ハエ(双翅)目短角亜目ハナアブ科ヒラタアブ亜科クロヒラタアブというらしい。体長1.4センチメートル。 一昨日は暖かかった。玄関先の植え込みにハナアブが7,8匹群がっていた。以前であれば、卵や幼虫あるいは蛹で越冬するものだとばかり思っていたので、びっくりものだが。今は、成虫でも越冬するのが分かっていたので驚かないのだ。 自分はものをしっかり見ないと絵は描けない。想像を交えるとなにか嘘くさくなる。昆虫も生きたままスケッチしたいが動き回るので難しい。いきおい、死んだものを描くことになってしまうのだが、今回は小口径の試験管に仕切りを作ってそのなかにハナアブを閉じ込め、実体顕微鏡で観察しながら描いた。 むろん絵のようにじっとしてくれないので、正確度はかなり落ちる。そのかわり生き生き感は増しているのでないかと思う。どうだろうか。
隗展の写生会は、昼過ぎに宿に着いたのだが、この日は天気が悪くなり、今にも降りそうな気配になった。 降られてもいいように宿の近くでスケッチすることにした。 唐松林の中であるが、畑に接しているところに松が生えていたが、どういうわけか、枝が片方に偏っていた。 唐松に邪魔されて枝を伸ばすことができず、開けた畑方向だけに伸びたのだろうか。 形もおもしろく小さなスケッチブックに鉛筆で短時間に勢いで描いているうちに、周囲はガス状となり雨が降り出す。木の下なので雨はしばらくは防げたが あきらめて戻る。 メンバーの中には、しぶとく夕暮れまで粘っている人もいた。傘を差して描いたのだそうだ。まったく、頭が下がる。
隗展の仲間と信州に写生旅行をした。唐松の色が印象的であったが、人の姿をほとんど見ない、静かなたたずまいであった。 午前中から午後の早い時間は鉛筆で形をとり、午後は色をつける。 なにか違うような気がしながら彩色したが、翌日、同じ場所に立ち、木の幹が白く光っているのを見た。午後は日が回り込み黒く沈み込んでいたのだ。 写生では、このようなことはよく起こる。描いているときは夢中になって目前の形と色を追いかけているわけだ。 この絵の上に、午前中の明るい色をかけようと思ったが、仲間は水彩の達人ばかりだが、自分はとんと不得手である。ぐちゃぐちゃにしてしまいそうだったので、あきらめて次の絵を描き始めた。
バッタ(直翅)目イナゴ科ツチイナゴで間違いないだろう。 体長4センチメートル。大きなものである。9月15日に近くの草むらにいた。目の高さのところで日向ぼっこをしていたのが運の尽きであった。ネットで調べると、成虫で越冬するイナゴはこれだけだそうだ。目の下に筋があるが、バッタが出始めの頃には、目の下に筋のある小さな幼虫をよく見た。色は緑黄で、成虫の土色とは異なる。賢くも季節の草の色の変化に適応している昆虫なのだった。
田舎の電車はのんきなものである。ベンチシートに長々と横になりしっかり寝るなどという芸当ができるのだ。さすがにこれを見たときはびっくり仰天大たまげだった。しかし、この絵を改めてみると、気持ちよさそうに寝ているものだと感心してしまったのだ。
早朝の電車は、まばらにしか乗客はいない。たまたまボックス席に座ると爆睡している人がいた。完璧に寝ているので実に安心してスケッチがとれる。しかし、残念ながら表情は見えないので髪の毛を丁寧に描いたのだ。
これも昔のスケッチであるが、電車の中ではよく人は寝ている。寝ている人を描くのは利点がいくつかある。まず動かない。描いてる途中で動かれるとそこで終わりになってしまうが、寝ていると完成する確率が高い。次に気付かれない。そして、ポーズがさまざまで変化に富んでいる。快適にスケッチできる訳だ。
