今年の締めはMWS放散虫プレパラートJ482だ。 対物レンズ10Xでの撮影で視野が広い。一つ一つを独立で撮影できるギリギリの間隔ではないだろうか。4Xで撮るとさらに広く写りびっしり感がでてくるのでそんな感じはしないのだが、この画像を見ていると絶妙な間の開け方だなと思う。 12月末はMWSのJシリーズ発売が年中行事になっている。今年はバルバドス放散虫特集で24日20時からだった。その日は体調悪く翌日の確認になってしまったが、ほぼ完売であった。顕微鏡を熱心に覗くのはマイナーな趣味だろう。研究者を入れても限られた狭い世界ではないかと思うが、毎年あっという間に勝負が付いているので支持層が厚いことが分かる。ちなみに小生は何回も参加していると思われるかもしれないが1回しか参加していないのだ。たいして 貢献してないわけだ。
このハエは0.3センチほどの極小さいもので、なんというのかさっぱりである。20日に捕まえてまだ生きている。15日に捕獲したのも元気だ。水分を欠かさないようにすればハエはかなり生き延びる。ぺちゃんこになった腹がたちまち膨れあがって元気回復するが、ここで遅すぎると水を飲む力がなくなり昇天するみたいだ。 一方16日に捕まえたハチは2日で駄目になった。このハエとハチの違いは沢山経験を積み重ねているので間違いなくある。ハエはハチより生き残る力を良く多く持っているに違いないのだ。
キアシキノコバエと言うのかもしれない。体長0.3センチメートル。極小さいので目だたないが良くいる虫だ。乾燥すると縮こまって姿がわからなくなるので水飴で固め、それを暗視野の生物顕微鏡で見たものが今日の画像だ。 失敗続きのすえにこの標本が出来た。何故そうなったか、ちんぷんかんぷんだが脚の気管が透けて見える。これを見た人はそうはいないはずだ。
冬でも何かいるかと玄関先のカラーを見るとこのハエがいた。5mmぐらいの細長い虫でちょっと見はハチのようでもあるが長い触覚が無いのでハエとなる。餌にありつけなかったのか腹が潰れていたので砂糖水を与えたら、ゴクゴクと飲んでパンパンに膨れた。その後は体のお手入れである。盛んに脚を振り回す。写真は翅のお手入れ中だ。しかし変なハエで腹の第一節が狩り蜂にあるような妙な形になっているし二節とのつなぎ目は透明だ。毛も少ない。前脚の腿節は中央が太くてそこに棘があって脚先の汚れ落としに使っていた。複眼の上半分は色が黒かった。
9日で個展は終了した。一週間はあっという間に過ぎる。今回は、一日ダウンして休んでしまった。その時に来場された方には申し訳ないことをしてしまった。 加齢で体力が落ちているところに、楽しい絵で賑やかにお話しできる絵ならともかく、描いている本人もよく分からない頭をひねる絵なので、見て頂くのにあれこれ気苦労をしてしまうセイだろう。それでも来て下さる方々には大感謝である。
4日から銀座7丁目のギャラリー惣で個展だ。6回目になるから良くやったものだ。分かりにくい絵を見に来て下さる人に感謝である。 飾り付けは画廊主の方にお世話になった。並べ方で印象が変わるので神経を使うのだが、等間隔で並べるのではなく広狭を付けてリズム感を感じられるような並び方をされて、9点のこぢんまりした展示でもピリッとした緊張感が生まれたように感じた。さすがプロと感心したのだ。来られた方もそう感じて頂ければ幸いである。
去年の9月に捕まえた泥蜂の1種。セグロチビドロバチと言うのかもしれない。上段は生きているが下段は標本化したもの。穴を見つけてその中に青虫などを溜め込み産卵して泥で封をする狩り蜂だそうだ。穴は竹筒が多いそうであるが今の日本では普通にあるとは言えなくなっている。見つけられなければ臨機応変で処置しているのだろう。 高校生の頃、ファーブル昆虫記で、どうして青虫が腐らないで餌になるのか疑問を持ち、麻痺させているのを発見する下りを興奮して読んでいるのが、じじいの記憶の底からでてきた。よほど強い印象だったのだろう。
真鶴は箱根の山麓だが山を見上げても箱根山塊がどこでも見えるわけではない。このような単なる丘になってしまうところも沢山ある。この絵は樹木の描き分けみたようなもので、その変化と根のはっている山の斜面を感じさせれば成功なのだが、感じて頂けますでしょうか。
12月の第一週にギャラリー惣で個展をする。今制作中の放散虫二枚だ。P12だからたいして大きくないが、こんな感じで並べたいと思っている。他の作品は、ここ2年で描きためてきた珪藻たちである。珪藻は2009年から描いているので9年目になる。いろいろ変化しているので今度の個展は到着点がどうなっているかの確認みたいなものである。 放散虫は珪藻同様、微生物であるが随分異なる形をしている。珪藻たちの絵の中でどう見えるか楽しみだ。
模型作りも4艦目になった。ピットロード社の駆逐艦睦月だ。ネットには1/700のスケール模型作りのサイトが沢山あってすごい人達がいる。一方の旗頭は精密さにこだわってエッチングパーツでてんこ盛りに細部を表現している。初めは圧倒されたが1/700のスケールで無理なところはオーバースケールになるので実艦の再現より模型的真実の再現になっているようだ。デジタルの細部がしっかり写った鮮明な写真を見続けているとそんな気になった。もう一方は実艦らしさにこだわっている人達で、正確なシルエットに細部がどこまで加わるかで個性がでてくるようだ。いずれにしても実艦は改造が繰り返されているので年月の設定と考証をしっかりして制作されているのが一番の驚きだった。 ピットロードの製品は細部の表現に特徴があるらしい。賑やかで楽しいのだろう。価格も他社に比べてかなり高い設定のようだ。睦月は洋上型とフルハルモデルどちらでも制作できるようになっていた。欲張って両方出来るようにしたのが今日の画像だ。 ところで注意書きに「対象年齢15歳以上」となっていた。「模型作りは小学校からやるモン」が小生の年代では常識だったと思うのだが、部品が細かく数が多いので苦情がくるのを恐れたのであろうか。面白い注意書きだ。
