが売りだったり、かなり多くの特定技能がある。
自由保育・・・子供の個性を引き伸ばそうというもの。
体験保育・・・体験による試行錯誤で考えたり、実行したり、フィードバックしたり、
        そういう学びのプロセスを身に付けさせようと言うもの。
タテ割り保育・・・別称異年齢交流という。 年の違う子供同士を交流させることで
          人間関係の築き方を身に付けさせようというもの。

幼稚園の仕事では、これらが上手に撮れるようにならなければプロにはなれない。
それと、幼稚園では保育者を「先生」としか呼ばない。 保育所(園)では、「保育師」または「先生」と呼ぶ。 「保母さん」は使ってはいけない。 幼稚園と保育所(園)では免許が違うことを知っていなければならない。

○ 売れるようにする。

新規開拓では、その一番最初は、「顔」を売れとよくベテランの営業マンが言います。
どういう意味かと言うと、それは信用できるかどうか誠意を見せろと言うことです。
商品の前にその信用を得ることが大切です。
商売は信用に始まり信用に終わる、と言われるほど「信用」の二文字のために考えられるすべてのことをします。 それが本当の商売。
いくらプロの機材を使っていようが、本人に芸術家のウデがあろうが、ピアスをして売り込みに行っても門前払いになるのは当たり前です。
約束の時間を守る、信用を得たいのなら実行してください。

さて、その信用の次にあるのが販売促進です。
それにはいろいろな手法がありますが、研修でなにがあるか実際に体験してください。
ここではその内の一つ、販売促進物、略して販促物について考えます。
販促物で身近なものとしては、駅前でチラシ配りをよくしていますが、そのときにティッシュペイパーを付けています。 広告のチラシにそのティッシュが「販促物」にあたります。 覚えておいてください。
谷口が新規開拓をしていたときには、販促物にタオルを使いました。 シタジキを使ったこともある。
さぁ、商売の立ち上がりではこの新規開拓に明け暮れる日々になります。 心が貧弱だったり志が低かったりするとこの辛く苦しい時期を乗り越えることができません。
最初の一ヶ園を新規開拓できると、たぶん自信につながることでしょう。

こうして顧客を持てたら実際に取引開始です。
今度は、幼稚園に対してではなくその先の保護者の方に買って頂けるよう働きかけることになる。
具体的には、注文書のあり方、注文締め切りのあり方、パッケージの工夫、そのようなところで「売れるようにする」工夫を考えます。
研修で谷口がどうやっているか盗み取ってください。
まったく同じ商品でもこの販売促進の活動をしてこそ「売れるようになる」ということを覚えてください。 基本です。

○ 利益を出す。

売上が10万円を見込める仕事でタイトルに凝って一週間を費やしていいのでしょうか。
そういう感覚を「アマチュア」と呼びます。 決してプロになれない。
この仕事は軌道に乗ると毎年同じ仕事を繰り返すことが多い。
その年に出来るからと言ってオバーワークすると、それを毎年続けなければならないということを考える。
タイトルだけではない。 発表会のビデオで出来るからと言ってカメラを3台も4台も入れていいでしょうか?
期待通りの売上にならないからといって翌年サービスを落としたら、信用を無くす。
信用は、商売の一番重要なものだ。
こういうことをしっかり捉えて商売をする。 
安定した作品を毎年作り続ける。 その上で少しずつグレードアップしていく。
これが大切だ。
例えば谷口の場合、平成18年度の卒園ビデオアルバムから完全にクラス分けの編集にした。
今までは子供たちの一人一言のインタビューのところのみクラス分けしていたが、グレードアップした。
このことでの値上げはしなかった。 価格据置だ。
一度こうしたのだからこれからはずっと完全クラス分けにする。
今までもやってできなくはなかったが、手間ひまがかかりすぎていた。
しかし、パソコンの性能が上がってそれが簡単にできるようになったので、そうすることにした。
また、発表会の撮影も平成19年度からは1台固定で無人カメラを加えて2台のカメラで撮影する予定だ。
複数のカメラで撮影することを「マルチ撮り」と呼ぶが、谷口の技術は20年以上前からアナログで3台回せる。
しかし、コスト面で幼稚園の発表会では見合わせていた。
これもパソコンの性能が上がったので、無人でカメラを1台付け加えることができるようになった。
こうして、少しずつ売上に合わせた仕事をして継続させるのが「プロ」の仕事だ。
「知っている」のではなくこのことをしっかりと「理解」をしなければならない。
利益を出してこそ食べられる。 当たり前のことだ。