今は昔となってしまったが、長時間の電車通勤をしていた。小田原近くなると空いてくる。隠し撮りならぬ盗み描きで、手帳を取り出し乗客のスケッチなどをしていた。短時間勝負である。気付かれるとアウトで続けられない。気合いで描くようなものだった。今でも電車に乗ったときは描きたくなるが、昨今のプライバシーにうるさい世ではままならない。
上の珪藻は、クサビケイソウ(ゴンフォネマ)属で大きさは40×10マイクロメートル 下の珪藻は、クチビルケイソウ (キンベラ)属で大きさは50×15マイクロメートル この大きさの珪藻の胞紋の撮影は私の腕では難しいのだが上手くできた。特に上のは、つるつるした表面に胞紋が並んでいるのが実感できて嬉しいのだ。 (オリンパスBH-2、対物レンズ100X、油浸)
アミメカゲロウ(脈翅)目ラクダムシ科ラクダムシというらしい。脈翅目は最初に完全変態になった昆虫で、変態の研究には大事な目だそうだ。 体長2センチメートル。面妖な虫である。フラフラーと飛んで、はかない感じであったが、拡大したらギョロ目に、鋭い大あごで凶暴な感じがした。幼虫は、松などの樹皮下で他の幼虫を食べているそうだ。成虫は花粉やら昆虫を食べているらしいがよく分かってはいないらしい。顔つきからすれば、絶対肉食である。
カマキリ目カマキリ科ハラヒロカマキリで間違いないだろう。 体長4センチメートル。獲物を求めて我が家の鉢植えにきたのが運の尽きであった。勇ましく鎌を持ち上げて威嚇しても無駄な抵抗で、私のモデルになってしまったのだ。 カマキリは変態しないので、子供はちびでかわいらしいものだが、成虫になると迫力がある。前胸が長く、頭も自由に動き、鎌を有効に動かして攻撃力も大きいようだが、体は柔らかく、防護力はあまりないと思う。体の大きさで補っているのかもしれない。などど考えてみたのだ。
原生動物繊毛虫門ブレファリスマ属というらしい。体長100マイクロメートル。 メダカを飼っている水槽から水草の切れ端をシャーレに採ってきて、米のとぎ汁を加え、しばらく放置した。プランクトンを培養しようというわけだ。 一滴を観察するのだが、小型のものは、うじゃうじゃというくらい増えた。100マイクロメートル程度のものはグンと少なくなるが、それでも、左のものは五匹ぐらいいた。 単細胞だそうだが、口の周りの繊毛が長くてよく動いているのが分かる。色も薄いピンクでわかりやすい。 真ん中の画像はデジカメの写真だが、体をひねったり直進したりなかなか動きが速い。撮るのはなかなか難しい。動きを止める工夫が必要だ。 下段の2枚はデジカメの動画で撮ったもの。画面で動いているのを見る分には結構見れるが、640×480ピクセルしかないので静止画にすると粗い画像になるのは残念だ。 (オリンパスBH-2、対物レンズ40X)
節足動物門カイアシ亜綱ケンミジンコである。 体長0.7ミリメートル。肉眼でもほとんど透明なものが動いているのが分かるが、種の特定は専門家でないと無理らしい。 顕微鏡で観察すると、照明の違いで印象ががらりと変わる。 通常は、観察者の目←接眼レンズ←対物レンズ←検体←コンデンサ←光源となり、透過光で検体を観察する。一番上の明視野のものがそうである。 つぎに、理屈も分からないので説明できないが、コンデンサのところであれこれいじくり、検体に当たっている下からの光を、ねじ曲げて真横からだけにしまうやり方がある。背景が真っ暗になり、検体は光り輝いて綺麗なものである。明視野にたいして暗視野というのだそうだ。 人は反射光でものを見ているので、以上の方法は顕微鏡独自の世界である。しかし、今はLEDという小さくて強力な光源があるので、反射光でも観察できる。顕微鏡の光源は消して、LEDライトを検体の斜め上から当てるのである。巨大化したケンミジンコはこのように見えるというわけだ。 (オリンパスBH-2、対物レンズ10X)