MWS放散虫プレパラートJ482からの画像を続けているが、沢山封入されているプレパラートなので一年続けても困らないくらいある。なのでついつい取り上げてしまうのだ。 撮影した画像を深度合成し、元画像と比較しながらパソコン上でじっくり見るのも興味深いものだ。円錐形だと思っていたが四角錐が正しいように思えてきた。
相も変わらずのMWS放散虫プレパラートJ482からの放散虫だ。9月30日に取り上げたのと同じ種類ではあろうが、90度回転した画像かもしれない。 中心の真柱から周りへの腕は三方向だけで、一方向は伸ばしていない。今回の画像はその伸ばしていない方向がしっかり写っている訳だ。そうだとすると、前回妙な気分になったのも解決できる。 今回はCombineZPで上下2段階で深度合成し、その結果を手作業で1枚にした。手作業よりは早くできた。
MWS放散虫プレパラートJ482から、40X NA=0.95の対物レンズで輪帯照明で撮影し深度合成したものだ。9月30日に取り上げたのと同じ種類ではあろうが、それよりがっちりしているようだ。切り取り、貼り付けとさんざんいじくり回しているので科学的な画像ではないが、どんな形かを見極める材料である。 照明法は正しくいろんな収差も小さく取れているのかどうかの判断も付かない人なので、専門家から見れば、「はてな」の世界ではあろうが1種の絵と思って見てもらえばよろしいのです。
23日は台風一過で上天気になった。真鶴岬付け根の琴ヶ浜で写生する。空は晴れ渡っているが風は強く不穏な気配がある。海岸沿いに遊歩道が整備されているが、夜半の荒波に流木の破片、ペットボトルなどのゴミ、握り拳大から人間の頭ほどの石も打ち上げられているところがあった。 ここは、対岸に丹沢山塊が聳えて気持ちの良いところだ。中央の三角が大山、左に三ノ頭、塔ノ岳、蛭ヶ岳、と続き大室山で終わる。足元は大磯丘陵が低く連なり右端は大磯の高麗山だ。わずかしか描かれていないが左は箱根山地である。この場に立つと相模湾を抱いて箱根から三浦半島の方まで一望できる晴れ晴れとした場所であるが、この絵はその一部を切り取っただけなのである。
第24回新作家展の出品作だ。「漂う」と題した。公募団体の作品は強いものが多いので、このような弱々しいものは埋没してしまう。そうならないような強靱さをだせる人もあり、そのようになりたいと願ってもいるのだが・・・・・・
これも放散虫。いろんな奴がいると言うことだ。 明視野での背景と暗視野とのそれとでは感じがかなり異なる。暗視野だと暗黒の闇に包まれて放散虫が輝くが、明視野だと清潔な盤上に横たわっているように見えるものが多いようだ。面白いものである。
9日から銀座洋協ホールで「生誕100周年記念絵画展川上尉平」が始まった。お嬢様の強い意志で開催されたそうだが何のお手伝いもしないままに拝見しに行った。 思い返せば40年ほど前の洋協ホールで弟子共が集まって、先生の遺作展を開いた。弟子といっても職場サークルで指導を受けていた者達で費用は奥様が出して下さったので労力を出しただけではあったが。 今、先生の大きい代表作は故郷の熊本市現代美術館の所蔵になっている。今回の絵画展はお嬢様の手元にある油彩画、水彩画、デッサンで構成されているので、50号は1枚だけで、3号から30号と小ぶりではあったが、風景画、静物画、水彩画のコーナーと区画された中にずらりと並べられていて見応えがあった。本物は画集とは違う。本物を沢山見れて幸せな時間だった。 奥は家族のコーナーになっていた。左手で描かれ最後の春陽展出品作になった奥様の肖像画や、先生の若い時と病院での自画像があり、当然お子様達のもある。また、春陽展に出品された家族像の下絵もあり、ジンとなってしまった。 左の画像はサークルの先輩が先生と写生旅行に行き制作過程を記録したものだ。上段が途中で下段が完成図である。大づかみに捉えて細部が加わってゆくのがよく分かる。
前回に続くMWS放散虫プレパラートJ482から手作業で深度合成したものだ。経験を積んできているで多少の進歩はあるはずなのだが、どうもビリッとしない。それが悔しいが簡単ではないと言うことだ。 形は、つののある四角錐で胴が張っているというものではないだろうか。つるりとした表面のように見えるが、わずかに中央上端に見えてる棘は実際には全体にあるものの、写しきれなかったようである。巨大化した物を手で強く握ると棘が当たって結構痛いのではないだろうか。
MWS放散虫プレパラートJ482から、40X NA=0.95の対物レンズで輪帯照明で撮影し深度合成したものだ。手作業でも上手くいきそうな感じだったが、そう甘くはなかったのだ。 球ではなく角の取れた立方体だと思う。中に一本棒が貫通しているが、表に出ている物とつながっているような、いないような。ピントをずらしながら何とか分からないかと目を凝らすのだが。ついに分からない。そんなときは電子顕微鏡が欲しくなる瞬間だ。
MWS放散虫プレパラートJ482から、40X NA=0.95の対物レンズで輪帯照明したものだ。 上段が深度合成した物で半分以上壊れているから断面の様子がよく分かる。しかし、立っている曲面の部分は説得力がないし、中央に突起があるものの細いし根元もよく分からなくて不自然さばかり際立つ。 なので不満足な結果なのだが苦労はしている。経過報告程度だが今の実力はこんなものなのだ。 それだけではお粗末なので、ImageJでスケールを入れて殻の大きさと厚みを計測してみた。 直径220μmに対して厚み17μm位だから、体に対して8%程度の骨格になる。かなり厚い種類だ。 殻は珪酸で出来てるので比重は2前後はあるのではないか、海中の生物だから重しを抱いているようなものだ。海中の酸素を取り入れて気泡を作れば浮き沈みが自在になる。 体の頑丈さのために殻は厚いような気がしてたが、そればかりではないような気がしてきた。