F 最後に

ここの分野では、今まで多くの方がビデオ屋で生計を立てたいと思ってもうまくいかない方々を思い出して書いた。
ここに書いたことは、すべての商売の基本だ。
出来そうもないと思ったら、この仕事に限らず脱サラはしない方がいい。
ここが分からない方は、本当に脱サラをしないでください。

この仕事で食べられるようになることは、特殊なことだと思う方がおられるかも知れない。
けっして人間が出来ないことではないのだ。
ただ普通のサラリーマン生活と違って、この営業を命がけで出来るかどうか、そこがちょっと大変なだけだ。 そして成功するという保障は自分で作る。 だれも甘やかしてはもらえない。
根性さえあれば女性でも十分に独立開業できるものだと思う。 実際におられる。
いやむしろ、子供の姿をジッと見ているのが好きなのは女性の方が多いように思う。 その分、有利だ。
この仕事は、男性には被写体にダイナミックさを感じられないかも知れない。
しかし、僕の歳になるとこれが最高の被写体と感じることもある。
被写体に興味があるかどうか、結局はここに行き着く。

人の心は常に変っていく。
それが人生体験をたくさん得ることで歳相応に変化すれば「心の成長」と呼ぶ。
心が歳相応にならないことを「幼稚」と呼ぶ。 70歳でも幼稚な人はいくらでもいる。
一度、「成長の喜び」に快感を覚えたら、その人は一生涯学びたくなるものだ。
子供でも大人でも、これが本当の幸せを得る方法だろう。
この被写体は、「お兄さん」から成長して「お父さん」の目で子供を見つめると愉快な被写体だ。

ということで、ここに書いた多くのポイントは子育てに共通する。
ここの「商売」という単語を「生き方」、そんな風に置き換えて読めば、そのまま元気のいい子供を育てるガイダンスになる。
ご参考まで。
僕はそのことに気付いて不思議で不思議でしょうがない。

この仕事は、手間ひまが掛かる割りに儲からない仕事だ。
しかし、被写体に面白さを感じる方ならこの仕事で有意義な人生を歩めるチャンスがあると思う。
さぁ、このコーナーを最後まで納得しながら読んだ方は、ビジネスマンのセンスがある。
会社に縛られた人生より、自分の「ウデ」で稼いで自由に生きる道を歩める下地があると思う。
そういう方こそが、この他の「構成」「表現」「技術」を身に付けることで独立開業が可能だろう。
今まで人材をなかなか育てられなかったのは、この「営業」が出来ない人ばかりに教えていたからだ。
そこにやっと今、僕は気付いた。
これからは、ここの部門をマスター出来る見込みのある方にこの仕事を伝えていきたい。
研修をご希望の方は、その旨パソコンのメールにてお知らせください。
募集は、おおむね30歳までの方で隔年2名です。

ぜひ、「心の強い大人の人」にチャレンジしていただきたい仕事です。
心からお待ちしています。


p.s
なぜ営業に心の強さが必要かというと、商売の立ち上がりで断られても断られても諦めずに売り込んでいかない限り、生活をするのに十分な顧客を獲得することができない。 そのときに貧弱な心の人は、さっさと逃げていった。
これは理論ではなく僕の体験だ。


<研修者募集要項>

○ 学歴不問
○ 30才までの方
○ この仕事に意欲のある方2名募集
○ 研修期間は基本2年です。
○ 研修料は年額8万円。 その他に出張に伴う経費があります。
○ 研修期間中、埼玉県越谷市に住むことが出来て、自活できる方
○ 現場はほとんど午前中です。 午後から他のバイトが可。
○ 機材は一切必要ありません。 持込不可。
○ 研修前に見学をして、その上で決心してください。

<この研修についての注意>

○ 社会人としての自覚があること
○ ビデオでの仕事の収入を保証するものではない
○ 仕事を斡旋するものではない


「見る」という行為は、「知っていく」ということ。
「知っていく」ということは、見るものを「愛する」ことなのです。  谷口則之