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卒業(園)ビデオアルバム制作

この仕事は、
映画のような芸術ではなく、
テレビのような娯楽でもない。

10年後に、自分の子供を愛した記憶を呼び起こすものだ。
その時に親は涙が出るほどの感動が起こる。
そういう記録の仕事だ。

子供は、10年後に親に愛してもらったことを思い出すことで荒野の人生を
強く生きていく勇気がわいてくる。
そのための記録の仕事だ。

僕はこのために情熱を燃やせる方を探しています。

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ここのコーナーは、技術について学びます。

技術には、撮影のほかに、録音・照明・編集・パッケージ、の5部門があります。
さてビデオは電気があって初めて作ったり見たりできるものです。
そこで最低限の電気の知識について

普段の生活で馴染みのある電気には、100v交流電気と直流電気があります。
100v交流電気には、関西の60Hzと関東の50Hzの2種類あります。
関西のそれは特に問題ないのですが、関東の50Hzの電気で例えば蛍光灯下で撮影をすると「フリッカー」が起こります。
これは、ビデオのフレームが約1/30秒に対して交流電気の50Hz(1秒間に50回の交流波)が微妙に合わないために起こります。
その場合、電子シャッターで1/100秒に設定することでその50Hzに合わせることが出来て、そのフリッカーが見えなくなります。
谷口の経験では、液晶モニターでこのフリッカーが起こっていても、それが現れないことがありました。
関東を中心にした50Hzの場所では、迷わず電子シャッターを1/100秒にしましょう。
100v交流電気では、電線をまるめて束ねることが「抵抗」になります。
ですから、電源ドラムに電線を巻いたままたくさんの電流を流すと発熱します。
一般的に電線は1.5aですが、そこに1kw流すと発熱で電線が解けてショートし火災を起こします。
電源ドラムは、消費電力量に関係なく電線を延ばしきって使いましょう。
谷口は、ドラム自体を使っていません。 現場では仕込み、撤収、ともにドラムは時間が掛かるからです。
直流電気は、ビデオの機器はたいがい12vです。
そしてプラグは、4pinキャノンと決まっています。
ちなみに、3pinキャノンは音声ケーブルです。
ややこしいのは、2pinキャノンの場合です。 スピーカーケーブルとして使っているビデオ屋さんもいれば100v交流電気に使っている場合もあります。 2pinキャノンは注意が必要です。
極めて稀なケースですが、4pinキャノンを音声ステレオ用ケーブルとして使っているビデオ屋さんがいました。 手伝いの現場では確認が必要です。
100v交流電気を現場でもらう場合、必ず簡単にプラグが抜けないようにガムテープなどで固定します。 ホールによってはガムテ禁止のことがありますので、何らかの方法で固定しましょう。
電源ケーブルや音声ケーブルなどを現場で引き回すことがあります。 不用意にお客さんが足を引っ掛けないようにそこを養生しなければなりません。
内装の床材の「リノリューム」や5mm厚のゴムマットを用意しましょう。
電気が命綱のビデオ屋家業では、常にテスターを携行しましょう。 電池の残量に頻繁に使います。
ビデオ屋は、ケーブル類を何かと扱います。 特に音声ケーブルは、10メーター、20メーター、それ以上、とあります。 それらを束ねる「ケーブルさばき」を実地で身に付けてください。 プラグ類もハンダ付けが出来るようになりましょう。
最低限、以上の事柄だけは覚えておいてください。


(1) 撮 影

この仕事において撮影は、まるで狩です。
何日撮影したからいくら、という感覚では生きていけません。 
1本の卒業ビデオアルバムを制作するのにどういう絵が必要か、場合によっては
1カットだけを撮りに行くなんていうのはざらです。
撮影という狩をして、それに編集という調理を加えて、そこにお客さんが集まってくださり、買うまでいって初めて商売になる。
この仕事の全体を見通して初めて「撮影」ができるのです。
始めのうちは訓練ですからたくさん撮ります。
しかし、仕事の全体を見通すことが次第にできるようになってきたら、必要な絵を確実に捉えることができるように訓練しましょう。
撮影の初心者から中級レベルになるときの心構えを紹介します。
一番肝心なことですが被写体の動きを読むということ。 そのためには被写体である子供の行動について専門的に学ばなければなりません。 現場で子供の心理と行動がどうあるのか学び取ってください。
具体的には、たとえば「タテ割り保育」の味はどう出せるのか、「体験保育」のそれはどう撮ればいいのか、谷口から盗み取ってください。
次に、このドキュメンタリー制作においてカメラマンは限りなく「透明人間」になれなければなりません。 これが基本です。
この基本をマスターした上で、カメラマン自身が出演者になる場合も時々起こります。 そのときには大胆に子供の名脇役をします。
なんでもかんでもシャシャリ出るのは禁止です。
この仕事のリテイクはありません。
一発勝負です。 必要な絵のイメージをしっかり持ってそれを狙い撃ちします。
下手な鉄砲数内当たる式は、プロの仕事ではない。