ハエ(双翅)目短角亜目クロバエ科ツマグロキンバエ亜科ツマグロキンバエというらしい。 体長0.7センチメートル。小さな花に蜜を吸いにきていた。目を凝らしてみると口器が長く伸びていた。絵に描いたよりも倍ぐらいの長さだった。黒っぽい地味な虫に見えたが、実体顕微鏡で見ると実にカラフルだった。肉眼だと色が混ざって鈍い色に変わってしまうのだ。写真はこちら。
ハエ(双翅)目短角亜目ムシヒキアブ科アオメアブ亜科アオメアブで間違いないだろう。 体長3センチメートル。緑と金色に光り輝く複眼が美しい。口器は吸収式。大型のハンターで他の昆虫を捕まえ体液を吸うそうだ。この絵では分からないが、胸部の前後に大きめの気門があった。翅を動かす筋肉に酸素を強力に送り込める。ハンターなのを実感したのだ。
ハチ(膜翅)目細腰亜目スズメバチ科アシナガバチ亜科キボシアシナガバチのようだ。 体長1.6センチメートル。スズメバチは3センチはあるから、それに比べればだいぶ小さい。目視では黒っぽくて地味なハチだと思った。しかし、実体顕微鏡で見ると意外に色があった。スケッチしてみて、スズメバチ科の形は引き締まっているし、翅は4枚あるが、飛ばないときは前翅は二つに折りたたみ、後翅とぴったり重なってコンパクトに収納されている。脚も長くがっちりしている、いかにもハンターであると実感したのだ。
ハエ(双翅)目糸角亜目カ科ヒトスジシマカの雌と思う。 前回と違って、腕に止まったのを叩いたので、鱗粉がかなり落ちてしまった。白黒模様なのだが、それは鱗粉の色で地は結構明るい色であった。 鱗粉がとれたので、表皮の様子を見てみたが、細かい毛がびっしり生えていた。毛の二重構造だがどんな意味があるのだろうか。
ハエ(双翅)目糸角亜目カ科ヒトスジシマカと思う。 上から、ボーフラ、鬼ボーフラ、成虫である。 窓際に水鉢の水を入れたビーカーを置いている。藻類や原生動物、微生物がいるわけだ。ここに、にっくき蚊が産卵してボーフラが沸いてくるという算段である。 幼虫、さなぎ、成虫とそろったのでスケッチしてみた。 古いシマズの実体顕微鏡で対物レンズ2倍、接眼レンズ20倍で40倍になる。直径6mmの範囲が画面の丸のように見えるのだ。 ボーフラはスポイトで吸い取って、へこみのあるスライドグラスにたらして観察した。動き回って、口をぱくぱくさせ、糞を盛んに出した。餌を食べて排泄していたのだろうが、水は水道水に入れ替えていたので、真水をとりこんで体がきれいになった。尾の吸管からの気管が2本、頭まで伸びているのがわかった。この絵では分からないが、口器は細かい櫛のようになっていて、水を吸い込んで小さな生き物を食べているようだ。 鬼ボーフラは2本の角が呼吸器管で先端を水面に出して呼吸するそうだ。さなぎのくせに活発に泳ぎ回っている。 成虫は雄である。人の血を吸いにくるのは雌だから雄はなかなかみれない。触覚に長い毛がたくさんあるのと、口吻の上部分を小あご枝と言うらしいが、これが長くて口吻の先まである。 並べてみると幼虫は成虫よりも大きい。成虫は成長する必要はなく、子孫を残すために配偶者を早く見つけ、さっさと産卵するのが使命のような気がしてきた。コクゾウムシの本を読んでいたとき、成虫になってから餌を採らない種がいるのがわかってびっくりしたが、昆虫は幼虫の時期が一番大事なのだろう。
カシミール3Dの二回目。 地球温暖化で海水面が上昇したらどうなるかシミュレーションしてみた。60mあたりを赤で、そこから100mまでを土色にしてある。 60mまで海水面が上昇したら水色のところが水没するわけだ。関東平野や濃尾平野など平野は皆海の中である。被害甚大であるが、それから先は100mまで海水面が上昇してもたいして被害が増えないことも分かる。 それにしても日本は山国である。2000m級が本州の中央にどんと控えている。
