39号 2003年3月 中心結節

 

 

 

中心結節(ちゅうしんけっせつ)とは、主に小臼歯の噛む面の中央部分にみられる、円錐状または短い棒状の歯の突起のことです。

 

 

 

歯の異常

の異常には大きく分けると、数の異常、形の異常、位置の異常、噛み合わせの異常があります。

 

数の異常:

歯数過剰(過剰歯)

 

歯数不足(欠如歯、無歯症)

形の異常:

大きさの異常(巨大歯、矮小歯)

 

癒着歯、癒合歯

 

歯内歯

 

異常結節

 

異常根(過剰根、樋状根、台状根、歯根の弯曲・屈曲)

位置の異常

 

噛み合わせの異常

 

 

 

異常結節

異常結節とは、本来はない歯の突起のことをいいます。乳歯は永久歯よりも形の異常が少ないため、異常結節もきわめて少ないです。

 

カラベリ結節:

Carabelli 1842年に記載したもので、上の永久大臼歯や乳臼歯の内側にある突起で、下の歯には決してみられません。第二乳臼歯では20〜26%、第一大臼歯(6歳臼歯)では13〜18%と高頻度でみられます。

臼旁結節:

上の永久大臼歯や乳臼歯の外側にある突起で、第二大臼歯(12歳臼歯)と第三大臼歯(親知らず)に多く、0,51,0%にみられます。

プロトスタイリット:

下の永久大臼歯や乳臼歯の外側にある突起で、第一大臼歯(6歳臼歯)に多く、1,011,0%にみられます。

臼後結節:

第三大臼歯(親知らず)の後方にある突起です。

中心結節:

永久臼歯の噛む面の中央部分にみられる、円錐状または短い棒状の歯の突起のことで、1,03,5%にみられます。

切歯結節:

永久切歯や乳切歯の内側が周囲から盛り上がった、円錐状の突起です。

犬歯結節:

永久犬歯(糸切り歯)や乳犬歯の内側が周囲から盛り上がった、円錐状の突起です。

 

 

中心結節

 

永久臼歯にみられるものの、下の第二小臼歯の頻度が最も多く、次いで下の第一小臼歯、または上の第二小臼歯で、この3種類でほとんどをしめます。また左右対称にみられることが多いので、一人でいくつかの中心結節を認めることも多いです。

 

 その形は、円錐状・棒状・小米粒状で、長いものは中に歯髄(しずい:神経)が入り込んでいます。ところが、噛む面の中央部分に存在するため破折しやすく、破折すると歯髄が露出しやすいため注意が必要です。

 

 そこで、中心結節の破折や周囲からのむし歯を予防するために、発見次第できるだけ早期のうちに、中心結節周囲をコンポジットレジンやシーラントというプラスチックや、セメントという材料で埋めることが大切です。

 

 

 

BACK<<

>>NEXT