@ カメラポジション

この仕事の撮影という行為にリズムがあります。

アクション1
その場面をどう作るのか即興で構成する。 何を視点にして何を表したいのかハッキリ決める。

アクション2
その場面を作るために必要なカットを考える。 そしてどうやったら狙い通りの絵が撮れるか探す。

アクション3
それらいくつかのカットを効率よく撮る順番を考える。 例えば特に、引き絵は被写体から離れた場所が多いので、それを要領よく撮るにはどうしたらいいか考える。

アクション4
ベストポジションを見つけそこを確保する。

まとめ
考える、探す、場所確保、ゲット、
この行程が短ければ短いほどカメラマンのウデがいいということになる。 そして現場ではこれが繰り返される。

カメラはちょっとこの間までは「民生機」だったクラスのものを使う。
概ね30万台で買える。
しかし、この研修では機材の持ち込みは禁止にする。
その一番の理由は、研修者が機材にこだわらない心にするためだ。
機材オタクではまず喰っていくことはできない。
機材マニアは、ハッキリとお断りする。
そういう意味だ。

A シャッターチャンス

現場の流れを把握し、子供または大人、乗り物、などの動きを読み取る力を身に付けます。
洞察力。 カメラマンのウデはこれで決まる。
この「読み」の力の精度を高くすることで次に何が起こるかを予測できるようになる。
幼稚園の先生の方が子供を良く知っているのでいい絵が撮れる、と言った方がいる。
確かに正論だが、「見ることが出来る」と「予測して撮る」のとはまったく別の話だ。
この違いを研修で覚えましょう。

B 初級・中級、カメラマンのためのバイエル

実際に主婦に教えてその効果があることが確かめられた練習法があります。
HPの「卒業ビデオアルバム制作」から「子供ビデオ12章」へ行ってください。


C 発表会の撮影

卒業ビデオアルバム制作での撮り方とはまったく違うものです。
リアルタイムを記録する仕事です。
谷口はH19年度より、2台のカメラで撮影してそれをPCで合成する手法で製品化します。
これを「パラ撮り」と言いますが、これを学びます。
インターカムでの通信も体験します。
概ねこうした「舞台もの」の撮影は、レンズの性能が必要なので業務用カメラを使う。
業務用カメラでスムースなパン・ズームを特訓します。
曲の節に合わせたパンもたくさん練習できるようにします。
戻りパンを「戻る」ように見えない技法もマスターします。
現場でカメラを実際に振って練習もします。
具体的な技術を見て学んでください。

D 運動会の撮影

アルバム用の撮影のようにカットして作る演目と発表会のようにカメラが動いてリアルタイムを記録する演目などあらゆるテクニックを必要とします。
正直なところ年間の取材の中でこれが一番難しい。
研修期間は2年ですので、運動会のシーズンが2回あります。 目をサラのようにして見学してください。 運動会を販売しない園で練習できるようにしていきます。

(2) 録 音

この仕事ではほとんどカメラ内臓のマイクでOKです。
ただし、発表会の撮影では「録音」の基礎技術を学びます。
VUメーターを使って基準信号を扱います。 すべてバランス型が基本です。
一般のホールでの録音、幼稚園のホールでの録音、あらゆる現場をお見せします。
マイクは、指向性、無指向性、プレッシャー、それらの扱い方をご指導します。
発表会ではなく、インタビューでの録音で、指向性、ピン、などのマイクも使います。
機材の仕込み、養生、なども体験します。

(3) 照 明

これはフィクションではないので「地明かり」が基本です。
ただ、子供の顔をしっかり撮りたい場合やキャンプファイヤーなどで照明を使います。
タングステン光の色温度にフィルターをかけて回りの光源に合わせるなどの技術を学びます。
基本的な人物の照明をインタビューなどで学べるようにします。
最低1回は練習で「物撮り」を実施して光の回し方を体験します。