顕微鏡は抽象絵画の世界も作り出してくれる。 オリンパスBH-2、対物レンズ40X、暗視野で撮影。明暗とコントラストはいじっているが、変形、変色等の画像処理は行っていない。種明かしはなし。
メダカと水草、水藻を入れている水鉢から採ってきた珪藻である。MWSのプレパラートと違って鉱物の欠片がたくさん入っているし、珪藻も数えるほどもなかった。とは言え、自家製なのが嬉しいのだ。 この珪藻は長さ100マイクロメートル、幅16マイクロメートル。ピンヌラリア ビリディス(ハネケイソウ属)というらしい。顕微鏡はオリンパスBH-2、対物レンズ40X、暗視野での撮影である。
カシミール3Dというフリーソフトがある。 地形図を見るのは楽しいものだが、このソフトでは立体化することができる。変わった使い方では、標高に自分流の色分けをしてもよい。 標高20mから1000mを際立たせるためにピンクからオレンジで色づけしてみた。相模太郎は富士の裾野の水を運んでいるのが実感できるのだ。
ハエ(双翅)目ムシヒキアブ科アオメアブらしい。 体長3センチメートル、庭に出ていたら目の前に止まった。「あっムシヒキアブだ。」全身橙黄色と黒の毛だらけで、目は緑色に光っている。そっと取り出し、さっとかぶせたプラケースに入ってくれたのだ。おおラッキー。 大型で他の昆虫を補足し体液を吸うというのだから怖いものなしなのかもしらん。人間に平気で近づいてきたのだから。
ハチ(膜翅)目アリ科フタフシアリ亜科シリアゲアリ属ハシブトシリアゲアリかテラニシシリアゲアリらしい。 体長0.3センチメートル、しだれ桜にいたものを捕まえる。肉眼では、丸い頭と三角のつやのある黒い尻が目立つごく小さいアリだ。地面を匍っているのがアリだと思っていたが、木だとか花だとかにも結構いる。天地は関係なく動き回るのだから、昆虫の脚は優れものだ。
甲虫(鞘翅)目コガネムシ科スジコガネ亜科マメコガネだろう。繁殖力が強く大害虫とあった。 体長1センチメートル、コガネムシ類が平らな道などを歩いている時は、いつもせかせかと急いでいる。附節がブラブラしている感じで頼りない歩き方である。それが飛行して花に止まると、附節の先の爪を上手に引っ掛けて自在に花を動き回る。脚の形もいろいろあるが、動き方もさまざまだということだろう。
甲虫(鞘翅)目ゾウムシ科クチブトゾウムシ亜科ヒメシロコブゾウムシらしい。 体長1.4センチメートル、ゾウムシは力強い。素手で捕まえると、脚に力が入って、とっても手応えがある。白に黒の斑点と鼻の伸びた姿も愛嬌があって愛らしい感じがした。とはいえ、体はごつごつと凹凸が多くて美しくはない。
カメムシ(半翅)目ヘリカメムシ科オオツマキヘリカメムシ、またはツマキヘリカメムシらしい。 体長1センチメートル、色は茶色、表皮はブツブツしていて少しも美しくない。植物の汁が食べ物だそうだ。自分が餌にされてしまう昆虫である。進化の程度の低いのは、どうも餌になる運命のものが多そうだが、食べられても食べられても、数が多ければ子孫は残せる。ネットで検索したら、群れになっている写真が幾つかあった。
甲虫(鞘翅)目しか分からない。カミキリかカミキリモドキではないかと思うが不明。 体長1.1センチメートル、小さいものだ。茶色の体に白い帯模様があって目立つ。全体に毛深くて、模様と見えたものは、毛の色違いであった。
2010.11.30
ハエ(双翅)目短角亜目ハナアブ科ヒラタアブ亜科クロヒラタアブというらしい。体長1.4センチメートル。
一昨日は暖かかった。玄関先の植え込みにハナアブが7,8匹群がっていた。以前であれば、卵や幼虫あるいは蛹で越冬するものだとばかり思っていたので、びっくりものだが。今は、成虫でも越冬するのが分かっていたので驚かないのだ。