動画からの画像だが繊毛虫のブレファリスマというらしい。体長100マイクロメートル位でミドリゾウリムシに体当たりなどされていた。少し凹んでいるのが当てられたところだ。前進後退自由自在で身をよじったり縦になったりユックリと動き続けている。。周りには小型の原生動物も沢山いるが、ちっとも食べようとしない。見えていないが細菌類を食べているのかなとも思う。口の周りの繊毛を慌ただしく動かし続けていたのだから。
ただ放散虫とだけしか言えないがMWSのプレパラートをひたすら観察して形を追いかける作業だ。深度合成を使えば立体像に迫れるはずなのだが、なかなか旨くいかないのが現実だ。そんな中でも、これは旨くいった方だ。かなり球に近いと思うがどうだろうか。
新作家展が10月に迫ってきている。去年は現代絵画風にしたので今年もそのように目指したのであるが、思いとは裏腹にボーとしたものになりそうだ。 形を正確に写すには元図に縦横の線を入れ、キャンバスにも同じ線を入れればよい。区画を多くすればするほどより正確に写せる。区画線を直接描かずに周りの木枠から格子状に糸を張れば、描き進めても格子は残る。 しかし、この絵はそうしなかった。一つ一つの物の大きさと散らばり具合がこの絵の眼目だろう。機械の目と人間の目は異なる。何らかの感情が入り込み歪んで見ているはずなのだ。だから自分の感覚だけを頼りに緊張してこの位置に筆を置いていったのだ。その意気込みで、形のはっきりした僅かな物と多くの陰影が互いに緊張感を持って漂っているようになれば成功と言えると思うのだが。
水鉢の極小さい藻をからげて観察して動画に撮ったことがあるが、ミドリゾウリムシが採餌をしているような所があった。赤矢印の丸いのが餌でそこにミドリゾウリムシが黄色矢印の巡でユックリ近づいて飲み込んだ様に見えた。撮影した時には全く気がつかなかったので、さらに中に入ったのかはわからないし、ぱくっと勢い良く飲み込んだわけでないので単に重なっただけかもしれないが、灰色枠の大口を開けたような奴の映像もあるし、先端に大口があってもおかしくない気もする。前々回に放散虫の大口を想像したのもこんな事例があったからなのだ。
昆虫のスケッチもしばらくサボっているし真鶴のスケッチも久しくしていないが珪藻の作品作りばかりではデッサン力に陰りが出てくる。それで反省して真鶴港を見下ろす場所からパステルでスケッチした。自宅は住宅地にあるので、周りは家が多く自然に囲まれた感じにはならないが、こんな景色はすぐ近くにあるのである。夏も終わり遠くが霞む、けだるい午後の感じを写し取れればよいのだが。無理だよなぁで終わったのだ。
放散虫は体を包む細胞膜の他に核などを包む中嚢があるそうだ。小生の高校時代は細胞の説明など簡単なものだったが、今は「生物図録」なるビジュアルなものがある。教科書の補助に使っているのかもしれないが、細胞についても今時の高校生は大変だねと思えるくらい記載は多い。 「生物図録」や「ずかんプランクトン」などを使って放散虫の内部構造を想像してみたのが今日の画像だ。3っ目の骨格に核を入れて、2っ目の骨格に中嚢を持ってきて小胞体やゴルジ体をその中に入れてみた。 突起が沢山あるが、動き回るのになにか必要だし「ずかんプランクトン」の図や生態写真を見るとあっても良さそうなので入れてみた。前回の図に較べると賑々しくなった。単細胞とは言え内容豊富だ。しかも、描いていないものもまだあるし実物はぎっちり沢山のものが詰まっているのだろう。
前回の放散虫の下側は欠けているような気がしたのであるが、キチンとしたのはこれだろうというのがあった。 放散虫は海洋生の単細胞動物だそうだ、古生代から棲息して珪酸質の骨格は海底に降り積もり厚い地層となって今に残る。チャートとか言う固い地層だ。それを薬品で溶かして放散虫の殻だけを取り出し電子顕微鏡で確かめると年代測定が出来るというのだから科学の進歩はたいしたものだ。 生態はよく分かっていないそうだが、動物プランクトンだから珪藻と違い餌をとらなくてはいけない。大口だとかなり大きい餌でも食べられるわけだ。それで考えたのが右の図だ。骨格の周りに細胞膜を巡らし、核は三重円の中に鎮座して、反対側に口を開けてるわけだ。 いけないことではあるが素人の勝手な想像を披露したのだから、勿論、信用してはいけない。 この検体は骨格の厚さがよく分かる。すごくしっかりしていて相当もまれても平気だろう。しかも、内円ほど薄くなっている。毎度のことながら生き物の素晴らしさである。
これもMWS放散虫プレパラートJ482から、40X NA=0.65の対物レンズで暗視野撮影したものだ。 顕微鏡は不思議な世界で内部が見えたりする。深度合成を使って表面を取り除けたような絵も作れるわけだ。 上段は全体像だ。小さめの穴が満遍なく空いているが壊れて欠けているところもあるし、棘もいくつかある。 中段は真ん中辺まで取り去ったものだ。さすがに内部は鮮明ではないものの三重構造なのがよくわかる。 下段は二番目の内球表面が分かるようにしたものだ。鮮明さはないが表層よりもかなり大きな穴が空いているのが分かる。 面倒ではあるが、手作業で深度合成した。時間はかかるし根気もいるが、放散虫の内部構造が身に沁みてくるような気もした。
