第6号 2000年6月 だらだら食い 2000年6月4日〜10日は歯の衛生週間で、スローガンは「めざそうよ 家族全員 きれいな歯」でした。 だらだら食いは 歯の大敵むし歯の原因となるのは、細菌のかたまりである歯垢(しこう)の中にいる「ミュータンス菌」という細菌です。この細菌は、糖が少しでも口のなかに入ってくると活発に働いてその糖を分解して酸をつくり、その結果、歯の表面をわずかに溶かし始めるのです。これが繰り返されると、歯の表面が徐々に溶け、穴になり、むし歯の状態になります。 しかし、食事が終わると、唾液により糖や酸を洗い流し、口のなかが酸性から中性に徐々に戻っていきます。唾液が中性に戻ってくると、溶け出したカルシウムなどが歯の表面に再び沈着します。
飲食のたびに歯がわずかに溶ける脱灰(だっかい)と、再び元に戻る再石灰化(さいせっかいか)が繰り返されているのです。それでもすべての人がむし歯にならないのは、その脱灰と再石灰化のバランスがとれているからなのです。 だらだら間食ばかりしていると、このバランスをくずして脱灰の時間が長くなり、むし歯になってしまうのです。こどもの喜ぶ顔が見たいからとおやつを頻繁に与えると、逆につらい目にあわせてしまうことになってしまいます。ですから、同じ量の食事でも規則正しく摂ることが大切なのです。 その他にも、砂糖などの甘いものの量を減らすこと、食べたらすぐに歯みがきをして糖と細菌を減らすこと、よく噛んで唾液を多く出し口のなかが中性に戻りやすくすること、フッ素を利用して歯の質を強くすること、キシリトールを利用してミュータンス菌を減らし、なおかつ唾液を多く出すことなどがむし歯予防になります。 なお、高齢者だけでなく、降圧剤などの薬の服用によって唾液の量が減ることがあるので注意が必要です。 |
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