自分はものをしっかり見ないと絵は描けない。想像を交えるとなにか嘘くさくなる。昆虫も生きたままスケッチしたいが動き回るので難しい。いきおい、死んだものを描くことになってしまうのだが、今回は小口径の試験管に仕切りを作ってそのなかにハナアブを閉じ込め、実体顕微鏡で観察しながら描いた。
むろん絵のようにじっとしてくれないので、正確度はかなり落ちる。そのかわり生き生き感は増しているのでないかと思う。どうだろうか。
2010.11.25
隗展の写生会は、昼過ぎに宿に着いたのだが、この日は天気が悪くなり、今にも降りそうな気配になった。
降られてもいいように宿の近くでスケッチすることにした。
唐松林の中であるが、畑に接しているところに松が生えていたが、どういうわけか、枝が片方に偏っていた。
唐松に邪魔されて枝を伸ばすことができず、開けた畑方向だけに伸びたのだろうか。
形もおもしろく小さなスケッチブックに鉛筆で短時間に勢いで描いているうちに、周囲はガス状となり雨が降り出す。木の下なので雨はしばらくは防げたが あきらめて戻る。
メンバーの中には、しぶとく夕暮れまで粘っている人もいた。傘を差して描いたのだそうだ。まったく、頭が下がる。
2010.11.20
隗展の仲間と信州に写生旅行をした。唐松の色が印象的であったが、人の姿をほとんど見ない、静かなたたずまいであった。
午前中から午後の早い時間は鉛筆で形をとり、午後は色をつける。
なにか違うような気がしながら彩色したが、翌日、同じ場所に立ち、木の幹が白く光っているのを見た。午後は日が回り込み黒く沈み込んでいたのだ。
写生では、このようなことはよく起こる。描いているときは夢中になって目前の形と色を追いかけているわけだ。
この絵の上に、午前中の明るい色をかけようと思ったが、仲間は水彩の達人ばかりだが、自分はとんと不得手である。ぐちゃぐちゃにしてしまいそうだったので、あきらめて次の絵を描き始めた。
2010.11.15
バッタ(直翅)目イナゴ科ツチイナゴで間違いないだろう。
体長4センチメートル。大きなものである。9月15日に近くの草むらにいた。目の高さのところで日向ぼっこをしていたのが運の尽きであった。ネットで調べると、成虫で越冬するイナゴはこれだけだそうだ。目の下に筋があるが、バッタが出始めの頃には、目の下に筋のある小さな幼虫をよく見た。色は緑黄で、成虫の土色とは異なる。賢くも季節の草の色の変化に適応している昆虫なのだった。
2010.11.10
田舎の電車はのんきなものである。ベンチシートに長々と横になりしっかり寝るなどという芸当ができるのだ。さすがにこれを見たときはびっくり仰天大たまげだった。しかし、この絵を改めてみると、気持ちよさそうに寝ているものだと感心してしまったのだ。
2010.11.05
早朝の電車は、まばらにしか乗客はいない。たまたまボックス席に座ると爆睡している人がいた。完璧に寝ているので実に安心してスケッチがとれる。しかし、残念ながら表情は見えないので髪の毛を丁寧に描いたのだ。
2010.10.30
これも昔のスケッチであるが、電車の中ではよく人は寝ている。寝ている人を描くのは利点がいくつかある。まず動かない。描いてる途中で動かれるとそこで終わりになってしまうが、寝ていると完成する確率が高い。次に気付かれない。そして、ポーズがさまざまで変化に富んでいる。快適にスケッチできる訳だ。
2010.10.20
今は昔となってしまったが、長時間の電車通勤をしていた。小田原近くなると空いてくる。隠し撮りならぬ盗み描きで、手帳を取り出し乗客のスケッチなどをしていた。短時間勝負である。気付かれるとアウトで続けられない。気合いで描くようなものだった。今でも電車に乗ったときは描きたくなるが、昨今のプライバシーにうるさい世ではままならない。
