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片仮名「ヲ」の筆順は?
「かおり」「かほり」「かをり」、どれが正しい?
学生語「KY」って何?
学生語「JK」って何?
「消耗」の本来の読み方は?
「酸漿」(ホーズキ)の正しい現代仮名遣いは?
「敵愾」「覿面」「途轍」、全部読めますか?

「剽軽」って読めますか?また、遣いますか?



「剽軽」って読めますか?また、遣いますか?

 
 

  TV番組を見てますと、楠田枝里子が、

    「とても剽軽な性格ですね」

か何かコメントしていました。「ひょうきん」と読むのですが、この言葉は最近あまり遣わないですね。昔はビートたけしや明石家さんま、山田邦子などが出演する「おれたちひょうきん族」という番組があって、「ひょうきん族」という言葉も流行っていたのですが、今の若い人たちは「ひょうきん」という言葉を遣うのでしょうか。あるいは知らない人も多いかも・・・?

 で、私はというと・・・。やはり遣わないですね。決して若くはないんですが・・・。楠田枝里子は遣っていましたが・・・。一体、何歳ぐらいの人が遣うのでしょう。

 言葉は、地域、職業、性別、年齢、階級、書き言葉、話し言葉などの違いで、使い分けをします。専門的にはこの違いを「位相」と言います。外国語として学ぶとき、この「位相」も知る必要があります。難しいところです。

 

 で、「ひょうきん」は一体、今は、どのような位相の人が遣っているのでしょう。



 


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「敵愾」「覿面」「途轍」、全部読めますか?

 
 「敵愾」「覿面」「途轍」・・・・・

 これだけを見ると、なんて読むのか、一瞬、悩んだり、あるいは、わからなかったりするのではないでしょうか。でも、実は、ちょっと考えて見ると、これらは、表現語彙(理解しているし、正しく遣える)、少なくとも、理解語彙(表現はできないけど、理解はしている)であると思います。

 では、短い文章にしてみます。

   @弟は、両親が兄ばかり大切にするので、兄に対しては、誰よりも敵愾心を燃やしている。

   @ずっと風邪が治らなかったが、病院で注射を打ってもらったら、覿面に治った。(効果覿面だ)

   @お金持ちの友達の家に遊びに行った。玄関から家までかなり歩いた。途轍もなく大きな家だった。

 どうでしょう。文にすると読めた人も多いのではないでしょうか。

 読み方は、「てきがい」「てきめん」「とてつ」です。

 知識というものは、頭の中にたくさんあるんですが、引き出すときにうまくつながらないと、なかなか出てこないものですね。知識をうまく関連付けることができるように、頭を柔軟にしたり、また、授業でも上手にヒントが出せるようにしたいと思います。


 


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「かおり」「かほり」「かをり」、どれが正しい?


 一般的に「香り」を書くときは

       「まあ、いい『かり』ですね。」

 最近、恋愛が報道されることもある、タレントの眞鍋さんの名前は

       「かり」

 昔、誰かが歌っていた歌のタイトルは

       「シクラメンのかり」

 なぜ、このように3通りも書き方があるのでしょう。それは仮名遣いと発音の変化が関係しています。今、用いている現代仮名遣いは、中曽根康弘が首相のときの昭和61年7月1日に内閣告示第1号として定められました。それによると、「香り」は助詞でも長音でもないので「かおり」と書くのが正しいのです。

 では、「かをり」は何でしょう。これは歴史的仮名遣いによるものです。昔は「お」と「を」の発音の区別がありました。「折」(をり)と「織」(おり)では発音が違ったのです。したがって「かをり」は歴史的仮名遣いで書いているということです。今でも、例えば年配の方など、歴史的仮名遣いで書いている方もいらっしゃいます。

 では、さらに「かほり」という表記を見かけるのはなぜでしょう。これは発音の変化が関係しています。昔は語中語尾のハ行をそのまま発音していたのですが、平安時代のころ、ハ行がワ行に変わりました。

  「顔」・・・「かほ」→「かを」・・・→「かお」

 と、変化していったのです。この知識がある人が

  「香り」・・・「かおり」←(「かをり」)←「かほり」

 と、勝手に作ってしまったわけです。しかし、「香り」は最初から「かをり」なので、「かほり」とするのは間違いです。

 知識がある故に間違ってしまうこともあります。疑問があれば、すぐに辞書をひいて調べる習慣が大事だと思います。 


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「酸漿」(ホーズキ)の正しい現代仮名遣いは?

 いきなりですが、問題です。実が赤くて、中が空洞の観賞用の植物「酸漿」の現代仮名遣いは何でしょう。

 1.ほうづ

 2.ほうず

 3.ほおづ

 4.ほおず

 ヒントひらめき歴史的仮名遣いでは「ほほづき」です。現代仮名遣いでは、はっきりと語源の区別が認識できない場合は/zu/は「ず」で書くことになっています。

(「づ」と書く例:三日月=三日+月(みかづき)、仮名遣い=仮名+遣い(かなづかい))

 したがって、「づ」は「ず」となり、ホーの長音の部分は歴史的仮名遣いで「ほ」だったので、「う」ではなく「お」で書きます。

正解は4番です。

 これは意外に大事です。ためしに「ほうずき」「ほおづき」で辞書を引いてください。ほとんどの辞書では、その仮名遣いでは「酸漿」を探すことはできませんから・・・

 学生の質問の中で、「なぜ、昔のルールを残すのか。もう変わったんだから新しいルールに合わせたらいいじゃないか」というのがありました。例えば、現代仮名遣いで例外として残っているものは昔の慣習を引き継いだものが多いからです。

 でも、やはり昔からあるものは規範として残したい、長い年月の間に人々が忘れ去っていることも、わざわざ調べ上げて、それを正しい表現としたいと私は思うのです。もちろん、この前の記事のように「消耗(しょうこう)」が「しょうもう」として定着していった例もたくさんありますが・・・。

 仮名遣いの誤りを直そうとした藤原定家、さらにそれを極めた契沖、そのほか、数々の著名な国語学者・・・そういった人々の研究成果はやはり残すべきだと思います。とっても固い考え方ですが、言葉をこよなく愛しているということで・・・^^


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「消耗」の本来の読み方は?


