■ VBA関数の一覧
Excel VBAには、あらかじめ用意された便利なVBA関数群があります。
これらVBA関数を使用することで、文字列や数値、日付を操作したり、書式を変更することが簡単に行えます。
ここではアルファベット順に関数を一覧化し、関数名から使用法を簡単に検索できるようにしました。
関数の使い方がわからないときは、ぜひこの一覧リストを参考にしてください。
"A" から始まる関数
■ Abs 関数
[構文] Abs(number)
[解説]
引数numberに指定した任意の数値の絶対値を返します。
[サンプル]
Sub SampleAbs()
Dim MyCnt As Long
Dim i As Long
For i = 1 To 10
MyCnt = MyCnt + Abs(Cells(i, 1))
Next i
Debug.Print MyCnt
End Sub
セル範囲A1〜A10には、TRUEまたはFALSEの値が入力されているものとします。
このサンプルを実行するとセル範囲にあるTRUEの数を合計し、イミディエイトウィンドウに出力します。
VBAではTRUEは-1の値を、FALSEは0の値を返します。そのためAbs関数で絶対値に変換しインクリメントしていくことで、TRUEの数が求められます。 |
■ Array 関数
[構文] Array(arglist)
[解説]
引数arglistに、配列として格納する値をカンマ(,)で区切って指定すると、値を格納したバリアント型の配列を返します。戻り値は、配列として宣言していないバリアント型変数に代入して利用します。引数を指定しないとき、長さ0の配列を返します。
[サンプル]
Sub SampleArray()
Dim v
Dim i As Long
v = Array("東京", "大阪", "名古屋", "福岡", "京都", "神戸")
For i = LBound(v) To UBound(v)
Debug.Print i & "番目の要素は" & v(i)
Next i
End Sub
このサンプルを実行すると、"0番目の要素は東京"から"5番目の要素は神戸"までの文字列をイミディエイトウィンドウに出力します。
ヘルプにはArray 関数を使用して作成した配列のインデックスの最小値は、Option Base ステートメントの指定に影響を受けず常に0になると記載されていますが、実際にはOption Base ステートメントで指定した値が、インデックスの最小値になります。 |
■ Asc 関数
[構文]Asc(string)
[解説]
引数stringに指定した文字列の最初の文字のASCIIコードを返します。引数stringに文字列がないとき、実行時エラーが発生します。
[サンプル]
Sub SampleAsc()
Debug.Print Asc(" ")
Debug.Print Asc("1")
Debug.Print Asc("A")
Debug.Print Asc("Apple")
End Sub
このサンプルを実行すると、"32","49","65","65"、それぞれの文字コードをイミディエイトウィンドウに出力します。
※ 文字コードではなくバイトデータを取得するには、AscB 関数を使用します。AscB 関数は、最初の文字のバイトデータを返します。またAscW 関数は、最初の文字のUnicode文字セットを返します。 |
■ Atn 関数
[構文]Atn(number)
[解説]
直角三角形の直角をはさむ2辺の比を引数numberに指定すると、対応する角度をラジアンで返します。ラジアンから度に変換するには、ラジアンに180/πを乗算します。
[サンプル]
Sub SampleAtn()
Debug.Print 4 * Atn(1)
End Sub
このサンプルを実行すると、"3.14159265358979…"と円周率をイミディエイトウィンドウに出力します。 |
次は、"C"から始まるVBA関数について解説します。
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