2010.10.15
上の珪藻は、クサビケイソウ(ゴンフォネマ)属で大きさは40×10マイクロメートル
下の珪藻は、クチビルケイソウ (キンベラ)属で大きさは50×15マイクロメートル
この大きさの珪藻の胞紋の撮影は私の腕では難しいのだが上手くできた。特に上のは、つるつるした表面に胞紋が並んでいるのが実感できて嬉しいのだ。
(オリンパスBH-2、対物レンズ100X、油浸)
2010.10.10
アミメカゲロウ(脈翅)目ラクダムシ科ラクダムシというらしい。脈翅目は最初に完全変態になった昆虫で、変態の研究には大事な目だそうだ。
体長2センチメートル。面妖な虫である。フラフラーと飛んで、はかない感じであったが、拡大したらギョロ目に、鋭い大あごで凶暴な感じがした。幼虫は、松などの樹皮下で他の幼虫を食べているそうだ。成虫は花粉やら昆虫を食べているらしいがよく分かってはいないらしい。顔つきからすれば、絶対肉食である。
2010.10.05
カマキリ目カマキリ科ハラヒロカマキリで間違いないだろう。
体長4センチメートル。獲物を求めて我が家の鉢植えにきたのが運の尽きであった。勇ましく鎌を持ち上げて威嚇しても無駄な抵抗で、私のモデルになってしまったのだ。
カマキリは変態しないので、子供はちびでかわいらしいものだが、成虫になると迫力がある。前胸が長く、頭も自由に動き、鎌を有効に動かして攻撃力も大きいようだが、体は柔らかく、防護力はあまりないと思う。体の大きさで補っているのかもしれない。などど考えてみたのだ。
2010.09.30
原生動物繊毛虫門ブレファリスマ属というらしい。体長100マイクロメートル。
メダカを飼っている水槽から水草の切れ端をシャーレに採ってきて、米のとぎ汁を加え、しばらく放置した。プランクトンを培養しようというわけだ。
一滴を観察するのだが、小型のものは、うじゃうじゃというくらい増えた。100マイクロメートル程度のものはグンと少なくなるが、それでも、左のものは五匹ぐらいいた。
単細胞だそうだが、口の周りの繊毛が長くてよく動いているのが分かる。色も薄いピンクでわかりやすい。
真ん中の画像はデジカメの写真だが、体をひねったり直進したりなかなか動きが速い。撮るのはなかなか難しい。動きを止める工夫が必要だ。
下段の2枚はデジカメの動画で撮ったもの。画面で動いているのを見る分には結構見れるが、640×480ピクセルしかないので静止画にすると粗い画像になるのは残念だ。
(オリンパスBH-2、対物レンズ40X)
2010.09.25
節足動物門カイアシ亜綱ケンミジンコである。 体長0.7ミリメートル。肉眼でもほとんど透明なものが動いているのが分かるが、種の特定は専門家でないと無理らしい。
顕微鏡で観察すると、照明の違いで印象ががらりと変わる。
通常は、観察者の目←接眼レンズ←対物レンズ←検体←コンデンサ←光源となり、透過光で検体を観察する。一番上の明視野のものがそうである。
つぎに、理屈も分からないので説明できないが、コンデンサのところであれこれいじくり、検体に当たっている下からの光を、ねじ曲げて真横からだけにしまうやり方がある。背景が真っ暗になり、検体は光り輝いて綺麗なものである。明視野にたいして暗視野というのだそうだ。
人は反射光でものを見ているので、以上の方法は顕微鏡独自の世界である。しかし、今はLEDという小さくて強力な光源があるので、反射光でも観察できる。顕微鏡の光源は消して、LEDライトを検体の斜め上から当てるのである。
巨大化したケンミジンコはこのように見えるというわけだ。
(オリンパスBH-2、対物レンズ10X)
2010.09.20