MWS放散虫プレパラートJ482から、40X NA=0.65の対物レンズで暗視野撮影したものだ。インチキ深度合成だから、よく見るとつじつまが合わないのだがご容赦願おう。 プレパラート発注仕様は壊れたものでなのだが、完品も入れていますのでご承知下さいとのことであったが、この画像はそうだろう。へそ曲がりの人でもこういうものを見せられると、やっぱり嬉しいよね。となるのだ。
ヤブ蚊の毛は取れやすい。捕まえた翌日にはAのように胸の後ろがすっかりなくなってしまった。狭いところに閉じ込めているので背中を壁にこすりつけてしまうのだろう。 毛も針状の棘毛と団扇型の鱗片がある。大きさも形も様々だ。網羅しているわけではないが、いくつかを生物顕微鏡で確認したのがB、Cだ。透過光なので色の違いは現れないが、団扇のように骨があり面そのものは非常に薄いようだ。
ヤブ蚊の季節だが、この頃は多くないような気がする。庭に出ると沢山噛まれてかゆくてたまらん状態だったはずだが、そんなに多く噛まれないし、たまらんと言うほどでもない。 今日の画像は、腕に止まったところを御用にした奴だ。背中の両脇にも白鱗片があるのでヒトスジシマカではなくミスジシマカではないだろうか。 体に触れることなく御用にしたから鱗片も無事で綺麗な個体だ。 ハエもカも全身毛に覆われているのだが、ハエは直毛で小さいが、カは鱗片状だ。それも幅の広いのや狭いのやいろいろで隙間もなく覆われている。しかも取れやすい。何故違うのか疑問なのだが全然解決しない。何事によらず昆虫の体の仕組みに合理的な理由は必ずあるはずなのだが。
ピントをずらした4枚を切り貼りした模擬深度合成だ。40枚をソフトで深度合成したが汚らしくなってしまったので使うのを諦めて手作業に挑戦したわけだ。なんとなくそれらしく見えるのではなかろうか。 下半分が欠損している個体で、上面はやや平な面を持ち、両脇は丸いという個体ではないかと思うが、見極めるのは難しい。ピントの移り具合から判断すると上面は窪んでいないのだが、この画像を見るとどう見てもヘッコンデいるよね。となる。 対物レンズ40Xの世界は頭を捻るばかりだ。
MWS放散虫プレパラートJ482はとにかく沢山封入されているから、球状の放散虫で内部に入れ子の小球を持っているのでもいろんな状態が分かるようになっている。 上段のは、ほとんど完品ではないかと思えるもので、表面の穴の空き具合がよく分かる。中央部がやや黒ずんでいるのは中に小球があるためだ。 下段は表面がかなり壊れていて中の小球と支柱の様子がはっきり分かる奴だ。 この二つは隣り合わせに並べられていて、にくいですねえと言うわけだ。 入手してから一ヶ月近くなって、当初の興奮状態は納まってきている。やっと落ち着いて見れるようになってきたようだ。
前回の10X画像の左下にある球状の放散虫だ。球状とはいっても前回のものとは大分違う。内部に小球はないし、開口の穴の大きさはかなり大きい。なにより突起がある。 上段は深度合成したものなので、角というか棘といおうか突起物が全体に取り巻いているのが分かる。 下段は深度合成なしの一枚物だ。ほんのわずかな範囲しかピントはこない。 ここには載せないが裏側もしっかりあった。完全に丸いままのものに違いないだろう。大きな開口が向かい合うように2つ存在し、その周りを小さな開口が取り巻き、離れるに従って大きな開口になっていく様に見えた。そして、全体の棘。 全体像が掴みやすい大づかみな構造をもっている放散虫だと感じられたが、部分の欠けたものよりは完品なればこそのことだろう。また、中心になる開口も横を向いているのも意味があるようだ。個体の選定から置く向きまでMWSの配慮には深いものがあると思うのだ。
MWS放散虫プレパラートJ482を偏斜照明で撮影したものだ。暗視野とは違ってキラキラ感はなくなるものの穏やかな柔らかみのある味わい深いものだった。 上段は10Xで撮影したもので、右下の球状の放散虫を40Xで撮影したのが下段になる。3枚を合成したのでこのように一度に見えるわけではないが、球体の中にもう一つ球があるのがはっきり分かる。 かなり壊れているのものの、かろうじて中のものも残ったラッキーな個体だ。 支柱も残っているかと探せば左下に3本それらしいのが見えるし、黒く潰れているのも何本か見える。 素晴らしい。壊れていればこその絵である。 そしてキチンと正面を向いているのは何ともいえない気持ちよさがある。 目にも見えないような微細な放散虫を自在に取り扱い、しかも、動かすことなしに封入する。プロなればこその仕事だが、良くこんなものが作れると唸るばかりだ。
Hの中程になるが2011.07.15に絵にしたのを載せている。ハエ(双翅)目短角亜目アシナガバエ科ヒゲアシナガバエ亜科マダラホソアシナガバエというらしい。体長0.6センチメートル。となっているが、この写真のは0.8センチメートルぐらいある。前は名前まで書いたが同定の難しさも知らず暢気なことであった。 この時期よく見かける。今朝3匹ばかりカラーの葉を飛び回っていたのを捕まえようとしたが旨くゆかず手こずったが、飛び去ることをしないのでやっとのことで捕まえた。普通のハエは何回か失敗するとどっかに行ってしまうが、アシナガバエはなかなか去ろうとしないようだ。機敏さに自信があるのか、危険をあまり感じないのか妙な気分である。 しかし、アブラムシ、アザミウマ、ダニなどが餌だそうで獰猛な種類なのは間違いがない。
2017.12.30
今年の締めはMWS放散虫プレパラートJ482だ。
対物レンズ10Xでの撮影で視野が広い。一つ一つを独立で撮影できるギリギリの間隔ではないだろうか。4Xで撮るとさらに広く写りびっしり感がでてくるのでそんな感じはしないのだが、この画像を見ていると絶妙な間の開け方だなと思う。