 「消耗」の本来の読み方は何でしょう。

 昨日の「タモリのジャポニカロゴス」で出されていた問題です。

 解答者は「しょうもお」と書きました。オ列の長音は「お」か「う」で書くという知識があったので、このように書いたのです。確かに、オ列の長音を「お」と書く場合がありますが、これは和語に限った特定の語について、表記の慣習を尊重して、そのように書くものです。

 例えば、「狼」→おおかみ、「蟋蟀」→こおろぎ、「氷」→こおり、「通る」→とおる、「十」→とお・・・・

 などです。つまり、昔の仮名遣いで「ほ」「を」だったものを「お」と書くのです。

 しかし、それは「和語」に限ったもので、「漢語」には適用されません。したがって、「オー」と発音される「漢語」の伸ばす部分は「う」で書けばよいのです。

 では、「しょうもう」じゃなかったら何でしょう。解答者も一つしかないと言っていましたが、実はニュースでよく見かける語があって、それは皆さんも知らず知らずのうちに本来の読み方で読んでいます。

 「心神弱」

 どうですか?「しんしんこうじゃく」

 「こう」ですね。だから「しょうこう」が本来の読み方なんです。 「もう」が慣用音、「こう」が本来の読み方なのですが、現代では、「もう」のほうが一般的な音で、「こう」のほうが特殊な読み方と「常用漢字表」でも決められています。本来とは違う読み方が浸透して、一般音の地位を勝ち取ったんですね!多数派万歳!



2007.7.11

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片仮名「ヲ」の筆順は?

 

 片仮名の「ヲ」の筆順ですが、ご存知でしょうか。片仮名の「ヲ」は現代では用いることがないので、あまり重要ではないんですけど・・・一応・・・

 片仮名は主として、外国語の地名・人名、外来語、擬音語・擬態語、一部の動植物名・専門用語などに用いられるのですが、発音が「オ」と同じなので、現代では遣う機会はめったにありません。平成3年の内閣告示第2号の「『外来語の表記』に用いる仮名と符号の表」にも「ヂ・ヅ」「ヰ・ヱ・ヲ」は示されておらず、遣わないことになっています。

 ま、一応、歴史的には存在する音、仮名なので、筆順も覚えておかないと、ということで・・・・

 @ ニ → ノ → ヲ

 A フ → 一 → ヲ

 B ノ → ニ → ヲ

 さて、どれでしょう。元になった漢字は「乎」なので、正解は、@でした。

 筆順と一口にいっても、かなり奥が深いです。例えば、「ヒ」は「比」が元の漢字なのですが、「ヒ」の一画目は左から右か、右から左か・・・小学校の教科書にも、両方の記述があるようです。ただ、左から右が優勢のようです。

 また、元の漢字では、説明できないものもあります。例えば、「毛」から、「も」と「モ」ができましたが、平仮名の「も」は縦から、片仮名の「モ」は横から・・・。

 一つのルールでなく、いろいろな要素が絡み合っていますから、難しいですね。 




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学生語「KY」って何?

 皆さん、「KY」って何のことだか分かりますか?

今日の授業では「位相」について説明しました。「位相」とは、性別や年齢、地域、職業、社会集団などによって、言葉に違いが生じることなんですが、学生には当然「学生語」というのがありますね。いやあ・・・。私の時代とは随分変わっているようです。最近、年齢差がどんどん広がっていくのが、そらおそろしい・・・

 で、学生に教えてもらったのが「KY」という言葉です。なんと、これ

 「空気が読めない」で「KY」だそうです。

 「先生は「KY」ちゃうで嬉しい顔」と言われました。これって、私は「空気が読めている」ってこと?ですかね。

 いやあ、時代は変わりますね。今の学生にとっては、こんな新語を作ってしまうくらい、「空気が読める」かどうかが大切なんでしょうか。でも、これって若いくせに、日本的じゃありません?自由奔放に見える学生ですが、周りとの調和をちゃんと大事にしてるんですね。えらい!




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学生語「JK」って何?

学生語の話で「KY」は

・・・空気が読めない・・・

という意味でしたが、では「JK」は何でしょうか。

こちらは「KY」よりは普及していないようで、使わない学生もいるようです。

「JK」は阪神の救援投手「JFK」とは全く関係がなくて、

・・・女子高生・・・

だそうです。「私、もうJKじゃないから」とか「JKはいいよね」

とか、遣うんでしょうね。

しかし、女子高生ってそんなに価値があるものですかね。私は地方のしがない高校生だったので、そんな華々しい意味合いなど全くなく、ひたすら、まじめにクラブ活動をし、勉強していましたね。思えば・・・


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