ハエ(双翅)目短角亜目クロバエ科ツマグロキンバエ亜科ツマグロキンバエというらしい。
体長0.7センチメートル。小さな花に蜜を吸いにきていた。目を凝らしてみると口器が長く伸びていた。絵に描いたよりも倍ぐらいの長さだった。黒っぽい地味な虫に見えたが、実体顕微鏡で見ると実にカラフルだった。肉眼だと色が混ざって鈍い色に変わってしまうのだ。
写真はこちら。
2010.09.15
ハエ(双翅)目短角亜目ムシヒキアブ科アオメアブ亜科アオメアブで間違いないだろう。
体長3センチメートル。緑と金色に光り輝く複眼が美しい。口器は吸収式。大型のハンターで他の昆虫を捕まえ体液を吸うそうだ。この絵では分からないが、胸部の前後に大きめの気門があった。翅を動かす筋肉に酸素を強力に送り込める。ハンターなのを実感したのだ。
2010.09.10
ハチ(膜翅)目細腰亜目スズメバチ科アシナガバチ亜科キボシアシナガバチのようだ。
体長1.6センチメートル。スズメバチは3センチはあるから、それに比べればだいぶ小さい。目視では黒っぽくて地味なハチだと思った。しかし、実体顕微鏡で見ると意外に色があった。スケッチしてみて、スズメバチ科の形は引き締まっているし、翅は4枚あるが、飛ばないときは前翅は二つに折りたたみ、後翅とぴったり重なってコンパクトに収納されている。脚も長くがっちりしている、いかにもハンターであると実感したのだ。
2010.09.05
ハエ(双翅)目糸角亜目カ科ヒトスジシマカの雌と思う。 前回と違って、腕に止まったのを叩いたので、鱗粉がかなり落ちてしまった。白黒模様なのだが、それは鱗粉の色で地は結構明るい色であった。
鱗粉がとれたので、表皮の様子を見てみたが、細かい毛がびっしり生えていた。毛の二重構造だがどんな意味があるのだろうか。
2010.08.30
ハエ(双翅)目糸角亜目カ科ヒトスジシマカと思う。 上から、ボーフラ、鬼ボーフラ、成虫である。
窓際に水鉢の水を入れたビーカーを置いている。藻類や原生動物、微生物がいるわけだ。ここに、にっくき蚊が産卵してボーフラが沸いてくるという算段である。
幼虫、さなぎ、成虫とそろったのでスケッチしてみた。
古いシマズの実体顕微鏡で対物レンズ2倍、接眼レンズ20倍で40倍になる。直径6mmの範囲が画面の丸のように見えるのだ。
ボーフラはスポイトで吸い取って、へこみのあるスライドグラスにたらして観察した。動き回って、口をぱくぱくさせ、糞を盛んに出した。餌を食べて排泄していたのだろうが、水は水道水に入れ替えていたので、真水をとりこんで体がきれいになった。尾の吸管からの気管が2本、頭まで伸びているのがわかった。この絵では分からないが、口器は細かい櫛のようになっていて、水を吸い込んで小さな生き物を食べているようだ。
鬼ボーフラは2本の角が呼吸器管で先端を水面に出して呼吸するそうだ。さなぎのくせに活発に泳ぎ回っている。
成虫は雄である。人の血を吸いにくるのは雌だから雄はなかなかみれない。触覚に長い毛がたくさんあるのと、口吻の上部分を小あご枝と言うらしいが、これが長くて口吻の先まである。
並べてみると幼虫は成虫よりも大きい。成虫は成長する必要はなく、子孫を残すために配偶者を早く見つけ、さっさと産卵するのが使命のような気がしてきた。コクゾウムシの本を読んでいたとき、成虫になってから餌を採らない種がいるのがわかってびっくりしたが、昆虫は幼虫の時期が一番大事なのだろう。
2010.08.25
カシミール3Dの二回目。
地球温暖化で海水面が上昇したらどうなるかシミュレーションしてみた。60mあたりを赤で、そこから100mまでを土色にしてある。 60mまで海水面が上昇したら水色のところが水没するわけだ。関東平野や濃尾平野など平野は皆海の中である。被害甚大であるが、それから先は100mまで海水面が上昇してもたいして被害が増えないことも分かる。