(4) 編 集

H19年現在、商品はNTSCです。 それをVHSまたはDVD−Rで出荷します。
編集はすべてPCで行います。 編集ソフトは、EDIUS PROver-4 。 オーサリングは、Adobe Encore DVD。 音声ソフトは、DIGION SOUND 5。
これで徹底的に練習します。
とは言っても特殊効果は使いません。 編集の奥義を学びます。
過去の豊富な編集素材(オリジナルと呼ぶ)を使って毎日のように編集をします。
アルバム用の取材がない日は、すべてこの編集の特訓です。
この研修の半分は編集の練習だと思ってください。
このことによってどういう「絵」が必要かが分かるようになります。
編集上がりが谷口のものとどう違うのか、それを体験してより精度の高い編集ができるよう目指します。
編集は、「絵」と「絵」の組み合わせ、「絵」と「音」との組み合わせです。
カットポイントが数フレーム違うだけで見える印象が変ることを身に付けます。
カットポイントにBGMが先なのか、同じなのか、遅らせるのかで期待感がどう変るのかを学びます。
同じく、カットエンドに対してBGMがどう終わるのかで余韻の違いを学びます。
この組み合わせによってどういう意味が作られるのかを学びます。

ビデオアルバムではクラス別編集で作ります。
共通シーンとクラス分けの部分を編集ソフトで要領よく組み合わせてクラス別にします。
それはタイムライン上で「ファイル」と「生絵」を組み合わせることでできるのですが、その具体的な手法を学んでください。
子供一人一人に「大きくなったら何になりたいですか?」というインタビューをするのですが、大きい声の子もいれば小さい声の子もいる。
それを音声ソフトでいかに早く音声レベルを統一させるか学びます。
谷口の場合、このインタビューはだいたい600名ぐらいになります。
それを音声レベルを合わせてクラス分けにし、撮りもらしがないようにするのですから、要領がなければできません。
ぜひ特にここをしっかりと身に付けて欲しいと思います。

発表会のパラ撮りでは、位相の合わせ方、WBやクロマの合わせ方、2本の素材を時間軸で合わせたり、絵の切り替えし、OLのかけ方、などソフトを使いこなしていきます。
色味をベクトルモニターで、輝度などは波形モニターで合わせるのですが、アナログの時代ではその二つのモニターだけで70万はした。
それがたた40万のPCにタダでくっついている時代になった。 しかもカラー表示だ。
昔からこの商売をしている者にとってビックリ仰天の技術進歩だ。
それらの調整機能もアナログの時代の「一般業務」ではなく「放送規格」に近い。
それら調整技術を学んでください。
正直に言ってそれだけでも結構な研修内容になると思う。
ところで、勉強不足だからか H-pulse の調整が見当たらない。 なぜなんだろうか?
僕は未だにケーブルを引き回しているので必要なんだが・・・
ソフトメーカーさん読んでいたらそこんところよろしく。
(2007/10現在ver-4で)

運動会のものでは、演目が普通10以上ありますのでDVDのメニューが1枚では足りません。
オーサリングソフトでメニューを階層したり、演目の始めのタイトルのつけ方、などを学びます。

出荷はDVD−Rが主流で当面(谷口の予想では幼稚園のビデオに関して2012年時点では DVD-R NTSC 98% VHS NTSC 2% HD 0% と考えています)NTSCが基本です。
日本全国でHDのデッキが急に普及する可能性は極めて低い。
それどころか、地上波でさえアナログからデジタルへ移行するのが目測どおりスムースかどうかさえ疑わしい。
HDデッキの家庭普及率が実際に40%になった時点でそれの出荷準備をすればいいでしょう。
それで十分に間に合う。
これは一部マニアのためのものではなく一般家庭消費者に合わせます。

(5) パッケージ

研修者募集のビデオを作るためにH18年度のジャケットをプリントアウトしました。 自分でビックリするほどのタイトルを作っていました。
この仕事は、多くが毎年あります。 そのつどジャケットのデザインが変ることを幼稚園では望みません。
谷口のものは、PCで作る前、色紙にコピーして作っていた時代から基本的なデザインを変えていません。
幼稚園のビデオの保管で揃っていることを喜んでくださる園が実際にあります。
ジャケットのデザインで購買される一般ソフトとはまったく違う価値がそこにあるのです。
基本デザインを変えない価値、この仕事のスタンスです。
ただし、これ以外の仕事ではジャケットデザインが重要になります。


##### 別項「ビデオマンのひとりごと」に詳細有り #####

ここの技術は、あまりに学ぶべき項目が多く、しかもほとんどが実地でなければ身に付きそうもない。
しかもそのときの機材で扱い方が変るので「普遍」的でもない。
そこでその時期にあわせたその時の技術を別項で紹介することにした。
07/11/29(木)の「ビデオマンの日記」より開始した。
( Snowmen Camp Club の活動報告の中 :トップページからどうぞ)
週に一回、おおむね木曜日に書き込もうと思う。
初回は、幼稚園の発表会に向けて「2カメパラ撮り、PC編集での色調整について」だ。
ぜひこちらもお読みください。

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「見る」という行為は、「知っていく」ということ。
「知っていく」ということは、見るものを「愛する」ことなのです。  谷口則之