フリーソフト・フリーゲームを開発する際、意外と頭を悩ますのが、画像や効果音・音楽などの部分です。
これらの要素をすべて自前で制作・用意すれば、何の問題もないのですが、よそから拝借してくるとなると…これは注意が必要です。
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当たり前のことですが、画像、音楽など、すべての制作物には著作権があります。それは、文字フォントやアイコン画像、ほんの数秒の効果音にいたっても、同じことが言えます。
これらの素材ファイルで、他人が制作したものを自分のフリーソフトで使用する場合、必ず制作者(著作権者)の素材利用規約を確認・順守する必要があります。
素材の利用に関して、制作者が著作権自体を放棄し完全にフリーで使って構わない、といったレアなケースを除き、素材の著作権表示・制作者サイトへのリンクなどが義務づけられているケースがほとんどです。
またフリーソフトによる配布では無償利用が可能な素材も、商用利用・有償ソフトの場合は、有償利用になるケースがあるので注意が必要です。
画像や音の素材の使用はソフトウェアの完成度を高め、ユーザーに対してよりリッチなソフトウェアの使用体験を提供することができる、極めて有効な手段です。
しかし安易に他人の著作物である素材を無断使用し、あとで問題が発生するようなことがあっては本末転倒です。
くれぐれも他人の制作した素材を利用する際には、制作者の利用規約を順守することを心がけてください。
ただしこれらの素材ファイル、もし自作することが可能でしたらぜひ!自作することをお勧めします。
それは、先ほどの著作権がらみの問題がクリアになるだけではなく、素材そのものがソフト以上に人気が出るといったケースがあるからです。
例えば、あなたの制作したフリーソフトに登場する、あなたがデザインしたマスコットキャラクター。これがたいへん可愛いと評判になれば、このキャラクターの関連商品・グッズ販売を行うことも夢ではありません。
また企業から商品化のビジネス提案があった場合、商品化されれば当然あなたにキャラクターの使用料が支払われるわけです。
他人の作った素材では、こうはいきません。フリーソフトの人気とは別に、こういったビジネスチャンスがあることを忘れてはなりません。
例えばニコニコ動画をご覧になっている方にはおなじみの、大人気シューティングゲーム
"東方Project" ※公式サイト http://www16.big.or.jp/~zun/
このゲームでは、制作のほとんどを作者のZUN氏が一人で担当しています。
そして、その中に登場する様々なキャラクターやゲーム音楽が人気を呼び、本家のゲーム以上に有名になってしまいました。
そのため東方Projectを題材にした小説や漫画、ファンブック、CDなどが販売され商業展開が進んでいるのです。
これなどは原作者のZUN氏が、制作のほとんどを担当しているからこそ可能になった成功事例といえます。
あなたにもし作画や作曲の能力があり、そういった手間を惜しまないのであれば、ぜひ完全オリジナル素材使用のフリーソフト、フリーゲームの制作を目指してください。
ひょっとしたら、あなたが想像もしなかったビジネス展開が、待ち受けているかも知れません。
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