それにしても日本は山国である。2000m級が本州の中央にどんと控えている。
2010.08.20
顕微鏡は抽象絵画の世界も作り出してくれる。
オリンパスBH-2、対物レンズ40X、暗視野で撮影。明暗とコントラストはいじっているが、変形、変色等の画像処理は行っていない。種明かしはなし。
2010.08.15
メダカと水草、水藻を入れている水鉢から採ってきた珪藻である。MWSのプレパラートと違って鉱物の欠片がたくさん入っているし、珪藻も数えるほどもなかった。とは言え、自家製なのが嬉しいのだ。
この珪藻は長さ100マイクロメートル、幅16マイクロメートル。ピンヌラリア ビリディス(ハネケイソウ属)というらしい。顕微鏡はオリンパスBH-2、対物レンズ40X、暗視野での撮影である。
2010.08.10
カシミール3Dというフリーソフトがある。
地形図を見るのは楽しいものだが、このソフトでは立体化することができる。変わった使い方では、標高に自分流の色分けをしてもよい。 標高20mから1000mを際立たせるためにピンクからオレンジで色づけしてみた。相模太郎は富士の裾野の水を運んでいるのが実感できるのだ。
2010.08.05
ハエ(双翅)目ムシヒキアブ科アオメアブらしい。
体長3センチメートル、庭に出ていたら目の前に止まった。「あっムシヒキアブだ。」全身橙黄色と黒の毛だらけで、目は緑色に光っている。そっと取り出し、さっとかぶせたプラケースに入ってくれたのだ。おおラッキー。
大型で他の昆虫を補足し体液を吸うというのだから怖いものなしなのかもしらん。人間に平気で近づいてきたのだから。
2010.07.30
ハチ(膜翅)目アリ科フタフシアリ亜科シリアゲアリ属ハシブトシリアゲアリかテラニシシリアゲアリらしい。
体長0.3センチメートル、しだれ桜にいたものを捕まえる。肉眼では、丸い頭と三角のつやのある黒い尻が目立つごく小さいアリだ。地面を匍っているのがアリだと思っていたが、木だとか花だとかにも結構いる。天地は関係なく動き回るのだから、昆虫の脚は優れものだ。
2010.07.25
甲虫(鞘翅)目コガネムシ科スジコガネ亜科マメコガネだろう。繁殖力が強く大害虫とあった。
体長1センチメートル、コガネムシ類が平らな道などを歩いている時は、いつもせかせかと急いでいる。附節がブラブラしている感じで頼りない歩き方である。それが飛行して花に止まると、附節の先の爪を上手に引っ掛けて自在に花を動き回る。脚の形もいろいろあるが、動き方もさまざまだということだろう。
2010.07.20
甲虫(鞘翅)目ゾウムシ科クチブトゾウムシ亜科ヒメシロコブゾウムシらしい。
体長1.4センチメートル、ゾウムシは力強い。素手で捕まえると、脚に力が入って、とっても手応えがある。白に黒の斑点と鼻の伸びた姿も愛嬌があって愛らしい感じがした。とはいえ、体はごつごつと凹凸が多くて美しくはない。
2010.07.15
カメムシ(半翅)目ヘリカメムシ科オオツマキヘリカメムシ、またはツマキヘリカメムシらしい。
体長1センチメートル、色は茶色、表皮はブツブツしていて少しも美しくない。植物の汁が食べ物だそうだ。自分が餌にされてしまう昆虫である。進化の程度の低いのは、どうも餌になる運命のものが多そうだが、食べられても食べられても、数が多ければ子孫は残せる。ネットで検索したら、群れになっている写真が幾つかあった。
2010.07.10
甲虫(鞘翅)目しか分からない。カミキリかカミキリモドキではないかと思うが不明。
体長1.1センチメートル、小さいものだ。茶色の体に白い帯模様があって目立つ。全体に毛深くて、模様と見えたものは、毛の色違いであった。