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中学受験専門 国語・社会 プロ家庭教師 西村卓也:個人・直接契約

社会は「つながり」が勝負!

 社会という科目はやはり「どれぐらい覚えるか」が勝負となるということに尽きます。かといって、英単語のように機械的に覚えても、現代の中学入試の問題には太刀打ちできません。例えば、「どうして『江戸時代の三大改革』を行う必要があったのでしょうか?」ということを説明させる問題が入試では出題されます。

 江戸時代の三大改革は簡潔に言えば幕府の財政を立て直すために行われたのですが、享保の改革が徳川吉宗によって行われたということだけでなく、どうして改革が行われたかを知ることで知識事項が確実に記憶され、応用的な問題にも対応できるようになります。歴史はそのような因果関係に目を向ける必要があります

 地理も例えば、濃尾平野の輪中は頻繁に起こっていた洪水の被害を防ぐためにできたなど、やはり因果関係で覚える必要があります。しかし、「信濃川の河口はどの県にありますか?」といった知識は因果関係で覚えることはできません。そういう地理の知識事項は、地方ごとに分類して覚えることが重要です。当たり前のことを言っていますが、それができていない受験生が意外に多いのです。

 例えば、信濃川は中部地方の長野県から新潟県を流れる川で、河口付近には稲作がさかんな越後平野が広がっていると覚える。地方ごとに分類して、さらに他の知識事項もつなげて覚えれば、頭の中で定着していきます

 歴史も地理も知識事項を単独で覚えるのではなく、複数の知識事項をつなげて覚えることが大切です。そうすることで、あらゆる形式の入試問題に対応することができます。

 日本国憲法など政治分野の問題の場合は、まずは、それぞれの事項やしくみへの理解をしないとなかなか覚えられないので、地理や歴史とは少々異なります

社会は理解して覚える!

 社会という科目はただ覚えればいい科目ではありません。人間は無意味なことを覚えるのは困難です。ですから、そのことがどういうことなのかが理解できていなければ、覚えることは難しいでしょう。

 例えば、日本国憲法では生存権という権利が明記されていて、国民に「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障するとされていますが、「文化的」とは何か、「最低限度の生活」とはどの程度の生活なのかを理解した方が覚えやすいのは確かでしょう。

 そのような政治分野の事項を理解していくことや歴史における因果関係の理解、地理の知識事項を的確につなげる作業を受験生が自力で行うことは困難です。それを受験生に促していくのが社会の指導に携わる塾講師や家庭教師であり、そこが腕の見せどころです。

 政治分野の事項を難しい言葉を極力使わず、明快に説明し、歴史の因果関係を一つの物語のように興味深く語り、地理の知識事項をすっきりと整理された形でつなげて提示する。そうすることで受験生の理解を深め、知識事項を確実に覚えさせていく。それが塾講師や家庭教師の役割だと思います。

 質の高い覚え方をしていれば、忘れることもなく、応用も利き、得点力も向上していきます。そして、受験生が社会という科目そのものの魅力に目覚めれば、スポンジが水を吸いこむようにどんどん知識を吸収していくでしょう。

 社会は受験直前期の追い込みが利く科目であることは確かです。一方で、直前期までにどのように知識事項を覚えてきたかで追い込みの効果に歴然とした差が出るのも確かです。知識をいい加減に頭に詰め込んだ状態で追い込みの学習を必死にしても、得点力はあまり向上しないでしょう。他の科目と同様、社会も日々の積み重ねが大切なのです。