12月末はMWSのJシリーズ発売が年中行事になっている。今年はバルバドス放散虫特集で24日20時からだった。その日は体調悪く翌日の確認になってしまったが、ほぼ完売であった。顕微鏡を熱心に覗くのはマイナーな趣味だろう。研究者を入れても限られた狭い世界ではないかと思うが、毎年あっという間に勝負が付いているので支持層が厚いことが分かる。ちなみに小生は何回も参加していると思われるかもしれないが1回しか参加していないのだ。たいして 貢献してないわけだ。
2017.12.25
このハエは0.3センチほどの極小さいもので、なんというのかさっぱりである。20日に捕まえてまだ生きている。15日に捕獲したのも元気だ。水分を欠かさないようにすればハエはかなり生き延びる。ぺちゃんこになった腹がたちまち膨れあがって元気回復するが、ここで遅すぎると水を飲む力がなくなり昇天するみたいだ。
一方16日に捕まえたハチは2日で駄目になった。このハエとハチの違いは沢山経験を積み重ねているので間違いなくある。ハエはハチより生き残る力を良く多く持っているに違いないのだ。
2017.12.20
キアシキノコバエと言うのかもしれない。体長0.3センチメートル。極小さいので目だたないが良くいる虫だ。乾燥すると縮こまって姿がわからなくなるので水飴で固め、それを暗視野の生物顕微鏡で見たものが今日の画像だ。
失敗続きのすえにこの標本が出来た。何故そうなったか、ちんぷんかんぷんだが脚の気管が透けて見える。これを見た人はそうはいないはずだ。
2017.12.15
冬でも何かいるかと玄関先のカラーを見るとこのハエがいた。5mmぐらいの細長い虫でちょっと見はハチのようでもあるが長い触覚が無いのでハエとなる。餌にありつけなかったのか腹が潰れていたので砂糖水を与えたら、ゴクゴクと飲んでパンパンに膨れた。その後は体のお手入れである。盛んに脚を振り回す。写真は翅のお手入れ中だ。しかし変なハエで腹の第一節が狩り蜂にあるような妙な形になっているし二節とのつなぎ目は透明だ。毛も少ない。前脚の腿節は中央が太くてそこに棘があって脚先の汚れ落としに使っていた。複眼の上半分は色が黒かった。
2017.12.10
9日で個展は終了した。一週間はあっという間に過ぎる。今回は、一日ダウンして休んでしまった。その時に来場された方には申し訳ないことをしてしまった。
加齢で体力が落ちているところに、楽しい絵で賑やかにお話しできる絵ならともかく、描いている本人もよく分からない頭をひねる絵なので、見て頂くのにあれこれ気苦労をしてしまうセイだろう。それでも来て下さる方々には大感謝である。
2017.12.05
4日から銀座7丁目のギャラリー惣で個展だ。6回目になるから良くやったものだ。分かりにくい絵を見に来て下さる人に感謝である。
飾り付けは画廊主の方にお世話になった。並べ方で印象が変わるので神経を使うのだが、等間隔で並べるのではなく広狭を付けてリズム感を感じられるような並び方をされて、9点のこぢんまりした展示でもピリッとした緊張感が生まれたように感じた。さすがプロと感心したのだ。来られた方もそう感じて頂ければ幸いである。
2017.11.30
去年の9月に捕まえた泥蜂の1種。セグロチビドロバチと言うのかもしれない。上段は生きているが下段は標本化したもの。穴を見つけてその中に青虫などを溜め込み産卵して泥で封をする狩り蜂だそうだ。穴は竹筒が多いそうであるが今の日本では普通にあるとは言えなくなっている。見つけられなければ臨機応変で処置しているのだろう。
高校生の頃、ファーブル昆虫記で、どうして青虫が腐らないで餌になるのか疑問を持ち、麻痺させているのを発見する下りを興奮して読んでいるのが、じじいの記憶の底からでてきた。よほど強い印象だったのだろう。
2017.11.25
真鶴は箱根の山麓だが山を見上げても箱根山塊がどこでも見えるわけではない。このような単なる丘になってしまうところも沢山ある。この絵は樹木の描き分けみたようなもので、その変化と根のはっている山の斜面を感じさせれば成功なのだが、感じて頂けますでしょうか。
2017.11.20
12月の第一週にギャラリー惣で個展をする。今制作中の放散虫二枚だ。P12だからたいして大きくないが、こんな感じで並べたいと思っている。他の作品は、ここ2年で描きためてきた珪藻たちである。珪藻は2009年から描いているので9年目になる。いろいろ変化しているので今度の個展は到着点がどうなっているかの確認みたいなものである。
放散虫は珪藻同様、微生物であるが随分異なる形をしている。珪藻たちの絵の中でどう見えるか楽しみだ。
2017.11.15
模型作りも4艦目になった。ピットロード社の駆逐艦睦月だ。ネットには1/700のスケール模型作りのサイトが沢山あってすごい人達がいる。一方の旗頭は精密さにこだわってエッチングパーツでてんこ盛りに細部を表現している。初めは圧倒されたが1/700のスケールで無理なところはオーバースケールになるので実艦の再現より模型的真実の再現になっているようだ。デジタルの細部がしっかり写った鮮明な写真を見続けているとそんな気になった。もう一方は実艦らしさにこだわっている人達で、正確なシルエットに細部がどこまで加わるかで個性がでてくるようだ。いずれにしても実艦は改造が繰り返されているので年月の設定と考証をしっかりして制作されているのが一番の驚きだった。
ピットロードの製品は細部の表現に特徴があるらしい。賑やかで楽しいのだろう。価格も他社に比べてかなり高い設定のようだ。睦月は洋上型とフルハルモデルどちらでも制作できるようになっていた。欲張って両方出来るようにしたのが今日の画像だ。
ところで注意書きに「対象年齢15歳以上」となっていた。「模型作りは小学校からやるモン」が小生の年代では常識だったと思うのだが、部品が細かく数が多いので苦情がくるのを恐れたのであろうか。面白い注意書きだ。
