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第4時 「ごんぎつね」授業記録 「第1場面のごんはどんなきつねか。」
(本時は野口芳宏氏の修正追試である。野口芳宏先生の第3回鍛える国語教室IN熊本の講座より)
チャイムが鳴ると、すぐ漢字の「空書き」を練習する。「辺」「置」「積」「松」の4つの漢字である。
指示1 この前、ごんぎつねの「まとめの作文」に「はじめに」を書いてもらいました。「ごんはどんなきつねか」ということを書いている人がたくさんいたので、それをテーマにしたいと思います。「ごんはどんなきつねか」とノートに書いて、赤えんぴつで囲みます。 |
指示2 教科書を読みます。先生と1文交代で読みます。第1場面のごんはどんなきつねか考えながら読んでください。 |
子どもたちと1文交代で読む。声がそろっていることを誉める。
発問1 では、「ごんはどんなきつねか」ということで、「〜きつね」「〜ぎつね」ということをノートにできるだけたくさん書きなさい。3つできたら先生に見せに来ます。 |
私は、子どもが持ってきたノートに○をつけ、誉める。子どもたちは黒板に書いていく。
子どもたちは、黒板の右側から読む。
「いたずらぎつね」「「ぬすっとぎつね」「しつこいきつね」「えらいlきつね」「いっしょけんめいなきつね」「こわがりきつね」「にげるきつね」「わるいきつね」「じれったいきつね」「どろぼうきつね」「わるごろきつね」「1人ぼっちのきつね」「かわいいきつね」「ごんぎつね」「かわいそうなきつね」「ひとりぼっちのきつね」「いたずらずきのきつね」「すごいきつね」「森にすんでいる小ぎつね」「いじわるぎつね」
発問2 黒板を見てください。おかしいもの、変えた方がいいものあったら、発表してください。 |
「○○ちゃんの意見はちがうと思います。いじわるじゃなくて、いたずらだと思います。」
「私は○○さんのはちがうと思います。ごんぎつねというのは名前だから、どんなきつねかだから、ごんぎつねはちがうと思います。」
「ぼくは○○ちゃんのすごいきつねは、何がすごいかわからないからです。」
「ぬすみ方がすごいと思います。」
「かわいそうなきつねはちがうと思います。何がかわいそうかわからないからです。」
「○○君のとびあがるきつねは、ちがうと思います。いつもとび上がっているわけではないから、とびあがるきつねちがうと思います。」
「○○君のしつこいきつねはちがうと思います。しつこいは何度も同じことをすることだから、ちがうと思います。」
「○○君の意見はちがうと思います。うなぎをとったり何度もしているからです。」
「○○君の意見はちがうと思います。ときどきとびあがるかもしれないからです。」
「○○君の意見はちがうと思います。41ページの8行めに『兵十だなとごんは思いました。』と書いてあるので、兵十に見たは初めてだと思います。」
「ぼくは、○○君の意見はちがうと思います。兵十という人を見たことがなかったら、兵十という人は知らないと思います。」
発問3 少し整理をしますね。とび上がっている場所がありますよね。どこですか? |
「43ページの11行目です。ごんはびっくりしてとびあがりました。」
発問4 黒板に「いつもとびあがるきつね」と書いてないからいいですね。 少しおもしろいのがありました。○○君が「いじわるではなく、いたずらだ」と言いました。似たような意味で○○君が「わるごろぎつね」と書いています。似たような意味で○○君が「悪いきつね」と書いています。少しまとめて「悪いきつね」と考えます。 ノートに「悪いきつね」と書いてごらん。では、第1場面のごんは、悪いきつねだと思う人は○、いや第1場面のごんは悪いきつねではないと思う人は×と書きます。 まだ書かない人? それでは、○と書いた人は○と考えた理由を、×と考えた人は×と考えた理由をできるだけたくさんくわしくノートに書きます。あるいは反対意見でもいいです。○と考えた人は×はちがうという理由、×と考えた人は○はちがうという理由でもかまいません。できるだけくわしく。 それでは、理由が1つ書けたら見せに来てください。 |
※ この「悪いきつねかそうではないか。」という発問が野口氏の発問である。
子どもたちは次々とノートを見せに来る。
見せに来たノートに○をつける。書いていることを誉めていく。
指示3 討論をします。机を中心に向けます。 |
人数を確認すると、○(悪いきつね)が15人、×(悪いきつねじゃない)が14人だった。
討論が始まる。
「私は○だと思います。にげるということは悪いことだから○だと思います。」
「○○さんの意見はちがうと思います。びっくりしたから逃げたんじゃないですか。」
「○○さんの意見はちがうと思います。悪いことをしてびっくりたから逃げたんじゃないですか。」
「○○君の意見はちがうと思います。いたずらをして、兵十が怒って、びっくりして逃げたと思います。」
「ごんが兵十に悪いことをして、追いかけられたから逃げたんじゃないですか。」
「○○君の意見はちがうと思います。追いかけられたとは書いてありません。」
「私は×だと思います。理由は教科書の42ページの13行目に「いたずらがしたくなったのです。」と書いてあるから、悪いきつねではないと思います。」
「私も少し付け加えをします。『ごんはいたずらをしたくなったのです。』と悪いことをしようとしたわけじゃないから、悪いきつねじゃないと思います。」
