フリーソフトに限らず、ソフトウェアというものは往々にしてそうですが、一度目のバージョンで完璧なものをリリースするということは難しいです。
リリースし、ユーザーに使ってもらって初めてわかる、バグや不具合、機能不足や操作性の悪さといったものが少なからずあります。
ここで、出番となるのがすばり、ソフトのバージョンアップなんですが、このあたりをあまり考えずソフトを開発してしまうフリーソフトの作者が意外と多いようです。
バージョンアップをすることを考えれば、おのずとソースコードの中にコメント(脚注のようなもの)を入れ、よく使う処理は関数化、またはオブジェクト化し、メンテナンスしやすいコーディングというものに気を配ります。
しかし、とりあえず動けばいい的に作られたソフトウェアでは、コーディングがスパゲッティ構造化していたり、不要な処理や、他の部分と重複する処理が多々あったり、コードそのものが汚く見にくかったりと、バージョンアップやメンテナンスに向きません。
せっかく作ったソフトウェアです。先々まで面倒をみるつもりでコーディングすることは、すごく大事なことです。
メンテナンスしやすいコードというものは、
・不要なグローバル変数を定義していない |
・きちんとコメントが入れられている |
・必要なデータは引数で渡されている |
・共通の処理がオブジェクト化、または関数化されている |
・変数の名前、プロシージャの名前がわかりやすく定義されている |
・きちんとインデントされていて、見やすい |
などなど…。
様々な工夫が凝らされています。こういった配慮のなされたコードは見た目にも美しく、わかりやすいのです。
つまり、メンテナンスがしやすいコードというものは、一言でいえば「他人が見てもわかりやすいコード」ということになります。
プログラミングの世界でよくいわれる言葉ですが、「自分の書いたコードも、時間がたてば他人のコードと同じ」なのです。
半年後、1年後に、自分の作ったソフトウェアをバージョンアップ、メンテナンスしようとしたときに、
さっぱりわからない!ということにならないように、他人が見てもわかりやすいコード、美しいコードを記述するように心がけてください。
ちなみに、私事で恐縮ですが…。
こちらのソフト、すでにメジャーバージョンアップで23回、マイナーバージョンアップを含めると30回をこえるバージョンアップを行っています。
さすがに、これだけバージョンアップすると、コードもそれなりに汚くなりますが、今までにバージョンアップが原因のバグを起こしたことがありません。
これもひとえに、最初に記述したコードがそれなりに美しく、メンテナンスしやすいものであったからだと、自負しております。
ソフトウェアの開発は、一回作って終わりではありません。長い期間にわたり、メンテナンスをする可能性があるのだということを、頭の片隅に置いて開発を行ってください。
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