2017.11.10
MWS放散虫プレパラートJ482からの画像を続けているが、沢山封入されているプレパラートなので一年続けても困らないくらいある。なのでついつい取り上げてしまうのだ。
撮影した画像を深度合成し、元画像と比較しながらパソコン上でじっくり見るのも興味深いものだ。円錐形だと思っていたが四角錐が正しいように思えてきた。
2017.11.05
相も変わらずのMWS放散虫プレパラートJ482からの放散虫だ。9月30日に取り上げたのと同じ種類ではあろうが、90度回転した画像かもしれない。
中心の真柱から周りへの腕は三方向だけで、一方向は伸ばしていない。今回の画像はその伸ばしていない方向がしっかり写っている訳だ。そうだとすると、前回妙な気分になったのも解決できる。
今回はCombineZPで上下2段階で深度合成し、その結果を手作業で1枚にした。手作業よりは早くできた。
2017.10.30
MWS放散虫プレパラートJ482から、40X NA=0.95の対物レンズで輪帯照明で撮影し深度合成したものだ。9月30日に取り上げたのと同じ種類ではあろうが、それよりがっちりしているようだ。切り取り、貼り付けとさんざんいじくり回しているので科学的な画像ではないが、どんな形かを見極める材料である。
照明法は正しくいろんな収差も小さく取れているのかどうかの判断も付かない人なので、専門家から見れば、「はてな」の世界ではあろうが1種の絵と思って見てもらえばよろしいのです。
2017.10.25
23日は台風一過で上天気になった。真鶴岬付け根の琴ヶ浜で写生する。空は晴れ渡っているが風は強く不穏な気配がある。海岸沿いに遊歩道が整備されているが、夜半の荒波に流木の破片、ペットボトルなどのゴミ、握り拳大から人間の頭ほどの石も打ち上げられているところがあった。
ここは、対岸に丹沢山塊が聳えて気持ちの良いところだ。中央の三角が大山、左に三ノ頭、塔ノ岳、蛭ヶ岳、と続き大室山で終わる。足元は大磯丘陵が低く連なり右端は大磯の高麗山だ。わずかしか描かれていないが左は箱根山地である。この場に立つと相模湾を抱いて箱根から三浦半島の方まで一望できる晴れ晴れとした場所であるが、この絵はその一部を切り取っただけなのである。
2017.10.20
第24回新作家展の出品作だ。「漂う」と題した。公募団体の作品は強いものが多いので、このような弱々しいものは埋没してしまう。そうならないような強靱さをだせる人もあり、そのようになりたいと願ってもいるのだが・・・・・・
2017.10.15
これも放散虫。いろんな奴がいると言うことだ。
明視野での背景と暗視野とのそれとでは感じがかなり異なる。暗視野だと暗黒の闇に包まれて放散虫が輝くが、明視野だと清潔な盤上に横たわっているように見えるものが多いようだ。面白いものである。
2017.10.10
9日から銀座洋協ホールで「生誕100周年記念絵画展川上尉平」が始まった。お嬢様の強い意志で開催されたそうだが何のお手伝いもしないままに拝見しに行った。
思い返せば40年ほど前の洋協ホールで弟子共が集まって、先生の遺作展を開いた。弟子といっても職場サークルで指導を受けていた者達で費用は奥様が出して下さったので労力を出しただけではあったが。
今、先生の大きい代表作は故郷の熊本市現代美術館の所蔵になっている。今回の絵画展はお嬢様の手元にある油彩画、水彩画、デッサンで構成されているので、50号は1枚だけで、3号から30号と小ぶりではあったが、風景画、静物画、水彩画のコーナーと区画された中にずらりと並べられていて見応えがあった。本物は画集とは違う。本物を沢山見れて幸せな時間だった。
奥は家族のコーナーになっていた。左手で描かれ最後の春陽展出品作になった奥様の肖像画や、先生の若い時と病院での自画像があり、当然お子様達のもある。また、春陽展に出品された家族像の下絵もあり、ジンとなってしまった。
左の画像はサークルの先輩が先生と写生旅行に行き制作過程を記録したものだ。上段が途中で下段が完成図である。大づかみに捉えて細部が加わってゆくのがよく分かる。
2017.10.05
前回に続くMWS放散虫プレパラートJ482から手作業で深度合成したものだ。経験を積んできているで多少の進歩はあるはずなのだが、どうもビリッとしない。それが悔しいが簡単ではないと言うことだ。
形は、つののある四角錐で胴が張っているというものではないだろうか。つるりとした表面のように見えるが、わずかに中央上端に見えてる棘は実際には全体にあるものの、写しきれなかったようである。巨大化した物を手で強く握ると棘が当たって結構痛いのではないだろうか。
2017.09.30
MWS放散虫プレパラートJ482から、40X NA=0.95の対物レンズで輪帯照明で撮影し深度合成したものだ。手作業でも上手くいきそうな感じだったが、そう甘くはなかったのだ。
球ではなく角の取れた立方体だと思う。中に一本棒が貫通しているが、表に出ている物とつながっているような、いないような。ピントをずらしながら何とか分からないかと目を凝らすのだが。ついに分からない。そんなときは電子顕微鏡が欲しくなる瞬間だ。
2017.09.25
MWS放散虫プレパラートJ482から、40X NA=0.95の対物レンズで輪帯照明したものだ。
上段が深度合成した物で半分以上壊れているから断面の様子がよく分かる。しかし、立っている曲面の部分は説得力がないし、中央に突起があるものの細いし根元もよく分からなくて不自然さばかり際立つ。
なので不満足な結果なのだが苦労はしている。経過報告程度だが今の実力はこんなものなのだ。
それだけではお粗末なので、ImageJでスケールを入れて殻の大きさと厚みを計測してみた。
