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[国語][4年][分析批評]
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第8時 「ごんぎつね」授業記録 「第6場面のごんはどんなきつねか。」
 (本時は向山洋一氏の追試である。教え方のプロ・向山洋一全集 文学教材・知的発問の授業 明治図書)

  指示1 全員起立。第6場面を1回音読しだら座りなさい。座ったら2回目を読んでおきます。  
  発問1 第6場面の「ごん」はどんなきつねですか。
  指示2 発表しなさい。

 ほとんど読み取り間違いがなくなってきたので、本時のここの部分は早めに切り上げる。
 すぐに書いた子どもを立たせ、発表させる。
 次のような意見が出される。
 「かわいそうなきつね」「兵十にうたれるきつね」「わかってもらえたきつね」

  発問2 「かわいそうなきつね」とありましたが、なんでかわいそうなのですか。

 子どもたちは即答である。
 「兵十にうたれたから。」

 ※ 以下、すべて向山氏の追試である。

  発問2 それではそこのところについて考えます。ごんは兵十にうたれました。ごんは倒れました。そして、兵十はかけよっていきました。かけよっていく時、兵十は何を考えましたか。ノートに書きなさい。

 子どもたちはずいぶん考えている。
 なかなか書けない。
 「ごんがどうなったかを考え、くりを見た。」「ごんをうったことを考え、くりを見た。」
 ここは答えを出さない。

  発問3 兵十はこのとき見るところを次、次、次とかえました。どのように変わったのかノートに書きなさい。

 ノートを持って来させる。
 「くり、ごん、火なわじゅう」
 「ごん、火なわじゅう、青いけむり」
 これらの考えが出される。難しいようだ。正解は4人。
 授業のメインがここではないので、教科書を読ませながら答えを出す。

  説明1  60ページ、の1行目から読みます。さんはい。「そして、足音を・・・・・・うちの中を見ると、土間に、くりがかためて置いてあるのが目につきました。『おや。』と、兵十は、びっくりして、ごんに目を落としました。」「うちの中」「くり」「ごん」を見たのですね。
  発問4 兵十の考えが今までと変わったのは、「うちの中」、「くり」、「ごん」のどこを見たときですか?その理由も書きなさい。

 「うちの中」は0人。くりが23人。ごんが8人である。「うちの中」という意見は消える。
 机をコの字型にさせる。討論である。
 まず、少数意見の「ごん」派から発表させる。
 次のような意見が出される。
 「私は『ごん』だと思います。ごんを見てびっくりしたからです。」
 「ぼくも『ごん』だと思います。くりを持ってきてくれているのがわかったからです。」
 「ぼくも『ごん』だと思います。『ごんおまえだったのか。いつもくりをくれたのは。』書いてあるからです。」
 「私も『ごん』だと思います。くりを持ってきてくれたいたのがごんだったから、うったのをしまったと考えて、かわいそうにごんを思ったから、ごんだと思います。」
 「ぼくも『ごん』だと思います。ごんを打った後に、兵十の言葉が優しくなっているからです。」

 この後は自由に討論させる。
 「○○さんの意見はちがうと思います。くりを持ってきたのがごんだとわかったのは、くりを見た時ではないんですか。」
 「私は『ごん』はちがうと思います。ごんを見た時はもう気持ちが変わっていたと思います。」
 「ぼくも『くり』だと思います。『おや。』と言っているからです。」
 「私は『ごん』だと思います。くりを見た時には、『おや』と書いてあって、その後ごんを見たからです。」
 「私は『くり』だと思います。くりを見てごんがくれたんだなあと思ったからです。」
 「私も『くり』だと思います。今まで神様のしわざだと思っていたのが、くりを見てごんだとわかったからです。」
 「私も『くり』だと思います。くりを見て何でくりが置いてあるのと思ったからです。」
 「私は『ごん』から『くり』に変えます。○○さんの意見で変わりました。」

 「ぼくも同じです。『おや。』と言ったり、『びっくりして』と書いてあるからです。」 

 討論中、「ごん」派の反論が出なくなる。話を聞いて、「ごん」派から「くり」派に移る子どもが出てくる。私は変わることを大いに誉める。
 意見が出尽くしたところで次の説明をする。

  説明1 くりを見るまで、ごんのことは眼中になかったんです。兵十はうちの中が荒らされていないかが気になったのです。くりを見て初めてびっくりします。神様の仕業ではなく、ごんが「つぐない」をしていたことに「くり」を見て初めて気がつくのです。
  指示4 第6場面のごんについて最終的な自分の考えをまとめなさい。

 残りの5分、最終的な自分の考えをノートにまとめさせる。
 「まとめの作文」を書くときの材料にさせるのである。

 授業後、ノートを見ると、ほとんどの子どもが理解できていた。

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文責  東田 昌樹

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