「ぼくも×だと思います。わけはもともとごんはいたずら好きだから、悪気があってしたわけじゃないから、×だと思います。」
「ぼくは○だと思います。理由はあとでやさしくなるけど、最初はいたずらばかりするから、○だと思いました。」
「でも、『いたずら』と『悪い』を国語辞典で調べたら違います。」
「話を変えます。2場面に兵十のおっかあが死んだとき、うなぎを食べたい、うなぎを食べたいと言って、『これはしまった。』と言っているからです。」
「けど、今は1場面の話だから、2場面は関係ないと思います。」
「話を変えます。ぼくは○だと思います。わけは39ページの7行目に『菜種がらのほしてあるのに火をつけたり・・・』と書いてあるから、家にほしてあるのに火をつけたら火事になるかもしれないから、悪いきつねだと思います。」
「○○君の意見はちがうと思います。これはごんがやったいたずらだと思います。」
「○○君が言っている意味がわかりません。」
「いたずらだけど、火事になるからちょっと犯罪になると思います。」
「○○君の意見はちがうと思います。家に干してあるとは書いてありません。」
「だけども、もし干してあるならどうするんですか。」
「書いてないからちがうと思います。」
「○○君の意見はちがうと思います。理由はきつねとかには犯罪はないと思うからです。」
「○○君の意見はちがうと思います。きつねは犯罪とかそういうことの意味はわから
ないと思います。」
「私は○だと思います。理由は39ページの2行目に『夜でも、昼でも、辺りの村へ出てきて、いたずらばかりしました。畑へ入っていもをほり散らしたり、菜種がらのほしてあるのへ火をつけたり、ひゃくしょう家のうら手にほしてあるとんがらしをむしり取っていったち、いろんなことをしました。』と書いてあるから、いたずらばかりと書いてあるから私は○だと思います。
「○○さんの言うことはよいことではなく、悪いことだと思います。」
「○○さんの意見は○ではなく、×だと思います。」
ここで、悪いきつねが○なのか、×なのか混乱し始めた。
「○か×かではなく、『悪いきつねだと思います。』『悪いきつねではないと思います』と言いましょうか。」と指示した。
「私は×だと思います。○○さんの意見はいたずらはふざけてやることだから、何か理由があってやったわけじゃないと思います。」
「話を変えます。私はわるいきつねじゃないと思います。わけはいたずらをしたことは悪いと思うけど、ごんのことで考えていって、やったことだからちがうと思います。」
「話を変えます。ぼくは○だと思います。国語辞典の『いたずら』を見たら『悪さ』と書いてあるから、○だと思います。」
「○○君の意見はちがうと思います。ごんは悪気があったんじゃなくて、ただふざけてやったんだからちがうと思います。」
指示4 まだ発表したい人は立ってください。 |
「ぼくは悪いきつねだと思います。魚とかを逃がしたから悪いきつねだと思います。」
「ぼくも悪いきつねだと思います。わけは畑のいもをとってほりちらしたりしたから悪いきつねだと思います。」
「ぼくは悪いきつねだと思います。わけはせっかく取った魚だけど逃がしたからです。」
「私は悪いきつねじゃないと思います。42ページの12行目に『ちょいといたずらがしたくなったのです。』と書いてあって、いたずらをしたくなっただけだからちがうと思います。」
「私はけんた君の意見はちがうと思います。いもをほり散らしたりするのはいたずらだと思います。」
「ぼくは悪いきつねだと思います。国語辞典で『悪さ』を調べたら、『いたずら』と書いてありました。
「私は悪いきつねだと思います。理由は国語辞典で『ふざける』を調べたら、『人を馬鹿にする』とあったから、悪いきつねだと思います。」
「最終的な考えを聞きます。」と言って、挙手をさせた。
悪いきつねが14人。悪いきつねじゃないが15人だった。(1人の子どもの考えが変わった。迷っているようだったが。)
そしてまとめをした。
説明1 ごんは、自分で自分のことを悪いと思っていませんよね。○○さんが言ったように「ちょいといたずらがしたくなったのです。」と書いてありますね。ごんから見れば悪いことじゃないと思っているかもしれません。 しかし、○○君や○○君や○○さんが言ったように、「畑に入っていもをほり散らす」 「いも」というのはこのころのお百姓さんにとって死活問題に関わる大切な物です。それをほり散らす。『菜種がらのほしてあるに火をつける』干してあるからかわいていますよね。一歩間違えれば大火事です。『とんがらし』も貴重な食べ物です。そういうごんは村人たちにとってはどん な存在ですか?極悪非道な悪い存在なのです。 |
指示5 最後に「第1場面のごん」と題名をつけて、最終的な自分の考えをノートにまとめなさい。 |
残りの5分、最終的な自分の考えをノートにまとめさせる。
「まとめの作文」を書くときの材料にさせるのである。
授業後、ノートを見ると2名の子どもは、「先生はそう言ったけど、ごんからすれば単なるいたずらだ。」というようなことを書いていた。それ以外の子どもは納得していたようである。
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文責 東田 昌樹
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