直径220μmに対して厚み17μm位だから、体に対して8%程度の骨格になる。かなり厚い種類だ。
殻は珪酸で出来てるので比重は2前後はあるのではないか、海中の生物だから重しを抱いているようなものだ。海中の酸素を取り入れて気泡を作れば浮き沈みが自在になる。
体の頑丈さのために殻は厚いような気がしてたが、そればかりではないような気がしてきた。
2017.09.20
動画からの画像だが繊毛虫のブレファリスマというらしい。体長100マイクロメートル位でミドリゾウリムシに体当たりなどされていた。少し凹んでいるのが当てられたところだ。前進後退自由自在で身をよじったり縦になったりユックリと動き続けている。。周りには小型の原生動物も沢山いるが、ちっとも食べようとしない。見えていないが細菌類を食べているのかなとも思う。口の周りの繊毛を慌ただしく動かし続けていたのだから。
2017.09.15
ただ放散虫とだけしか言えないがMWSのプレパラートをひたすら観察して形を追いかける作業だ。深度合成を使えば立体像に迫れるはずなのだが、なかなか旨くいかないのが現実だ。そんな中でも、これは旨くいった方だ。かなり球に近いと思うがどうだろうか。
2017.09.10
新作家展が10月に迫ってきている。去年は現代絵画風にしたので今年もそのように目指したのであるが、思いとは裏腹にボーとしたものになりそうだ。
形を正確に写すには元図に縦横の線を入れ、キャンバスにも同じ線を入れればよい。区画を多くすればするほどより正確に写せる。区画線を直接描かずに周りの木枠から格子状に糸を張れば、描き進めても格子は残る。
しかし、この絵はそうしなかった。一つ一つの物の大きさと散らばり具合がこの絵の眼目だろう。機械の目と人間の目は異なる。何らかの感情が入り込み歪んで見ているはずなのだ。だから自分の感覚だけを頼りに緊張してこの位置に筆を置いていったのだ。その意気込みで、形のはっきりした僅かな物と多くの陰影が互いに緊張感を持って漂っているようになれば成功と言えると思うのだが。
2017.09.05
水鉢の極小さい藻をからげて観察して動画に撮ったことがあるが、ミドリゾウリムシが採餌をしているような所があった。赤矢印の丸いのが餌でそこにミドリゾウリムシが黄色矢印の巡でユックリ近づいて飲み込んだ様に見えた。撮影した時には全く気がつかなかったので、さらに中に入ったのかはわからないし、ぱくっと勢い良く飲み込んだわけでないので単に重なっただけかもしれないが、灰色枠の大口を開けたような奴の映像もあるし、先端に大口があってもおかしくない気もする。前々回に放散虫の大口を想像したのもこんな事例があったからなのだ。
2017.08.30
昆虫のスケッチもしばらくサボっているし真鶴のスケッチも久しくしていないが珪藻の作品作りばかりではデッサン力に陰りが出てくる。それで反省して真鶴港を見下ろす場所からパステルでスケッチした。自宅は住宅地にあるので、周りは家が多く自然に囲まれた感じにはならないが、こんな景色はすぐ近くにあるのである。夏も終わり遠くが霞む、けだるい午後の感じを写し取れればよいのだが。無理だよなぁで終わったのだ。
2017.08.25
放散虫は体を包む細胞膜の他に核などを包む中嚢があるそうだ。小生の高校時代は細胞の説明など簡単なものだったが、今は「生物図録」なるビジュアルなものがある。教科書の補助に使っているのかもしれないが、細胞についても今時の高校生は大変だねと思えるくらい記載は多い。
「生物図録」や「ずかんプランクトン」などを使って放散虫の内部構造を想像してみたのが今日の画像だ。3っ目の骨格に核を入れて、2っ目の骨格に中嚢を持ってきて小胞体やゴルジ体をその中に入れてみた。
突起が沢山あるが、動き回るのになにか必要だし「ずかんプランクトン」の図や生態写真を見るとあっても良さそうなので入れてみた。前回の図に較べると賑々しくなった。単細胞とは言え内容豊富だ。しかも、描いていないものもまだあるし実物はぎっちり沢山のものが詰まっているのだろう。
2017.08.20
前回の放散虫の下側は欠けているような気がしたのであるが、キチンとしたのはこれだろうというのがあった。
放散虫は海洋生の単細胞動物だそうだ、古生代から棲息して珪酸質の骨格は海底に降り積もり厚い地層となって今に残る。チャートとか言う固い地層だ。それを薬品で溶かして放散虫の殻だけを取り出し電子顕微鏡で確かめると年代測定が出来るというのだから科学の進歩はたいしたものだ。
生態はよく分かっていないそうだが、動物プランクトンだから珪藻と違い餌をとらなくてはいけない。大口だとかなり大きい餌でも食べられるわけだ。それで考えたのが右の図だ。骨格の周りに細胞膜を巡らし、核は三重円の中に鎮座して、反対側に口を開けてるわけだ。
いけないことではあるが素人の勝手な想像を披露したのだから、勿論、信用してはいけない。
この検体は骨格の厚さがよく分かる。すごくしっかりしていて相当もまれても平気だろう。しかも、内円ほど薄くなっている。毎度のことながら生き物の素晴らしさである。
2017.08.15
これもMWS放散虫プレパラートJ482から、40X NA=0.65の対物レンズで暗視野撮影したものだ。
顕微鏡は不思議な世界で内部が見えたりする。深度合成を使って表面を取り除けたような絵も作れるわけだ。
上段は全体像だ。小さめの穴が満遍なく空いているが壊れて欠けているところもあるし、棘もいくつかある。
中段は真ん中辺まで取り去ったものだ。さすがに内部は鮮明ではないものの三重構造なのがよくわかる。
下段は二番目の内球表面が分かるようにしたものだ。鮮明さはないが表層よりもかなり大きな穴が空いているのが分かる。
面倒ではあるが、手作業で深度合成した。時間はかかるし根気もいるが、放散虫の内部構造が身に沁みてくるような気もした。
2017.08.10
MWS放散虫プレパラートJ482から、40X NA=0.65の対物レンズで暗視野撮影したものだ。インチキ深度合成だから、よく見るとつじつまが合わないのだがご容赦願おう。
プレパラート発注仕様は壊れたものでなのだが、完品も入れていますのでご承知下さいとのことであったが、この画像はそうだろう。へそ曲がりの人でもこういうものを見せられると、やっぱり嬉しいよね。となるのだ。
2017.08.05
ヤブ蚊の毛は取れやすい。捕まえた翌日にはAのように胸の後ろがすっかりなくなってしまった。狭いところに閉じ込めているので背中を壁にこすりつけてしまうのだろう。
毛も針状の棘毛と団扇型の鱗片がある。大きさも形も様々だ。網羅しているわけではないが、いくつかを生物顕微鏡で確認したのがB、Cだ。透過光なので色の違いは現れないが、団扇のように骨があり面そのものは非常に薄いようだ。
2017.07.30
ヤブ蚊の季節だが、この頃は多くないような気がする。庭に出ると沢山噛まれてかゆくてたまらん状態だったはずだが、そんなに多く噛まれないし、たまらんと言うほどでもない。
今日の画像は、腕に止まったところを御用にした奴だ。背中の両脇にも白鱗片があるのでヒトスジシマカではなくミスジシマカではないだろうか。
体に触れることなく御用にしたから鱗片も無事で綺麗な個体だ。
ハエもカも全身毛に覆われているのだが、ハエは直毛で小さいが、カは鱗片状だ。それも幅の広いのや狭いのやいろいろで隙間もなく覆われている。しかも取れやすい。何故違うのか疑問なのだが全然解決しない。何事によらず昆虫の体の仕組みに合理的な理由は必ずあるはずなのだが。
2017.07.25
ピントをずらした4枚を切り貼りした模擬深度合成だ。40枚をソフトで深度合成したが汚らしくなってしまったので使うのを諦めて手作業に挑戦したわけだ。なんとなくそれらしく見えるのではなかろうか。
下半分が欠損している個体で、上面はやや平な面を持ち、両脇は丸いという個体ではないかと思うが、見極めるのは難しい。ピントの移り具合から判断すると上面は窪んでいないのだが、この画像を見るとどう見てもヘッコンデいるよね。となる。
対物レンズ40Xの世界は頭を捻るばかりだ。
2017.07.20
MWS放散虫プレパラートJ482はとにかく沢山封入されているから、球状の放散虫で内部に入れ子の小球を持っているのでもいろんな状態が分かるようになっている。
上段のは、ほとんど完品ではないかと思えるもので、表面の穴の空き具合がよく分かる。中央部がやや黒ずんでいるのは中に小球があるためだ。
下段は表面がかなり壊れていて中の小球と支柱の様子がはっきり分かる奴だ。
この二つは隣り合わせに並べられていて、にくいですねえと言うわけだ。
入手してから一ヶ月近くなって、当初の興奮状態は納まってきている。やっと落ち着いて見れるようになってきたようだ。
2017.07.15
前回の10X画像の左下にある球状の放散虫だ。球状とはいっても前回のものとは大分違う。内部に小球はないし、開口の穴の大きさはかなり大きい。なにより突起がある。
上段は深度合成したものなので、角というか棘といおうか突起物が全体に取り巻いているのが分かる。
下段は深度合成なしの一枚物だ。ほんのわずかな範囲しかピントはこない。
ここには載せないが裏側もしっかりあった。完全に丸いままのものに違いないだろう。大きな開口が向かい合うように2つ存在し、その周りを小さな開口が取り巻き、離れるに従って大きな開口になっていく様に見えた。そして、全体の棘。
全体像が掴みやすい大づかみな構造をもっている放散虫だと感じられたが、部分の欠けたものよりは完品なればこそのことだろう。また、中心になる開口も横を向いているのも意味があるようだ。個体の選定から置く向きまでMWSの配慮には深いものがあると思うのだ。
2017.07.10
MWS放散虫プレパラートJ482を偏斜照明で撮影したものだ。暗視野とは違ってキラキラ感はなくなるものの穏やかな柔らかみのある味わい深いものだった。
上段は10Xで撮影したもので、右下の球状の放散虫を40Xで撮影したのが下段になる。3枚を合成したのでこのように一度に見えるわけではないが、球体の中にもう一つ球があるのがはっきり分かる。
かなり壊れているのものの、かろうじて中のものも残ったラッキーな個体だ。
支柱も残っているかと探せば左下に3本それらしいのが見えるし、黒く潰れているのも何本か見える。
素晴らしい。壊れていればこその絵である。
そしてキチンと正面を向いているのは何ともいえない気持ちよさがある。
目にも見えないような微細な放散虫を自在に取り扱い、しかも、動かすことなしに封入する。プロなればこその仕事だが、良くこんなものが作れると唸るばかりだ。
2017.07.05
Hの中程になるが2011.07.15に絵にしたのを載せている。ハエ(双翅)目短角亜目アシナガバエ科ヒゲアシナガバエ亜科マダラホソアシナガバエというらしい。体長0.6センチメートル。となっているが、この写真のは0.8センチメートルぐらいある。前は名前まで書いたが同定の難しさも知らず暢気なことであった。
この時期よく見かける。今朝3匹ばかりカラーの葉を飛び回っていたのを捕まえようとしたが旨くゆかず手こずったが、飛び去ることをしないのでやっとのことで捕まえた。普通のハエは何回か失敗するとどっかに行ってしまうが、アシナガバエはなかなか去ろうとしないようだ。機敏さに自信があるのか、危険をあまり感じないのか妙な気分である。
しかし、アブラムシ、アザミウマ、ダニなどが餌だそうで獰猛な種類なのは間違いがない。